観劇日記(劇場編)2016年


自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)

観劇日記(劇場編)2010年  観劇日記(劇場編)2000年
観劇日記(劇場編)2009年  観劇日記(劇場編)1999年
観劇日記(劇場編)2008年  観劇日記(劇場編)1998年
観劇日記(劇場編)2007年  観劇日記(劇場編)1997年
観劇日記(劇場編)2006年  観劇日記(劇場編)1996年
観劇日記(劇場編)2015年  観劇日記(劇場編)2005年  観劇日記(劇場編)1995年
観劇日記(劇場編)2014年  観劇日記(劇場編)2004年  −−−−−−−−−−− 
観劇日記(劇場編)2013年  観劇日記(劇場編)2003年  観劇日記(劇場編)1993年
観劇日記(劇場編)2012年  観劇日記(劇場編)2002年  −−−−−−−−−−− 
観劇日記(劇場編)2011年  観劇日記(劇場編)2001年  −−−−−−−−−−− 


なるべく派手な服を着る/夫婦/そして母はキレイになった/あぶくしゃくりのブリガンテ/逆鱗
彼の地/同じ夢/人の気も知らないで/葉子/いつかの膿
裸に勾玉/家庭内失踪/焼肉ドラゴン/たとえば野に咲く花のように/スケベの話
カガクするココロ/北限の猿/嗚呼いま、だから愛。/そして友は二度死んだ/男を読む。
女を読む。/8月の家族たち/勇気出してよ/猫を読む。/パーマ屋スミレ
日の本一の大悪党////


No:026  日の本一の大悪党 / 明後日プロデュース
Theater:本多劇場
Date:6/19 M
Sheet:P-11
Price:\6,800
作:竹田新
演出:小泉今日子
出演:安田顕、小泉今日子、山野海、津村知与支、福島マリコ、浜谷康幸、渡部豪太他
 「四谷怪談」をモチーフにした物語。お岩はこよなく夫伊右衛門を愛するが、周りの人間たちもその愛は大きい。そんな愛が悲劇を招いてしまう。普遍的な愛の物語。
 もっと色々変化球を投げてくるのかと思ったけど、なんともどストレートなお芝居で意外だった。とすると、伊右衛門、お岩の心情が掘り下げられるような、役者芝居かと言うとそうでもない気が。声がかれてたけど、安田さんの出す男っぽさと垣間見せるだらしなさや甘さはいいと思ったし、キョンキョンは舞台での存在感はあるけど、二人の演技バトルかと言うとそうでもない。小泉さんはどんなことがしたかったのかを自分に感じられなかったのが残念。津村さんと福島さんのシーンは、小劇場好きにはいいおまけだなぁ。
このページの頭へ

No:025  パーマ屋スミレ / 新国立劇場
Theater:新国立劇場小劇場PIT
Date:6/5 M
Sheet:D-2-15
Price:\4,900
作・演出:鄭義信
南 果歩、根岸季衣、村上 淳、千葉哲也、久保酎吉、星野園美他
 1965年、九州。「アリラン峠」と呼ばれた小さな町があった。そこからは有明海を一望することができた。アリラン峠のはずれにある「高山厚生理容所」には、元美容師の須美とその家族たちが住んでいる。須美の夫の成勲は炭鉱での爆発事故に巻きこまれ、CO患者(一酸化炭素中毒患者)となってしまう。須美の妹・春美の夫もまたCO患者となり、須美たちは自分たちの生活を守るために必死の戦いを始めた。しかし、石炭産業は衰退の一途をたどり......。(新国立劇場HPより)
 南果歩さんの印象がものすごくいい。強く芯のある女性の造詣の上のかわいらしさが、この舞台の魅力をさらに高みへ。若干、病気に苦しんだり、葛藤したり、争ったりと冗長に感じられるシーンが多く、役者さんの魅せどころなのかもしれないけど、自分には物語がぶつ切りになる感じがしてしまった。結構厳しい局面が描かれているも、笑いも所々、それが本当にリアルなのかもしれない。
このページの頭へ

