観劇日記(劇場編)2017年


自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)

観劇日記(劇場編)2010年  観劇日記(劇場編)2000年
観劇日記(劇場編)2009年  観劇日記(劇場編)1999年
観劇日記(劇場編)2008年  観劇日記(劇場編)1998年
観劇日記(劇場編)2017年  観劇日記(劇場編)2007年  観劇日記(劇場編)1997年
観劇日記(劇場編)2016年  観劇日記(劇場編)2006年  観劇日記(劇場編)1996年
観劇日記(劇場編)2015年  観劇日記(劇場編)2005年  観劇日記(劇場編)1995年
観劇日記(劇場編)2014年  観劇日記(劇場編)2004年  −−−−−−−−−−− 
観劇日記(劇場編)2013年  観劇日記(劇場編)2003年  観劇日記(劇場編)1993年
観劇日記(劇場編)2012年  観劇日記(劇場編)2002年  −−−−−−−−−−− 
観劇日記(劇場編)2011年  観劇日記(劇場編)2001年  −−−−−−−−−−− 


髑髏城の七人 上弦の月/滅びの国/父の黒歴史/秘密の花園/OLと課長さん
近松心中物語/夜、ナク、鳥/彼の地U/毒おんな/隣の芝生も。
不思議の国のアリス/赤道の下のマクベス///


No:013  Farewell / 松本紀保プロデュース
Theater:サンモールスタジオ
Date:04/08 M
Sheet:E-12
Price:\3,800
作:松本哲也
演出:青山勝
出演:伊達曉、久保貫太郎、山田百次、柿丸美智恵、異儀田夏葉、斉藤ナツ子、小野川晶、松本紀保
映画監督近浦啓さん、映画美術監督部谷京子さんのアフタートークあり。
妻からの一方的な申し出で別れることになった夫婦。連絡の途絶えていた二人だったがある日偶然再会し、久しぶりに言葉を交わす。共にすごした過去と別々にすごす今。別れて良かったと妻は主張し、夫は未だに惜しんでいる様子。やり直す可能性の無い二人はわずかな時間を共にし、再び別れる。別れた夫婦が語らう、今は果たしてどこまでが本当なのだろうか。
とても期待して行った公演だけど、ちょっと内容が好みではなかったかなぁ。いや〜な感じになっちゃう女性と駄目男しか出てこない、それぞれの人の裏側にあるものが自分には読みにくく、なんか負の連鎖しか見えてこなかった。未練のある男、ないといいながら今に自身が無い女。女が最後に全部人のせいにする吐露するシーンがピンと来なかった。とは言え、この空間で紀保様、異儀田様、伊達さんが見られるのはとても嬉し。最初の久保さんと斉藤さんのシーンに違和感を感じて、つまづいた感じがあったかなぁ。松本さんの演出だったらどうだったんだろって、ちょっと思う。
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No:012  赤道の下のマクベス / 新国立劇場
Theater:新国立劇場 小劇場
Date:03/25 M
Sheet:B3-8
Price:\5,238(okepi\4,000)
作・演出:鄭義信
出演:平田満、池内博之、浅野雅博、尾上寛之、丸山厚人他
 947年夏、シンガポール、チャンギ刑務所。死刑囚が収容される監獄・Pホールは、演劇にあこがれ、ぼろぼろになるまでシェイクスピアの『マクベス』を読んでいた朴南星(パク・ナムソン)、戦犯となった自分の身を嘆いてはめそめそ泣く李文平(イ・ムンピョン)、一度無罪で釈放されたにも関わらず、再び捕まり二度目の死刑判決を受けるはめになった金春吉(キム・チュンギル)など朝鮮人の元捕虜監視員と、元日本軍人の山形や黒田、小西など、複雑なメンバーで構成されていた。BC級戦犯である彼らは、わずかばかりの食料に腹をすかし、時には看守からのリンチを受け、肉体的にも精神的にも熾烈極まる日々を送っていた。ただただ死刑執行を待つ日々......そして、ついにその日が訪れた時......。(新国立劇場HPより)
