観劇日記(劇場編)2014年


自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)

観劇日記(劇場編)2010年  観劇日記(劇場編)2000年
観劇日記(劇場編)2009年  観劇日記(劇場編)1999年
観劇日記(劇場編)2008年  観劇日記(劇場編)1998年
観劇日記(劇場編)2007年  観劇日記(劇場編)1997年
観劇日記(劇場編)2006年  観劇日記(劇場編)1996年
観劇日記(劇場編)2005年  観劇日記(劇場編)1995年
観劇日記(劇場編)2004年  −−−−−−−−−−− 
観劇日記(劇場編)2013年  観劇日記(劇場編)2003年  観劇日記(劇場編)1993年
観劇日記(劇場編)2012年  観劇日記(劇場編)2002年  −−−−−−−−−−− 
観劇日記(劇場編)2011年  観劇日記(劇場編)2001年  −−−−−−−−−−− 


続ける理由/一郎ちゃんがいく。/けんかとにおい/フローズン・ビーチ/母乳とブランデー
もう風も吹かない/もっと泣いてよフラッパー/のぞき穴、哀愁/サニーサイドアップ/エリカな人々
チルドレン/彼の地/大きなものを破壊命令/S高原から/楽屋
ボクらはみんな生きている/宅悦とお岩/万獣こわい/女40歳肉屋のムスメ/きゅうりの花
パン屋文六の思案/十二夜/ロンサム・ウェスト/人生2ねんせい/青年Kの矜持
殺風景/ザ グレート ハンティング/鍵泥棒のメソッド/BACK STAGE/てんぷくトリオのコント
鎌塚氏、振り下ろす/おとこたち//母に欲す/廃墟の鯨
カッコーの巣の上で/窓に映るエレジー/愛さずにはいられない/山犬/朝日のような夕日をつれて
ラストフラワーズ/君となら/痕跡/EASY ORDER/ビルのゲーツ
無意味な花園/風の吹く夢/サバイブ!/THE GREATEST HITS/愛欲の乱
愛欲の乱NEO/社長吸血記//カップで自分を量るがいい/朽ちるまにまに
暗愚小傳/世界は嘘で出来ている/サナギネ/おもてなし/じゃじゃ馬ならし
海と日傘/バイセコ/夕空はれて/君はフィクション/ブエノスアイレス午前零時
世襲戦隊カゾクマン//キレイ


No:068  キレイ / シアターコクーン
Theater:シアターコクーン
Date:12/30 M
Sheet:2F BL4-4
Price:\5,000
作・演出:松尾スズキ
音楽:伊藤ヨタロウ
出演:多部未華子、阿部サダヲ、小池徹平、尾美としのり、田畑智子、皆川猿時、村杉蝉之介、荒川良々、伊勢志摩、猫背椿、宮崎吐夢、顔田顔彦、少路勇介、町田水城、伊藤ヨタロウ、家納ジュンコ、オクイシュージ、松尾スズキ、田辺誠一、松雪泰子
 三つの国に分かれ、100年もの間、民族紛争が続く"もう一つの日本"。民族解放軍を名乗るグループに誘拐され、監禁されていた少女が、10年ぶりに地上へ逃げ出す。過去を忘れた少女は自ら "ケガレ"と名乗り、ダイズでできているダイズ兵の死体回収業で生計を立てているキネコたちと出会い仲間に加わる。回収されたダイズ兵は、食用として加工される、その頂点に立つダイダイ食品の社長令嬢・カスミと奇妙な友情で結ばれていくケガレ。戦場をうろつき、死体を拾って小銭を稼ぐ、そんな健気なケガレを見守るのは成人したケガレ=ミソギだった。愛人宅に入り浸りのキネコの夫ジョージ、頭は弱いが枯れ木に花を咲かせる能力を持つ次男ハリコナ、誘拐・監禁することでしか女性と一緒にいられないマジシャンらとの出会いのなか、ケガレは忘れたはずの忌まわしい過去と対決してゆくことになる。(シアターコクーンHPより)
 コクーンシートで観ているとは思えないほどの圧倒的な迫力。いつもの松尾さん同様に人や世の中の負の部分を描いているのに美し舞台。アドリブもほどよく、3時間半を感じさせないミュージカル。役者さん自体はそれほど出すぎずな感じなんだけど、ものすごいグルーブ感。そこに、大人計画の面々がちょいスパイス。小池徹平さんの歌がとってもいい。多部さんもすごくいいと思うんだけど、映像で観た蘭々さんの真っ白で純粋なイメージが拭い去れなかったことと、歌が聞きにくかったことが残念。
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No:067  鼬 / シス・カンパニー
Theater:世田谷パブリックシアター
Date:12/27 M
Sheet:1F I-17
Price:\8,500
作:真船豊
演出:長塚圭史
出演:鈴木京香、高橋克実、江口のりこ、白石加代子、峯村リエ、赤堀雅秋
 昭和の初め。東北の寒村にある旧家「だるま屋」は、いまや見る影もなく落ちぶれ果て、跡取りの萬三郎(高橋克実)は、南洋へ出稼ぎに行ったきり三年も音沙汰がない。ついには、老母おかじ(白石加代子)と出戻り娘おしま(江口のりこ)が暮らす家屋敷を借金の形に取られることになり、債権者たちは古畳や襖まで奪い合うありさまだ。そこに、かつて悪行の限りを尽くし追い出されたおかじの義妹おとり(鈴木京香)が羽振りのいい風情で十数年ぶりに現れた。“何を嗅ぎつけてやって来ただ。この泥棒鼬ッ!”いきり立つ義姉おかじに、おとりがある話を切り出した……。人間の欲と業を赤裸々に骨太に描いた昭和初期の名作(パブリックシアターHPより)
 最近の長塚さんの作品は自分にはちょっと合わないなぁ。終始ウトウト。荒くれてる江口さんの演技が印象的だったけど、なんか峯村さんも赤堀さんももうちょっと見たい感じ。
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No:066  世襲戦隊カゾクマン / プリエール
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:12/21 M
Sheet:K-14
Price:\4,500
作・演出:田村孝裕
出演:山口良一、熊谷真実、芋洗坂係長、西山水木、岡田達也、曽世海司、上田桃子、梨澤彗以子
 代々家業を継いできた家族がいる。一家を率いてきた父と母は世代交代を考えていた。しかし子供たちは密かに思っている。今どき世襲なんて……しかも“カゾクマン” って……。「家族」って何だ? 「世襲」って何だ?「戦隊ヒーローお茶の間劇」って何だ!?(プリエールHPより)
 「世界は嘘で出来ている」の後にこれですか。素敵すぎです田村さん。ご都合主義、予定調和なんのそのな戦隊物を家族で、しかもお茶の間で。ほんと茶の間が舞台のお芝居は天下一品だなぁ。そして、「猿股の行方」でも、好演だった上田桃子さんがかわいすぎます。
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No:065  ブエノスアイレス午前零時 / PARCO PRODUCE
Theater:新国立劇場中劇場
Date:12/20 M
Sheet:1F 13-42
Price:\9,000(okepi譲渡)
原作:藤沢周
脚本:蓬莱竜太
音楽:coba
演出:行定勲
出演:森田剛、原田美枝子、瀧本美織、橋本じゅん、千葉哲也、中村まこと、松永玲子、松本まりか、村木 仁、伊達 暁他
 地階からドロップアウトし、故郷のひなびた温泉ホテルの従業員として働くカザマ。ある日、社交ダンスツアーの団体客として来たミツコと運命の出会いをする。ミツコが語るブエノスアイレスでの身の上話に、次第に引き込まれていくカザマ。若き頃のミツコが出会ったニコラスという男に自分を重ねていく。ミツコの瞳に吸い込まれるように、意識が混濁していくカザマ。現実か幻想かがわかららないまま徐々に世界が交錯していく。ミツコの語る追憶の物語はどこまで本当なのだろうか。カザマはミツコの瞳の奥に何を見たのだろうか。それぞれが持つ渇きを埋め合わせるかのように「2人」がタンゴを踊り始めたとき、止まっていた時間が一斉に動き出し行く・・・(パルコ劇場HPより)
 チケット取ってなかったけどokepiで譲渡してもらいお安め&とっても観やすい席とお得感。ジャニーズの役者さんは達者だなぁ。瀧本美織さんは初舞台には難しすぎる役のような気がした。じゅんさんはちょっと抑え気味、伊達さん、松永さんとまことさんはいつもの感じだけど、あの放蕩さは、ほんといいなぁ。松本まりかさんが、声の特徴を生かしたいい雰囲気の女優さんになったなと思い、千葉さんがドラマ「ペテロの葬列」のあのいやらしい感じで好演。そして、お目当てだった原田美枝子さん、美しすぎます、場の空気を独り占めしている感じ。全体的にいいんだけど、なんかカンパニーとしてのグルーブ感みたいな高揚を感じられなかったのは残念かな。どの辺が行定さんっぽい演出ってことなんだろう。
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No:064  君はフィクション / AGAPE STORE
Theater:スペースゼロ
Date:12/13 M
Sheet:3-22
Price:\6,800
原作:中島らも
脚本・演出:G2
客演:山内圭哉、菅原永二、吉本菜穂子、久ケ沢徹、南野陽子
 ある宝を探す代議士、それに追われる男、男はある女から過去の詐欺事件についてゆすられ、引きこもりの男を外に出すことをおしいられる、男をゆすっている女は双子の姉妹でなにやら疑惑ありげ、そして引きこもりの男の家には宝が、そしてその宝のなぞは。そんな話がコラージュされたお話。
 なんか無理矢理くっつけた感じ。だけどG2演出はテンポがいいので、さらっと見られちゃう。やっぱり吉本さんは大好きだぁ。最近、商業演劇に近い方に行っちゃうことが多いけど、小劇場で見たいなぁ。
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No:063  夕空はれて / 青山円形劇場プロデュース
Theater:青山円形劇場
Date:12/7 M
Sheet:C-44
Price:\6,900
作:別役実
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:仲村トオル、山崎一、緒川たまき、奥菜恵、犬山イヌ子、マギー、池谷のぶえ
 ある村に着いた男、そこには獣が出て噛みつかれると言う。村に人々は、それをライオンだと言う人、虎だと言う人、熊だと言う人がいて、それに噛みつかれたいだのつかれたくないだの。そんな中、ある男がその獣を袋に入れて連れてくる。すると今度は、袋を開けるだの空けないだの、蹴るだの、叩くだの。結局、開けて出てくるのは人で、蹴ったり、叩いたりした犯人探し。口から出ること、起こっていること、思っていることがあっち行ったりこっち言ったりの不条理劇。
 前半終始ウトウト、後半気もそぞろ。シニカルさみたいなものがピンと来ず、笑いの部分が肌に合わないと、不条理劇はつらいなぁ。イヌ子さんとか池谷さんとか出てて、もったいないなぁ。そして、これが最後の円形なんて寂し過ぎじゃないか。
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No:062  バイセコ / チャリT企画
Theater:ザ・高円寺
Date:12/6 M
Sheet:自由
Price:\3,500
 2004年に劇場で観た作品で、タイトルが「ドウニモタマラナイ」から変更になっている。
 早稲田の劇研の舞台でやってた頃に比べたら、手作り感はなくなったけど、相変わらず過激。前回は、当時劇団員だった吉本菜穂子さん目当てで、今回は、客演しているKAKUTAの異儀田さん目当て やっぱりいいなぁ、異儀田さん。ざっと流し見た感じ、10年前と世相は変って、芝居の細かい部分は変化させているんだろうけど、印象変わんないのは普遍性があるから?