No:024  アンコールの夜〜猫を読む。〜 / KAKUTA
Theater:すみだパークスタジオ 倉
Date:5/21 S
Sheet:自由
Price:\-(Anniversary Passport)
 工藤直子「ねこはしる」
 好みの問題で言えば、男を読む。や女を読む。のほうが好きだし、音楽も「ショッキングなほど煮えたぎれ」の時のフリサトのほうが好き。ただ、なんともいえない温かな空気や役者さんの中の充実感、バラちゃんの愛があふれてる。これがKAKUTAでやったのでなければ、間違えなく観てはいないタイプのお話ですが、なんかほっこりできた舞台。終演後のアフタートーク&ライブが長すぎ。
このページの頭へ

No:023  勇気出してよ / 小松台東
Theater:三鷹芸術文化センター 星野のホール
Date:5/21 M
Sheet:自由
Price:\2,700
出演:瓜生和成、松本紀保、武井亮介、岩瀬亮、浅野千鶴
 40歳を過ぎて未だ独身の男が、東京での生活に見切りをつけて、生まれ故郷の宮崎に帰って来た。昔、帰郷した時に偶然入ってスナックで、たった一度だけ出会った女性の姿だけを、これからの生活の唯一の希望として。けれど、再会したその女性は、長く交際していた男を病気で亡くし、生まれ故郷の川崎に帰ることを決意していた・・・・・。常連客ばかりがたむろする宮崎の小さな喫茶店を舞台に、今日もまた、そこに集まっている男女の、もどかしいほど切なきすれ違いを描く。
 小松台東いつも魅力的なキャストがいっぱい。ほんとに日常の機微を描いているので、心情的な部分に入っていかないと面白みが出てこない。と言う意味では、かなり役者さんの技量や雰囲気が大切なんだけど、自分的にはそれが十分に味わえるキャストたち。それぞれの切なさが後になってからじんわりと伝わってくる。素敵。瓜生さんとか紀保さんなんか、観てるだけで幸せなのに、それ以上のものを返してくる。至極の役者芝居。
このページの頭へ

No:022  8月の家族たち / シアターコクーン・オンレパートリー
Theater:シアターコクーン
Date:5/15 M
Sheet:2F-C-17
Price:\10,000
作:トレイシー・レッツ
上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:麻実れい、秋山菜津子、常盤貴子、音月桂、橋本さとし、犬山イヌコ、羽鳥名美子、中村靖日、藤田秀世、小野花梨、村井國夫、木場勝己、生瀬勝久
 8月、オクラホマ州のオーセージ郡。うだるような暑さの中、ウェストン家の三姉妹のうち、長女バーバラと次女アイビーが実家に戻ってきた。詩人でアルコール中毒の父ベバリーが失踪したというのだ。ベバリーは家政婦ジョナを雇った直後に、姿を消していた。家に残されていたのは、薬物の過剰摂取で半錯乱状態となり、口を開けば罵声を娘たちに浴びせる母バイオレットだ。長女バーバラは夫のビル、娘のジーンを伴っていたが、家族には明かせない問題を抱えている。両親想いの次女アイビーもまた、家族には秘密の恋愛を育んでいる。ぎくしゃくした母と娘たちの緩衝材は、陽気な叔母マティ・フェイと夫のチャーリーだ。そして一家に、衝撃的な現実が突きつけられた。やがて三女カレンが婚約者のスティーブを連れて姿を現す。叔母夫婦の息子リトル・チャールズも到着し、ようやく一族全員が揃ったディナーのテーブルで、それぞれが抱える鬱積が爆発し…。(コクーンHPより)
 やっぱり翻訳物はピンとこないなぁって思うけど、飽きずには観られた。3幕3時間強のお芝居、他のケラさんの作品によくある前半のかなり長い時間に状況説明に費やす。そこで自分物の背景を描くからなのか、長くても後半にだれないのかもしれない。薬物中毒の役の麻実さんの演技は、心の弱っている自分にはちょっとつらく生瀬さんの軽妙さや、イヌコさんの可笑しさに救われる。それにしても、ケラさん演出のイヌコさんは絶品。豪華キャストそれぞれに光を当ててなお、それが嫌味にならないのも巧いなぁって。
このページの頭へ

