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自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)
★は、自分のお気に入り度

贋作・罪と罰/BiggestBiz/色彩組曲Remix/クラウディアからの手紙/あしたのニュース
Damage/ラブハンドル/桜飛沫/労働者M/パレード
約束/テングメン/カラフルメリィでオハヨ/靴を探して/密室彼女
おとこたちのそこそこのこととここのこと/ハルちゃん/上野動物園再々々襲撃/地下室/やわらかい服をきて
帰れない2人/コルトガバメンツ//ウィー・トーマス/純粋人
恋するクランケにキスと包帯を/開放弦/電界/噂の男/雨と夢のあとに
ニコラス・マクファーソン/道子の調査/赤木五兄弟/北限の猿/直線
ワルツ/獏のゆりかご/魔界転生/ブルーバーズ・ブリーダーズ/星屑の街
剣狼/JAIL BREAKERS/アジアの女/遭難/マジヨ
The Worst of.../奇跡の人/電光石火/錦鯉/イヌの日
そこそこ黒の男/カラスの声もしわがれる/ズビズビ/ナイスエイジ/ナイスエイジ
/みんな昔はリーだった


No:057  みんな昔はリーだった / パルコ・プロデュース
★★★☆
Theater:PARCO劇場
Date:12/30 M
Sheet:E-8
Price:\7,500
 中学時代ブルースリーにあこがれた同級生達。そんな中に、外国から転校生がやってくるが、流行に取り残され、運動神経も鈍く、彼らからいじめられる。マドンナ的女の子の助力と、本当にリーを尊敬し拳法を極めようとしている男により、彼らは仲良くなり、みんなでリーのまねをして、毎日拳法の練習をする。しかし、父の転勤により、また旅立ってしまう転校生。そして、彼の行った先では、内紛のよる日本人死者があったと報道される。この昔話を、35年経った後、リー秘蔵映像を見るために集められた同級生と実は生きていた転校生の思い出話の両方から描く。そして、秘蔵映像に写っていたのは、偽物のリー、その姿は転校生であった。
 大王の井戸はかれてしまったかと思ってしまう感。小ネタは色々面白いし、それなりの伏線も歩けど、なんかだらだらっとして、芯のない話な感じが。成志さんのツボで笑わせるところや、ホリケンの自由さは本当におかしい。瀬川君は、上手くなったなって気がする。
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No:056  虹 / グリング
★★★★☆
Theater:紀伊國屋ホール
Date:12/23 M
Sheet:C-15
Price:\4,000
 とある教会、聖職の神父には母と妹夫婦、そして、疑惑の事故で亡くなった兄がいた。妹夫婦と母は、別な場所に同居。兄夫婦は、昔、母と同居していたが、折り合いがつかず離婚していた。そのその直後に兄は自殺ともとれる事故死をしていた。子供の出来ない妹夫婦は、母からプレッシャーを与えられるが、旦那が昔行った風俗店でのエイズ疑惑があり、子作りを恐れていた。そんなある日、亡霊が見えたといって教会を訪ねて来る女、女が連れてきたのは兄の幽霊であった。兄は、母を諭すように喋り去っていく。そして、義弟は陽性であることが分かるが、強く生きようという妹。こんな家族の話を軸に、教会を訪れてくる子のない夫婦、夫が外の愛人と子供を作ってしまい分かれようとする話。保険屋の女が勧誘目当てにやってくる話などを交えて展開されて行く。
 特に目立った俳優はいないけれど、圧倒的な本と演出の力で舞台に引き込ませてしまう。淡々と進む中も、興味を逸らさず、最後にぐっと持っていく気持ち良さ。青木さんの本に出てくる強い人が何かに対しての救いの暗示を感じさせる。ラストの萩原さん演じる妹の夫を励ますシーンはじーんと来る。普段やっている劇場よりも大きくなって、役者さんの声が無理に大きくなっている感と、円の井出なみ子という女優さんの演技が自分の合わないのがちょっと残念。
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No:055  ナイスエイジ / NYLON100℃
★★★★☆
Theater:世田谷パブリックシアター
Date:12/17 S
Sheet:O-16
Price:\6,200
