観劇日記(劇場編)2024年
自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)
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パートタイマー・秋子/骨と軽蔑/御菓子司 亀屋権太楼/ボイラーマン/カラカラ天気と五人の紳士
S高原から/鴨川ホルモー、ワンスモア/かれこれ、これから/デンギョー!/雨とベンツと国道と私
七人の墓友/江戸時代の思い出/流れんな/ふくすけ/
No:014 ふくすけ / CPCOON PRODUCTION | |
Theater:Theater MilanoーZa Date:07/27 M Sheet:2F-B-24 Price:\12,000 Time:2幕 1:30 1:10 作・演出:松尾スズキ 出演:阿部サダヲ、黒木 華、荒川良々、岸井ゆきの、皆川猿時、松本穂香、伊勢志摩、猫背椿、宍戸美和公、内田慈、町田水城、河井克夫、菅原永二、オクイシュージ、松尾スズキ、秋山菜津子、加賀谷一肇、石井千賀、石田彩夏、江原パジャマ、大野明香音、久具巨林、橘花梨、友野翔太、永石千尋、松本祐華、米良まさひろ、山森大輔、山中信人(三味線) とある病院の怪しい警備員コオロギ(阿部サダヲ)は盲目の妻サカエ(黒木 華)に歪んだ愛情を抱き、サカエはコオロギを献身的に愛していた。そんなある日、コオロギの勤める病院に、薬剤被害で身体障がい児として生まれ、長い間監禁されていたフクスケ(岸井ゆきの)が保護される。彼を監禁していた製薬会社の御曹司ミスミミツヒコ(松尾スズキ)は逃走し行方不明。エスダヒデイチ(荒川良々)は、精神のバランスを崩してある日行方不明になった妻マス(秋山菜津子)を、14年も探し続けている。知人からマスは歌舞伎町にいるらしい、と情報を得たヒデイチは上京し、歌舞伎町で出会ったホテトル嬢のフタバ(松本穂香)と自称ルポライターのタムラタモツ(皆川猿時)の協力のもと、マスの行方を追う。裏社会で暗躍するコズマ三姉妹(伊勢志摩・猫背 椿・宍戸美和公)は、食うや食わずの境遇から歌舞伎町の風俗産業で一発当てて、飛ぶ鳥を落とす勢い。ひょんなきっかけでマスと出会い、生み出した<一度死んで生まれなおすゲーム>輪廻転生プレイが大ヒット。裏社会に影響力を持ち、政界にまで進出しようと企んでいる。彼らの渦巻く情念は、やがて多くの人々と歌舞伎町自体を巻き込み、とんでもない方向に動き出す… 2012年にコクーンで観ているお芝居。当時よりも、コオロギとサカエを主軸に置いているらしい。とにかく女優祭り、黒木さん、岸井さん、松本さん、内田さんと好きな女優さんが、いっぱいで眼福。内田さん以外は、普段見ないような役どころがまた良し。元々の舞台の主役であるふくすけ演じる岸井さんのぶっ壊れ方最高。黒木さんも、いい感じの崩し方。二人は、メジャーになる前から観ている人だから、こういった舞台で観られるのはたまんない。そして、ちょっと単館上映的な映画を積み重ねてきた松本さん、一昨年の「ぽに」以来、前回は多部未華子さんがやった役で同様にイメージを覆すような感じが良かった。他の方々は、言わずもがなな松尾組常連なのも安心感。この負の連鎖の物語、「キレイ」同様に、エンターテイメントとして成り立たせる松尾さんのお芝居、ただ圧巻。ミラノ座の2階、他の劇場と比べて勾配が急だけど足元そんなに狭くなく、舞台にも近い気がして、とても観やすかった。 このページの頭へ |
No:013 流れんな / iaku | |