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No:061  海と日傘 / 松本紀保プロデュース
Theater:シアター風姿花伝
Date:11/31 M
Sheet:B-1
Price:\3,800
作:松田正隆
演出:青山勝
出演:松本紀保、永滝元太郎、伴美奈子、外波山文明他
 死期を前にした妻と作家の夫の中年夫婦とその周りの人たちの静かな物語。
 どうしてこれが賞をとったのか、自分にはピンと来ない作品、だけど、役者さんはみんな佇まいが素敵。静がものすごく多く、ストーリー自体も無いようなものなので役者さんの技量は試されそうな作品。まあ、自分にはその辺を見極める力は無く、肌に合う合わないかだけなんだけど。紀保さん、明るめに演じてた気がするけど、本としてはそんな健気さみたいなものがかくされていたのかなぁ。
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No:060  じゃじゃ馬ならし / あうるすぽっと+毛皮族
Theater:あうるすぽっと
Date:11/22 S
Sheet:B-18
Price:\3,500
潤色、演出:江本純子
 シェークスピアのじゃじゃ馬ならしを毛皮族風にアレンジ、客演も加えてな公演。
 元々未見な芝居なので、予備知識入れておいて見やすかった。衣装は現代なのに、物語は中世のままってもの面白い。ストーリーはそのままだけど、途中色々おかずがついてかなり崩した感じ。柄本さんは、テレビの演技のほうが好き。鳥居さんは、元々好きなタイプの芸人さんだけれども、舞台上も存在感あってよかった。ここまでくだけるんだったら、もっと役者さんの個性に走っても良かったかなぁって。でも、江本節はしっかり楽しめます。
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No:059  おもてなし / 玉造小劇店
Theater:ザ・スズナリ
Date:11/22 M
Sheet:D-8
Price:\4,500
おもてなし 客演:みやなおこ、有馬自由他
 よろずや営む始末の上手な女将のお話。始末と関西のほうでは、やりくりとか倹約の意味。大店の妾でもあり、跡継ぎの養母でもあった女将は、よろずやで始末、始末で色々な物事を解決していく。父を亡くした跡継ぎは、息子とつるみ入り浸っているが、視力が衰え盲目になる寸前、息子に店の経営を任すと届出を出す。周囲の旦那衆は女将の企みと大騒ぎだが、女将には知らぬ話。結局、疑いは晴れるが、息子が大店の主になるもよろずやで忙しく暮らす女将。その顛末記。
 一番気になったのはいつもより出番の多いふっこさん。それはそれでうれしいんだけど、眉毛のうすさが気になって気になって。どうでもいいことだけど。いつもようなほんわか温か系のお芝居。いつもの役者陣も心得て、いいアンサンブル。
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No:058  サナギネ 幼生サイド / ベッド&メイキングス
Theater:青山円形劇場
Date:11/28 M
Sheet:D-30
Price:\5,000
原作:小池竹見
上演台本・演出:福原充則
出演:幼生サイド−岸井ゆきの、野口かおる、町田マリー、中丸シオン、玉置玲央、井筒大介、中村たかし、佐伯新、片岡礼子
成体サイド(参考)−清水葉月、富岡晃一郎、玉置玲央、冨森ジャスティン、三土幸敏、町田マリー、野口かおる
円形劇場を半分に仕切り、幼生サイドと成体サイドで繰り広げられる物語。
とある田舎町に暮らす14歳のヨシノが、自分で自分に八つ当たりしながら、都会へ飛び出す物語。割れた世界の向こうに思い出みたいな未来を目撃します。飛び出した十年後、劇場の仕切りが外れ、成体サイドと物語が融合。十年後のヨシノを救おうとする人々の物語へと変わり、そして、最後にヨシノは。
 最初は、う〜んって思ってみてたけど、仕切りが外れた瞬間に舞台に一気に引き込まれる。反対側で行なわれてきたことを想像しながら、十年間変わらないままいた田舎の人たちと、飛び出してきてしまったヨシノの十年を思う。野口さんが、最初にどうなんだろうってテンション(いつもの)で入ってきて、ちょっと食傷気味なんだけど、後半は圧巻のお芝居。双数版も観ておけばよかったなぁ。
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No:057  世界は嘘で出来ている / ONEOR8
Theater:ザ・スズナリ
Date:10/26 M
Sheet:D-6
Price:\4,500
 特殊清掃処理業者の社長の男、孤独死した部屋の処理に来た女性のアパートの一室、そこで孤独死したのは女性と付き合っていた弟であった。兄弟の母親は、体を売り一人子供を養った。母親への気持ちからか、何かに直面すると嘘をつく癖がついてしまった弟、面倒見のいい兄、二人は母親の再婚を境に上京し暮らしていた。兄の結婚を機に、兄弟も離れ離れになり、弟は安定した職にも就かず、失業手当でひも同然の暮らしだった。そんな二人の幼少から現在までを時間が行ったり着たりの物語。自分をかばう嘘、気にして欲しくてついてしまう嘘、相手を思うが故についてしまう嘘、世界は嘘でできている。
 岡山の実家で東京に出てくるまでの時間と現在(それもエピソードとしてさかのぼる)が、行き来するがすんなりと物語が入ってくる構成。しかも、メインのアパート、実家、東京で兄弟が暮らしていた部屋とセットを変えず、はたまた主役の2人は衣装も変えない。そういった冒険でも、観せきる構成力と役者の力に天晴れ。返って効果的にすら見えてしまう。説明台詞も違和感無く織り込まれた上で、テンポ良く話が進む。重い話題だけれども、笑いを交えて、最後はしんみり。ちょっと自分のことと重ねてみちゃったりもして。役が適材適所、和田さんの出番が滅茶苦茶少ないのが残念だけど、注目していた異儀田さんは要の難しい役も無理があるかなって思うような部分もあるけど、ふり幅の広さを見せてくれた。キャストがみんないい。最初の甲本さんと伊藤さんの場面での入りかたが、説明的にならずうまく状況把握をさせてくれて、なおかつ面白い。最後に母親に弟は苦しまずに死んだ様子を電話で伝える場面で、舞台前半になぜ苦しまなかったのかの説明が富田さんによってされているけど、もう一度繰り返しする必要があったのかなぁって、あと異儀田さんの「母ちゃんはおばさんだから誰も買ってくれない」って台詞は、子供に対しては言わないんじゃないかなって、そんな子細なことまで気になるくらいのめりこんでみちゃった。ちょっと自分の家族と重ねちゃったりもして。今年一番決定だなぁ。いい芝居観た〜
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No:056  暗愚小傳 / 青年団
Theater:吉祥寺シアター
Date:10/25 S
Sheet:自由
Price:\4,000
 2004年に劇場で観た作品で、それ以前にも幾度か上演されている作品
 当時観た時の印象は良かったようだけれど、今回はウトウトでなんか入り込めなかった。松田さんの演技も過剰な感じ、能島さんの歌声がきれいだなぁって。前回のアフタートークでテーマが戦争って言ってて、ピンと来なかったけど、今回はまんま戦争の話に感じた。舞台が変わったのか、自分が変わったのか。
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No:055  朽ちるまにまに / 演劇集団円
Theater:ステージ円
Date:10/19 M
Sheet:B-6
Price:\4,800
作・演出:桑原裕子
出演:平栗あつみ、磯西真喜、中條サエ子、吉見一豊、石井英明、瑞木健太郎、佐藤銀平、冠野智美、清田智彦、石黒光
 団塊の世代に生まれた女三人組のお馴染み旅行。今回はペルーで世界遺産を探訪するスピリチュアルツアーだ。しかし現地案内人にそそのかされ当初予定されていたツアーを離脱し、チチカカ湖奥地の秘境で奇妙な民族と数日間過ごす羽目になってしまった。そんな旅を終えて数日後。三人の体に不可思議な変化が…。なんと20歳ほど若返っていたのだ! 「もう一度人生やり直そう」「やり残したことを取り戻そう」と、はじめは若返りを喜んでいたが…。老いと若さ、強さと弱さ、生きがいとは後悔とは。(演劇集団円HPより)
