観劇日記(劇場編)2024年


自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)

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パートタイマー・秋子/骨と軽蔑/御菓子司 亀屋権太楼/ボイラーマン/カラカラ天気と五人の紳士
S高原から/鴨川ホルモー、ワンスモア/かれこれ、これから/デンギョー!/雨とベンツと国道と私
七人の墓友/江戸時代の思い出/流れんな/ふくすけ/奇ッ怪
正三角関係/夫婦パラダイス/旅芸人の記録/来てけつかるべき新世界/

No:020  片づけたい女たち / ミックスゾーン
Theater:シアタートップス
Date:10/19 M
Sheet:C-10
Price:\6,800
Time:1幕 1:55
作:永井愛
演出:保坂萌
出演:松永玲子、佐藤真弓、有森也実
 ツンコ(松永玲子)、おチョビ(佐藤真弓)、バツミ(有森也実)の3人は高校のバスケ部からの友人。付き合いはもう30年以上。ところがツンコ、最近電話もメールもつながらない。新年の三が日も過ぎた夜中、心配になったおチョビとバツミがツンコの家を訪ねると、そのマンションの1室はゴミだらけだった!仕事始めを直前に控え、ツンコのピンチを放っておけないおチョビとバツミは腕、膝、首の痛みに耐えつつ、片づけを手伝うことに。そんな時に限って思い出話は尽きることなく出てくるもので、ちょっとの片づけだったはずが、それぞれの生き方が見えてくる・・・。悩み多き乙女たち、50過ぎてもまだ健在!(ミックスゾーンHPより)
 松永さんと真弓さんなんて、たまらんキャストです。これで、有森さんが麻紀ちゃんや池谷さんだったら、もう昇天もの。松永さんがかなり熟年になったなぁって。真弓さんは、可愛らしいしうまい回し役、雰囲気も交わさず、いい感じに笑いを作る。経を読むシーンとか最高。時代が当時のものなので、高校時代がベトナム戦争の時期っていうのはピンとこなかったかな。有森さんは浮いてる感じはしないけど、台詞が大きい劇場っぽい感じ。オーソドックスな演出な気がして、特に特徴的な感じではなかったかな。幕に映すタイトルとかもちょっと古い感じ。
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No:019  来てけつかるべき新世界 / ヨーロッパ企画
Theater:本多劇場
Date:09/23 M
Sheet:G-6
Price:\8,800
Time:1幕 2:10
作・演出:上田誠
音楽:キセル
出演:石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、藤谷理子、金丸慎太郎、町田マリー、岡田義徳、板尾創路
 2016年に観た岸田戯曲賞受賞の作品の再演。
 もうなんかお約束のベテラン劇団みたいになってきたヨーロッパ。安定の面白さ。座長の理子ちゃんってのもまたうれし。客演の板尾さん、岡田さん、町田さんも違和感なし。町田さんどローカル歌姫は前回西村さんの役だったのはちょっと面白いかも。本多君がいなくなった中で、西村さんが今回出てなかったのは残念だなぁ。
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No:018  旅芸人の記録 / ヒトハダ
Theater:ザ・スズナリ
Date:09/21 M
Sheet:AA-5
Price:\6,500
Time:1幕 1:45
作・演出:鄭義信
出演:大鶴佐助、浅野雅博、尾上寛之、櫻井章喜、梅沢昌代、山村涼子、丸山英彦
 太平洋戦争まっただ中、大衆演劇の劇場、映画館は、大勢の観客で賑わっていた。劇場の外は戦火、けれど、中は笑いと涙が渦巻いていた。人々は演芸に興じることで、ひととき、暗い世相を忘れようとしたのだ。一九四四年(昭和一九年)、関西の地方都市にある小さな大衆演劇の劇場。女剣劇を看板にする二見劇団が、十八番の「ヤクザ忠臣蔵」を上演している。主役の藏造を演じるのは、座長の二見蝶子(梅沢昌代)。その子分を、蝶子の息子の夏生(尾上寛之)と、中堅の山本(丸山英彦)、亀蔵(櫻井章喜)が演じている。台本を書いたのは、蝶子の再婚相手、清治(浅野雅博)の連れ子である冬生(大鶴佐助)。音響係を、蝶子の娘の秋子(山村涼子)。蝶子の夫、清治は喘息持ちということで、舞台には立たず、炊事を担当している。それぞれが、一座の仕事を分担して、家族で支えていた。ある日、夏生が役者を辞めて、川西飛行機工場で働きたいと、宣言する。清治の反対にもかかわらず、夏生は一座を離れ、一人暮らしを始める。そして、秋子も婚礼をあげ、山本も徴兵され、一座から、次々、人がいなくなってしまう。そんな折、冬生の書いた台本が検閲に引っかかり、上演できなくなってしまう…(ヒトハダHPより)