Theater:ザ・スズナリ Date:07/20 M Sheet:XA-6 Price:\5,500 Time:1幕 1:40 作・演出:横山拓也 出演:異儀田夏葉、今村裕次郎(小松台東)、近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ)、松尾敢太郎(劇団あはひ)、宮地綾 小さな港町にある食堂とまりぎ。父が一人で切り盛りしている店をずっと手伝ってきた娘、長女の睦美むつみと、結婚して家を出た妹、皐月さつきは一回り歳が離れている。母親が店のトイレで倒れたのは睦美が中学1年生のとき。そのとき、1歳にも満たなかった皐月には母親の記憶が無い。母の死から26年という長い年月が経った今、とまりぎは災難の渦中にある。店でも使っている食材、地元で獲れた月日貝から貝毒が見つかった。時を同じくして父が倒れ、店は休業を余儀なくされた。流すことができない苦悩を抱えた人々、その家族、店、町、海…。それでも、ここで生きていく。(iaku HPより) 脳梗塞で倒れていた母を寝ていると勘違いしてしまった姉、母の死を引きずったまま四十路間近。地元漁協に密着の会社員とならぬ仲に。女を思う幼馴染の男。妹の妊娠、その旦那が妊娠前検査にこだわる理由から、それぞれにほころびが出て感情をぶつけ合う。父と二人で営んできた女の寂しさ、この先の不安、不倫、姉妹の確執などで舞台から目を離させない。キャストがこじんまんりだけどみんないい。異儀田さんはもちろんのこと、ラクダ工務店のころから見ている今村さん、ペンギンの近藤さんも役にあっていて、多分初見である妹夫婦の二人も若さと危うさと親になる責任みたいなもののはざまで揺れている感じがうまいと思った。ただ、台詞がチョットきれいすぎというか、難しい感情がすいすいと出てくるのはちょっと違和感があるかな。とても、おなかの調子が悪いのにスズナリの最前列で気が気でなかったけど、舞台にかなり気持ちが向けられたので良かった。 このページの頭へ |
No:012 江戸時代の思い出 / ナイロン100℃ | |
Theater:本多劇場 Date:06/30 M Sheet:L-1 Price:\7,600 Time:2幕 1:40 1:20 作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 出演:三宅弘城、みのすけ、犬山イヌコ、峯村リエ、大倉孝二、松永玲子、藤田秀世、喜安浩平、眼鏡太郎、猪俣三四郎、水野小論、伊与勢我無、木乃江祐希、池田成志、坂井真紀、奥菜恵、山西惇 江戸時代、茶屋の前である町人が武士を呼び止めて、語りだす昔話。男の記憶の中の話なのか、ただの寓話なのか。現在までも行き来して、男が語ったのは。茶屋の三姉妹、殿様、役人、医者、キュー清セイシュとなのる男、顔が尻の侍、そして、現在のタイムカプセルを埋めた同級生たちと担任と名乗る彼らの記憶にない男や劇場で劇を観ている人(役者)までもが、時空を物語の中を行ったり来たりなナンセンスコメディ。 。 久々?のケラさんのナンセンスコメディ。もう、何の話だか???。でも、会話は面白く場面場面は笑いっぱなし。ゲストの人は贅沢な使い方。シリアスなお話の方がひかれることが多いけど、たまにはこういうのもいいか。 このページの頭へ |
No:011 七人の墓友 / ラッパ屋 | |