No:021  アンコールの夜〜女を読む。〜 / KAKUTA
Theater:すみだパークスタジオ 倉
Date:5/8 M
Sheet:C-10
Price:\-(Anniversary Passport)
 「朗読の夜」の女性が主役版。
・川上弘美「エイコちゃんのしっぽ」
・江國香織「いつか、ずっと昔」
・西加奈子「炎上する君」
・小池真理子「いきがい」
 西加奈子さんの作品はやっぱり飛んでた。それを演じるのがバラちゃんと異儀田さんって、面白すぎでしょ。ただ、二人自体は、普段の方がよりいい気がしたけど。作品自体は肌に合わなかったけど、ペテカンの四條さんの佇まいが素敵。こちらにも、インターミッション的なオリジナルがあって、男編と繋がってるけど、時系列で女が後になっちゃうので、逆に観るとどうなんだろ。
このページの頭へ

No:020  アンコールの夜〜男を読む。〜 / KAKUTA
Theater:すみだパークスタジオ 倉
Date:5/7 S
Sheet:D-13
Price:\-(Anniversary Passport)
 小説の朗読を台詞の部分はお芝居にして舞台上で演ずる「朗読の夜」。
・桐野夏生「井戸川さんについて」
・いしいしんじ「天使はジェット気流に乗って」
・朱川湊人「昨日公園」
 すごく久々にお腹の調子が悪かったんだけど、あっという間の2時間。いつもなら全く読まないようなタイプのお話なんだけど、こうやって朗読+芝居で面白みが増している感じ。舞台も演技も作りこみすぎてないんで、本の魅力をちゃんと伝えられているんだろうなって。インターミッション的はさまれるオリジナル作品(別れる直前のお互い未練たらたらな夫婦の話を本当の夫婦が演じる)に、素敵な台詞も多く、それもまたアクセント。役者さんは巧拙あれど、いっぱい出演しているのがまた良し。
このページの頭へ

No:019  そして友は二度死んだ / 東京マハロ
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:5/6 M
Sheet:C-11
Price:\4,000
出演:今藤洋子、木ノ本嶺浩、ハルカ、本間剛、福田ゆみ、佐瀬弘幸、樹麗、竹田りさ、川口高志、きえ、山口芙未子、西野優希
 AV女優をやっていた女の葬儀に集まった元同級生たち。彼女たちは、親しくしていた訳でもなく、いじめていた側の人間であった。故人の高校生の頃に兄が痴漢を犯し、そのせいで街を去って上京していた。彼女はなぜそのような人生を歩んだのか、また、同級生たちは何故現れたのか。
 最近のマハロに感じてた押し付け感は弱い感じがするけど、設定がどうもありえない気がするのとモダンやONEOR8なんかに比べて、人の描き方が浅い気がする。物語の核がAVなった故人なのか、同級生たちの贖罪なのか、そもそも懇意の仕事仲間数人に、兄、仲良くなかった同級生のみの葬儀、そこに同級生1人は無縁の娘(いじめにあっている)を連れてきたり、彼女を一番心配してた後輩は遅れてくるなど、どうも後付け感が満載菜感じ。大好きな今藤さんも迷いがあるような感じ。竹田りささん、西野優希が好印象
このページの頭へ

No:018  嗚呼いま、だから愛。 / モダンスイマーズ
Theater:シアターイースト
Date:5/1 M
Sheet:L-1
Price:\3,000
 3年間夫との性交渉がない妻。夫ともに芸人を目指し、雑誌の4コマ漫画を描くことを生業にしている。姉は女優で容姿も全く違う、幼い頃からそのコンプレックスを持っていて、傍から見れば見れば幸せに見えるが、夫がかまってくれないことに自分のアイデンティティを失いかけている中、親友が妊娠を隠していたこと、担当の編集者との肉体関係をもとに、それが爆発。愛って何だろうな物語。
 前半夫婦や友達たちの説明で今一入り込めないんだけど、後半、感情が爆発するにつれて、その元とはってところになってくるとぐんと芝居が集中力を増してくる。主役に人以外の感情やディテールが薄いかなぁ。津村さんのとぼっけっぷりはいいスパイス。
このページの頭へ