 2週続けての観劇。本当に素敵なお芝居。席が遠かったせいか、役者さんの勢いが先週のほうがあったような。終りの場面が、いくつか順番が入れ替わっていた気がするけど、気のせいか・・・
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No:054  ナイスエイジ / NYLON100℃
★★★★☆
Theater:世田谷パブリックシアター
Date:12/10 S
Sheet:J-17
Price:\6,200
 2000年に観た舞台の再演。このお芝居は、本当にいい。自分のしんどかった時期と話の一つである日航機事故がかぶっていることから、思い入れがより深い。もの凄い数の場面展開なのに、話が全然とっちらからないし、3時間半以上という舞台なのに全然長さが気にならない。今回の再演は、ほとんど脚本をいじっていない感じ。キャストも、新たになった人以外の続投の方たちは、同じ配役となっている。変更になった方々も違和感なく、それぞれの魅力が出ているような。小市⇔佐藤誓は、年齢の差がそのままの感じで役柄になっている。今江⇔立石涼子は、立石さんの方がおばさん的雰囲気はあるんだけど、若い時に無理があるような。三宅⇔坂田聡さんは、三宅さんのはまり役カンダタを見事に坂田風にしていた感じ。村岡⇔植木は、村岡さんの匠さと植木さんの元気よさのコントラスト。ただ、高鹿⇔加藤啓は、ちょっと加藤さんの役に違和感。最近のちょっと影のある役でもなく、普段のエキセントリックさもなくなんとなく中途半端に感じてしまった。
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No:053  ズビズビ / MOP
★★★★
Theater:紀伊國屋ホール
Date:12/3 M
Sheet:H-11
Price:\5,000
楽屋を舞台にした4話のオムニバス
1.ずっと貴方が好きだった・・・
地方の劇場の楽屋、一世を風靡した俳優は、地方新聞の女性記者からインタビューを受ける。ずっと彼のファンだったと言う女は、彼の隠ぺいした過去の事故について言及する。執拗さに口を割った俳優、女は事故死した男の娘であった。それでも、女は俳優を愛していると言う。
2ビッグな男
大衆芝居の地方公演の楽屋、興行元のヤクザに森の石松をやれと言われるが主役を演じる男が逃げてしまっていた。一旗あげようとバンドをやっていた座長の弟が戻ってくる。しかし、座長は突っぱねる。出て行ったものといかれたものの葛藤がそこに。
3.ずいぶんな話
舞台監督を目指す女は、一人身ですでに40を超えていた。たまたま公演が一緒になった同級生の俳優と仲良くなり、将来を誓う決心をするが、独身と言っていた男には、家を出ている妻と息子達がいた。そして、出て行った妻と息子が楽屋を訪れてくる。男は、女との約束を反故にし家族の元に。
4.ビタースイーツ
ジャズバンドにメンバーの一人、ボーカルの女といい仲になっているが、音楽の為にニューヨークへ渡る決心をする。女にあこがれる新米も男を止めるが男は行ってしまう。数年後の楽屋、男と女を懐かしむメンバー達、女は原爆による白血病、男はニューヨークで死んでいた。
 話は、微妙に繋がっていて、3話で出演している役者が後に舞台俳優となる2話の座長の弟だったり、4話の新米は1話の大物俳優であり、3話には出演者として、マネージャー(妻?)となった記者と共に登場する。
 主役級の人たちと比べると、ちょっと華のない役者さんたちをメインにした3話目は、勝平さんのコメディエンヌぶりがいい。
 それにしても、小市さん、三上さん、キムラさんの3枚看板は本当にいいね。それから、木下さん、奥田さん、酒井さんといいサポート。林さんは、なんかラッパ屋の大草さんとかぶるよな。
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No:052  カラスの声もしわがれる / 海千山千プロデュース
★★☆
Theater:笹塚ファクトリー
Date:11/26 M
Sheet:自由
Price:\3,300
 合併を前にした町で、死んだ町長の後を選ぶ選挙戦。政治家の経験のない地元の元校長と、都会で成功した社長で元町長の息子の戦い。離れて暮らす家族までも一緒に戦う元校長と、秘書のみで戦う社長。戦いの行方は。本物の政治家(観た回は保坂展人氏)が演説をするという舞台。
