観劇日記(劇場編)2025年
自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)
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消失/花と龍/デマゴギージャズ/やなぎにツバメは/月曜日の教師たち
鎌塚氏、震えあがる/はなしづか/ベイジルタウンの女神/リプリー、あいにくの宇宙ね/星の降る時
ずれる////
No:011 ずれる / イキウメ | |
Theater:シアタートラム Date:05/31 M Sheet:H-5 Price:\7,500 Time:1幕 2:00 作・演出:前川知大 出演:浜田信也、安井順平、盛隆二、森下創、大窪人衛 内陸の地方都市、多聞市。少し前、隣接する山間の町、金輪町では豪雨災害で大きな被害が出た。その影響か、多聞市の住宅地に野生動物が入り込むようになり、熊出没の警報が出ることもあった。持株会社の経営者である小山田輝の元に、精神科療養施設にいた弟の春が帰ってくる。創業者である親はリタイアして海外移住し、兄弟は家政夫を雇い、二人で暮らしている。輝は、不安定な春を心配し、在宅の仕事を増やして見守っている。春は今までも両親や輝に事あるごとに反抗し、問題を起こしてきた。春は怪しげな友人、佐久間を家に招き入れ、何かを計画している。輝は不安に駆られ、春はその状況を楽しんでいるようにも見える。外では野生動物たちが出没し、ペットは脱走する。町の奇妙な変化に春は関わっていることをほのめかす。新しい秘書兼家政夫の山鳥、その紹介でやってきた整体師も不審な動きを見せ、小山田家は徐々に輝のコントロールを離れ、混とんとしていく。(折込パンプより) ちょっと、ピンとこなかったかな。奇怪さが少し控えめ、風刺っぽさが前に出てきてる感じもしたかな。春がそうなっていく過程が見えないのと、森さん演じる男の獣たちを回帰させるモチベーションというかそこまでの過程が見えない感じがするのがそうさせるのかな。実際には怖い話なんだけど、架空でありながらどこかリアルさを感じた今までと比べて、よりリアルになっているのに何か現実から離れているように感じてしまった。劇団としてのまとまりの良さみたいなのは感じるかな。「人間だけが別世界を見ている。」っていう台詞はささるなぁ。 このページの頭へ |
No:010 星の降る時 / パルコ・プロデュース | |
Theater:PARCO劇場 Date:05/24 M Sheet:A-23 Price:\11,000 Time:2幕 1:10 1:00 作:ベス・スティール 翻訳:小田島則子 演出:栗山民也 出演:江口のりこ、那須凜、三浦透子、近藤公園、山崎大輝、八十田勇一、西田ひらり、佐々木咲華、秋山菜津子、段田安則 イギリスのかつて栄えた炭鉱町に生まれ育った三人娘。今では二人の娘を持ち相変わらず倉庫勤務の長女ヘーゼル(江口のりこ)と、町に嫌気をさして実家を遠く離れていた次女マギー(那須凜)、そしてポーランド移民と恋に落ちた三女シルヴィア(三浦透子)。今日は三女の結婚式。母親代わりの叔母キャロル(秋山菜津子)と共に、パーティの準備をしている。早くに妻を亡くしたが、三姉妹を守ってきた父親トニー(段田安則)、その兄とは長年に渡る絶縁状態の叔父ピート(八十田勇一)、移民に職を奪われ失業状態の長女の夫ジョン(近藤公園)も久しぶりに顔を合わせ、三女の夫マレク(山崎大輝)を迎えて祝いの宴が催されるが…。人生で最も幸せなはずの一日が、問題をはらんだ家族間の扉を開けてしまうことになり…果たして家族は再び向き合い、新しい朝を迎えることができるのか…(PARCO劇場HPより) 翻訳劇、家族や身近な間でのジョークがわかりにくく、下世話な台詞が多いのは国民性の違いなのかな。家族のすれ違い、超えてはいけない恋心など、自分にはちょっとテーマがピンとこなかったかな。那須さん、秋山さんは、舞台の人だなって、段田さん説得力のある演技。ポーランド人を演じた山崎さんは翻訳劇での異国人が母国語じゃないという役柄でなんか違和感。八十田さん、近藤さんはいつもの感じかな。江口さんも堂々主役だけど、いつものように淡々と内側のお芝居。初見の三浦さんは映画のような不思議さがなく、期待していたのでちょっと普通に感じてしまった。 このページの頭へ |