No:017  北限の猿 / 青年団・無隣館
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:4/24 S
Sheet:自由
Price:\4,000(2公演通し)
 2005年青年団若手公演を観た作品の再演
 カガクする〜に比べて、なんか役者さんたちにギクシャクした感じがしたのは気のせい。連続してみたことによって、学部生が研究員になっていたり、研究内容が進歩したりしている繋がりがわかってより面白く。この2作を観てしまうと、バルカン動物園が観たくなってしまう。 このページの頭へ

No:016  カガクするココロ / 青年団・無隣館
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:4/24 M
Sheet:自由
Price:\4,000(2公演通し)
 2000年に青年団の再演を観た作品。
 青年団以外の役者さんにばらつきがある感じでちょっと雰囲気を壊す感じの人も。科学シリーズ一番最初のこの作品は、恋愛だったり、進路だったりと、この部分の葛藤や悩みが中心の一幕群像劇だけれど、ここから続く三部作とも思うと巧いつくりだなぁって思う、意図的かは分らないけれど。時代の変化からノートPCを持ち歩くようになったり、場合によったら現在では実現されている技術があったりで細々した部分は改定されているかもしれないけれど、根底にあるものは変わっておらず、その普遍性がオリザさんの好きなところなんだといつも思う。自分もあの研究室のスタッフになっているような感覚がたまらない。
このページの頭へ

No:015  スケベの話 / ブルドッキングヘッドロック
Theater:ザ・スズナリ
Date:4/17 M
Sheet:A-A-9
Price:\4,500
客演:木乃江祐希、安東信助、外村道子、角島美緒他
 ある国の軍人サルマン中佐の邸宅にて、中佐の部下の少佐昇進を祝う、ある日のパーティーで、あるスイッチを渡された大尉、スイッチは、一体どこへ繋がっているのか、中佐の意図は。軍人たちは、中佐の上官の少将の失脚を目論み画策、しかし、誰がスパイなのかの探り合い。そこに怪しげなメイド、絵の先生、妻たちも入り乱れ、何か分らぬ駆け引きがされている。卑猥な暗喩をこめた台詞と共に紡がれる物語。
 ストーリーだけ追っちゃって、心理戦な内容にもやもや。目的や意図、相関関係を巧く見つけられなかったので、駆け引きの動機や意味もピンと来ずだった。頭の悪い自分。前に観たお芝居とは全然違う感じのお芝居だった気がする。
このページの頭へ

No:014  たとえば野に咲く花のように / 新国立劇場
Theater:新国立劇場 小劇場PIT
Date:4/10 M
Sheet:C1-2
Price:\5,400
作:鄭義信
演出:鈴木裕美
出演:ともさかりえ、山口馬木也、村川絵梨、石田卓也、大石継太、池谷のぶえ、黄川田将也、猪野 学、小飯塚貴世江、吉井一肇
 1951年夏、九州F県の、とある港町の寂れた「エンパイアダンスホール」。戦争で失った婚約者を想いながら働く満喜。そこへ、先ごろオープンしたライバル店「白い花」を経営する康雄と、その弟分の直也が訪れる。戦地から還った経験から「生きる」ことへのわだかまりを抱える康雄は、「同じ目」をした満喜に夢中になるが、満喜は頑として受け付けない。一方、康雄の婚約者・あかねは、心変わりした康雄を憎みながらも、恋心を断ち切れずにいる。そんなあかねをひたすら愛する直也。一方通行の四角関係は出口を見つけられないまま、もつれていくばかりだった......。(新国立劇場HPより)
 もつれ合いながらもそれぞれが純愛な物語。時代に沿ったその日と足しhの物語が紡がれているところに好感。ともさかさんはじめ、役者さんが自分のもっているイメージと役柄を演じているんだけど、それが巧くは待っているのも裕美さんの手腕なのかな。道化役を1人で背負う大石さんと、普段だったら道化を演じる池谷さんの演じる切なさが秀逸。池谷さんは、最近大きめの小屋の舞台に立つ事が多く、ちょっと演技が変わったかなと思ったけど、どちらにしてもほんとに素敵な女優さんだと思う。
このページの頭へ