Theater:紀伊國屋ホール Date:06/28 S Sheet:G-18 Price:\5,500 Time:2幕 1:10 1:05 作・演出:鈴木聡 出演:岩橋道子、弘中麻紀、俵木藤汰、宇納佑、ともさと衣、中野順一朗、浦川拓海、おかやまはじめ、桜一花、林大樹、磯部莉菜子、熊川隆一、松村武(カムカムミニキーナ)、谷川清美(演劇集団円)、大草理乙子、武藤直樹、岩本淳、木村靖司 長年連れ添った夫婦。昭和な夫に付き合ってきた妻、長男は元上司の義父の世話をすると嫁の実家への引っ越しを言い出し、長女はキャリアウーマンで結婚する兆しなし、NY在住の次男はゲイを告白し彼氏を連れてくる。妻は、夫と一緒の墓に入りたくないと言い出し、友達たちと一緒の墓に入ろうと墓友になる。そんな、家族と仲間の色々な気持ちが交差するコメディ。 家族の事も友達の事もいっぱいシンパシーなお芝居。ご都合主義なところはあるけど、話の転がし方がうまく、名台詞もいっぱい。「なんでも話せる友達が少し必要」「一人暮らしの老人に感化されている」「不安で恐い、だから友達が必要」「情はあるけど責任感」「何もなかったみたいに都合の悪いことはなかったことにする」などなど。昭和の遺物と呼ばれる父を演じる俵木さんはもうはまり役。自分の歴史はその父に対する反発の歴史だという息子の宇納さん、ともさとさんがその妻の役ってもうそんな年なのね。娘役の岩橋さんは一回り若い役はいつもの感じ。愛人の熊川さんの都合のいい男っぷりがまた楽し。松村さんのばあさん役ものっけから笑う。なんといっても妻役の麻紀ちゃん、一回り以上上のおばあさん役でも可愛いらしい。 このページの頭へ |
No:010 雨とベンツと国道と私 / モダンスイマーズ | |
Theater:東京劇術劇場 シアターイースト Date:06/16 M Sheet:自由 Price:\3,000 Time:1幕 1:50 作・演出:蓬莱竜太 出演:山中志歩、名村辰、小林さやか、小椋毅、津村知与枝、西條義将、古山憲太郎、生越千晴 でも、とにかく元気だして、 とにかく進まなきゃと思うよ。頑張らなくていいんだよ、 もっと楽でいいんだよって、そこら中の画面がすごい笑顔で言ってくるよ。私をどこに連れて行きたいのさ世界。私の闘いは安いのかい。いや、そんな全部を打ちのめすんだと歩き出しながら、「人生が二度あれば」なんて歌詞を口ずさんでる私。私よ。頼むよ、私よ。一度だけでしょ人生は。この雨も、この道も、一度だけでしょ。(モダンスイマーズHPより) コロナの影響で心身共に病んでいた五味栞は、知人の提案でとある自主映画製作を手伝うため、群馬へと誘われる。そこには、かつて五味が参加していた撮影現場で罵声や怒号を日常的に役者やスタッフに放っていた監督、坂根真一の姿があった。しかし、坂根は名前を変え、別人のように温厚な振る舞いを見せながら監督をしている。坂根の影響で心に傷を負った五味はその姿を信じない。過去と現在が混じり、それぞれの思いが交錯していく。人は本当に変われるのか。(当日パンフより) 怒り、罪と赦しの物語。主人公の女の子の形にできなかった怒り、そして、変わろうとしたハラスメントな監督。そして、それを取り巻く人々は、彼を許せるのか。良かれと思ったこと、いいものを作ろうと思うこと、しかし、それが世の中や人に受け入れられないこと。人の価値観と変わってしまう世の中の常識やモラルの中で、そこにいつ人たちの物語。ガンジー曰く、「許すことは強いこと」が印象的。主人公の子は朴訥とした感じ。さやかさん相変わらず可愛らしく、古山さんは変幻自在。みんな役があっていた気が。放送中の朝ドラ出演の名村辰さん初見、ドラマとはちと違う役柄。 このページの頭へ |
No:009 デンギョー! / 小松台東 | |