 役者さんはそつなくこなしまとまっている、特に、吉見さんは難しい役をエキセントリックになりすぎず、きちんとキーマン。KAKUTAや「彼の地」のメンバーの若さあふれるぐるーぶ感はやっぱり無いかぁ。お得意の青春群像劇でも、一家族のお話でもなく、ちょっと新しい展開。いつもだったら、エネルギーのやり場だったり、理不尽だったりとの葛藤や折り合いみたいなものが織り込まれているけど、今回は老いとの葛藤や折り合い、それも体の老いと心の老い。過去に別な場所で紹介した、「若さとは選択肢を捨てないこと」と書いた朝日のスポーツ編集員の西村欣也を最近思い出し、そういうことに関連したことが、身近で起こったり、話したりと言うことがあった上でのこのお芝居ってのも身に沁みた。
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No:054  カップで自分を量るがいい / ツチプロ
Theater:OFFOFFシアター
Date:10/18 M
Sheet:E-3
Price:\4,000
作:土田英生
演出:須藤黄英
出演:山本芳樹、小飯塚貴世江、日沼さくら、正村徹、土屋士、木下智恵、笠原浩夫
 私は爽やかで、気配りもできる。周囲からの評判もいい。可愛い彼女との結婚式は目前。会社の同僚や学生時代の友人達は積極的に準備をしてくれている。全ては順調。俺はなんて幸せな男なんだ。……一体、なにが起きたのか? 突然、私の評価が下がった。真っ逆さまに落ちて行く。まるで世界の敵であるかのように私を見ている。なにもしていない。変わっていない。なのに、なのに。もう私は保てない。周囲の急変によって、突然訪れるアイデンティティーの崩壊を描く、心理ホラー演劇。(ツチプロHPより)
 土田さんお得意の集団心理のちょっとブラックなコメディー。いつも思っちゃうけど、土田さんの演出で観てみたい。主役の土屋さんて方は、土田作品が好きらしいけど、テイストが違う気がしちゃう。Lifeの役者さんたちの役作りもちょっと作りすぎ感が。その中で、日沼さくらさんって方はちょっと今後注目したい女優さん。物語的には、最後に無理があるような。
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No:053  靴 / ペンギンプルペイルパイルズ
Theater:ザ・スズナリ
Date:10/12 M
Sheet:A-10
Price:\4,500
客演:愛名ミラ、大和田健介、金澤美穂、山田真歩
 左右反対に左右に足の大きさが違う女子高生2人。さして仲も良くないが2組靴を買えばと利害関係が一致、だけど靴を選ぶのはいつも片方の娘。そんな二人が靴探しの旅。時間軸も場所もバラバラに、過去の靴だけが残される連続殺人事件、小学校の上履き泥棒、泥だらけの婚約者の訪問と家族の物語が行ったり来たりして、ちょっとずつ繋がっていく物語。
 あいも変わらずつかみどころが無いけど引き込まれる舞台。なんかウトウトしてしまったけど、すごく後悔。下駄箱や靴屋を連想させる奥方向から客席に向かっているセットが素敵で、使い方も好み。女子高生役の二人の片方の子はペンギンの雰囲気に合っていた気がするけど、もう一人の子はちょっと自分は苦手な感じ。そして、ぼくもとさん、玉置さん、高鹿さんはほんといいな、特に、ぼくもとさんの盲目感なドライブがとってもスパイシー。
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No:052  社長吸血記 / NYLON100℃
Theater:本多劇場
Date:10/4 M
Sheet:D-9
Price:\6,900
客演:鈴木杏、かもめんたる、山内圭哉
 とある悪徳保険会社の屋上、社長は失踪してから3ヶ月あまり見つかっていない。しかし、社長は失踪したのではなく、女性社員に殺されていた。隣のマンションに住む男は、女性社員の恋人を装い社長の死体を隠す手伝いをするが、どうも他に裏がありそうな様子。保険会社は、詐欺まがいの行為で、抗議やら暴徒が殴りこんで来るはで大騒ぎ。そんな屋上には、社長の亡霊が呼んだのか、旧世代の社員たちが古き良き日をたどるかのように召集され、今狂人めいた会話を繰り返す。そして、様々な問題を調査している全く的外れな探偵。ちっとも悪人っぽい感じの人間に見えないのに悪人ばかりで、ほとんど善人が出てこないブラックコメディー。
 人がちっとしたことで、悪意を持っちゃったり、価値観の麻痺で悪いことしたり、善意や人を思う気持ちが悪行に繋がったりと、ブラック三昧ながら、シニカル、ナンセンスな笑いで物語が進行。休憩無しの2時間半だけど、全然空きさせない。ベテラン勢の息の合い方は、ある種の古典芸能のよう。客演の山内さん演じる良い探偵の役割がいまひとつわからずじまい。大倉さんのいんちきくさい老人役はほんとはまり役だなぁ。かといって、ベテラン陣の飛び道具に頼らず、間やずらし方やナンセンスさで笑いを取る。今回も映像が素敵、けれど席が前過ぎて全体像が見られないのがすごく残念。ベテランメンバーが、過去の人間として登場するくだりでは、旧作でやった役名がその演じた人に使われていたりしてニヤリ、でもこれって次本公演の「消失」でピリオド打つって暗示なのかしら。だったら、さびしいばかり・・・
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No:051  愛欲の乱NEO / Good Morning N°5
Theater:OFFOFFシアター
Date:10/3 M
Sheet:自由
Price:\3,500
出演:藤田記子、新田めぐみ、長谷部洋子、久保田南美、佐々木彩、あさぬま美輝
 藤田さん同じ役やると思いきや主役でなく、若手のほうが、勢いとスピード感があって面白いかな。でも、笑わせる手練は圧倒的にベテラン組。野口さんのあれはやっぱりポツドールに出ている新田さんだった・・・
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No:050  愛欲の乱 / Good Morning N°5
Theater:OFFOFFシアター
Date:9/28 M
Sheet:自由
Price:\3,400
客演:小椋あずき、MINAKO、野口かおる、柿弘美
 地方の役場に勤めるプライド高き女が女優魂に目覚めてあんなんなったり、こんなんなったりなお話。
 いつものごとくな体当たり系。熟女が露出多めのハイテンション芝居。話は、あってないようなもの・・・ 今回もな、野口かおる嬢、ああいうのが好きなのか?
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No:049  THE GREATEST HITS OF HYOUGEN SAWAYAKA / 表現・さわやか
Theater:駅前劇場
Date:9/27 M
Sheet:D-2
Price:\4,000
客演:森下亮
 表現さわやかの過去10年の厳選されたコント集。
 なんか、池鉄さん、真弓さん観たくて行っちゃうんだよなぁ。で、苦笑。イケシンさんの空回りっぷりっていうか、放置されっぷりっていうかが、相変わらず面白い。
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No:048  サバイブ! / 自転車キンクリートSTORE
Theater:SPACE雑遊
Date:9/14 S
Sheet:自由
Price:\3,600
作・演出:早船聡
出演:歌川椎子、天光眞弓、弘中麻紀、久松信美、仲井真徹、大村沙亜子、松坂早苗
 娘の為を思い、強い(しい)束縛する母、母のためにと思い従う姉と反発する妹。姉は未婚で婚期を逃し、妹は娘をタレント事務所に入れてステージママ、結局は毛嫌いしていた母親と同じように娘の将来といいながらタレント修行させる。姉が離婚協議中の上司といい仲になり、息子と一緒に家に来るようになって、関係性が変わりだす。母と娘の物語
 「ヒトガタ」の歌川さんと麻紀ちゃん、「またもや、休むに似たり!」の久松さんと歌川さん、「鳥瞰図」の早船(作)と麻紀ちゃんと、好きな作品の中で複数出ている人たちが組み合わさっているお芝居、公演に気がついたのが2週間前で速攻チケットとって観た。早船さんの外部提供の作品は、自分が観たサスペンデッズと違ったテイスト。「鳥瞰図」のそれと近いので、自分は大好き。麻紀ちゃんがやたらと若作りで出てきて、一瞬気がつかなかった。久松さん尾飄々とした感じの中でも、後ろ盾のある頼もしさみたいなのが素敵。今まで観た中で一番しっとりな歌川さんもまたよし。こういうキャストの芝居いっぱい観たいなぁ、飯島さんの作品でキンクリート観たいなぁ、小劇場万歳!