No:013  焼肉ドラゴン / 新国立劇場
Theater:新国立劇場 小劇場PIT
Date:3/21 M
Sheet:C5-16
Price:\5,400
作・演出:鄭義信 出演:馬渕英里何、中村ゆり、高橋 努、大沢 健、ナム・ミジョン、ハ・ソングァン、チョン・ヘソン他
 万国博覧会が催された1970(昭和45)年、関西地方都市。高度経済成長に浮かれる時代の片隅で、焼肉屋「焼肉ドラゴン」の赤提灯が今夜も灯る。店主・金龍吉は、太平洋戦争で左腕を失ったが、それを苦にするふうでもなく淡々と生きている。家族は、先妻との間にもうけた二人の娘と、後妻・英順とその連れ子、そして、英順との間に授かった一人息子......ちょっとちぐはぐな家族と、滑稽な客たちで、今夜も「焼肉ドラゴン」は賑々しい。ささいなことで泣いたり、いがみあったり、笑いあったり......。そんな中、「焼肉ドラゴン」にも、しだいに時代の波が押し寄せてくる。(新国立劇場HPより)
 当時の在日の人達の日常を変に思想的にならずに、偏った感じもなく、描かれているのが好感。そのおかげで、芝居を観ながら色々なことを想えた。日常のなかゆがみや差別や偏見は、小さなものはどこかしこに色々あるもので、戦争はそれを大きくしてしまう。どんな状況においても、人は生きていこうとするもので、厳しくっても笑ったりするものなのだ。強くなければ生きていけないのではなく、状況が人を強くするものなのかもしれない。そんなことやこんなことを想える素敵な芝居だった。幕前からの焼肉シーンから飛行機の爆音とともに芝居が始まる演出は上手だなぁって関心。役所の職員のおめくさんの描き方(立ち退きなどの仕事を自分の意思とは関係なく執行させる)も巧い。冒頭の中村ゆりさんは、WOWOWのドラマでものすごく素敵な女優さんだっていう先入観があったけど、舞台では全然違う感じだった、でもそれもまたよし。いい芝居観ました。
このページの頭へ

No:012  家庭内失踪 / M&Oplays
Theater:本多劇場
Date:3/13 M
Sheet:C-2
Price:\6,500
作・演出:岩松了 出演:風間杜夫、小泉今日子、岩松了  後妻と暮らす男の家、先妻との娘が戻ってきている。そこには、娘の夫の会社の後輩が年中様子を見に訪れ、夫のサークル仲間はその後輩の様子を伺いに訪れてくる。主の友人は、いつも変装をして現れ、妻と別居して様子を伺っているらしい。主と後妻は夜の営みの価値観で確執。訪れてくる後輩は、後妻に密かな思いを寄せている。こんな状況での騙し騙され、腹の探り合いな人間模様。
 岩松さんの長台詞芝居に、前半ウトウト。ただ、覚えてはいないんだけど、巧いなぁって台詞が随所にあって、こういうところが楽しみどころなんだろうなとは思う。疲れと集中力のない自分には不向きなのか。主演二人の存在感は凄いし、ふと見せる小野さんの艶っぽさが素敵。いつも残念な思いをするけど、こういう芝居を集中して観られるようになりたいなぁ。なんかコツをつかむととたんに面白くなるって言うのは感じてるから。
このページの頭へ