 尾上さんの舞台中の足の怪我で途中数公演中止、かつ、尾上さんと大鶴さんの役を入れ替えての公演継続。出だし、女座演じる梅沢さんのたどたどしい感じのお芝居が地方劇団っぽくって面白い。戦時中の鄭さんの話なのでちょっと朝鮮にも触れ、途中大鶴さん演じる長男が軍事産業に従事し命を落としてしまうというお話も。労災なんてない、紙が来れば戦争に行くのが当たり前の時代、今思うと恐ろしい時代。「家族は泣くけど、国は泣かない」なんて台詞はとっても鄭さんらしい。そんな中でも芝居を続ける一座、いつもどこかに小さな灯火のようなものを見せてくれる本。なんか、好感した方の配役の方がしっくりくるんだけど、最初はどんな感じだったんだろ。尾上さんの松葉杖での舞台はちょっと残念。
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No:017  夫婦パラダイス〜街の灯はそこに〜 / シス・カンパニー
Theater:紀伊國屋ホール
Date:09/14 M
Sheet:H-16
Price:\8,000
Time:1幕 1:40
作:北村想
演出:寺十吾
出演:尾上松也、瀧内公美、鈴木浩介、福地桃子、高田聖子、段田安則
 川の向こうは「パラダイス」。でも、こちら側は人生の吹き溜まり…。そんな川辺のスナックに、ワケアリのカップル柳吉(尾上松也)と蝶子(瀧内公美)が流れ着く。店のママ信子(高田聖子)は蝶子の腹違いの姉で、失踪中の亭主藤吉(鈴木浩介)を待つ身の上。近所の出前持ちの静子(福地桃子)や羽振りのいい常連客馬淵 (段田安則)もその姿は、とんと見たことがないという。スナック2階の屋根裏部屋に転がり込んだ二人だったが、この店にもなにやらワケアリの雰囲気が…。(シス・カンパニーHPより)
映像で好印象の瀧内さんが観て見たくて観劇。舞台よりも映画の方がいいかなぁ。松也さんはさすが板の上の人、ちょっと関西弁が嘘くさいんだけど映える。段田さんが入りで、舞台を引き締める感じ、鈴木浩介さんがちょっと笑わせる役と設定。ちょっと、夢落ちってのはどうかな・・・
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No:016  正三角関係 / 野田地図
Theater:東京劇術劇場 プレイハウス
Date:08/15 S
Sheet:R-23
Price:\12,000
Time:1幕 2:20
作・演出:野田秀樹
出演:松本潤、長澤まさみ、永山瑛太、村岡希美、池谷のぶえ、小松和重、野田秀樹、竹中直人、秋山遊楽、石川詩織、兼光ほのか、菊沢将憲、久保田武人、後東ようこ、近藤彩香、白倉裕二、代田正彦、八条院蔵人、引間文佳、間瀬奈都美、的場祐太、水口早香、森田真和、吉田朋弘、李そじん、西田夏奈子(スウィング)、織田圭祐(スウィング)、川原田樹(スウィング)
この芝居は、父殺しという“事件”を扱ったサスペンス。舞台は、日本のとある時代。物語はある花火師一家の三兄弟を軸に展開する。三兄弟は、長男が花火師。次男が物理学者。三男は聖職者である。この長男と父親が、一人の“女”を巡る三角関係を織り成し、“父親殺し”へと発展する……。『カラマーゾフの兄弟』の設定を入口に、「唐松族の兄弟」を演じるのが、松本・長澤・永山の3人だ。松本が長男の花火師を、永山が次男の物理学者を、長澤が三男(!)の聖職者を演じ、この三兄弟の父親を竹中直人が演じる。いつもの如く、お客さまの観劇当日の新鮮さのために、NODA・MAPの新作公演は幕が開くまで物語の全貌が明かされない。とはいえ、『松本は心が荒廃した花火師、長澤は性格的にも真反対の“男役”と“女役”の二役を演じ分け、永山は神をも恐れぬ不敵なインテリと、3人いずれも新鮮な役どころである。』という断片的なインフォメーションが明かされている。
 カラマーゾフの兄弟をベースに、長崎の原爆、第二次世界大戦での日本とロシアの関係、原爆の開発などを織り交ぜながら、繰り広げられる物語。