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No:047  風の吹く夢 / THE SHAMPOO HAT
Theater:ザ・スズナリ
Date:9/14 M
Sheet:A-12
Price:\3,900
客演:池田成志、銀粉蝶、黒沢あすか
 ある土木作業員の男のある一日のロードムービー。後輩を怒鳴る。父の療養の為に上京した男の為に、冷蔵庫を手配するため元妻の暮らす家に行って空回り。スナックで宗教に勧誘されかける。同僚の家に行って、息子の初一人ウンチに物を見せられる。せつな悲しいもコミカルな物語。
 死なない、罪を犯さない芝居ながらも、芝居のトーンはシャンプー。それなのにかなりコメディーチックで、おっさん自体のお話はなんとも悲しく、そのギャップが面白い。成士さん、銀粉さんにも頼りっぱなしに成らず、魅力は十分に引き出している感。生きていくことへの虚無感みたいなものと、それでも毎日生きている執着みたいなものがおっさんの中にいろんな感情として入り乱れて表現されていて、なんか同世代的共感。
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No:046  無意味な花園 / 空想組曲番外公演
Theater:サンモールスタジオ
Date:9/7 M
Sheet:F-13
Price:\4,200
作・演出:ほさかよう
 真面目な高校の女教師。男子生徒に翻弄され、二人の狂気の世界へ。中年女と少年の過去からのコンプレックスが交差し、周りも巻き込む物語。
 前半ちょっとした笑いもばらまいてあり、ほさかさんの本にしたら、自分には観やすいほうだった。設定がちょっと強引なのと、気持ちの変化が元になるものが見えにくい。紀保さんのたたずまいは素敵で、西井幸人君はなんか将来いい味だしそうな所作や目、しゅりさんが自分にはちょっとつらいかなぁ。
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No:045  ビルのゲーツ / ヨーロッパ企画
Theater:本多劇場
Date:9/6 M
Sheet:H-16
Price:\4,500
客演:加藤啓、吉川莉早他
 ある企業のCEOからの連絡でビルを訪れたベンチャーの会社員たち。IDカードで開くゲートをくぐり、階段を上っていくとそこにはまたゲート、そして、またゲート。IDカードをかざすために、クイズや体力を使わないと、かざせない仕組みに、機転を利かせ、途中会う他の会社の人間たちと結託したりとな、ゲート空け続けるコメディー、結局最後にたどり着くのは・・・
 シチュエーションとセットが変わらないで2時間超えはちょっとくどい。最後のシーンは、終わらせられなかった感じの中で、伏線や説明が足りないかな。とはいえ、いつもの集団どたばたコメディ、どうでもいいことに突っ込み、意外に極限なのにすっとぼけてるなどなど、くすぐってくれる。西村直子ちゃんがいつもより早めで多めの出演だけど、本多君はいつもより少な目の出演で役もしっくり来なかったのはざんねんかなぁ。
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No:044  EASY ORDER / 四獣×玉造小劇店
Theater:シアター711
Date:8/15 M
Sheet:E-3
Price:\4,000
作・演出:わかぎゑふ
客演:コング桑田、うえだひろし、満間昂平
 勘違いでオリンピック会場となる土地の地下にライブハウスを作り上げ、ステージに立つと大金が得られると集まってしまった日雇い労働者、公務員、シンガーたちの繰り広げるドタバタミュージカル
 植本さん、桂さん、そして、コングさん客演なのに、導入部でウトウト、話がつまらないわけでなく、疲れなのか何なのか。おふざけいっぱいのコメディー。お仲間たちいっぱいの客席は、笑いいっぱい。
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No:043  痕跡 / KAKUTA
Theater:青山円形劇場
Date:8/14 S
Sheet:H-2
Price:\3,800
客演:斉藤とも子、松村武
 十年前の大雨の日の深夜にある川沿いでおこった交通事故。被害にあった10歳の男の子は行方不明、引いた車もわからずのまま、事件は未解決のままだった。息子を失った母は夫との折り合いも悪く、言い争いをしている中で息子が飛び出て行ってしまって時の事故だった。10年経ち女は癌を宣告され、ライターと義妹と共に息子探しに出た。あるクリーニング工場に勤める出自不明な男は、社長の妹と同棲し籍のない子供を息子として3人でくらしていた。母親代わりの社長の妹は、息子として20歳の記念に裏で産んだ子だと言って、籍を入れようというが、男は激しく拒んだ。一方、子供をはねた男は、その後ささやかな幸せを手にして、妻の出産のために川のある街に戻ってきた。籍を持たない外国人たちを交え、消せない過去と、消してしまった(消えてしまった)自分や家族と向き合う人々の話。
 ちょっといつもと反対側のアプローチなのかもしれないけど、いつもより笑いも少な目なのかもしれないけど、やっぱりKAKUTAはいいなあ。一人一人のディテールに桑原さんの気持ちがきちんと注入されている感じがする。だから、自分にはあり得ない人生なのに、すべての人物に感情移入ができちゃう。松村さんは、こういう役はほんといいなぁ、そして、異儀田さんと高山さんの説得力のある演技がすごくよくて、これで佐賀野さん、斉藤さん、成清さんのやる役柄がより生きている気がする。今回の桑原さんのキャラは抑えめ、らーらが傷ついたシーンでいう桑原さん演じるメイが言う「見ちゃったから」ってシーンがすごく良かった。小さな事柄や一瞬の出来事で、人生が少しづつ変わり、それを消せない過去として、人はひきづって生きていく、物語だな〜。
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No:042  君となら / PARCO Production
Theater:PARCO劇場
Date:8/14 M
Sheet:G-8
Price:\9,500
作・演出:三谷幸喜
出演:竹内結子、草刈正雄、イモトアヤコ、長野里美、長谷川朝晴、木津誠之、小林勝也
 2人の娘のいる床屋の夫婦の元にやってきた長女と付き合っている相手は70歳の実業家。ごまかすために、嘘を重ねていくと、そこに老人の息子までが登場し、勘違いの連続の行き先は?なシチュエーションコメディー。
 草刈さんはなんかいい男のまんま。イモトさんがタレントとは思えない達者ぶりで、舞台を回す回す。長野さん一人が舞台役者っぽい感じで締めて笑わせる。そして、着ぐるみとはいかないまでも第三舞台の時のようなキャラでサービスも。
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No:041  ラストフラワーズ / 大人の新感線
Theater:赤坂ACTシアター
Date:8/13 M
Sheet:T-1
Price:\11,000
作:松尾スズキ
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太、阿部サダヲ、小池栄子、橋本じゅん、宮藤官九郎、高田聖子、皆川猿時、粟根まこと、村杉蝉之介、荒川良々、平岩紙、星野源他
 やくざの組の跡継ぎはある科学者によって作られた人造的に進化させた人間だった。組にちょっかいをだす北の隣国を模したある国の暴力団との抗争が絶えなかった。ある国では科学者を使い、世界の征服をしようとしていたが、実際には科学者の陰謀の手の内だった。ある国の暴走を食い止めようとする裏組織があり、一介の庶民を装い活動していた。そして、ある国の元首の妻は暴力団の女主であり、王国化しようとする国に自分の息子を次期の国王にしようと向かう。すべての人々がある国に向かい、しっちゃかめっちゃかな争いが起こり、世界が破滅に向かう。それを救ったのは元首が日本にいたころに聞いたある男女のフォーク歌手の曲だった。そして、その曲「ラストフラワーズ」を伝えられた男がたまたま一緒に来ていた。
 やあ、オールスターな舞台、主役級ほぼ全員に華持たせるから長い長い、でも全然飽きない。笑いっぱなしの3時間半。そして、松尾さんの本のノスタルジーを締めるのが星野源さんの歌と紙ちゃんのタンバリンってもの素敵。紙ちゃんかわいすぎ、小池さんはとってもはまり役。
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No:040  朝日のような夕日をつれて2014 / KONAMI@network
Theater:紀伊國屋ホール
Date:8/12 S
Sheet:K-18
Price:\8,500
作・演出:鴻上尚史
出演:大高洋夫、小須田康人、藤井隆、玉置玲央、伊礼彼方
 右下がりのおもちゃ会社の商品企画とゴドー待ちの話をダンス、映像とコントのようなシーンを交えてコラージュした作品。
 前に映像で見たときも?だったけど、現代版にリメイクされていても、やっぱりよくわかんなかった。ただ、当時からの小須田さん、大高さんは33年経ってもかっこよく、光と影と映像を使った演出はスタイリッシュで素敵だった。垣間見る普遍性みたいなものにうなずいたり、首をひねったり。
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No:039  山犬 / OFFICE SHIKAプロデュース
Theater:座・高円寺1
Date:8/9 M
Sheet:C-8
Price:\4,900
作・演出:丸尾丸一郎
出演:鳥肌実、森下くるみ、ISSOP、オレノグラフィティー、山岸門人、丸尾丸一郎
 高校時代に仲の良かった女の子と男二人、身に覚えのない同窓生から同窓会後に、前に埋めたものを掘り出そうと連絡を受ける。行った先で監禁される3人。一方で、この呼び出した男といつも一緒にいた山犬の物語が並行して語られる。彼らの仲間になれなく、遠くから見守っていた男と犬。そして、彼らが監禁されていた小屋で行われた過去のバラバラ殺人事件が蘇ってくる。
 過去の作品ではあるけど、鹿殺しのイメージのなかった惨劇のホラー。鳥肌さんは、その存在感をもっと前に出してくるのかと思ったけれど、比較的抑え気味。森下さんは、好みのタイプの演技をする感じの人だった。丸尾さんの演出は初めて、チョビちゃんの演出の鹿殺しの通常公演と比べると、スピード感に欠ける感じ。門人さんは相変わらず好きだなぁ。
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No:038  愛さずにはいられない / 猫のホテル
Theater:すみだパークスタジオ倉
Date:8/2 M
Sheet:D-8
Price:\4,500
客演:七味まゆみ、川本ナオト、松本D輔
 やくざの父を持ち、母を出生時に亡くした少年は、遺言状や権利書を持ってお手伝いの女と一緒に家を出た。女が連れてきた場所は、ホームレスのような生活をする人々が集まる街外れ。やくざの父はその日何者かに殺され、愛人が跡目問題に乗り出し、組を仕切ろうとしていた。お手伝い、愛人、そして、ホームレスの中の女、三人の共通点は。少年は家へと戻っていく、そして、少年の本当の母とは・・・
 若手の客演陣でちょっと新しい風もありながら、猫ホテワールド全開。ちょっとだけいつもと違う役柄のまことさんだけども、声の良さと色気はそのまま。死体だからほとんど無言のしんペーさんのコミカルさとその裏の毒々しさ。真弓さんのよくわかんない色っぽさ。池田さん、村上さんのやんちゃっぷりも素敵。まさに、劇団力だなぁ。どこか鷺沢さんの「葉桜の日」を感じさせるお話もほろっと。
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No:037  窓に映るエレジー / ジョンソン&ジャクソン
Theater:CBGKシブゲキ!!