No:009 リプリー、あいにくの宇宙ね / ニッポン放送 | |
Theater:本多劇場 Date:05/23 S Sheet:G-23 Price:\8,800 Time:1幕 2:00 作・演出:上田誠 出演:伊藤万理華、井之脇海、シシド・カフカ、石田剛太、、中川晴樹、金丸慎太郎、野口かおる、浦井のりひろ、平井まさあき、槙尾ユウスケ、岩崎う大 スクランブル発生! 今度は何が起きている? 宇宙はつねに変化に満ちているし、いつだって射撃訓練所の中だ。たえず11人目がいるようなものだし、スタービーストは暗黒の森林で息をひそめている。それにしてもひどすぎないか、と二等航海士・ユーリは思う。量。このトラブルの量はなんだ。マザーCOMはなぜ答えない。船長はなぜ判断しない。ロボ、三原則いまはいいから。アーム、そんなポッド拾わなくていい。漂流詩人乗ってこなくていい! これどこからのスライム? 石板、いまは進化させていらない! ユーリは白目で歌う。リプリー、あいにくの宇宙ね。ってハモんのやめて(ニッポン放送HPより) 最初の入りがガチャガチャしすぎている感じ、しかも、野口さんのテンションが最初からマックスで食傷気味から始まって、ハプニングの連続もちょっとくどい感じ、でも、やっぱり面白い。井之脇さんはちょっと真面目な感じだけど、後の伏線かな。伊藤さん、映画「サマーフィルムに乗って」とか、舞台「DOORS」や「宝飾時計」の時の印象(と言うか見た目も)が全然違っていて、別人かと思った。なんか、個性が殺されちゃっている感じがしなくもないかな。岩崎さんが、劇団かもめんたるなんかの時と全然違う感じで最初だれかわからなかった。ちょいちょいラップっぽいへんてこな歌が混じるけど、その時の伊藤さんの振付がやっぱりアイドルだって感じで素敵。シシドさんは初舞台だそうだけど、堂々の役回り、しかも漂流吟遊詩人って役もあってるからなお良い。強引なご都合主義も何のその、IT、ハラスメント、多様性なんかも取り入れて、上田さんワールドも健在。隣の方が大きい方で、こちらまではみ出していて、かつ、代謝がいいのか体温が伝わってきたのはつらかったなぁ。 このページの頭へ |
No:008 ベイジルタウンの女神 / ケムリ研究室 | |
Theater:世田谷パブリックシアター Date:05/10 M Sheet:N-21 Price:\13,800 Time:2幕 1:50 1:30 作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 出演:緒川たまき、古田新太、水野美紀、山内圭哉、坂東龍汰、藤間爽子、小園茉奈、後東ようこ、斉藤悠、依田朋子、中上サツキ、秋元龍太朗、尾方宣久、菅原永二、植本純米、温水洋一、犬山イヌコ、高田聖子 大企業ロイド社の社長として、経営に辣腕を振るうマーガレット(緒川たまき)。目下の目標は、貧民街のベイジルタウンの開発。そのため彼女は婚約者でビジネスの右腕ハットン(山内圭哉)と、顧問弁護士のチャック(菅原永二)とともに、ベイジルタウン第七地区の買収交渉のため、ソニック社社長タチアナ(高田聖子)の元を訪れる。タチアナはその昔マーガレット家の小間使いであった。ソニック社ではタチアナと秘書のコブ(植本純米)が出迎え、第七地区を売る気がないことを伝える。食い下がるマーガレットにタチアナはある賭けの提案をする。もし1ヶ月間、無一文で正体を明かさずベイジルタウンで暮らせたら、第七地区はマーガレットに譲る、しかし途中で断念したらマーガレットが所有している第八地区と第九地区をタチアナが貰う。その賭けに乗ったマーガレットは、執事のミゲール(尾方宣久)の心配をよそに、会社経営をハットンに任せ、ベイジルタウンに単身乗り込む。泊まる所にも窮するマーガレットは、ひょんなことから王様(古田新太)とハム (水野美紀)の兄妹が暮らすバラックに居候することになり、次第に、ドクター(温水洋一)、サーカス(犬山イヌコ)、ヤング(坂東龍汰)、伝道所のボランティアのスージー(藤間爽子)ら、ベイジルタウンの人々とも親しみ楽しく暮らすようになる。