「兎〜」に比べて、現実の話とべったり出なかったのかな、それを追っかけちゃって、内容が入り込みにくくなっちゃった。特に、長澤さん演じるグルーシェニカが何を暗示しているのかよくわかんなくて、話の全体が見えなくなっちゃった。ちょっと、頭悪しかな。役者さんは、長澤さんの男性、女性の切り替わり方が絶妙。瑛太さんは野田さんになじんでるし、松本さんはさすがエンターテイナーだなーって思ったけど、オーラみたいなのは感じにくかったかな。村岡さんと池谷さんは、信頼の演技。映像が上田さんで、自分の好みっぽくってよかった。ラストの原爆が落ちるシーンの描き方はさすが堀尾さんと野田さんのこんびだなぁって。
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No:015  奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話 / イキウメ
Theater:東京劇術劇場 シアターイースト
Date:08/12 M
Sheet:H-5
Price:\7,000
Time:1幕 2:00
原作:小泉八雲
作・演出:前川知大
出演:浜田信也、安井順平、盛隆二、森下創、大窪人衛、松岡依都美、生越千晴、平井珠生
 小泉八雲の作品は、再話と呼ばれる。再話とは口承されてきた民話や伝説を書き記したものだ。だから小泉八雲の再話を読むということは、八雲が聞いた話を又聞きしていることになるのかもしれない。又聞きした話で申し訳ないのだが、今度はそれを舞台の上で語ってみようと思う。語り部によって物語は表情をがらりと変える。天性の語り部であった小泉八雲から聞いた話を語るのはいささか気が引けるが、自分の言葉で好きに気語るのがよろしい、と八雲自身が言っているのである。じゃあ、そうさせていただきます、先生。(イキウメHPより) 小泉八雲の5つの話を元に構成された物語。
【常識】熱心に修行していた僧侶は夜な夜な「普賢菩薩が像に乗ってやってきてくれる」と言うが、聞いた猟師が夜に一緒にいて見ると。
【破られた約束】病に伏した妻、新しき妻を取らないといった夫に、鈴と一緒に梅の木の脇に葬ってほしいと言う。周りから説得され新しい妻を娶るが、夫が非番の夜妻のもとには鈴の音とともに元妻が現れる。
【茶碗の中】男がのぞくと茶碗の中にある男の顔、淹れなおしても顔が見え、他の人に見せてもそんな顔は見えない。
【お貞の話】許嫁の少女が「運命つけられているので、また再びこの世で会う」と言って逝ってしまう。
【宿世の恋】浪人と旗本の娘が恋に落ちる、身分の違いから会えずにいると娘は死んだと聞かされる。町を歩いていると、御付きの女と共に娘が歩いてくる、娘は感動されたと言い浪人のもとへ毎夜毎夜現れる。浪人が夜をともにしていたのは娘の亡骸だった。
古寺を立て直した温泉旅館、滞在している作家は寺を訪れた刑事と検視官に話を始める(常識)。その不思議な話を聞いて、刑事が語りだすのは街で聞いてきた怪談話であった(破られた約束)。検視官は、自分の経験とそっくりだというある話(茶碗の中)を始める。彼らの話と現実が交差し、刑事と検視官が追いかけてきたのは、検死していた死体が盗まれたことによるものであった。作家は昔付き合っていた少女の話をし、女将の話では、作家はある少女と会っていたという、そして、毎夜誰かと話していると。そして、検視官の探していた死体の少女は、この宿に宿泊していたと。
 原作をベースにしているからかいつもとちょっと違う雰囲気。途中から、語る物語と、登場人物の物語がシンクロし、ミステリアスになっていく構成は上手だなと。生越さんは大窪さんと共に、どの話の中心にもならないのが残念かな。松岡さんももうちょっと見せ場があるとよかったかな。幽霊を追い払うために唱える読経のシーンが迫力。作家と過去に仲良くしていた少女の回想シーンがチョット退屈だったかな。
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No:014  ふくすけ / CPCOON PRODUCTION
Theater:Theater MilanoーZa
Date:07/27 M
Sheet:2F-B-24
Price:\12,000
Time:2幕 1:30 1:10
作・演出:松尾スズキ
出演:阿部サダヲ、黒木 華、荒川良々、岸井ゆきの、皆川猿時、松本穂香、伊勢志摩、猫背椿、宍戸美和公、内田慈、町田水城、河井克夫、菅原永二、オクイシュージ、松尾スズキ、秋山菜津子、加賀谷一肇、石井千賀、石田彩夏、江原パジャマ、大野明香音、久具巨林、橘花梨、友野翔太、永石千尋、松本祐華、米良まさひろ、山森大輔、山中信人(三味線)