Date:7/27 M
Sheet:E-13
Price:\4,800
作・演出:大倉孝二、ブルー&スカイ
出演:大倉孝二、ブルー&スカイ、村岡希美、池谷のぶえ、菊池明明、川原一馬、池田成志
 節約してデパートの試着室で暮らし、高層マンションを買って景色を見せたがる女。景気の直前刑務所を福岡の抜け出し、広島、京都と渡り、東京を目指す男。男は、女の兄で、妹に悪戯をする変質者の友人を殺してしまった罪で入所していた。男は、妹がマンションを自慢し、周りの人間から疎まれているということを伝えるために脱獄したのだった。って話がナンセンスなエピソードを随所に絡めて展開される。
 前半の伏線部分でどうなっちゃうのかと思いきや、全部最後にたどりつくブルー&スカイマジック。大倉さんと共同脚本になってるけど、ブルーさんの色が濃い気がする。そして、成志さん、この人に意味のない事させると天下一品だなぁ。その分、大倉さんはちょっと抑え気味な気がするのは残念。そして、池谷さんと村岡さんの酒とつまみコンビも絶妙。役者見てるだけで楽しくなるなぁ。
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No:036  カッコーの巣の上で / ホリプロ他
Theater:東京芸術劇場 プレイハウス
Date:7/26 M
Sheet:S-28
Price:\5,000(okepi:額面\10,000)
台本:演出:河原雅彦
出演:小栗旬、神野三鈴、武田真治、大東俊介、吉田鋼太郎、福田転球、伊達曉、長田奈麻、山内圭哉他
 映画「カッコーの巣の上で」の舞台化。
 翻訳劇なので、キャストに興味があったけど、見送っていた。たまたま、チケットを安く譲ってくれる方がいらっしゃったので、足元見るような申し訳ないお願いで、譲ってもらって観劇。小栗さんは 華があって素敵。静も動も、きらりと光る。基本的に、小栗さんの独壇場で、神野さんとの対決という構図だけれども、ストーリーテラーになる山内さんがとってもいい味を出している。最後のシーンの小栗さんと山内さんは印象的。唯一の飛道具の長田さんの出番が少ないのは残念。河原さんだったから、もっとスピーディーになるのかなと思ったら、じっくりどスレート、あまり期待はしたいなかった分、とっても得した感じの舞台。
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No:035  廃墟の鯨 / 椿組
Theater:花園神社境内特設ステージ
Date:7/20 S
Sheet:自由
Price:\4,000
作・演出:東憲司
出演:松本紀保、山本亨、辻親八、水野あや、外波山文明他
 戦後の廃墟の街、貧困に暮らす人々と取り巻くやくざと娼婦。そこに、訪れた女は、人々を救おうとやくざと対立、しかし、自らは死の病の蝕まれていた。女は満州で花屋家業の令嬢、女を探していた男たちも交えて、戦う。娼婦の逃げ出し、やくざの抗争も加わり、混沌とした状態に。願う人々の元に大きな鯨が救いに訪れると、女は息を絶つ
 男芝居に紀保さんの啖呵がかっこいい。山本さん他の立ち回りも美しく、かっこいい。予定調和な感は否めないけど、降りしきる豪雨も相まってか、ライブ感がすごい。いつもの最後に後ろが開くセットも、美しいラストを見せてくれて満足。いいセットだなって思ったら、加藤ちかさんだった。
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No:034  母に欲す / パルコ・プロデュース
Theater:PARCO劇場
Date:7/19 M
Sheet:A-13
Price:\7,500
作・演出:三浦大輔
出演:峯田和伸、池松壮亮、土村芳、米村亮太朗、吉澤裕介、片岡礼子、田口トモロヲ
 ミージシャンを目指し、東京で貧乏暮らしをする兄、地元に残り堅実に家族と暮らす弟。母の急逝に、連絡が取れず死に顔が見られなかった兄は、田舎に帰ってしばらく暮らしはじめる。そこに父が新しい母親を連れてくる。最初は、拒んでいた兄弟であるが、新しい母を女性としても見てしまうことにより、受け入れ始める。そうやって接する他人がこなす母親を見て、二人は死んだ母親を思う。
 三浦さんだけに、もっと過激になるかと思ったけど、意外にもストレート。池松さんの淡々とたところから激昂する演技は見もの。田口トモロヲさんは、舞台で観るのが初めて、なんか意外。音楽が大友良英さんだったけど、今一印象に残らなかった。
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No:033  夕 / TAKUMA FESTIVAL JAPAN
Theater:サンシャイン劇場
Date:7/13 M
Sheet:3-12
Price:\7,800
出演:内山理名、上原多香子、高橋光臣、藤吉久美子、山崎静代他
 2008年に劇場で観た作品
切ない結末を知っているから、伏線の笑いの部分からもうウルウル来ちゃう。夕役の内山さんの元気さの裏腹に気持ちを告白できない演技もはまっていてとっても可憐。藤吉さんは、肝っ玉母さん役が意外にもはまっていて、しずちゃんと二人でいいスパイス。ベタはベタなんだけど、素敵な芝居だなぁ。ウルッときた後に、終演後のイベントはいかがなものかと思ったけど、これもまたいいのかも。
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No:032  おとこたち / ハイバイ
Theater:東京芸術劇場シアターイースト
Date:7/12 M
Sheet:I-22
Price:\3,500
客演:菅原永二、岡部たかし、用松亮、安藤聖
 薬品販売で優秀な成績を残すが息子との確執を抱えたサラリーマンの男。妻と不倫相手に互いに連絡を取られまんまと嵌められ、その後癌の妻と暮らす男。クレーム処理を続けてきて最後にぼけてしまう男。コミカルな戦隊ヒローものの役者をやっていたが酒に溺れ、宗教に嵌り、若くして命を落とした男。4人の同い年の男たちの半生を綴った作品。
 コミカルな展開の中に、ぐさりと刺さるようなリアルを突きつけられる。淡々と描かれる物語も、感情移入してしまう場面が多々。主役4人の中で、永井さん、聖ちゃんがいいアクセント。ショートカットの聖ちゃんが可愛い。岩井さん、演出も演技もこずるいなぁ。
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No:031  鎌塚氏、振り下ろす / M&Oplays
Theater:本多劇場
Date:7/6 M
Sheet:A-17
Price:\6,800
作・演出:倉持裕
出演:三宅弘城、ともさかりえ、片桐仁、広岡由里子、玉置孝匡、ベンガル、北村有起哉
 鎌塚氏シリーズ第三弾。父を失い引き籠りの主についた執事鎌塚アカシ。引き籠りの上に、いないはずの執事が何人も見えているという状況の中、国会の票集めにいつもの成り上がり侯爵がやってきて大騒ぎ。アカシに想いを寄せる女中頭の上見アカリがからみ、アカシの父まで出てくる展開のコメディ。
 三宅さんとともさかさんの掛合いが絶妙だなぁ。その上、片桐さん、広岡さんが濃い濃い。今回は物語性も強く、有起哉さんのコミカルな部分も見られてそれも良し。ベンガルさんの色合いがちょっと違う感じがしたのが残念。
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No:030  てんぷくトリオのコント 〜井上ひさし笑いの原点〜 / こまつ座
Theater:あうるすぽっと
Date:6/28 S
Sheet:I-22
Price:\1,000
脚本・監修:ラサール石井
演出:青木豪
出演:我が家、山西惇、佐藤真弓、市川しんぺー、みのすけ、伽代子
 井上ひさし作のてんぷくトリオのコントを交えながら、井上ひさしのコント作家としての反省を描く。
 我が家のみならず、しんぺーさん、みのすけさんでもてんぷくトリオを演じたり、とっても観やすい内容。井上ひさしさんを演じる山西さんが素敵で、その娘役の真弓さんがなんかわかんないけど色っぽい。
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No:029  BACK STAGE / 東宝
Theater:シアタークリエ
Date:6/14 M
Sheet:8-2
Price:\7,900
作・演出・出演:池田鉄洋
出演:相葉裕樹、近江谷太朗、鈴木砂羽、西ノ園達大他
 落ち目のミュージカル俳優と女優のお芝居の舞台裏。役者のわがままと襲来した宇宙人の憑依で大慌てな舞台裏。舞台を成立させようとするスタッフは、地球を救うことに的なB級コメディー。
 最初は表現さわやかをクリエでやるのかと思った前半。後半の仕掛けで、なるほどな展開で意外なエンターテイメントに。砂羽さんの女優魂に感服な作品。
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No:028  鍵泥棒のメソッド / 演劇集団キャラメルボックス
Theater:サンシャイン劇場
Date:5/25 M
Sheet:8-22
Price:\7,300
 内田けんじ監督作品の同名タイトルの映画の舞台化。
 ベテラン、若手のダブルキャストで岡田、岡内コンビのWhiteを観たかったのに、間違えてBlackをとってしまう。でも、Blackにも二人とも美味しい役で出ていたので良しとしましょう。しかも、西川さん、大森さん夫婦は、本当に夫婦役で出てるし。ベテランの余裕や遊びみたい部分に対して、若い人は一直線だなぁ。お芝居はほとんど映画のままのストーリー。久々のキャラメルで、最近観ているものと毛色が違うのか、説明台詞で状況を説明しちゃうのってどうよって思った。映画は、かなりヨリの映像を使ったけど、演劇だったらこんな風にっていう演出がみたかったなぁ。でも、あっという間の2時間、原作の完成度に圧巻。