 今まで持っていた鄭さんの本の印象は、日本に翻弄された朝鮮の人々だけれども、その史実などよりも家族やコミュニティーの生活を元にした物語であり、戦争や支配はその背景にあったきがしていた。今回の作品はもの凄くストレートに描かれていて、それは初演は韓国での上であったことにも関係があるのかもしれない。役者さんの熱は凄く、客席にもその熱は伝わり、自分もカーテンコールの拍手は心からのはたき続けていた。好きな尾上さんの負の背負いかたって言うか、そういった表情が好き。池内さんが最後に絞首刑になる瞬間の切ないこと切ないこと。話の好みで言えば「焼肉ドラゴン」「すべての四月のために」の方が圧倒的に好きだし、演出もセットも取り立てて珍しい感じはしないけど、心は揺さぶられるお芝居。
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No:011  不思議の国のアリス / ドラマフェスタいn入間
Theater:入間市民会館
Date:03/24 M
Sheet:自由
Price:\1,500
 不思議の国のアリスを原作にしたミュージカル。
 知り合いの娘さんが出るので観に行く。お芝居自体は、鳥獣戯画の方達がフォローアップしていて、セット、音響、照明とかなりちゃんとしているが、総勢50ほどのキャストは地元も普通の子供たち。1日の公演の為の4ヶ月の稽古は嘘をつかず、歌やダンスはかなり仕上げてあって、堂々たるもの。何よりもカーテンコールの演者の笑顔が素敵。凄く前に読んだことはあったけど、アリスって、こんな話だったんだ。
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No:010  隣の芝生も。 / MONO
Theater:座・高円寺
Date:03/18 M
Sheet:C-13
Price:\4,200
 元やくざの男たちは、足を洗って探偵業を始めたが、弱小組織の組長だった男は以前失敗した仕事の組織から狙われている様子。そこへ、恩のあるビルのオーナーの娘が訪ねてきて、父は入院していると言う。一方、向かいの部屋ではスタンプ店を営む若者たち。兄妹で始めた商売であるが、放浪癖のある兄は度々失踪、そして、今回はなんの予兆もなしに何日も行方が不明だった。隣の探偵に頼むと兄はすぐに見つからる。誰の思惑で、翻弄されているのは誰なのか。
 だいたい100分前後のMONOには珍しく、2時間のお芝居。飽きなかったけど、MONOはいつもの時間くらいがいいかなぁ。ちょっといつもより、笑いに重みが傾いた感じで、若い人とのコントラストも楽しいポンコツな元ヤクザとスタンプショップを営む若者たちのお話。「のぞき穴、哀愁」みたいなのを想像したけど、どちらかというと状況は「錦鯉」にちかい匂い。相変わらすおかしいずれた会話劇と人の真理をつくような台詞は健在、最後のカタルシスもMONOらしい。そして、対談などでも言っていた隣にいる人の気持が分らないと言うの随所に盛り込まれている。若手陣の男性たちの演技がなんかなじんでいて好み。二つの部屋はセットが回転する仕組みになっているけれど、場面転換の回転のときにそれぞれの裏側に当たる真ん中の部分が見えちゃうのは残念。
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No:009  毒おんな / 椿組
Theater:ザ・スズナリ
Date:03/11 M
Sheet:D-1
Price:\5,000
作:青木豪
演出:高橋正徳
出演:小泉今日子、福本伸一、津村知与支、外波山文明他