 とある病院の怪しい警備員コオロギ(阿部サダヲ)は盲目の妻サカエ(黒木 華)に歪んだ愛情を抱き、サカエはコオロギを献身的に愛していた。そんなある日、コオロギの勤める病院に、薬剤被害で身体障がい児として生まれ、長い間監禁されていたフクスケ(岸井ゆきの)が保護される。彼を監禁していた製薬会社の御曹司ミスミミツヒコ(松尾スズキ)は逃走し行方不明。エスダヒデイチ(荒川良々)は、精神のバランスを崩してある日行方不明になった妻マス(秋山菜津子)を、14年も探し続けている。知人からマスは歌舞伎町にいるらしい、と情報を得たヒデイチは上京し、歌舞伎町で出会ったホテトル嬢のフタバ(松本穂香)と自称ルポライターのタムラタモツ(皆川猿時)の協力のもと、マスの行方を追う。裏社会で暗躍するコズマ三姉妹(伊勢志摩・猫背 椿・宍戸美和公)は、食うや食わずの境遇から歌舞伎町の風俗産業で一発当てて、飛ぶ鳥を落とす勢い。ひょんなきっかけでマスと出会い、生み出した<一度死んで生まれなおすゲーム>輪廻転生プレイが大ヒット。裏社会に影響力を持ち、政界にまで進出しようと企んでいる。彼らの渦巻く情念は、やがて多くの人々と歌舞伎町自体を巻き込み、とんでもない方向に動き出す…
2012年にコクーンで観ているお芝居。当時よりも、コオロギとサカエを主軸に置いているらしい。とにかく女優祭り、黒木さん、岸井さん、松本さん、内田さんと好きな女優さんが、いっぱいで眼福。内田さん以外は、普段見ないような役どころがまた良し。元々の舞台の主役であるふくすけ演じる岸井さんのぶっ壊れ方最高。黒木さんも、いい感じの崩し方。二人は、メジャーになる前から観ている人だから、こういった舞台で観られるのはたまんない。そして、ちょっと単館上映的な映画を積み重ねてきた松本さん、一昨年の「ぽに」以来、前回は多部未華子さんがやった役で同様にイメージを覆すような感じが良かった。他の方々は、言わずもがなな松尾組常連なのも安心感。この負の連鎖の物語、「キレイ」同様に、エンターテイメントとして成り立たせる松尾さんのお芝居、ただ圧巻。ミラノ座の2階、他の劇場と比べて勾配が急だけど足元そんなに狭くなく、舞台にも近い気がして、とても観やすかった。
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No:013  流れんな / iaku
Theater:ザ・スズナリ
Date:07/20 M
Sheet:XA-6
Price:\5,500
Time:1幕 1:40
作・演出:横山拓也
出演:異儀田夏葉、今村裕次郎(小松台東)、近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ)、松尾敢太郎(劇団あはひ)、宮地綾
 小さな港町にある食堂とまりぎ。父が一人で切り盛りしている店をずっと手伝ってきた娘、長女の睦美むつみと、結婚して家を出た妹、皐月さつきは一回り歳が離れている。母親が店のトイレで倒れたのは睦美が中学1年生のとき。そのとき、1歳にも満たなかった皐月には母親の記憶が無い。母の死から26年という長い年月が経った今、とまりぎは災難の渦中にある。店でも使っている食材、地元で獲れた月日貝から貝毒が見つかった。時を同じくして父が倒れ、店は休業を余儀なくされた。流すことができない苦悩を抱えた人々、その家族、店、町、海…。それでも、ここで生きていく。(iaku HPより)
 脳梗塞で倒れていた母を寝ていると勘違いしてしまった姉、母の死を引きずったまま四十路間近。地元漁協に密着の会社員とならぬ仲に。女を思う幼馴染の男。妹の妊娠、その旦那が妊娠前検査にこだわる理由から、それぞれにほころびが出て感情をぶつけ合う。父と二人で営んできた女の寂しさ、この先の不安、不倫、姉妹の確執などで舞台から目を離させない。キャストがこじんまんりだけどみんないい。異儀田さんはもちろんのこと、ラクダ工務店のころから見ている今村さん、ペンギンの近藤さんも役にあっていて、多分初見である妹夫婦の二人も若さと危うさと親になる責任みたいなもののはざまで揺れている感じがうまいと思った。ただ、台詞がチョットきれいすぎというか、難しい感情がすいすいと出てくるのはちょっと違和感があるかな。とても、おなかの調子が悪いのにスズナリの最前列で気が気でなかったけど、舞台にかなり気持ちが向けられたので良かった。