No:011  裸に勾玉 / MONO
Theater:シアタートラム
Date:3/6 M
Sheet:J-7
Price:\3,500(早期割)
客演:山本麻貴、もたい陽子、高橋明日香、松原由希子
 弥生時代、邪馬台国の隣の狗奴の国、国境に住む村八分にされていた男に育てられた男3人、女1人の兄弟。村の中心から離れて暮らし、村人からも疎まれている。そこに現代人がタイムスリップ、1人は彼らの中に加わり、他の2人は村の中枢で暮らしていた。邪馬台国との戦いが始まりそうな時勢に、志気を煽るために村のおきてに従わない彼らを見せしめに襲いにやってくる。兄弟の中の確執、村からの差別、村に入った現代人と彼らの中に入った現代人、男と女、色々な考え方や状況、思いの違う人達の物語。だけど、最後は現代人の夢落ち。
 「橋を渡ったら泣け」にも似たテイストがあって好きな芝居。よく描かれる集団が変わり行く様子よりも、より個人の多様性みたいな部分にスポットが当てられている気がする。嘘弥生言葉も土田さんお得意の嘘方言の台詞と同様、軽妙で聞きやすく、迷い込む現代人の使う言葉とのギャップも面白い。ただ、個人的には夢落ちじゃなくてもよかったのではないかと思う。
このページの頭へ

No:010  いつかの膿 / VAICE★
Theater:駅前劇場
Date:3/5 S
Sheet:A-7
Price:\3,800
作・演出:松本哲也
客演:小林さやか、高橋紀恵、白川和子
 ある洋館、そこの集まったのは部屋を借りていた者、現在も借りている者。部屋は期間限定で40代以上の者たちに制約付きで貸し出されていた。その制約は洋館にあるソファーを住居人の誰かが引き取らねばならぬこと、そして、その為に集まった者達。しかし、それは口実で、そこに現れた家主は元障害があり自殺した同居人母であった。友達のできない息子を思い同居人を集った母であったが、息子は友達もできず命を絶ってしまった。元々さほど交流のなかった人たちは、責任を擦り付け合い、そこに恋愛事情まで絡んでの人間模様なお芝居。
 HOBOからおかやまさんと高橋由美子さんを引いたような構成のVAICE★(赤星って読むらしい)。もう、HOBOやらないのかなぁって言うのばかり心配になっちゃう。松本哲也さんの本はほんとに市井の人達のちょっとした感情にスコープを当てるようで面白いけど、自分にはもうひとつ何かが足りてない気がするのは何なんだろう。いつものメンバーは、好きって言う色眼鏡で見ちゃうから、舞台観てるだけで十分。白川さんはあんまり自分には合う感じのお芝居じゃないかなぁ、淡々としゃべる台詞が好きになる人と合わない人といて後者かな、完全に好みの問題。もう、古川さんの気持ち悪い男に拍手です。
このページの頭へ

No:009  葉子 / アロンジ
Theater:
Date:3/5 M
Sheet:A-6
Price:\4,300
作:金塚悦子
演出:川口啓史
出演:松本紀保、岩崎加根子、深水三章他
 資産家の令嬢で、美貌にも恵まれ、史上最年少芥川賞候補者でもあった久坂葉子という女。戦後間もなく、その才能から将来を期待されながら21歳の若さで、大晦日阪急六甲駅にて、最終急行列車に飛び込み自殺。彼女の死を選んだ背景はなんだったのか。投身自殺者が多い現在の様子とともに身を投げる当日を描いた作品。
 過去は自殺した日が慌しく描かれるがその日一日で動機を説明するのには無理な気がする。また、現代のエピソードとどういう風に繋げたかったのかがピンとこなかった。演出も役者さんの熱演ばかりが前に出て、客席が置いていかれてしまっているような温度差を感じてしまう。総じて役者さんが器用でそつなくこなしちゃうので熱いのにメリハリもない感じ。紀保さんの佇まいも半減しているような気がしてもったいない。
このページの頭へ