 思いつきのコラージュって感じ。丁寧にしようとしている演出も、逆に鼻についてしまったり。鯨さんは役者のほうがいいような。ゲストの保坂さんが、鯨さんに「エマさんって」って聞いていた、自分の伝じゃなかったのね。
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No:051  そこそこ黒の男 / 表現さわやか
★★★★
Theater:駅前劇場
Date:11/25 M
Sheet:自由
Price:\3,000
 コントオムニバス。ストーリーないって言っていたが、それぞれの話がちょっとづつ繋がっている。
 何も考えずに笑っていられる空間って、素敵。それぞれの役者さんたちが楽しそうだからこちらも楽しくなる。佐藤さんは、周りに一人ぐらいいて欲しいキャラだよな。
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No:050  イヌの日 / 阿佐ヶ谷スパイダース
★★★★
Theater:本多劇場
Date:11/23 M
Sheet:F-21
Price:\5,500
客演:内田滋、八嶋智人、美保純、剣持たまき、大堀こういち、村岡希美、玉置孝匡
 映像で観た初演版に比べ、閉じ込めている男(中やん)や母親が加わり、2人のエピソードが加筆されている。若くして子を産み、生計のために体を売っていた母親は、男狂いで息子の友達とも関係を持つ。息子はそんな母親がトラウマになって、歪んでいく。それ以外は、シーンの入れ替えや埋められた男のシーンなどの違いはあるが、基本的に一緒で、ちょっとエピローグが思わせぶりに。
 賛否両論だと思うけど、初演版から観やすく、母親のエピソードも加え上手く昇華させているのではと思う。母親との関係が台詞で説明されすぎちゃっているのと、中やんがどうしてああなって行くのかが良く分からないのは疑問。伊達さんの演技は、ちょっともう飽きた感じがする。美保さんはあまり評判がよくないみたいだけど、自分は好きだった。出鱈目警官の大堀さんは、あまり好みの役者さんじゃないけど、この役は当たりかと。八嶋さんは、きっちり美味しいとこもっていく。中山さん、伊達さんは、前回と変わってないけど、やっぱり上手くなっている。この舞台でも、村岡さんは本当にいい女優さんだと感じる。前回の役が自分がちょっと苦手な加藤直美さんだっただけに、よりよく感じちゃう。
 携帯の電源を消せって言うのに消さない人かなり。そして、いいところでバイブレーション。回りが過度に笑いすぎな方々なのも引いた。
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No:049  錦鯉 / 銀河劇場他
★★★★
Theater:天王洲銀河劇場 Date:11/19 M
Sheet:D-17
Price:\6,000
出演:鈴木一真、ヒロシ、田中美里他
 先代の遺言でなぜか組長になってしまった男。地元の大きな組織と香港マフィアのために、組は終わる寸前の中、仁義の意味も知らずにしのぎも取れずに組は最後を向かえる。単身乗り込んでいった組長、ブタ箱に入れられるが、その一年で組員達はヤクザを辞めて、中華料理屋経営していた。店は反映するが、錦を飾ったつもりで返ってきた男は戸惑う。そんな中、地元の大きな組織に、中華料理屋をやっていることがばれ、また嫌がらせが始まる。元の世界に戻っていく男達、残されたのは女達のみ。
 MONO版に比べてちょっと長くなっていた。役者同士のアンサンブルは圧倒的にMONO。でも、そこそこ楽しめる仕上がりに、土田さんの演じていた小田島が、2人になっていて面白かったんだけど。水沼さんのやっていた男の”ぱ〜んち”っていう台詞のシーンが、好きだったのにかなり削られていて残念。役者さんたちが楽しそうだったのでいいのでは。最後のシーンの切なさが足りないのがこれまた残念。
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No:048  電光石火 / ONEOR8
★★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:10/29 M
Sheet:C-8
Price:\3,000
客演:木村靖司、藤田記子、福島まり子他
