観劇日記(劇場編)2025年
自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)
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No:004 やなぎにツバメは / シス・カンパニー | |
Theater:紀伊國屋ホール Date:03/15 M Sheet:Q-16 Price:\8,000 Time:1幕 1:40 作:横山拓也 演出:寺十吾 出演:大竹しのぶ、木野花、林遣都、松岡茉優、浅野和之、段田安則 美栄子(大竹しのぶ)、洋輝(ひろき)(段田安則)、佑美(木野花)の3人は、約20年前、美栄子の母ツバメが経営する「カラオケスナックつばめ」で知り合った。当時、美栄子は日中働きながら、夜、店を手伝い、店の常連で年の近い洋輝と佑美と仲良くなった。3人にとって店は特別な場所だった。美栄子が夫・賢吾(浅野和之)と離婚話になったとき、洋輝が妻を病で亡くした時、佑美が仕事で悩んでいた時、いつもこのスナックで励まし合った。この物語は、美栄子の母ツバメの葬儀の夜から始まる。そこに、洋輝の息子・修斗(林遣都)、美栄子の娘・花恋(松岡茉優)も集まって…(シス・カンパニーHPより) 横山さんの作品だけど、寺十さんの演出だからなのか、ちょっと笑い多め。だけど、本当に市井の人たちの日常の機微を切り取って、確執やら恋心やらをリアルに描く。大竹さん、最初はゆっくりとした台詞回しで、木野さんはそれと反するような強めの感じ。これが後半ちょっと入れ替わった感じになるのが面白い。ちょっと説明的な部分もある気もするけど、ずっとのめりこめる舞台。松岡さんのテンポを作る突っ込みや芯の強さの演技がすごくいい。というか、出てる役者さんがみんないい。ツバメママは、後ろ姿だけ、おそらく浅野さんが演じてるのかな。LDKの隣のふすまを開けると祭壇になってたり、スナックの壁になってたりは面白いセット。1:40の長さもちょうどいい。いい舞台観たなぁ。やなぎにツバメは。ツバメママが口説かれた歌詞らしい。 このページの頭へ |
No:003 デマゴギージャズ / MONO | |
Theater:吉祥寺シアター Date:03/01 M Sheet:E-5 Price:\4,800 Time:1幕 1:50 作・演出:土田英生 出演:金替康博、水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、渡辺啓太、石丸奈菜美、高橋明日香、立川茜、土田英生 「この石は木星から来たから触ると覚醒するよ」 あの子は真剣な顔つきで言う。それは私が拾ってきたただの石。指摘したらさっきよりマジになって反論してくる。やがて……他にも信じる人が出てきてしまった。ああ、デマが奏でられてゆく。デマゴギージャズ(MONO HPより) 民俗資料館になっている畔上家の旧家、裏の庭には不思議な力があるという石。石をどけて、施設を作ろうとするが、新しくできた法律ではその家にまつわるすべての子孫の同意が必要と集められた末裔の人々。石に力を感じる人もいれば、意味を見出さない人も。そして、そこには町のもう一つの大家の子孫の町会議員の思惑が。その昔、出馬、畦上の二つの家はライバル関係にあり、資料館の元の家が巫女に頼み石に力があると、もう一つの家をだましたことが始まりだった。人にとって信じることとはなお話。 現在と過去の2場面を行き来するMONOでは初の試み。2つの家の先祖が同じということで登場人物がそれぞれの先祖と子孫ですんなり。ちょっと、法律でっていうのが強引すぎる感もしなくもないけど、話は観やすい。畦上の末裔の夫婦、妻が心配性すぎるって件で始まるけど、蓋を開けるといい人に見える夫が浮気性。石を信じる人たち、信じなかったのに信じるようになってしまう人。見えない真実に翻弄される人々の話。「黙っていたらどんどんおかしくなっていく」というセリフが良かった。 このページの頭へ |
No:002 花と龍 / 新ロイヤル大衆舎 | |
Theater:神奈川芸術劇場ホール Date:02/11 M Sheet:1-15-32 Price:\8,800 Time:2幕 1:15 1:40 原作:火野葦平 脚本:齋藤雅文 演出:長塚圭史 音楽:山内圭哉 出演:福田転球、安藤玉恵、松田凌、村岡希美、稲荷卓央、北村優衣、山内圭哉、長塚圭史、大堀こういち他 明治時代の終わり、「黒いダイヤ」とまで呼ばれる石炭産業で活況に沸く北九州の若松港。港から船へ石炭を積み込み、積み下ろす荷役労働者「ゴンゾ」を生業とする男・玉井金五郎と、女・マン。惹かれ合い夫婦となった2人は、大いなる夢を胸に日々命懸けで働く。金五郎は腕と度胸、正義感で港の抗争を切り抜けゴンゾを束ねていき、マンの器量と愛の深さがそれを支えていた。しかし、のし上がっていく者の陰には必ず、それを妬む者がいるのであった…。さらに、金五郎の前に、壷振りのお京という一人の女が現れる。欲望と希望渦巻く北九州と、そこから飛び立つ夢を抱く男と女の、たぎる生命力の物語。(KAAT HPより) 舞台を屋台が囲み、開演前はその屋台で買い食いもできるという企画。中心に船の先を模した部分が急角度な八百屋舞台になっているという面白いセット。大堀さんが前堀やってて長し。ちょっとゆるりとした感じで、親方衆が集まる場面で、ぐっと締まってくる。強い女ではありながらも、尽くすタイプのマンを好演の安藤さん。男の色気な転球さん。どこか郷愁みたいなものも感じる明治末期のお話、河童が出てきたり、アンサンブルで男女を入れ替えたりとちょっと工夫も。意外に純愛なお話だけど、なんで今な感じも、でも、それがロイヤル大衆舎なのかしら。 このページの頭へ |
No:001 消失 / KERA CROSS | |
Theater:紀伊國屋サザンシアター Date:01/26 M Sheet:8-6 Price:\9,800 Time:2幕 1:00 1:50 作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出:河原雅彦 出演:藤井隆、入野自由、岡本圭人、坪倉由幸、佐藤仁美、猫背椿 ナイロンのオリジナルを2004年に初演、2015年に再演で観た作品。 河原さんって言ったらスピード感なイメージだけど、少し陰のあるお芝居だけに抑えめ、だけどオリジナルよりポップにはなっている気が。時間は同じだけど、オリジナルには冒頭の場面でスワン・レイクさんがパーティーに来て、貝にあたる場面があったような・・・。八島さんのやっていた役の人はちょっとニュアンスが違うかな。猫背さんがスワン・レイクさん、佐藤さんがエミリア・ネハムキンだと思っていたら、逆だったのは意外。やっぱり「消失」、面白い。 このページの頭へ |