一方、ハットンはタチアナの元に出向きある提案を持ちかける。そんなある日、兄妹のバラックで事件が起きる──。(Cube HPより) 2020年コロナ禍の中で行われたお芝居の再演。チケット取ったけど、キャンセルしてストリーミングで観て、やっぱり劇場で観たかったなぁって公開した作品。映像で見た通り面白かった。映像で観た時に比べて、貧富の差みたいな部分がメリハリがぼやけたように感じたのは2回目だからか。主演の緒川さんが体調不良で、初日をずらした直後のマチソワ、どうなっちゃうかと思ったけど、全然大丈夫そうだった。温水さんと犬山さんは強かベテランの味。こういう舞台の水野さんは生き生き。尾方さんは、MONOまんまなんだけど、ケラさんのお芝居になじんでるなぁ。そして、めちゃめちゃ重要な役なのもうれし。前回仲村トオルさんがやってた役が古田さん、細かいことは覚えてないけど、たぶん、この部分が一番印象違うかな。坂東龍汰さんと藤間爽子の組み合わせが、前回は、松下洸平さんと吉岡里帆さん、どっちも捨てがたいけど、吉岡さんで観て観たかったかな。 このページの頭へ |
No:007 はなしづか / ラッパ屋 | |
Theater:紀伊國屋ホール Date:04/19 M Sheet:E-1 Price:\6,500 Time:1幕 1:50 作・演出:鈴木聡 出演:春風亭昇太、柳家喬太郎、ラサール石井、おかやまはじめ、俵木藤汰、岩橋道子、弘中麻紀、大草理乙子、岩本淳、中野順一朗、浦川拓海、宇納佑、熊川隆一、武藤直樹、ともさと衣、椎名慧都、松村武 昭和16年、浅草に寺にて、時局に相応しくない演目を禁演とするにあたって、はなし塚が作られ、台本、扇子、手拭いが納められた。そんな時代の落語家三人が住む貧乏長屋でのお話。禁じられることを嘆く噺家、出生する噺家、そして長屋の人々、戦争や政局に翻弄される人々のお話。 お話としては、あまりダイナミックな展開はなく、戦争って・・・な感じ。ありきたりな反戦的なものでなく、市井の人々にとって戦争ってな感じ。落語家役を3人で、そのうち一人だけラサールさんが本職でないのはどうなのかと思ったけど、キャラ設定がさすがな鈴木さん。劇団の方たちは、長屋の人々その他を出しゃばらず好演。安心・安定のラッパ屋さん。毎回言っちゃうけど、松村さんとともさとさんは、ほぼ劇団員。客席はかなり高齢化。 このページの頭へ |
No:006 鎌塚氏、震えあがる / M&O Plays | |
Theater:世田谷パブリックシアター Date:04/06 M Sheet:立ち見左4 Price:\4,500 Time:1幕 2:15 作・演出:倉持裕 出演:三宅弘城、天海祐希、ともさかりえ、玉置孝匡、羽瀬川なぎ、池谷のぶえ、藤井隆 そこは、山深い場所にそびえ立つ大御門伯爵家の別邸――通称・幽霊屋敷。そんな屋敷に暮らすのは、女主人・大御門カグラ(天海祐希)とわずかばかりの使用人――その中の一人に、「完璧なる執事」こと鎌塚アカシ(三宅弘城)がいる。子供のころから霊感が強く、見えるはずのない「もの」が見えるカグラの能力ゆえか、怪奇現象が絶えない屋敷で、アカシは日々、おびえながら働いている。そんなある日、一年前に病死したカグラの姉の夫・相良ナオツグ男爵(藤井隆)と、その娘・アガサ(羽瀬川なぎ)が屋敷にやって来る。カグラとは何か因縁がありそうなこの親子には、アカシの長年の想い人、上見ケシキ(ともさかりえ)が女中として同伴していた。カグラとナオツグは何かにつけて衝突、言い争いが絶えない。そんな中、近くに住む侯爵夫人・八鬼ユラコ(池谷のぶえ)が従者の宇佐スミキチ(玉置孝匡)とともに屋敷を訪れる。次第に明らかになるカグラとナオツグ親子との確執、そして、ユラコの訪問と時を同じくして日々エスカレートしてゆく怪奇現象――。事態を打開すべく、ついにカグラは封印してきた力を解き放ち、アカシはガタガタ震えながらも主人のために粉骨砕身。果たしてその怪異の正体とは――?(M&O Plays HPより) 第一弾から観ているのに、チケットが全然取れず、立ち見の席をようやくゲットしての観劇。天海さん効果だろうか。最近に人気公演は転売目的でAIとか使って、組織的にとっちゃう人とかいるのかな。三宅さんが天海さんより前のクレジットなのは小劇場ならでは。相変わらずの鎌塚氏、安定の面白さ。三宅さんのテンポとボケっぷりが最高。今回は、ケシキが結婚してしまい子供もいて、でも旦那とうまくいっておらずという設定。二人の不器用な恋物語の場面が少ないのが残念。池谷さんは抜群のコメディーリリーフ。天海さんは、存在感抜群でコメディエンヌも画になるけど、もう一回り大きい劇場の人かなぁって感じ。藤井さんは、まんまだけど意外にしっくり。 このページの頭へ |