 経営の危うい材木店、女にだらしのない社長は事故で悪くなった足のせいで仕事もおろそか、末の妹が切り盛りしてなんとか食いつないでいる状況。先代からの付き合いで場所を貸している大工に、借金の保証人になることを強要していた。そんな中に、昔の嫁が全てを清算しようと、家を捨てた上の妹が夫と諍いで戻ってくる。一緒に暮らしている女は、小さな万引きを繰り返す。野球好きの社長と折が合い、学校帰りにいつも遅くまでいる高校生のために、学校から教師も訪れてくる。そんな教師にも色目を使う社長。足が悪くなったのは、兄を見かねた末の妹の仕業で、プロにもあと一歩と言う実力の野球も捨てなければならなかった。そして、離婚で夢をかけた一粒種の息子も妻の元に。大人になりきれない男と、それに翻弄される回りの人々を描いた作品。
 木村さんほんとに嫌な男を好演。藤田さんが、いつもの下品さを抑えて、いいサポートと客演陣の使い方がうまいなーって。じりじりしたイヤーな感じを常に表に出しながら、程よく笑わせるバランスがいい。平野さん演じるエキセントリックな生活指導の先生は、ちょっと反則臭いなって。こういう関係性が絡み合ってる話って、好きなのな自分
 客入れに時間がかかったり、終演後の狭いロビーに関係者がたむろするのはいかがなものだろう。
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No:047  奇跡の人 / ホリプロ
★★★☆
Theater:青山劇場
Date:10/22 M
Sheet:XB-23
Price:\8,500
演出:鈴木裕美
出演:石原さとみ、田畑智子、梨本謙二郎、小島聖、武藤晃子他
 ホリプロ恒例のヘレンケラーのお話。
 石原さとみちゃんはヘレンケラーなので、「ばぅわぁ〜」(Water)以外はあ〜とかう〜とかしか。田畑さんは、小劇場で観てみたい感じのコメディエンヌの要素が垣間見える。武藤ちゃんは、本当にどこに行っても武藤ちゃん。千秋楽だけど、スタンディングオベーションするほどの内容だったかは・・・  オタクな感じの方が結構いらっしゃる。
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No:046  The Worst Of... / 王立劇場
★★★☆
Theater:ラフォーレミュージアム原宿
Date:10/21 M
Sheet:G-7
Price:\4,500
作・演出:後藤ひろひと
出演:石丸謙二郎、内場勝則、川下大洋、後藤ひろひと、ぼんちおさむ他
 かつて大王が作ったゆる〜いコント集。
 昔脚本した「陣内〜」で、使ったJR東日本のホームで流れるメロディにあわせてダンスするコントは、やっぱり面白い。自称急性椎間板ヘルニアの大王の暗いダラダラしたMCがまた面白い。
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No:045  マジヨ / TEAM発砲・B・Zin
★★★★
Theater:スペース・ゼロ
Date:10/15 M
Sheet:6-16
Price:\4,500
 お年頃を過ぎちゃった魔女ハナビ、素敵な人を探して魔女引退、賢者の石を手に入れて永遠の魔力を手に入れる、どちらもかなわずあせる日々。ある日、地上に来た時に初めて魔法で救った男に会う。テレビマンとなっていた男の言われるまま出演した番組内であった、アイドルの女にライバル視され、狙われる。アイドルの娘は、落ち目で悪魔に魂を売っていて、悪魔の呪いがかけられていた。アイドルの彼氏は、彼女の異変に気付き、魔力を手に入れようとハナビに近づいていて、ハナビはちょっと恋心。アイドルが悪魔に操られているのが、分かり悪魔と戦おうとするハナビ、そして、自分の求めていたことは、純粋に人を救うという気持を持つことだったと気付く。
 ちょっと志向を変えた前回に比べ、客演豪華、武藤ちゃんなしでも、きだワールド満開。トランスホームのデビル復活のくんじさん、オタクのきださん、森貞さんとツボをついていて笑いも満載。客演の神戸さんは、歌うまいし安定感、だけど、渋江君は見ているほうがドキドキの初々しさ。ぽちゃっと愛ちゃんもご愛嬌か。壁板を演者が運んでシーンを作る演出は前回と似ているのでいかがかなと。いつもより長めの2時間は、長くは感じなかったけど、へんにサービスしないでいつもの尺でスッキリしたほうがいいような。