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No:012  江戸時代の思い出 / ナイロン100℃
Theater:本多劇場
Date:06/30 M
Sheet:L-1
Price:\7,600
Time:2幕 1:40 1:20
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:三宅弘城、みのすけ、犬山イヌコ、峯村リエ、大倉孝二、松永玲子、藤田秀世、喜安浩平、眼鏡太郎、猪俣三四郎、水野小論、伊与勢我無、木乃江祐希、池田成志、坂井真紀、奥菜恵、山西惇
 江戸時代、茶屋の前である町人が武士を呼び止めて、語りだす昔話。男の記憶の中の話なのか、ただの寓話なのか。現在までも行き来して、男が語ったのは。茶屋の三姉妹、殿様、役人、医者、キュー清セイシュとなのる男、顔が尻の侍、そして、現在のタイムカプセルを埋めた同級生たちと担任と名乗る彼らの記憶にない男や劇場で劇を観ている人(役者)までもが、時空を物語の中を行ったり来たりなナンセンスコメディ。
。  久々?のケラさんのナンセンスコメディ。もう、何の話だか???。でも、会話は面白く場面場面は笑いっぱなし。ゲストの人は贅沢な使い方。シリアスなお話の方がひかれることが多いけど、たまにはこういうのもいいか。
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No:011  七人の墓友 / ラッパ屋
Theater:紀伊國屋ホール
Date:06/28 S
Sheet:G-18
Price:\5,500
Time:2幕 1:10 1:05
作・演出:鈴木聡
  出演:岩橋道子、弘中麻紀、俵木藤汰、宇納佑、ともさと衣、中野順一朗、浦川拓海、おかやまはじめ、桜一花、林大樹、磯部莉菜子、熊川隆一、松村武(カムカムミニキーナ)、谷川清美(演劇集団円)、大草理乙子、武藤直樹、岩本淳、木村靖司
 長年連れ添った夫婦。昭和な夫に付き合ってきた妻、長男は元上司の義父の世話をすると嫁の実家への引っ越しを言い出し、長女はキャリアウーマンで結婚する兆しなし、NY在住の次男はゲイを告白し彼氏を連れてくる。妻は、夫と一緒の墓に入りたくないと言い出し、友達たちと一緒の墓に入ろうと墓友になる。そんな、家族と仲間の色々な気持ちが交差するコメディ。
 家族の事も友達の事もいっぱいシンパシーなお芝居。ご都合主義なところはあるけど、話の転がし方がうまく、名台詞もいっぱい。「なんでも話せる友達が少し必要」「一人暮らしの老人に感化されている」「不安で恐い、だから友達が必要」「情はあるけど責任感」「何もなかったみたいに都合の悪いことはなかったことにする」などなど。昭和の遺物と呼ばれる父を演じる俵木さんはもうはまり役。自分の歴史はその父に対する反発の歴史だという息子の宇納さん、ともさとさんがその妻の役ってもうそんな年なのね。娘役の岩橋さんは一回り若い役はいつもの感じ。愛人の熊川さんの都合のいい男っぷりがまた楽し。松村さんのばあさん役ものっけから笑う。なんといっても妻役の麻紀ちゃん、一回り以上上のおばあさん役でも可愛いらしい。
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No:010  雨とベンツと国道と私 / モダンスイマーズ
Theater:東京劇術劇場 シアターイースト
Date:06/16 M
Sheet:自由
Price:\3,000
Time:1幕 1:50
作・演出:蓬莱竜太
出演:山中志歩、名村辰、小林さやか、小椋毅、津村知与枝、西條義将、古山憲太郎、生越千晴
 でも、とにかく元気だして、 とにかく進まなきゃと思うよ。頑張らなくていいんだよ、 もっと楽でいいんだよって、そこら中の画面がすごい笑顔で言ってくるよ。私をどこに連れて行きたいのさ世界。私の闘いは安いのかい。いや、そんな全部を打ちのめすんだと歩き出しながら、「人生が二度あれば」なんて歌詞を口ずさんでる私。私よ。頼むよ、私よ。一度だけでしょ人生は。この雨も、この道も、一度だけでしょ。(モダンスイマーズHPより)  コロナの影響で心身共に病んでいた五味栞は、知人の提案でとある自主映画製作を手伝うため、群馬へと誘われる。そこには、かつて五味が参加していた撮影現場で罵声や怒号を日常的に役者やスタッフに放っていた監督、坂根真一の姿があった。しかし、坂根は名前を変え、別人のように温厚な振る舞いを見せながら監督をしている。坂根の影響で心に傷を負った五味はその姿を信じない。過去と現在が混じり、それぞれの思いが交錯していく。人は本当に変われるのか。(当日パンフより)