 北海道の田舎町で農場のペンションを経営する夫婦の下に、札幌で輸入食品の会社の会長をしている叔父が訳ありな女を連れてくる。女は、料理教室の講師をしていて、元夫のDVを受けていたと言う。叔父、農場に出入りする獣医の男は、女の魅力にお金を用立て、関係を結ぶ。周囲の女性たちは、女のいぶかしさにイライラを募らせる。女の毒牙が沁みてくるころ、その過去が明らかになってゆく。
 話の内容は違うけど、グリング「ゲットバック」「jam」、モダンスイマーズ「悲しみよ、消えないでくれ」を思い起こさせるようなセットや雰囲気で、昔のグリングっぽさがあって、青木さんの繊細で、人の業をたどったような本が戻ってきた感じがして、すごく嬉しい。小泉さんは、自分にとって映るその立ち方みたいなものはすごく好きで、色々芝居観たけど、作品的にあまり当たりと出会わなかった女優さんだけど、今回は、作品も面白く、「労働者M」の時以来の好印象。津村さんと小泉さんの絡みのシーンは、小劇場好きにはたまらないし、福本さんの妻演じる椿組岡村さんが、秀逸の好演。全体的にグリングの芝居なんかと比べるとちょっと芝居が大きくなってる気がするのがちょっと残念かなぁ。あとは、小泉さんに心を持ってかれる男の心理をもうちょっと細かく描いてほしいかなぁ。綺麗な女の人だからってだけだと説得力ないし、さすがに演技だけでって事はないかと思う。「ヒトガタ」書いた豪さんだからって求めすぎなのか。
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No:008  彼の地U〜逢いたいひ、と。 / 北九州芸術劇場プロデュース
Theater:あうるすぽっと
Date:03/04 M
Sheet:自由
Price:\3,000
 母の亡霊を背負い、地元に戻ってきた女性と、それぞれに確執をもった兄と弟たち。幼い頃、母の浮気を元に、離婚した両親、長男のみ父の元へ行き、長女と2人の弟は母と暮らすが、母はやがて亡くなってしまう。長男次男は、幼い頃は中が良かったが同じ鋼鉄の企業に勤め、何かともめあっている。三男は、うどん屋働いている。
人を殺めた罪を肩代わりして刑務所に入っていた男と、殺された男の妻、その妻に毎月お金を送っていた男の兄。兄は、いつしかその未亡人に心を寄せていた。そして、花火職人としての思いを貫き、大きな花火を打ち上げる。
東京から逃げ、自分を親友と慕っていた男の元に逃げたしてくる男と慕われた男の従妹。親友と慕っていた男は、東京の男をとてもできの良い男ともてはやし片足を失っている従妹に照会し、二人も惹かれあうが、男は東京での自分に挫折し、自分より下の男をよりどころにこの地を訪れたのであった。
NASAに入ると言っていた父の面影を引きずり、閉園した遊園地スペースワールドでバイトをしていた女子高生とアトラクションで主役だった警備員の男。三男の働くうどん屋でバイトしている女子高生は、昔あこがれていたキャストの変わり果てた姿にも、同じところで輝いていた自分の姿と父とを重ねる。
連絡船の行き交う湾を挟んで働くすれ違いのカップルと彼らの先輩の女性。先輩の女性を慕う後輩の女の子と昔から恋心をもっていた男、先輩は上海に赴任することが決まり、三人の気持ちが揺れ動く。
パーテンダーをしていて体を壊した男と小説家をして成功した元妻。現在タクシー運転手をしている夫を理由もいわず、あちこちに連れまわす妻、あちこちを回るうちに自分が病気であることを明かす。
単身赴任が決まり住む場所を探しに来た男。たどり着いた街で地元に戻ってきた女性とある間違えから出会う。その後も、うろたえて、街で家を探しながら、街の人たちと触れ合っていく。
 バラちゃんは一人一人の人物を丁寧に描くので、全く自分と関係ないところにいる人々でも何となく感情移入ができるし、それぞれの人に寄り添いたくなる。その描かれる人々は我々の延長線上にいて、母が亡霊(心の中に)出てくるのは、「めぐるめく」なんかにもあったファンタジックな部分かもしれないけど、それすらもどこかリアルになる。そして、この「彼の地」シリーズは、観ていると北九州という街に無性に行ってみたくなる。それは、バラちゃんがプロデューサーを通じて出会い、企画公演を行うことで北九州と言う街に寄り添ったからなんだと思う。愛だぁ、そして、まだまだ、私の桑原裕子愛が止まりません。