No:005 月曜日の教師たち / チーム徒花 | |
Theater:ザ・スズナリ Date:04/05 M Sheet:A-5 Price:\5,800 Time:1幕 1:50 作・演出:岩松了、桑原裕子、千葉雅子、土田英生、早船聡 出演:荒澤守、岩松了、桑原裕子、千葉雅子、土田英生、早船聡 職員室のはずれにある休憩所といったところ。窓からは海が見えるが、その窓は高い位置にあるので踏み台を使わないと窓外を見ることができない。奥にドアがあり、そこから海に向かう白砂に出ることが出来る。外では時折、野良犬が鳴く。これは、仕事の合間にそこに出入りする不道徳な教師たちの話である−(MONO HPより) 千葉さん、土田さんを中心に作家さんが集まっての企画の第二弾。今回は、岩松さんのお話の色が濃い感じが。役者さんはそれぞれがあっている感じの役で観ていて安心感。早船さんの演技ははじめて観たけど、他の方と比べるとちょっと違和感あるかな。結婚する教師に片思いの男、岩松さん演じるガウディがお金盗んだり、よく使っている定食屋が火事になったり、その火事の犯人にされたりと、まじめで人当たりがいい教師が違法賭博にかかわっていたりとお話盛沢山。楽しい企画。久々にバラちゃん見られたのもうれし。 このページの頭へ |
No:004 やなぎにツバメは / シス・カンパニー | |
Theater:紀伊國屋ホール Date:03/15 M Sheet:Q-16 Price:\8,000 Time:1幕 1:40 作:横山拓也 演出:寺十吾 出演:大竹しのぶ、木野花、林遣都、松岡茉優、浅野和之、段田安則 美栄子(大竹しのぶ)、洋輝(ひろき)(段田安則)、佑美(木野花)の3人は、約20年前、美栄子の母ツバメが経営する「カラオケスナックつばめ」で知り合った。当時、美栄子は日中働きながら、夜、店を手伝い、店の常連で年の近い洋輝と佑美と仲良くなった。3人にとって店は特別な場所だった。美栄子が夫・賢吾(浅野和之)と離婚話になったとき、洋輝が妻を病で亡くした時、佑美が仕事で悩んでいた時、いつもこのスナックで励まし合った。この物語は、美栄子の母ツバメの葬儀の夜から始まる。そこに、洋輝の息子・修斗(林遣都)、美栄子の娘・花恋(松岡茉優)も集まって…(シス・カンパニーHPより) 横山さんの作品だけど、寺十さんの演出だからなのか、ちょっと笑い多め。だけど、本当に市井の人たちの日常の機微を切り取って、確執やら恋心やらをリアルに描く。大竹さん、最初はゆっくりとした台詞回しで、木野さんはそれと反するような強めの感じ。これが後半ちょっと入れ替わった感じになるのが面白い。ちょっと説明的な部分もある気もするけど、ずっとのめりこめる舞台。松岡さんのテンポを作る突っ込みや芯の強さの演技がすごくいい。というか、出てる役者さんがみんないい。ツバメママは、後ろ姿だけ、おそらく浅野さんが演じてるのかな。LDKの隣のふすまを開けると祭壇になってたり、スナックの壁になってたりは面白いセット。1:40の長さもちょうどいい。いい舞台観たなぁ。やなぎにツバメは。ツバメママが口説かれた歌詞らしい。 このページの頭へ |
No:003 デマゴギージャズ / MONO | |