 怒り、罪と赦しの物語。主人公の女の子の形にできなかった怒り、そして、変わろうとしたハラスメントな監督。そして、それを取り巻く人々は、彼を許せるのか。良かれと思ったこと、いいものを作ろうと思うこと、しかし、それが世の中や人に受け入れられないこと。人の価値観と変わってしまう世の中の常識やモラルの中で、そこにいつ人たちの物語。ガンジー曰く、「許すことは強いこと」が印象的。主人公の子は朴訥とした感じ。さやかさん相変わらず可愛らしく、古山さんは変幻自在。みんな役があっていた気が。放送中の朝ドラ出演の名村辰さん初見、ドラマとはちと違う役柄。
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No:009  デンギョー! / 小松台東
Theater:三鷹芸術文化センター 星のホール
Date:06/09 M
Sheet:自由
Price:\3,500
Time:1幕 2:00
作・演出:松本哲也
出演:瓜生和成、今村裕次郎、松本哲也、五十嵐明(青年座)、尾方宣久(MONO)、佐藤 達(劇団桃唄309)、吉田電話、関口アナン、依田啓嗣、土屋 翔(劇団かもめんたる)、竹原千恵、平田 舞(演劇集団 円)
 電気工事会社の社長が入院する。しかしその理由は現場の人間に通達されず、社内の一部だけが把握していた。人望の厚かった社長。現場の人間は復帰を心待ちにするが、上層部は社長亡き後の準備を進める。大黒柱を失った社内には亀裂が生じ、バランスが崩れる。そんなある日、社長の訃報が届き、現場の人間は初めて病名を知る。いつだって本当のことを何一つ知らされない怒りと悲しみが沸き起こり、社長の葬式の日、現場の人間はある行動を起こす。(三鷹芸術文化センターHPより)
 再々演、なんか既視感があるんだけど、初見。緊張と緩和な舞台。うまくいかなさをどこか人のせいにする人たちは、社長を拠り所にしていたが、それを失ってしまう人々の行きつく先はみたいな。「情けないですは、こんなことがきっかけになって」、「どっかに付けが回ってくる、その分、それに乗っかった人たちも」など、いいセリフも。
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No:008  かれこれ、これから / ONEOR8
Theater:シアタートップス
Date:06/02 M
Sheet:E-9
Price:\4,800
Time:1幕 2:00
 とあるシェアハウスに住む10数名の男女が織りなす、必然的に生まれた恋愛にまつわる悲喜交々。人生を賭けたかれこれ、その帰路に立つこれから。だからこそ住人たちは歌い、踊り、泣き、叫ぶ。生きる活力に満ちあふれ、その無邪気さは老いも若きもなく、謳歌する。おそらくここが最後の地だから(ONEOR8 HPより)
作・演出:田村孝裕
出演:保倉大朔、異儀田夏葉、富川一人、オツハタ、田久保柚香、佛淵和哉、山科連太郎、岡田帆乃佳、金井美樹、大城智哉、小林桃香、小笠原遊香、中野亜美、恩田隆一、冨田直美、山口森広
 若い人たちが演じる置いた人々の集まる老人ホームと言う種明かしが意外に早い段階でされる。最初は、グループホームやシェアハウスなのかなって、思いながら観ると、ちょっと違和感を感じながら、なるほどとなる仕組み。ただ、若い人なのにお年寄りと言うのがなんか違和感なのは役者さんや演出なのかな。歳をとっても恋心な部分になんかキュン。何人か過剰な感じの役者さん、何人かちょっとこれからも観てみたい役者さん。異儀田さんは、いい感じのめんどくさい古株。山口さんが気持ち悪いこと悪いことな怪演。
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No:007  鴨川ホルモー、ワンスモア / ニッポン放送
Theater:サンシャイン劇場
Date:04/28 M
Sheet:2F 2-3
Price:\9,800
Time:1幕 2:00
原作:万城目学
脚本・演出:上田誠
出演:中川大輔、八木莉可子、鳥越裕貴、清宮レイ(乃木坂46)、佐藤寛太、石田剛太、酒井善史、角田貴志、土佐和成、中川晴樹、藤松祥子、片桐美穂、日下七海、ヒロシエリ、浦井のりひろ(男性ブランコ)、平井まさあき(男性ブランコ)、槙尾ユウスケ(かもめんたる)、岩崎う大(かもめんたる)