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No:007  夜、ナク、鳥 / オフィスコットーネプロデュース
Theater:吉祥寺シアター
Date:02/25 M
Sheet:D-3
Price:\5,000
作:大竹野正典
演出:瀬戸山美咲
出演:高橋由美子、安藤玉恵、松本紀保、松永玲子、政岡泰志、成清正紀、井上幸太郎、藤井びん
 4人の看護師による保険金殺人事件。彼女達は自分の夫を殺害し、保険金を受け取ったーー。2002年に福岡県久留米市で実際に起こった看護師4人による保険金連続殺人事件をモチーフに描く。わかりやすい行動をとる男たちとは違って、大竹野正典が描く女はいつも不気味だ・・・。(オフィスコットーネHPより)
 作の大竹野正典さんと言う方は、関西の劇団を主宰されていて、2009年に事故死、そして、その後に戯曲賞(本作ではないが)を受賞されているそうである。
 背筋が寒くなるようなお話に、医療に従事する女性同士の友情と呼ぶ薄くて、強い繋がりの実話を元にしたお話。優しさと生きることとを揺れ動く女性を高橋さん、松本さん、安藤さんが好演。そして、この三人を横に並べて、カーテンコールの合図出してた座長的な役割?の松永さん、恐ろしいまでの嫌な女を堂々と。これから人を殺めようとしている人たちが、心から患者を救おうとする終盤のシーンは、人の奥にある本性みたいなものの一辺を叩きつけられたよう。ある意味この四人の女性をキャストした時点で成功している気がする舞台だけど、やっぱり本番の舞台は圧巻。これは果たして、女性だからの心理なのだろうか。確かに、引き込まれる側は、上辺での繋がりからづるづるとな部分と言うのは、ステレオタイプに女性を語れば、傾向的にそうであるんだろうけど。主犯格の女性に関しては、この物語を引っ張ってこそはすれ、女性と言う部分に視点を当てた場合には、他の女性三人とはかけ離れている気がする。そう考えると最後のびんさんを看取るシーンで観るべき人は松永さんだったのかもしてないと思うと、紀保さんの気持ちばっかりに注目してしまったのは残念。政岡さんの壊れっぷりと成清さん、井上さんのダメ男っ振り、藤井さんの死を前にした男性の役ががまたいい。
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No:006  近松心中物語 / シス・カンパニー
Theater:新国立劇場 小劇場
Date:02/04 M
Sheet:14-50
Price:\9,500
作:秋元松代
演出:いのうえひでのり
出演:堤 真一、宮沢りえ、池田成志、小池栄子、市川猿弥、立石涼子、小野武彦、銀粉蝶
 そこに、小道具商傘屋の婿養子・与兵衛(池田成志)が、折り合いの悪い姑お今(銀粉蝶)に追い出され、ある廓に身を沈めていた。もともと気弱で、うだつのあがらない亭主だが、女房のお亀(小池栄子)にとっては、所帯をもってもなお、恋い焦がれる相手。行方知らずのダメ亭主を案じ悲しむ娘をみかねて、姑お今が自ら与兵衛を連れ戻しに新町にやってくる。「二度とこの男を廓に近づけないでくれ」と周囲に念押ししながら、連れ戻される与兵衛。そんな与兵衛とは対照的に、廓に縁のなかった飛脚屋亀屋の養子忠兵衛(堤真一)は、店の丁稚が拾った封書に一分の金が入っていたため、親切心から、その差出人の槌屋平三郎(小野武彦)を訪ねて新町に足を踏み入れてしまう。そこで偶然出会った飛脚仲間の八右衛門(市川猿弥) の強い誘いも振り切り、店を立ち去ろうとする忠兵衛。だがその時、店には、出先から戻って来た遊女・梅川(宮沢りえ)が…!何かに打たれたように、立ちすくみ無言で見つめ合う二人…。