Theater:三鷹芸術文化センター 星のホール Date:06/09 M Sheet:自由 Price:\3,500 Time:1幕 2:00 作・演出:松本哲也 出演:瓜生和成、今村裕次郎、松本哲也、五十嵐明(青年座)、尾方宣久(MONO)、佐藤 達(劇団桃唄309)、吉田電話、関口アナン、依田啓嗣、土屋 翔(劇団かもめんたる)、竹原千恵、平田 舞(演劇集団 円) 電気工事会社の社長が入院する。しかしその理由は現場の人間に通達されず、社内の一部だけが把握していた。人望の厚かった社長。現場の人間は復帰を心待ちにするが、上層部は社長亡き後の準備を進める。大黒柱を失った社内には亀裂が生じ、バランスが崩れる。そんなある日、社長の訃報が届き、現場の人間は初めて病名を知る。いつだって本当のことを何一つ知らされない怒りと悲しみが沸き起こり、社長の葬式の日、現場の人間はある行動を起こす。(三鷹芸術文化センターHPより) 再々演、なんか既視感があるんだけど、初見。緊張と緩和な舞台。うまくいかなさをどこか人のせいにする人たちは、社長を拠り所にしていたが、それを失ってしまう人々の行きつく先はみたいな。「情けないですは、こんなことがきっかけになって」、「どっかに付けが回ってくる、その分、それに乗っかった人たちも」など、いいセリフも。 このページの頭へ |
No:008 かれこれ、これから / ONEOR8 | |
Theater:シアタートップス Date:06/02 M Sheet:E-9 Price:\4,800 Time:1幕 2:00 とあるシェアハウスに住む10数名の男女が織りなす、必然的に生まれた恋愛にまつわる悲喜交々。人生を賭けたかれこれ、その帰路に立つこれから。だからこそ住人たちは歌い、踊り、泣き、叫ぶ。生きる活力に満ちあふれ、その無邪気さは老いも若きもなく、謳歌する。おそらくここが最後の地だから(ONEOR8 HPより) 作・演出:田村孝裕 出演:保倉大朔、異儀田夏葉、富川一人、オツハタ、田久保柚香、佛淵和哉、山科連太郎、岡田帆乃佳、金井美樹、大城智哉、小林桃香、小笠原遊香、中野亜美、恩田隆一、冨田直美、山口森広 若い人たちが演じる置いた人々の集まる老人ホームと言う種明かしが意外に早い段階でされる。最初は、グループホームやシェアハウスなのかなって、思いながら観ると、ちょっと違和感を感じながら、なるほどとなる仕組み。ただ、若い人なのにお年寄りと言うのがなんか違和感なのは役者さんや演出なのかな。歳をとっても恋心な部分になんかキュン。何人か過剰な感じの役者さん、何人かちょっとこれからも観てみたい役者さん。異儀田さんは、いい感じのめんどくさい古株。山口さんが気持ち悪いこと悪いことな怪演。 このページの頭へ |
No:007 鴨川ホルモー、ワンスモア / ニッポン放送 | |
Theater:サンシャイン劇場 Date:04/28 M Sheet:2F 2-3 Price:\9,800 Time:1幕 2:00 原作:万城目学 脚本・演出:上田誠 出演:中川大輔、八木莉可子、鳥越裕貴、清宮レイ(乃木坂46)、佐藤寛太、石田剛太、酒井善史、角田貴志、土佐和成、中川晴樹、藤松祥子、片桐美穂、日下七海、ヒロシエリ、浦井のりひろ(男性ブランコ)、平井まさあき(男性ブランコ)、槙尾ユウスケ(かもめんたる)、岩崎う大(かもめんたる) 2浪したのち京大に入学した安倍が、怪しい先輩の誘いと早良さんへの一目ぼれに任せて入った「京大青竜会」なるサークルは、千年の昔から脈々と続く謎の競技「ホルモー」をするサークルだった。当惑とときめき、疑いつつ練習、そしてこの世ならざる「奴ら」との邂逅。俺たちが開けたのはなんの扉だったろうか。世界の謎よりも魅惑的な彼女の鼻、そして押し寄せるリグレット。すべては思い返せば喜劇。鴨川ホルモー、叶うならワンスモア。(ニッポン放送HPより) なんか万城目学さんの良さも、ヨーロッパ企画の良さも相殺されちゃう感じ。役者さんにもよるのかな。 このページの頭へ |
No:006 S高原から / 青年団 | |