No:008  人の気も知らないで / ハイリンド番外公演
Theater:下北沢ギャラリー
Date:2/28 M
Sheet:自由
Price:\2,000
作:横山拓也
演出:有馬自由 \2,000 自由 客演:宮越麻里杏
 同僚の披露宴の余興の打合せに集まった女三人。別な同僚は、社内の花見の後に事故にあって腕を失っていて、ショックを受けている女とそれに何にも感じていないと非難される女。中に入った女は新郎の元彼女。非難される女は事故の要因の一つを作っていたが、自分は過去には片方の乳房を失う病気をしていた。女たちのいろんな感情が飛び交う一場のお芝居。
 企画公演だけど、きっちり濃密な1時間弱のお芝居。ハイリンドの芝居に対する真摯さと押し付けがましくない熱さを感じる小空間。女性の会話劇だけど、うなずける事もいっぱいだし、口論しているどちらの心情も分るって言うのがリアル。枝元さんの登場シーンで客席に瀬を向けて座るところは演出だったら巧いなぁって思う。
このページの頭へ

No:007  同じ夢 / 世田谷パブリックシアター
Theater:シアタートラム
Date:2/14 M
Sheet:F-20
Price:\6,800
作・演出:赤堀雅秋
出演:麻生久美子、光石研、大森南朗、田中哲司、木下あかり、赤堀雅秋
 OLをしている娘を暮らす肉屋の主人。妻を事故で失い、父は寝たきりでヘルパーを雇っている。10年目の妻の命日、妻を引いてしまった男と近所の幼馴染の入り浸っている文房具屋、20年以上肉屋で働く手癖の悪い男とヘルパーが集った日の一日を描く。主人は、ヘルパーの女性に悪くない感情を持ち、娘はあまり良い印象を持たない。その娘は、妻をひいた男に思いを寄せる。家をかき回す文房具屋と従業員。どこか小さな悪意を持つヘルパーと弔うと言う目的すら忘れてしまったかの様な元運転手。偶然、集まった人々の奇妙な一日。
 コクーンの「大逆走」みたいなお芝居はちょっと苦手かなって思ったら、比較的以前のシャンプー風。ただ、設定に無理があるような気がした。ストーリーって意味じゃなくてもドラマがなく、人物それぞれのエピソードが浅く、さほど大きな事も起こることもない。笑いの感じも良いしも多いんだけど、このお芝居をより面白く観られる糸口みたいなものにたどり着けなかった。たぶん、ひとつ何か入ってくるととたんに面白くなるんじゃないかと思う。それにしても、贅沢で眼福なキャスト。
このページの頭へ

No:006  彼の地 / 北九州芸術劇場プロデュース
Theater:あうるすぽっと
Date:2/13 M
Sheet:自由
Price:\3,000
作・演出:桑原裕子
出演:若狭勝也、佐賀野雅和、異儀田夏葉、寺田剛史、大神拓哉他
 2014年あうるすぽっとで観た作品の再演
 初演後にKAKUTAに入った多田さんを除いて同キャストでの上演。やっぱり前回ウルッときた異儀田さんのあのシーンでは涙する。ちょっと長くて散漫になる感じはあるんだけど、ひとりひとりが丁寧に描かれていて愛を感じる。プロデュース公演としてのコンセプトで大人数なのかもしれないが、もうちょっとコンパクトで濃密なものが観たい感はある。高野由紀子さんという女優さんは不思議な魅力があって今後東京に出てくるのであれば見てみたい。それにしても、バラちゃん、異儀田さん最高です。
このページの頭へ

No:005  逆鱗 / NODA・MAP
Theater:東京芸術劇場プレイハウス

Date:2/11 M
Sheet:K-4
Price:\9,800
出演:松たか子、瑛太、井上真央、阿部サダヲ、池田成志、満島真之介、銀粉蝶、野田秀樹、他アンサンブル
 イルカショーならぬ“人魚ショー”を立ち上げようとする海中水族館を舞台に展開。人魚と出会う青年モガリや人魚を引き揚げる“潜水鵜”となるサキモリの物語と、人魚により語られる昔話が、時間と空間を超えて交錯していく。水族館と海底を行き来してスピーディーに展開される舞台で、彼らの物語は、水族館館長や、人魚の秘密を探ろうとする研究者・鵜飼ザコらの思惑を絡めながら、深い深い海の底へと潜り込んでいく……。(シアターガイドより抜粋)
 人魚が人間魚雷を思わすも前半はちょっと分りにくい暗示のいつもながらの野田さん。今回は、最後に全部説明しちゃう感があるんだけど、戦争がほとんど語られなくなった現代の若い世代を意識しているのだろうか。いつものことながら、セットと衣装がとっても舞台にあっていてその絵面がすばらしい、舞台の後ろ側に曲線の傾斜が付いているところでアンサンブルの動きがより効果的に見えるのなんかはさすがって思った。
このページの頭へ