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No:027  ザ グレート ハンティング / HOBO
Theater:駅前劇場
Date:5/23 S
Sheet:A-7
Price:\3,900
 ダムに沈むことが決まった過疎の村に一軒建つペンションを併設したカフェ。夫婦で営む中、近くの農場姉妹や居座っているミュージシャンが出入り。そこに、自殺志願者、町から来た娘、村の様子のルポしに来た男、農場を手伝いに来るバックパッカーが訪れ、様々な物語が繰り広げられる。
 至福の時間、HOBOは度魅力的になっていくなぁ。もうずっとあの空間にいたい感じ。紀保さん、瓜生さんの客演もたまらないし、もひとり客演の小林さんのキャラづくりもよし。そして、いつものメンバー。みんながとっても幸せそう。そのうえ、お話はちょっと社会的だったりも。
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No:026  殺風景 / シアターコクーン・オンレパートリー
Theater:シアターコクーン
Date:5/18 M
Sheet:2F-BL-16
Price:\5,000
 かつては炭鉱町として賑わっていた地方都市。今は見る影もなく人々はどこか諦念に呑み込まれ、町の空気は淀む一方。小規模な暴力団一家の菊池家は、怖いものなし、肩で風をきっていた一家だったが、時代は変わり電話代の支払いもままならない状況に陥っている。それでも意固地に任侠道を誇示する家長の国男を嘲笑するのは、闇金業を営む隣家のシングルマザー・大場節子だった。経済的な切迫か、それとも積年の恨みか…。突如として母親・マリが持ちかけた無謀ともいえる計画に、国男、そして長男・直也と次男・稔も巻き込まれて一家総出の大暴走が始まる。積み上げられる隣人の死体。見つからない二千万円。全てが終わり、取り調べを受ける国男の前に現れたのは、炭鉱夫として働いていた若き日の自分自身。過去の自分と会話をするかのように蘇ってくるのは、国男とマリの出会いから始まる菊池家の歴史、そして刹那的なエネルギーが充満していたかつてのこの町の姿であった。(コクーンHPより)
 当然、スズナリクラスで観たい赤堀さんの芝居だけど、浜辺のシーンとかコクーンサイズのお芝居を展開、上手にコクーンを赤堀ワールドに。ドリさんの説得力ったらない、やっぱり素敵な女優さんだぁ。そして、ジャニーズの人たちは、ほんと頑張るなぁ、真摯な姿にうっとり。周りのキャストもとっても素敵。
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No:025  青年Kの矜持 / LAUSU
Theater:俳優座劇場
Date:5/17 S
Sheet:8-19
Price:\4,800
 職も希望も失った青年が命を落とす前の5日間と、その間に出会った人々との物語を描いた作品。
 中村さんが器用に、その時その時の表情を表現する。周りの人たちも、一癖も二癖もある中、自分の役割はしっかり。役者見たさで行ったけど、話や演出も面白く、とってもお得感。
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No:024  人生2ねんせい / 財団、江本純子
Theater:下北沢 小劇場 B1
Date:5/17 M
Sheet:自由
Price:\3,500
 姪として蘇った女、数奇にも似通った二人の一生をコラージュして、描いた作品。
 佐久間麻由さんの幼少、今の切替がすごくメリハリがあって魅力的。お母さんの役の鄭もいい味出してるし、意図的だと思う抑揚を抑えた会話の店舗もまたいい感じ。
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No:023  ロンサム・ウェスト / シスカンパニー
Theater:新国立劇場 小劇場 THE PIT
Date:5/11 M
Sheet:CB-12
Price:\7,500
作:マーティン・マクドナー
演出:小川絵梨子
出演:堤真一、瑛太、木下あかり、北村有起哉
 兄弟はどちらも独身で、とにかく仲が悪い。それも食べ物や酒のことなど些細なことが発端で壮絶な喧嘩を繰り返している。この地に派遣され、まだ村の生活や人々になじめない神父は、おろおろするばかりで仲裁さえできない始末。しかも、父親の死にも平然としている兄弟どころか、この村には、ほかにも肉親殺しがいるという噂…。神父は村の殺伐とした現状に何もできない自分の無力さを嘆き、何かというと酒を手にするようになり、今ではすっかりアル中気味。そんな救いがたい男性たちに対し、ガーリーンという少女は酒の密売で稼ぐしっかり者の17歳。可愛らしい容姿なのだが、言動はがさつであばずれ風で、何かと気弱な神父をからかったり、つっかかったりしながら神父にまとわりついている。やがて、この最果ての地で、ウェルシュ神父は、ある決意を秘めた手紙をガーリーンに託す。コナー兄弟のもとへと届けられたウェルシュ神父の決意は、このどうしようもない兄弟の胸に届くのだろうか・・・・。(シアターガイドより)  二人のガチ芝居にも、いまいちピンとこない。同じ劇作家の本としては、ピローマンよりは観やすいけど、ウィー・トーマスに比べると、笑いもドキドキ感も少ない。兄弟二人の話なんだけど、神父の話が前に出てたりして。木下さんはちょっと浮いた感じかなぁ。
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No:022  十二夜 / 日本の30代
Theater:駅前劇場
Date:4/26 M
Sheet:B-7
Price:\3,800
演出:鵜山仁
出演:平岩紙、少路勇介、羽鳥名美子、延増静美他
 シェークスピアに文学座の方の演出ってことで、どストレートになるのかと思ったけど、一癖も二癖もある役者さん達、ベースは抑えつつもコミカルに。紙ちゃんの眼力がすごくいい。結構挑戦的なキャスティングで、羽鳥さんのアントーニオなんて、とってもアグレッシブ。少路さんはいつもの感じで大暴れ。前後、途中の音楽も印象的だったり。
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No:021  パン屋文六の試案〜続・岸田國士−幕劇コレクション / ナイロン100℃
Theater:青山円形劇場
Date:4/20 M
Sheet:G-17
Price:\6,900
潤色・構成・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
客演:萩原聖人、緒川たまき、植本潤、小野ゆり子、志賀廣太郎
 岸田國士の短編戯曲をケラさんが潤色してコラージュした作品。「ママ先生とその夫」「麺麭屋文六の思案」「かんしゃく玉」「恋愛恐怖症」「長閑なる反目」「ついに『知らん』文六」。
 全体的にコミカルでシニカルにポップな仕上がり。植本さんと緒川さんの「恋愛恐怖症」クスリをするもウトウト。「かんしゃく玉」の村岡さんの佇まい、「長閑なる反目」のみのすけさんの憎まれない屁理屈男がとてもいい。松永さんは貫禄すら出てきたけど、器用貧乏な感じも邪魔して尖ったところや怪しさみたいなものが薄れちゃった感じ。緒川さん、志賀さん、廣川さん、村岡さんといい声がそれって、それもまた嬉し。
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No:020  きゅうりの花 / ハイリンド
Theater:小劇場B1
Date:4/6 M
Sheet:D-1
Price:\3,500
作:土田英生
演出:扇田拓也
客演:宮内勇輝、白州本樹、山口森広
何回も劇場や映像で見ている作品
今回は、演出されるはずだった花組の水下さんがなくなられて、急遽演出が変わった。ハイリンドの旗揚げ公演が、唯一土田さんの本を他の演出家がやって面白いと思った「_初恋」。土田さんの好きの水下さんだっただけに観て見たかった。今回は、土田さん時のようなあの独特の間と受け側の演技が影を潜めてる感じ、また、負の感情や気持ちを比較的ドライにブラックに表現してる感じがする土田さんに比べて表に出している感じ。とはいえ、芝居好きのハイリンドの面々、それなりに観せ切るから素敵。チームワークのよさもよかったし、開演が遅れに遅れたことを終演後丁寧にわびたり、当日券で通路席に座ったお客様を関係者用に取られていたと思われる空席に案内したことは、やっぱり芝居に真摯に取り組んでる劇団ならではと思う。
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No:019  女 40歳 肉屋のムスメ / 星野園美プロデュース
Theater:「劇」小劇場
Date:3/30 M
Sheet:E-5
Price:\4,000
作・演出:田村孝裕
出演:星野園美、田島令子、俵木藤汰、福島まり子、野本光一郎、高畑裕太
女40歳肉屋の娘。十年前に父を亡くし、自分好きでお嬢様な母は男のところに。優しい心根を持ち店を切り盛り、残り物の毎日で大きな体に。そんなある日、母が帰ってきたり、教師をしている同級生がと殺を見せたいと相談に来たことから、母への確執が噴出す。幼い頃や、太ってしまった理由、決まった結婚が不意になったエピソードも盛り込まれ、肉屋を継いだ40女をせつなくも、コメディアスに描いた作品
キャスト一人ひとりの作りこみや演出、特に間や受け側、第三者的な立ち位置のときの役者の演技まで、細やかにつむいだ秀作だなあと思った。俵木さんの空回りの叔父、田島さんの身勝手さ、そして、野本さんと福島さんのコメディリリーフもうまくかみ合ってる気がする。そして、いつもは笑い担当のおいしいとこ取りの園美さんが、コミカル、悲しげ、物憂げ、激高と自由自在。こういう企画もの増やしてほしいなぁ。高畑さんの入りのほうの台詞回しがとってもお母さんと似ていてなんか笑っちゃいました。