Theater:駒場アゴラ劇場 Date:04/20 M Sheet:自由 Price:\5,000 Time:1幕 1:45 2005年、2014年、2022年に観たお芝居。 この作品含めた3作品の連続上演で幕を閉じるアゴラ。演劇観続けてる原点の一つでもある青年団の拠点、青年団が無くなるわけではないけど寂しいなぁ。ここだからこその化学三部作だったり、「冒険王」だったりをのめりこんでみてたんだろうなぁって。ホーム無き?青年団だとしたら、現代美術館や東京都美術館で上演した「東京ノート」をまたどこかの美術館で観たいなぁ。今回の作品は以前の上演と比べて、ちょっとライトに感じたかな。 このページの頭へ |
No:005 カラカラ天気と五人の紳士 / シス・カンパニー | |
Theater:シアタートラム Date:04/13 M Sheet:K-8 Price:\10,000 Time:1幕 1:10 作:別役実 演出:加藤拓也 出演:堤真一、溝端淳平、藤井隆、野間口徹、小手伸也、中谷さとみ、高田聖子 ある日、ある所に、「棺桶」を担いでやって来た五人の紳士たち(堤真一・溝端淳平・野間口徹・小手伸也・藤井隆)。どうやら、五人のうちのひとりが懸賞のハズレくじでもらった景品らしい。せっかくの景品を役立てるためには、仲間の一人が死んで棺桶の中に入らねば、と、五人の議論が始まった。いかに本人が死を意識せず、痛みを感じる前に死ねる方法がないものか、、、と 模索する五人。そこへショッピングバッグを抱えた女性二人(高田聖子・中谷さとみ)が現れた。彼女たちは、同じ懸賞の当たりくじの当選者たちだったのだ。そして、その一等賞の景品とは・・・?(シスカンパニーHPより) 立ち見が出るほどの人気だけど、役者マター?ちょっとそれぞれの役者さんの見どころもなく、不条理劇なので、勧善懲悪でもなければ、お涙頂戴でもないのは当たり前だけど、なんだろうーん、今これって感じかな。普段の加藤拓也さんから想像できない作品。 このページの頭へ |
No:004 ボイラーマン / コムレイド | |
Theater:本多劇場 Date:03/16 M Sheet:K-24 Price:\8,500 Time:1幕 2:00 作・演出:赤堀雅秋 出演:田中哲司、安達祐実、でんでん、村岡希美、水澤紳吾、樋口日奈、薬丸翔、井上向日葵、赤堀雅秋 素性を隠し慎ましやかに暮らす主人公、悪の組織に捕われてしまった悲劇のヒロイン、主人公の相冬、夜が更けつつある頃。古いマンションを挟むようにY字になった二股の道があり、左には石段、右には細い路地が続いている。電話ボックス、自動販売機、ごみ集積所、放置自転車。何処にでもある片隅の光景に、一人、喪服の女(安達祐実)が現れた。続いて石段の上からは中年男(田中哲司)。互いをやり過ごした後、残った男は煙草に火をつけ、それをマンションの住人である中年女(村岡希美)が見咎め、糾弾する。体調の悪そうな警官(赤堀雅秋)が現れ、中年女とのやりとりから、この町で連続放火事件が起きていることがわかる。さらには奇矯な言動の老人(でんでん)と、彼を庇護する様子の小柄な女(井上向日葵)、喪服の女のつれの男(水澤紳吾)、マンションに住むキャバクラ勤めの若い女(樋口日奈)と彼女を追い回している様子の若くもない男(薬丸翔)という手近な関係以上には繋がるはずのない9人が、その夜、偶然Y字路の周辺で行き会った。そこに行かねばならない、居なければならない理由はきっと誰にもなかったのに。消防車のサイレンが聞こえてくる。夜空が明るくなるほどの火の手が上がり、町を赤く照らし出す。中年男は甲州街道を見出せるのか。彷徨う9人は夜の涯てを越え、朝に辿り着けるだろうか。(ボイラーマンHPより) 真夜中、古びたマンションの脇に、たまたま居合わせて市井の人々のそれぞれの小さな物語。人自体は同じ場所で行きかうけど、あんまりつながりがない感じがして、ちょっと???だったかなぁ。村岡さん、ちょっと鼻詰まりな感じだったけど、相変わらずいいキャラ。薬丸翔さん、もしかしたら初見だけど、ダメ男好演で、結構ツボ。 このページの頭へ |