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No:044  遭難 / 劇団、本谷有希子
★★★★☆
Theater:青山円形劇場
Date:10/14 M
Sheet:Aブロック-7
Price:\3,800
出演:松永玲子、佐藤真弓、つぐみ、吉本菜穂子、反田孝幸
 ある中学校の生徒の自殺未遂問題の為、担当学年の教師全体が隔離された職員室。意識不明になった生徒の母親は、若い担任の女教師江國を毎日罵りにやってくる。世間から虐待の疑いもかけられている母親は、江國に宛てられた息子からの救いの手紙を受け取ったはずだと詰め寄る。実際にその手紙を受け取っていたのは、別の女教師里見で、他の女教師石原はそれを読んで捨ているところを目撃していて問い詰める。なんとかごまかし急場をしのいだ里見であるが、石原は学年主任と江國の前で事実を伝える。最初二人は信じないが、真実と言うことが伝わる。里見は、過去の自分の自殺歴とその時の教師にかけられた残虐な言葉のトラウマであることと同情を誘う。したたかな里見は、一方で起こっている女生徒への悪戯事件の犯人やトイレの盗撮の犯人に学年主任に仕立てようとしたり、脅しや弱みに付けこみ事実が周囲に漏れるのを防ごうとする。学年主任は、母親と関係を持ってしまい、江國は自殺した生徒から告白されたことを隠しており、より悪い方向へ。里見は元の担任にしつこく今でも電話でしていて、その際に過去の自分にたとえて現在の自分の仕打ちを話していた。それを悪戯事件の被害者の女生徒が見ていて、その後失踪してしまう。元の担任が堪えきれずに合いにくるという言葉を残したまま連絡がつかなくなり、本当の過去(里見の自殺は死ぬ気など無いパフォーマンスであったこと)をばらされるのを恐れて、挙動不審になっていく。学年主任と母親が最後の逢瀬をしていると、入ってくる里見と石原と江國。隠れた母親がいる中で、里見は息子の手紙の話をし事実がばれてしまう。しかし、石原以外は、後ろめたさのある人間ばかり、お互いの自分勝手さで事の均衡を図ろうとする。そこに息子の意識が戻ったとの連絡が、トラウマを払拭するために、本当にかけて欲しかった言葉を電話で生徒に伝えろと石原から迫られた里見。言葉をかけるが、彼女の自分愛は変わらない。
 2時間強引き込まれっぱなしの舞台。告白されたことが負い目になったり、石原が里見に説得されてしまうなどのストーリー展開や隔離された職員室など設定に強引なところがある気もするが、自分大好きな嫌な女を書ききった感じがしていい。奇しくも、世の中の自殺事件とかぶってしまい、風刺的要素が強くなってしまっているが、本人はあまり意識していないのでは。松永VS吉本のシーンはもう至福の時、超充実感。松永さん嫌な女度全開、吉本さんは笑いとシリアスの押し引きが絶妙で真面目な役なのに壊れかけている具合がなんともいい。佐藤さんの母親役も出過ぎず、らしさは充分出ている。この3人が同じ舞台にいて、この内容は大満足。セットは、円形に使わず、下手方向に四角いセットを組んであったが、下手方向から見た人は相当観難かったのでは。
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No:043  アジアの女 / 新国立劇場
★★★
Theater:新国立劇場 小劇場
Date:10/9 M
Sheet:D3-8
Price:\5,250
 近未来の震災に見舞われた東京、街の片隅でひっそりと暮らす兄妹がいた。妹は震災前に精神を病んでいたが、現在は家から出られない元編集者兄と暮らしている。アスファルト同然の地面に種を蒔き水を与え、瓦礫に埋もれてしまったはずの父に食料を与え。自分達の食料の調達のままならない生活の中にひとりの男が訪れる。男は、兄の力によって小説を書いていた作家で、逃げ出した兄を追いかけてきた。3人の新しい生活が始まるが、兄は酒に浸り、男は帰らない。妹は、ボランティアと称する団体に属して、街へ出るようになるが実態は売春組織。街で知り合う中国人に恋心を抱くが、街で中国人は迫害されていた。救いのなくなった街で、何に光を求めて暮らすのか。2人を助けにくる交番の警官と買収組織の女の2人を交えて描く物語。警官の妹が死んだと思わせるような台詞の後、暗転が開けた舞台には、色々な種類の花が咲いていた。