 2浪したのち京大に入学した安倍が、怪しい先輩の誘いと早良さんへの一目ぼれに任せて入った「京大青竜会」なるサークルは、千年の昔から脈々と続く謎の競技「ホルモー」をするサークルだった。当惑とときめき、疑いつつ練習、そしてこの世ならざる「奴ら」との邂逅。俺たちが開けたのはなんの扉だったろうか。世界の謎よりも魅惑的な彼女の鼻、そして押し寄せるリグレット。すべては思い返せば喜劇。鴨川ホルモー、叶うならワンスモア。(ニッポン放送HPより)
 なんか万城目学さんの良さも、ヨーロッパ企画の良さも相殺されちゃう感じ。役者さんにもよるのかな。
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No:006  S高原から / 青年団
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:04/20 M
Sheet:自由
Price:\5,000
Time:1幕 1:45
 2005年2014年2022年に観たお芝居。
 この作品含めた3作品の連続上演で幕を閉じるアゴラ。演劇観続けてる原点の一つでもある青年団の拠点、青年団が無くなるわけではないけど寂しいなぁ。ここだからこその化学三部作だったり、「冒険王」だったりをのめりこんでみてたんだろうなぁって。ホーム無き?青年団だとしたら、現代美術館や東京都美術館で上演した「東京ノート」をまたどこかの美術館で観たいなぁ。今回の作品は以前の上演と比べて、ちょっとライトに感じたかな。
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No:005  カラカラ天気と五人の紳士 / シス・カンパニー
Theater:シアタートラム
Date:04/13 M
Sheet:K-8
Price:\10,000
Time:1幕 1:10
作:別役実
演出:加藤拓也
出演:堤真一、溝端淳平、藤井隆、野間口徹、小手伸也、中谷さとみ、高田聖子
 ある日、ある所に、「棺桶」を担いでやって来た五人の紳士たち(堤真一・溝端淳平・野間口徹・小手伸也・藤井隆)。どうやら、五人のうちのひとりが懸賞のハズレくじでもらった景品らしい。せっかくの景品を役立てるためには、仲間の一人が死んで棺桶の中に入らねば、と、五人の議論が始まった。いかに本人が死を意識せず、痛みを感じる前に死ねる方法がないものか、、、と 模索する五人。そこへショッピングバッグを抱えた女性二人(高田聖子・中谷さとみ)が現れた。彼女たちは、同じ懸賞の当たりくじの当選者たちだったのだ。そして、その一等賞の景品とは・・・?(シスカンパニーHPより)
 立ち見が出るほどの人気だけど、役者マター?ちょっとそれぞれの役者さんの見どころもなく、不条理劇なので、勧善懲悪でもなければ、お涙頂戴でもないのは当たり前だけど、なんだろうーん、今これって感じかな。普段の加藤拓也さんから想像できない作品。
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No:004  ボイラーマン / コムレイド
Theater:本多劇場
Date:03/16 M
Sheet:K-24
Price:\8,500
Time:1幕 2:00
作・演出:赤堀雅秋
出演:田中哲司、安達祐実、でんでん、村岡希美、水澤紳吾、樋口日奈、薬丸翔、井上向日葵、赤堀雅秋
 素性を隠し慎ましやかに暮らす主人公、悪の組織に捕われてしまった悲劇のヒロイン、主人公の相冬、夜が更けつつある頃。古いマンションを挟むようにY字になった二股の道があり、左には石段、右には細い路地が続いている。電話ボックス、自動販売機、ごみ集積所、放置自転車。何処にでもある片隅の光景に、一人、喪服の女(安達祐実)が現れた。続いて石段の上からは中年男(田中哲司)。互いをやり過ごした後、残った男は煙草に火をつけ、それをマンションの住人である中年女(村岡希美)が見咎め、糾弾する。体調の悪そうな警官(赤堀雅秋)が現れ、中年女とのやりとりから、この町で連続放火事件が起きていることがわかる。さらには奇矯な言動の老人(でんでん)と、彼を庇護する様子の小柄な女(井上向日葵)、喪服の女のつれの男(水澤紳吾)、マンションに住むキャバクラ勤めの若い女(樋口日奈)と彼女を追い回している様子の若くもない男(薬丸翔)という手近な関係以上には繋がるはずのない9人が、その夜、偶然Y字路の周辺で行き会った。そこに行かねばならない、居なければならない理由はきっと誰にもなかったのに。消防車のサイレンが聞こえてくる。夜空が明るくなるほどの火の手が上がり、町を赤く照らし出す。中年男は甲州街道を見出せるのか。彷徨う9人は夜の涯てを越え、朝に辿り着けるだろうか。(ボイラーマンHPより)