No:003 御菓子司 亀屋権太楼 / MONO | |
Theater:ザ・スズナリ Date:03/09 M Sheet:E-12 Price:\4,800 Time:1幕 2:00 作・演出:土田英生 出演:尾方宣久、奥村泰彦、金替康博、高橋明日香、立川茜、土田英生、水沼健、渡辺啓太 江戸時代から続いてきたらしい和菓子屋「亀屋権太楼」が、経歴の捏造に端を発した騒ぎで存続の危機に立たされる。新しい社長は評判の人格者。彼なら道を誤らないはずだ。店、家族、そこに関わる人たちの10年間。(MONO HPより) 継がなかった長男、継いだ次男の確執。次男を慕う長男の娘が連れてきた意識高い女性のカフェ展開、新しいことへの挑戦と老舗。目的の見つけられないアルバイト、怪しいブローカーなどを交えたコメディ。 いつも面白いけど、今回はより面白かった。同じ目的や目指すものだったりしても、観ている方向や背負っているものですれ違ってしまう。そんないつものテイストだけど一瞬幸せが描かれたり、場面転換が多い芝居はあまり好きではないけど、今回は効果的で多面的な要素をうまく描けていかのかも。 このページの頭へ |
No:002 骨と軽蔑 / 東宝・キューブ | |
Theater:シアタークリエ Date:03/02 M Sheet:9-5 Price:\12,500 Time:2幕 1:35 1:05 作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 出演:宮沢りえ、鈴木杏、水川あさみ、小池栄子、堀内敬子、犬山イヌコ、峯村リエ 東西で内戦をしている国で、兵器を作っている会社の社長の家の女家族。アル中の妻と、小説家で夫が疾走している長女と次女。会社とは無縁の日々であるが、社長は秘書と不倫しているが今わの際、そんな中長女の小説が賞を取る。社長の死と、長女の受賞と夫から定期的に来る便り、影を伸ばす内戦で、女家族に変化が。女中、秘書、長女の担当編集者、長女のファンを含めた女の物語。 なんとも豪華なキャストでもうたまりません、劇場にいるだけで至福。手練れの役者さんたちの自在さがまた楽し。前振りには暗い感じの芝居のようにあったけど、結構ファンタジー入ったコメディでもあった。伏線の引き方とかほんと上手で、ここでさっきのねってのがすごく面白い。ケラさんのお芝居に堀内さんって意外だったかな、いつものマッピングが少なめなのはやや残念かなぁ。 このページの頭へ |
No:001 パートタイマー・秋子 / 二兎社 | |
Theater:東京劇術劇場 シアターウェスト Date:01/21 M Sheet:D-21 Price:\8,000 Time:2幕 1:15 1:10 樋野秋子は成城でセレブな生活を送る専業主婦。だが、夫の会社が倒産したため、働くことを決意する。勤め先に選んだのは、自宅から遠く離れたスーパー「フレッシュかねだ」。パートタイマーとして働く姿を近所の人に見られたくなかったのだ。しかし、そこは秋子の想像を超えたディストピア的世界だった。賞味期限の改ざんやリパック、商品のちょろまかし、いじめなど、あらゆる不正が横行している。正義感が強く世間知らずで他のスタッフから浮いてしまう秋子は、大手企業をリストラされ、この店で屈辱に耐えながら働く貫井と心を通わせるようになるが・・・(二兎社HPより) このページの頭へ |