No:004  あぶくしゃくりのブリガンテ / 東京No.1親子
Theater:駅前劇場
Date:2/7 M
Sheet:A-16
Price:\4,500
作・演出:福原充則
客演:安藤聖
 ゴミ回収で清濁問わずに財を成した自信家の父親。ボクサーで対戦相手を殺してしまった罪(相手は元から死んでいた)で留置され、父の会社で働いている息子、そして、その嫁のお話。その傲慢なやり方の父と運すら見方に付けられない息子とその息子を愛する嫁の確執を破天荒な物語で紡ぐ。
 熱量一杯の親子に聖ちゃんもフル回転なお芝居。あまり相性の良くない福原さんの本だけど、今回は比較的入り込みやすかった。所々の台詞が絶妙で面白い。B作さんの声が嗄れていたのが残念かな。
このページの頭へ

No:003  そして母はキレイになった / ONEOR8
Theater:シアタートラム
Date:1/31 M
Sheet:F-8
Price:\3,900
客演:高橋惠子、小野健太郎、白州本樹、瀧川英次、保倉大朔、成田沙織
 2012年RED/THEATERで観た作品
 ONEOR8の中でも思い入れの強い作品の一つ。劇場が大きくなった分、密度が薄くなった感があるけど、その分映像を使ったりと工夫がされている。ラストの水槽の演出は、セット大きくなっているのに、それともだからからか、ダイナミックさが前のほうがあった感じ。相変わらず、女優三人のからみがすごくよく、冒頭の高橋さんの佇まい、トミ姉と和田さんの内面の葛藤の滲み出させ方とか、ほんとこのお芝居の魅力。トミ姉の「でも、それは知ってるってことじゃない」で泣く。
このページの頭へ

No:002  夫婦 / ハイバイ
Theater:シアターイースト
Date:1/24 S
Sheet:I-19
Price:\3,500
客演:山内圭哉、鄭亜美、田村健太郎、高橋周平、猪股俊明、菅原永二
 岩井さんの父親の死を描いたセミドキュメンタリーのような舞台。絶対君主であり、凄腕の外科医である父。家族に対する暴君ぶりは凄まじく、子供たちは信で欲しいとさえ思っている。父の死前後の家族たちの感情を過去のエピソードも交えて描いた作品。
 演劇でやる必要はみたいなところでなんか意見が分かれそうな気もするけど、自分は興味を持って見られた。家族の心情を中心に、上手く過去と現在を行き来していて、皮肉さで笑いを取ったりして、観易く仕上げてある感じ。母親役を山内さんが演じたり、末期の父親を人形にしてたり(終盤同じシーンでは役者さん)していて、ドキュメント的要素をちょっと嘘の世界(舞台上の世界)に捻ってるのとか、上手いなぁって思った。そして、平原さんは、すごく説得力のある演技をするなぁって。
このページの頭へ

No:001  なるべく派手な服を着る / シアターコクーン・オンレパートリー
Theater:二子玉川セーヌ・フルリ
Date:1/24 M
Sheet:自由
Price:\3,500
作:土田英生
演出:加納幸和
出演:花組芝居の役者陣、伴美奈子、杉山薫、井上啓子
 2008年劇場で観たMONOの作品をこのユニットで上演。  ちょっと過剰と言うか、商業演劇側に傾いた感じの演出な感じもするので、エンターテイメント感が歩けど、MONO版よりブラックさが増している気がするのが面白いところ。前半の伴さんの演技が個人的にはあれ?な感じだけど、後半に向けての布石だと思うと納得。客席四方で、セットもシンプルなのは、迷路のような家を演出するのに吉と出たか凶と出たか。自分は、しっくり来なかったけど、工夫があって上手いって言いそうな人もいるかな。
このページの頭へ