その瞬間から、忠兵衛は憑りつかれたように梅川を追い求め、店の中へと消えて行く。ある日、幼馴染の与兵衛のもとに、忠兵衛がやってくる。愛する梅川の見請け話が持ち上がっていて、養子の自分には自由になる金もなく、与兵衛に手付の金だけでも貸してくれと泣きついてきたのだった。同情した与兵衛は、なんと店の金箪笥をこじ開けて、そこにあった大金を忠兵衛に渡してしまう。喜びいさんで新町に戻り、手付金を支払い安堵する忠兵衛と梅川だったが、運命は二人には微笑まず、更なる難題が…。そして、店の大金に手を付けたことで家を出た与兵衛と、それでも夫を慕い追いかける妻・お亀。<忠兵衛・梅川><与兵衛・お亀>の崖っぷちの男女二組の運命は…?あてのない逃避行へと向かう二組の男女の情念の行く末は…?(シス・カンパニーHPより)
 お話自体は、あまり好みじゃないけど、キャスト魅力的。宮沢さんは、出てきたとたんに、空気が変わるのを感じる。堤さんと宮沢さんが、直球なお芝居で魅せまくるなか、小池さんと成志さんが笑いを作る役。この二人がまた見事に、芝居を壊さずに、笑いを作る。小池さんはほんとに観る度に、より良い女優さんになっている気がする。この芝居に、笑いは要らないだろって、気もするけど、そこをエンターテイメントに仕上げるのがいのうえさんの凄さなんだろうなのかも。いのうえの近松が観てみたいと言った蜷川さんは天国でどんな感想を持ったんだろうか。新国立の舞台の奥行きの深さは、うまく使うとほんとに魅力的、なのでラストのほうだけじゃなくて、セットも含めてもうちょっとそこを使えたらなって思った。
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No:005  OLと課長さん / 関村と浅野
Theater:スタジオ空洞
Date:01/28 S
Sheet:自由
Price:\1,500
作・演出:関村俊介
出演:異儀田夏葉、後藤飛鳥、伊達香苗
 OLの昼休み、ベンチでたわいも無い話をしているところに女課長。弁当勝ってきてほしいだの、奢ってだの、仕事しろだの、止めたいだののどうでもいい話を面白おかしく軽演劇。
 思いっきり軽演劇なスタジオ公演。目当ての異儀田さんは、言わずもがなだけど、伊達さんが面白い面白い。今後注目。あるあるに走るわけでもない、ナンセンスなOLと女課長の会話がまたよし。
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No:004  秘密の花園 /
Theater:東京芸術劇場 シアターイースト
Date:01/27 M
Sheet:C-12
Price:\6,500
作:唐十郎
演出:福原充則
出演:寺島しのぶ、田口トモロヲ、柄本祐、池田鉄洋、川面千晶他
 日暮里にある古びたアパートの一室。この部屋に暮らすのはキャバレーのホステス「いちよ」(寺島しのぶ)とポン引きの夫、「大貫」(田口トモロヲ)。この夫婦のところに店の客であった「アキヨシ」(柄本佑)はもう二年もの間、毎月自分の給料を何の見返りも求めずに届けている。そんなアキヨシにいちよはよく「生まれる前の港で、契りを交わした」という話を語り聞かせていた。 一方で、いちよは町の権力者、「殿」(池田鉄洋)の甥っ子である「かじか」(玉置玲央)から熱烈なプロポーズを受けていた。そのかじかにもらった婚約指輪がどうしても薬指から抜くことができない。いちよをめぐり、3人の男達の想いが交錯する中、アキヨシはいちよにある事実をうちあける。そこへアキヨシの姉「もろは」(寺島しのぶ)も現れ、日暮里の森がおおきくざわつきだす。(東京芸術劇場HPより)
 唐さんも濃いアングラ芝居も初めて、今回の作品は福原さんのお芝居と似て、とっても突拍子ないことが出てくるけど、福原さんよりも、より観念的というか小難しい台詞が多い気がした。寺島さんは、体を張った演技で、2人の女性を演じて、艶っぽさ、徒っぽさ、コミカルさと色々見せてくれる。トモロヲさんが、ガンガン色んな事仕掛けてるのがおかしいけど、ちょっと、芝居が止まる感じもした。イケテツさんはその分おさえ目になってるかな。柄本さんの飄々も好感。演出で、ガンガン水が降ってくる。