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No:018  万獣こわい / ねずみの三銃士
Theater:PARCO劇場
Date:3/23 M
Sheet:L-31
Price:\8,500
作:宮藤官九郎
演出:河原雅彦
出演:生瀬勝久、池田成志、古田新太、小松和重、夏帆、小池栄子
尼崎の一家監禁殺人を思わせる狂気の男は、一家をマインドコントロールし、毎年ハロウィンの日に一人ずつ家族に殺させていた。最後に残った娘は逃げのび、ある喫茶店に助けを求める。不倫の果てに部下のOLと始めた喫茶店であった。数年後、その少女が訪ねてくる。その少女の暗闇は、あの事件で自分を助けてくれた夫婦と、養父をマインドコントロールし、事件と同じことを繰り返す。
恐ろしい話なんだけど、コメディーなのが、クドカン、河原さんコンビに、この役者陣なところ。そして、小池さんが生き生き楽しそう。そうは言いながら、結構チクリにやりな台詞もあったりして、この辺がクドカンがすごいとこなんだろうな。ちょっと中だるみ感があった気がするので、1幕2時間で見せきったほうが良かった気がする。それにしても岸田戯曲賞とった「鈍獣」から十年かぁ。
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No:017  宅悦とお岩〜四谷怪談のそのシーンのために〜 / 岩松了プロデュース
Theater:駅前劇場
Date:3/22 M
Sheet:B-8
Price:\3,800
 東海道四谷怪談』のお岩と宅悦のシーンを一本の芝居にしようとして奮闘している演出家と役者たちの物語である。演出家のミナミは「これは青春ドラマだ!」と宣言した。四谷怪談を読み込み、これは本当に青春ドラマになるのか、議論する役者たち。その役者たちの現実の生活が、やがてお岩と宅悦の関係のドラマを浮き上がらせ、一気にリアリティーをもちはじめるのだったが……<シアターガイドHPより抜粋>
 岩松さんの作品の相変わらずのわけわからずさはありながらも、とても面白く見られた青春グラフィティ。作家、演出家、役者、小道具と、小劇場の事情見た印者も垣間見せてくれながら、揺れるそれぞれの思いが描かれていた。おかぼれコンビは思わずにっこり、SHAMPOOの吉牟田さんがとってもよかった。
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No:016  ボクらはみんな生きている / ドラフェス市民ミュージカル
Theater:入間市民会館
Date:3/21 S
Sheet:自由
Price:\1,300
 孤児達がたむろし悪さをする街。新しくした警察署長は、街の清浄の旗のもと彼らを囚虜しようとする。二つの勢力の孤児達の窃盗団は、女王から署長に送られた杖を盗んだほうがイニシアチブとる果し合い。ここに父から愛を感じられない署長の子供達が加わって。孤児達、街の行方はな、最後はハッピーエンドな子供中心の市民ミュージカル。
 知り合いの娘さんが出るので観にいったけど、席の位置、出演者の多さでどの娘かわからず。お芝居自体は、鳥獣戯画の方達がフォローアップしているので、セット、音響、照明とかなりちゃんとしている。かなり稽古の時間も取っているようで、歌とダンスはかなり時間をかけた感がした。お芝居は、やっぱり間が難しいかな、相手の台詞待っちゃったり、被せちゃったり。終演後のロビーの演者達の笑顔をみれば、こういった公演の在り様が伺える。
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No:015  楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜 / 劇団チョコレートケーキ
Theater:「劇」小劇場
Date:3/16 M
Sheet:自由
Price:\3,000
作:清水邦夫
演出:日澤雄介
出演:伊東知香、井上みなみ、川田希
松本紀保 ある女楽屋、住み着く大成しなかった女優たちの念(お化け)たちの楽屋トーク。
川田さん、紀保さんの会話がほんとに楽屋トークっぽい温度間で面白し、井上みなみあえてのたどたどしさなのかいい感じにマッチ。全体的には、自分には退屈な舞台。
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No:014  S高原から / 青年団若手公演+こまばアゴラ演劇”無隣館”修了公演
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:3/15 S
Sheet:自由
Price:\2,000
 2005年に劇場で観た作品
 何人かどうだろうって役者さんがいて、それが冒頭部分だったのでちょっと気持ちそがれる。物語的にもちょっと恋愛の描き方が一様な感じがして、それを力ずくの笑いで抑揚をつけているような。とはいえ、こういったテイストの平田さんの作品は好き。看護婦の女性はエキセントリックもどこか伸び代を感じる人だった。見返してみたら、前の感想も似た感じだった。
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No:013  大きなものを破壊命令 / ニッポンの河川
Theater:東京芸術劇場シアターイースト
Date:3/8 S
Sheet:自由
Price:\3,500
作・演出:福原光則
出演:峯村リエ、佐藤真弓、中村舞、光指光絵
 熊谷の連続首絞めを追って、殺される少年と、何と戦っているかわからない戦場に赴いた4姉妹の話がちょっとずつ入り乱れて。
 全くわけわからずなままの65分。好きな役者さんたちだけに残念。
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No:012  彼の地 / 北九州芸術劇場プロデュース
Theater:あうるすぽっと
Date:3/8 M
Sheet:E-1
Price:\3,500
作・演出:桑原裕子
出演:若狭勝也、佐賀野雅和、異儀田夏葉、寺田剛史、多田香織他
 北九州を舞台に、自分のいる場所を見つけられずさまよう男中山君、結婚を明日に控え不安になる東京から嫁いできた娘とその友達、ストリップダンサーの妻に逃げられて千葉から追ってきた男、定年を迎えた男と工場の人たち、酒びたりの男とその家族、チンピラ、ローブウェイの運転手それぞれの物語を描いたお話。
 いつものKAKUTAとは、ちょっと違うテイストで、「往転」にも通じる感じがするけれど、演出が明るめなので観やすくなっている気がする。ちょっと色々な物語があって散漫になった感があり、それぞれの人物を無理やりつなげた感じもするんだけど、2時間半近い物語でもそんなに長く感じさせないのが桑原さんの良いところ。北九州のプロデューサーも言っていたけれど、桑原さんの作品には、普遍性と愛があるからだと思う。勧善懲悪でもなく、お決まりのハッピーエンドでもなく、生きていかなきゃならない人々の舞台の上でのリアルが、心のひだ一枚一枚までが丁寧に描かれているからだと思う。ほんと、桑原裕子愛が止まらない。
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No:011  チルドレン / 東京ハートブレーカーズ
Theater:吉祥寺スターパインズカフェ
Date:3/2 S
Sheet:自由
Price:\4,500
脚本・演出:瀬戸山美咲
出演:首藤健祐、みのすけ、西川浩幸、岡田達也、平野勲人、西山宏幸、石川よしひろ、清水宏他
伊坂幸太郎「チルドレン」の短編小説を舞台化。最後のお話は、バンドの演奏付き。
清水さん、西川さん、みのすけさん、石川さんって、滅茶苦茶贅沢につかってのお芝居。こんないろんなメンバーが、紺だけしか出ないのって感じの贅沢さ。その中での勲人がおいしい役もらって生き生き。その上、みのすけさんボーカルにして、後ろでドラムたたいているなんて素敵過ぎ。曲知らなくても、最後は気分よく、終演。
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No:010  エリカな人々 / 東京マハロ
Theater:駅前劇場
Date:3/2 M
Sheet:A-13
Price:\4,500
客演:藤井びん/工藤潤矢/お宮の松/鈴木理学他 松坂とも争うような超高校級のエースのおかげで、甲子園を夢見た球児たちはエースのある怪我でそれも夢と消える。そのまま、転校して行ったエースに合えず、十数年後エースのつやで再会。その斎場の近くの昔ちょっと曰くのあった喫茶店での葬儀前後のメンバー、マネージャー達の当時と今のだめだけどそれぞれがそれぞれを生きている姿を描いたお話。
ちょっと感情移入できる部分がないのと、色々唐突感があるような気がした。舞台になった喫茶店での昔の悪さや工藤さん演じる役のコーヒーを飲まなくなった理由がいまいちぴんとこなかった。雰囲気は大好きなマハロ、そして、今回の女優さんたちはみんな綺麗。共感できる部分があればと・・・
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No:009  サニーサイドアップ / M&Oplays
Theater:本多劇場
Date:3/1 M
Sheet:A-3
Price:\4,800
作・演出:ノゾエ征爾
出演:荒川良々、赤堀雅秋、小野寺修二、ノゾエ征爾他
 荒川良々扮する役者タイ君の一生とその周りの親、同級生、先輩、なぞの放浪するライダーとの係りを描いた作品。
 色んなエピソードがいったりきたりで、よくわかんない話だった。荒川さんと赤堀さんの絡みが面白いけど、あんまり自分の好みじゃないなぁ。
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No:008  のぞき穴、哀愁 / MONO