Theater:吉祥寺シアター Date:03/01 M Sheet:E-5 Price:\4,800 Time:1幕 1:50 作・演出:土田英生 出演:金替康博、水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、渡辺啓太、石丸奈菜美、高橋明日香、立川茜、土田英生 「この石は木星から来たから触ると覚醒するよ」 あの子は真剣な顔つきで言う。それは私が拾ってきたただの石。指摘したらさっきよりマジになって反論してくる。やがて……他にも信じる人が出てきてしまった。ああ、デマが奏でられてゆく。デマゴギージャズ(MONO HPより) 民俗資料館になっている畔上家の旧家、裏の庭には不思議な力があるという石。石をどけて、施設を作ろうとするが、新しくできた法律ではその家にまつわるすべての子孫の同意が必要と集められた末裔の人々。石に力を感じる人もいれば、意味を見出さない人も。そして、そこには町のもう一つの大家の子孫の町会議員の思惑が。その昔、出馬、畦上の二つの家はライバル関係にあり、資料館の元の家が巫女に頼み石に力があると、もう一つの家をだましたことが始まりだった。人にとって信じることとはなお話。 現在と過去の2場面を行き来するMONOでは初の試み。2つの家の先祖が同じということで登場人物がそれぞれの先祖と子孫ですんなり。ちょっと、法律でっていうのが強引すぎる感もしなくもないけど、話は観やすい。畦上の末裔の夫婦、妻が心配性すぎるって件で始まるけど、蓋を開けるといい人に見える夫が浮気性。石を信じる人たち、信じなかったのに信じるようになってしまう人。見えない真実に翻弄される人々の話。「黙っていたらどんどんおかしくなっていく」というセリフが良かった。 このページの頭へ |
No:002 花と龍 / 新ロイヤル大衆舎 | |
Theater:神奈川芸術劇場ホール Date:02/11 M Sheet:1-15-32 Price:\8,800 Time:2幕 1:15 1:40 原作:火野葦平 脚本:齋藤雅文 演出:長塚圭史 音楽:山内圭哉 出演:福田転球、安藤玉恵、松田凌、村岡希美、稲荷卓央、北村優衣、山内圭哉、長塚圭史、大堀こういち他 明治時代の終わり、「黒いダイヤ」とまで呼ばれる石炭産業で活況に沸く北九州の若松港。港から船へ石炭を積み込み、積み下ろす荷役労働者「ゴンゾ」を生業とする男・玉井金五郎と、女・マン。惹かれ合い夫婦となった2人は、大いなる夢を胸に日々命懸けで働く。金五郎は腕と度胸、正義感で港の抗争を切り抜けゴンゾを束ねていき、マンの器量と愛の深さがそれを支えていた。しかし、のし上がっていく者の陰には必ず、それを妬む者がいるのであった…。さらに、金五郎の前に、壷振りのお京という一人の女が現れる。欲望と希望渦巻く北九州と、そこから飛び立つ夢を抱く男と女の、たぎる生命力の物語。(KAAT HPより) 舞台を屋台が囲み、開演前はその屋台で買い食いもできるという企画。中心に船の先を模した部分が急角度な八百屋舞台になっているという面白いセット。大堀さんが前堀やってて長し。ちょっとゆるりとした感じで、親方衆が集まる場面で、ぐっと締まってくる。強い女ではありながらも、尽くすタイプのマンを好演の安藤さん。男の色気な転球さん。どこか郷愁みたいなものも感じる明治末期のお話、河童が出てきたり、アンサンブルで男女を入れ替えたりとちょっと工夫も。意外に純愛なお話だけど、なんで今な感じも、でも、それがロイヤル大衆舎なのかしら。 このページの頭へ |
No:001 消失 / KERA CROSS | |
Theater:紀伊國屋サザンシアター Date:01/26 M Sheet:8-6 Price:\9,800 Time:2幕 1:00 1:50 作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出:河原雅彦 出演:藤井隆、入野自由、岡本圭人、坪倉由幸、佐藤仁美、猫背椿 ナイロンのオリジナルを2004年に初演、2015年に再演で観た作品。 河原さんって言ったらスピード感なイメージだけど、少し陰のあるお芝居だけに抑えめ、だけどオリジナルよりポップにはなっている気が。時間は同じだけど、オリジナルには冒頭の場面でスワン・レイクさんがパーティーに来て、貝にあたる場面があったような・・・。八島さんのやっていた役の人はちょっとニュアンスが違うかな。猫背さんがスワン・レイクさん、佐藤さんがエミリア・ネハムキンだと思っていたら、逆だったのは意外。やっぱり「消失」、面白い。 このページの頭へ |