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No:003  父の黒歴史 / ラッパ屋
Theater:紀伊國屋ホール
Date:01/21 M
Sheet:B-15
Price:\4,980
客演:松村武、谷川清美、ともさと衣他
 歴代の妻二人と愛人四人の子供を認知して、旧宅に暮らし、齢九十にして現役の社長から退かない老人。こともあろうに市長選挙に。それぞれ思惑を重ねる子供たち、そんな時蔵から拳銃や昔の日記が見つかり、父親の過去に後ろめたいものがあるのではと疑惑をもち大慌て。さて、この一家の行方はいかになドタバタハートフルコメディー。
 客演が多いながらも抜群の安定感のラッパ屋。老舗の定番な味ながらも、ちっとずつ時代ごとに味付けを変えたりしているところもお見事。ここに松村さんの無駄と思えるほどのエネルギー感がまたよくはまる。人間の滑稽さとか愚かさとかと共に温かさやつながりなんかをコミカルな中にもきちんと入れてくるのが鈴木さん。今回は、麻紀ちゃん大活躍なのも嬉しい。
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No:002  滅びの国 / ロ字ック
Theater:本多劇場
Date:01/20 M
Sheet:E-21
Price:\4,800
客演:吉本菜穂子、三津谷亮、黒沢あすか、オクイシュージ他
 出世頭の夫と見合い結婚した女は、部下と不倫をする夫との間もギクシャクし時間を持て余し虚無感を感じながら暮らし、心の迷いから男を買ってしまう。買った男は、シェアハウスで悪い仲間と暮らしていて、酒池肉林な状態。彼もまた、行く先を見失い、自分の居場所を探しているのであった。
 若者側の描き方や大音量の音楽がポツドールっぽいんだけど、熱量や裏に描かれる救いみたいなものがKAKUTAっぽくも。もっともっとわき道から攻めてくるものだと思ったけど、結構ど真ん中勝負。話もそんなにすっ飛んだものでもないけど、2時間半でも全然飽きなかった。随所ではプロンプトでも出される台詞がキャッチーなんだけど陳腐にならずにすごく効果的。そして、吉本菜穂子様、やっぱり素敵、際物っぽさとシリアスさって中々両立しないと思うけど、それがはまっちゃうのがいい。
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No:001  髑髏城の七人 上弦の月 / 劇団新感線
Theater:IHIステージアラウンド東京
Date:01/08 S
Sheet:15-31
Price:\13,000
出演:福士蒼汰、早乙女太一、三浦翔平、須賀健太、渡辺いっけい、高田聖子、粟根まこと、市川しんぺー、村木仁他  花鳥風月の月の上弦の月バージョン。基本的に下弦の月と同じでキャストが違う。
 全体的になんかバランス悪い感じがして、こじんまりとした感じもしちゃう。福士さんは、線が細くて粗さがないので、捨之介のキャラがつぶれちゃうかなって思った。今回は天魔王役の太一さんは、殺陣や所作が綺麗だけど、蘭兵衛役の方が好き。須賀さんは、軽やかで、三浦さん、声がいい。初めて観た97年の極楽太夫役の聖子さんが、設定は変われど同じ役なのが嬉し。下弦のまことさん、上弦のしんぺーさんの猫ホテ雁鉄斎対決は、自分にとっては月で一番の至福、どっちかっと言うと、まことさんが良かったかなぁ。終盤の絵面は、ほんとに美しい髑髏城。花鳥風月、コンプリートして、最初の花が一番勢いもあってよかったかなぁ。
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