Theater:駅前劇場
Date:2/16 M
Sheet:A-5
Price:\3,500
客演:森谷ふみ、松永渚、高橋明日香、古藤望
 会社を首になった男たちが集められ社長直下の諜報組織。上司は、社長の愛人で元水商売。社長は、一族経営から襷を渡された外様。そんな彼らは、天井ののぞき穴から、前社長の息子の行動と社長の娘を見張っている。息子と娘のいる広報部のメンバーはのぞき穴を発見し、問題にするかと思いきや。彼らと手を組み会社をひっくり返そうと企てる。そして、会社の上層部は乱れ、息子が社長となるが、な、お話。
 あの大好きなずれた会話とかで、笑わせてくれる昔のMONOの感じがよみがえってきた感じ。そして、その裏にあるブラックさとか、危惧感とか。客演の方たちがみんな自分の好きなMONOのテイストの部分にあっている感じがしてすごくいい。間とか、抑揚とか。そして、女優さんがいるほうが面白さが出る気がする。もう一度、西野さんや増田さんがいるMONOが観てみたいなぁ。
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No:007  もっと泣いてよフラッパー / シアターコクーン・オンレパートリー
Theater:シアターコクーン
Date:2/11 M
Sheet:E-1
Price:\10,500
作・演出・美術:串田和美
出演:松たか子、松尾スズキ、秋山菜津子、りょう、大東駿介、鈴木蘭々、太田緑ロランス、串田和美、片岡亀蔵、石丸幹二他
演奏:佐橋佳幸(Gt)、Dr.kyOn(Pf)、黒川修(B)、木村おうじ純士(Drs)、黄啓傑(Tp)、花島英三郎(Tb)
1920年代の空想のシカゴで繰り広げられる、音楽、頽廃の香りが漂うフラッパー達の蠱惑的な唄と踊り、夢のように展開していく色鮮やかな場面、そしてほのかに苦い後味・・・。クラブの踊り子、落ち目のギャング、八百長ボクサー、異国の皇太子らそれぞれの恋物語をキャバレーショウのように散りばめた舞台。(コクーンHPより)
夢のように展開していく色鮮やかな場面と言うのが、そのままで、ストーリーと言うよりは、その場面場面を華やかに見せる舞台。ちょっと自分には、なんかもったいないなぁって感じ。松さんも素敵だけど、もっとストレートな舞台に立ったときのほうが好き。笑いを一手に引き受ける松尾さんは、いつものが動きで笑いに持っていく。そして、鈴木蘭々さんとの相性がいいなぁ。当然、生バンドの良さもあるし、生歌だし、だけど一桁違うチケット代はいかがなものかと。
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No:006  もう風も吹かない / 青年団
Theater:キラリ☆ふじみ
Date:2/9 M
Sheet:自由
Price:\3,500
 桜美林大学の学生に書き下ろしたの初演昨年の青年団での公演を観ている作品。
 ほんとあの空間にいられること、ものすごく充実感を感じる。何だろうあの感覚は、オリザさんの描く世界は、私自身の拙さゆえに具現化できない不安や疑念に対する普遍性、それらの一片が描かれているためのような気がする。こんなに素敵なお芝居なのに、劇場半分くらいの入り、もったいないなぁ。
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No:005  母乳とブランデー / トローチ
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:2/2 M
Sheet:B-10
Price:\6,000
作・演出:太田善也
出演:東地宏樹、辻親八、小林さやか、杉山文雄、瓜生和成、三鴨絵里子他
 生まれて間もない頃、母を捨て消えてしまった父、ハワイでコヒー豆の有機栽培をして地位と名声を得ていた。その父を尋ねると長年の海外諸国での女遊びの結果できていた異母兄弟たちが農園で働いていた。ちゃらんぽらんで豪快に見える父も、ナイーブさを持ち、寂しさに耐えられない男だった。そんな父と子の物語に、それぞれの息子たち、同行のバッグパッカーのエピソードを加えたお話。
 三鴨さん、瓜生さん、辻さんって、好きなキャストがそろって、話も面白かった。ハワイと言う地を舞台にしてるけど、物語的にはあまり新しさみたいなものがないのが残念。藤崎さんって、役者さんの出のテンションが自分にはつらかったのと、かなりの英語の台詞があるけど、それについてフォローがないのは、ネイティブにしゃべっているからこそつらい感じ。個人的には、絶対に日本語あんなに通じないっていうリアリティは捨ててるんだから、英語も流暢じゃなくてゆっくりわかりやすくても良かった気がする。メインの東地さんは声がいいけど、劇場の大きさに比べて、張りすぎな感じ。って、いろいろ書いたけど、全体的にはすごく面白かった。三鴨さんはああいう役はほんと敵無しだし、瓜生さんは起用だし、辻さんはグリングの時とは全然違う感じのキャラが観られたし。
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No:004  フローズン・ビーチ / Triangle C Project
Theater:ミューズ マーキーホール
Date:2/1 S
Sheet:A-23
Price:\6,000
演出:高羽彩
出演:石田えり、松田美由紀、渡辺真起子、山口美也子
 ナイロン100℃での初演を映像で、再演を2002年に劇場で観た作品
 犬山さんの市子、峯村さんの千津を誰が演じるだろうって興味津々。実際には、HPに公開されていたけど。自分の予想は、市子が松田さん、千津が渡辺さん、愛が松永さん、継母咲恵が、山口さんだったけど、山口さん以外は、全くはずれ。市子:石田、千津:松田、愛:渡辺だった。いずれにしても、当書きのように書かれた市子と千津、やっぱりナイロンのイメージが強くて、そうしても色眼鏡。松田さんは、声の感じなのか峯村さんと似た感じがあり意外にすんなり。石田さんはエキセントリックになりすぎちゃった気がする。もちろん当の市子はもってエキセントリックなんだけど。あとなんか狂気が伝わって来ないんだよなぁ。もちろん、当然、面白いんだけど。
 埼玉芸術劇場以外の県内観劇は初めてでは。紀伊國屋では連日満員だった舞台、キャストを名の通った人にしても、所沢の地では3〜4割りの入りでしかも年齢層高め、もったいないなぁ。
 おなかもぞもぞ、寝不足マチソワでちょっとウトウトだったのがすごく残念。
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No:003  けんかとにおい / 劇団ジュークスペース
Theater:ザ・ポケット
Date:2/1 M
Sheet:K-4
Price:\3,800
作:我善導
演出:大岩美智子
客演:細見大輔、武藤晃子、里璃、三上俊(日替わりゲスト)
 妻に先立たれ一人暮らす男。娘夫婦と孫たちが同居をするために引越しの準備を手伝いに来る。娘夫婦は経営していう会社が低迷して、父の住んでいる家を売却してくれと、孫娘は離婚をすると、それぞれ男に。男は、度ごとに妻、娘との思い出を思い返し、自分勝手だった人生を回想する。
 武藤ちゃん客演、キャラメルの細見さんも出てるので観てみる。話もしっかり、伏線もしっかり、それぞれの人物もしっかり書かれていて、笑いあり、涙ありのお話。その分ちょっと長めな気がしたけど、素敵な舞台でした。武藤さんは、主に笑いの部分を一人で牽引していく中、ほろりとさせる部分も、ほんといいコメディリリーフになったなぁって。細見さんの老け役が、しっくり来ないのと、嫁を迎えに来る男が日替わりゲストなんだけど、あの役毎日変えちゃうのはいかがかなぁ。
 実際の劇団員は、我善導さん、やくわけいこさんが劇団の構成員なのかなぁ。
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No:002  一郎ちゃんがいく。 / ネルケプランニング
Theater:青山円形劇場
Date:1/26 M
Sheet:A-6
Price:\6,500
作・演出:わかぎゑふ
出演:升毅、三浦理恵子、近江谷太朗、粟根まこと、土屋裕一、岩ア大、谷山知宏、升ノゾミ、牧野舞他
 明治末期、政府の統治下で海外派遣の団長に日本一の天才を選ぶと言う試験。帝大出身の一郎、頭は切れるがこずるい商いに手を汚し、家族の妻とまじめで素直な息子と暮らす。そんな男が他の天才たちと戦う物語。
 ふっこさんというより、G2っぽい感じの舞台、25年も前が初演だそう。升さんの娘さん、故牧野エミさんの姪っ子さんとMOTHERの主力2人の子供たち世代が舞台でコラボ。升さん親子の2人のシーンが結構長くあったり、色々感慨深さもあり。近江谷さん、粟根さんも観られるし、とってもお得感。土屋さんが、妻夫木さんに見えてずっとイメージがそのままだった。升さんは、なぜかものすごい石鹸の香りがして、三浦さんはほんのりと香水の香りだったセンター最前列。
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No:001  続ける理由 / おかぼれ
Theater:座・高円寺1
Date:1/25 S
Sheet:G-13
Price:\3,500
 二回目の今回も音楽とコラボ。独りよがりの劇団主催、アイドルを目指して30歳の女、結婚を間近にスケボーでチンピラの車に突っ込んだ男のそれぞれのお話とオリジナルのロックな曲をコラージュにした作品。
 話は散漫でなんかよくわかんないんだけど、彼らの楽しさがとても伝わってくるのが今回もいい。特に、聖ちゃんのドラムは力任せな一生懸命感で、会場を一体化させる。この先どうするんだろうって気はするけど、お祭り感で参加したいなぁ。
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