 真夜中、古びたマンションの脇に、たまたま居合わせて市井の人々のそれぞれの小さな物語。人自体は同じ場所で行きかうけど、あんまりつながりがない感じがして、ちょっと???だったかなぁ。村岡さん、ちょっと鼻詰まりな感じだったけど、相変わらずいいキャラ。薬丸翔さん、もしかしたら初見だけど、ダメ男好演で、結構ツボ。
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No:003  御菓子司 亀屋権太楼 / MONO
Theater:ザ・スズナリ
Date:03/09 M
Sheet:E-12
Price:\4,800
Time:1幕 2:00
作・演出:土田英生
出演:尾方宣久、奥村泰彦、金替康博、高橋明日香、立川茜、土田英生、水沼健、渡辺啓太
 江戸時代から続いてきたらしい和菓子屋「亀屋権太楼」が、経歴の捏造に端を発した騒ぎで存続の危機に立たされる。新しい社長は評判の人格者。彼なら道を誤らないはずだ。店、家族、そこに関わる人たちの10年間。(MONO HPより)
 継がなかった長男、継いだ次男の確執。次男を慕う長男の娘が連れてきた意識高い女性のカフェ展開、新しいことへの挑戦と老舗。目的の見つけられないアルバイト、怪しいブローカーなどを交えたコメディ。
 いつも面白いけど、今回はより面白かった。同じ目的や目指すものだったりしても、観ている方向や背負っているものですれ違ってしまう。そんないつものテイストだけど一瞬幸せが描かれたり、場面転換が多い芝居はあまり好きではないけど、今回は効果的で多面的な要素をうまく描けていかのかも。
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No:002  骨と軽蔑 / 東宝・キューブ
Theater:シアタークリエ
Date:03/02 M
Sheet:9-5
Price:\12,500
Time:2幕 1:35 1:05
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:宮沢りえ、鈴木杏、水川あさみ、小池栄子、堀内敬子、犬山イヌコ、峯村リエ
 東西で内戦をしている国で、兵器を作っている会社の社長の家の女家族。アル中の妻と、小説家で夫が疾走している長女と次女。会社とは無縁の日々であるが、社長は秘書と不倫しているが今わの際、そんな中長女の小説が賞を取る。社長の死と、長女の受賞と夫から定期的に来る便り、影を伸ばす内戦で、女家族に変化が。女中、秘書、長女の担当編集者、長女のファンを含めた女の物語。
 なんとも豪華なキャストでもうたまりません、劇場にいるだけで至福。手練れの役者さんたちの自在さがまた楽し。前振りには暗い感じの芝居のようにあったけど、結構ファンタジー入ったコメディでもあった。伏線の引き方とかほんと上手で、ここでさっきのねってのがすごく面白い。ケラさんのお芝居に堀内さんって意外だったかな、いつものマッピングが少なめなのはやや残念かなぁ。
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No:001  パートタイマー・秋子 / 二兎社
Theater:東京劇術劇場 シアターウェスト
Date:01/21 M
Sheet:D-21
Price:\8,000
Time:2幕 1:15 1:10
 樋野秋子は成城でセレブな生活を送る専業主婦。だが、夫の会社が倒産したため、働くことを決意する。勤め先に選んだのは、自宅から遠く離れたスーパー「フレッシュかねだ」。パートタイマーとして働く姿を近所の人に見られたくなかったのだ。しかし、そこは秋子の想像を超えたディストピア的世界だった。賞味期限の改ざんやリパック、商品のちょろまかし、いじめなど、あらゆる不正が横行している。正義感が強く世間知らずで他のスタッフから浮いてしまう秋子は、大手企業をリストラされ、この店で屈辱に耐えながら働く貫井と心を通わせるようになるが・・・(二兎社HPより)
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