 グロさのない長塚作品の新境地?淡々と進むお芝居に、震災後のよりどころのない人々の心が映って見えなかった。役者さんは、みんな素敵だったんだけど、全然入り込めなかったお芝居。
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No:042  JAIL BREAKERS / フジテレビ
★★★★
Theater:グローブ座
Date:10/8 M
Sheet:X-3-4
Price:\8,800
作・演出:G2
出演:松岡昌宏、須藤理彩、河原雅彦、篠原ともえ、コング桑田、三上市郎、久ヶ沢徹、植本潤、川原正嗣、前田悟、久保酎吉、大高洋夫
 目の前で親友を殺され、その罪を着せられた主人公銀平は、親友・京介の最後の言葉の秘密を解き明かして無念を晴らすべく、脱獄を決意。バンドを組み、ライブ本番の会場から脱走しようと計画を進める。難航するメンバー集め、混乱するリハーサル。だが、親友が亡霊になって現れるという奇怪な出来事をきっかけに、いつしかメンバー間に友情と音楽する喜びが芽生えてくる。衣装プランナーの紗耶香を巡る主人公と幽霊の不思議な三角関係。そして、いよいよライブ当日。脱走すれば、ライブ演奏はできない。その狭間に悩む主人公たち。会場に張り巡らされた国家権力の罠。彼らは無事脱獄し、銀平は親友の謎のラストメッセージを解けるのか?三角関係の恋の行方は? 銀平は冤罪を晴らすことができるのか。(G2HPより)
 松岡君オンステージ、いつものキャラが合っているので好感。脇を固める久保さん、大高さん、三上さん、コングさんと素敵な役者さん達。久ヶ沢さんと植本さんは、口開くだけでおかしいし、ポイントとなる河原さんの女装は出てくる度に笑いを誘う。途中ちょっと中だるみ感があるので2幕3時間弱なら、2時間チョイにして欲しいところ。値段がちょっと高いけど、スピーディーな場面展開やセットの使い方のうまさはさすがG2さんの演出。
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No:041  剣狼 / X−QUEST
★★★
Theater:東京芸術劇場小ホール
Date:10/7 M
Sheet:J-13
Price:\3,800
 他との係わりを絶ち、平穏に暮らす島の人々。島は、流刑の人々で形成されているが、2人の女ドルシアとバネッサにより、統率され小さな争いや揉め事はあっても平和に暮らせていた。そんな中村八分にされている変わった少女タヅナが島に流れ着いた浪人を拾ってくる。男は、昔大きな裏の組織のボスに育てられたのに、刺し殺していまい追手に追われていた。追手の組織はボスの妻が仕切り、島の小悪いグループを騙し上陸。島を乗っ取ろうとしていた。そこで戦う浪人と島の人々、大量の島人を殺されながらも、多勢の追手組織を切り倒し島を守るが、浪人はボスの娘に敵を取られ殺されてしまう。島に残されたタヅナ。
 いつもより分かりやすい内容だけれども、話が長いし整理が出来てない感じ。途中百人斬りのシーンが永遠と続き、飽きてきちゃう。どう考えても、演出の力で短くするべき場所だし、その見せ所でしょ。佐藤さんは、年齢のせいか切れが全然ない気が。隣でダンスしている若原さんが、切れてるから余計に感じてしまう。タヅナ役の片桐さんは、他の劇団で見てみたい素材。市川さんなんか見せどころなくなってるし。寂しい限りです。
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No:040  星屑の街 〜東京砂漠編〜 / 星屑の会
★★★★
Theater:本多劇場
Date:9/24 M
Sheet:C-3
Price:\6,000
 解散/再結成を繰り返すムードコーラスグループ。ホステス上がりの歌手をボーカルにつけて半年。北千住での公演を前に取られた宿は日暮里のレンタルルーム。そんな中でのボーカルの引き抜き、作詞家の言い寄り、解散の危機。女とグループのそれぞれの葛藤を、ホテルに出入りする人々と共に面白おかしく、時に悲しく描く作品
 ボーカル役での戸田さん、雰囲気満点で素敵。最初の「地上の星」、最後の「東京砂漠」では、うるっときちゃった。後は無難にコント仕立ての人と上手い役者さんたちのいいバランス。楽しい。
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No:039  ブルーバーズ・ブリーダーズ / ヨーロッパ企画
★★★☆
Theater:ザ・スズナリ
Date:9/23 M
Sheet:J-5
Price:\3,000
 世の中の青い鳥ブームで、会社を上げて山の中に探しに。いい加減な探知機を携えた研究施設の人間、アルバイトや長たる人間など、無責任で自分勝手な人々の集まったところで起こるコントのような短い群像劇。
 ちょっと未完成な気がするんだけど。現代の人々を風刺した、学生のコンパの延長を思わせるのような集団ののりを面白おかしく。諏訪さんが一人で美味しいとこもって行きすぎ。同じようなキャラがいるのにそっちがまるで目立たない。永野さんも健在だけど、女優陣はちょっと華がないかな。
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No:038  魔界転生 / 新橋演舞場
★★★
Theater:新橋演舞場
Date:9/17 M
Sheet:3階2-45
Price:\2,400(okepi)
 キリシタンの反逆者・森宗意軒が編み出した秘術「魔界転生」。この世に悔いを残している者が、いまわの際に仕掛けを施した女体と交わることで力漲る肉体に転生を果たす術。この転生の術に心惹かれ、宗意軒の家来となり、次々と転生を果たしてゆく名だたるかつての剣豪達。田宮坊太郎、宝蔵院胤舜、天草四郎、柳生如雲斎、柳生宗矩、荒木又右衛門、宮本武蔵の7人の魔界衆が誕生する。宗意軒はこの剣豪達を武器に幕府への復讐を企むのだが、ひとり、なんとしても仲間に引き入れたい剣豪がいた…。その男、柳生十兵衛三厳は柳生の里で異変を感じ取る。名君として知られる紀州藩主・徳川頼宣の突然の乱行、そしてその背後でうごめく魔界衆の存在。国の危機と悟った十兵衛は魔界衆と戦う道を選ぶが、事が事だけに表立って動くことが出来ない。そこで弟子の柳生衆を同行させ、巡礼の一行を装い紀州領地内を移動することを思いつく。しかし、一方、この奇策は魔界衆にとっても好都合であった。十兵衛を仲間に引き入れんと巡礼の行く先々で待ち受ける魔界衆。転生を果たし魔界の力を手に入れた剣豪達は想像を絶する剣技を以て十兵衛一行に襲いかかるのであった……。(G2HPより)
 額面2520円なら、席が遠くてもまあな内容。実際、1万円以上払ってみる方は、いかがなのでしょう。歌舞伎的な要素と演劇的な要素の融合みたいなのを目指したのか、なんか中途半端な感じで、盛り上がる場所も少なく、笑いも薄い。小劇場系の方々がいなければ、自分には寂しい内容。成宮さんって方は、なんか華がなく見えたけど、いかがなもんでしょうか。
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No:037  獏のゆりかご / シス・カンパニー
★★★★☆
Theater:紀伊國屋ホール
Date:9/16 M
Sheet:B-5
Price:\6,800
作・演出:青木豪
出演:杉田かおる、高橋克実、段田安則、マギー、池谷のぶえ、小松和重、安田顕、明星真由美
 廃園の危機にある市立動物園、その日は獏の誕生日を祝う日。20年間動物園に勤める飼育係の子持ちバツイチの女は、以前より独身の副園長から結婚を打診されていた。そんな折に、やってくるクレーマーの女と、全然家庭を顧みなかった元夫。クレーマーの女は、帰って来ない夫と小動物を虐待している息子を抱えている。そして、飼育係の女の息子もたまたま同い年で、動物虐待で補導されたことがあった。夫は、元の職業のカメラマンを止め、復縁を迫ってきた。飼育係の女の葛藤と、女一人で生きることの話に、動物園に入ってくる人見知りの男と、職員とバイトの恋愛などのサイドストーリーが加わって構成される。
 いい具合に散りばめられる笑いと、考えさせられる部分の緩急が気持いい。役者さんが、全員はまっていて、すごくいいアンサンブル。杉田さんは、声が澄んでて通りすぎるのがちょっと違和感。マギーさん、池谷さん、小松さん、明星さん、安田さんの脇が本当に絶妙。
でも、ちょっと高いか。
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No:036  ワルツ〜隣の男〜 / 東京タンバリン
★★★☆
Theater:三鷹芸術文化センター 星のホール
Date:9/9 M
Sheet:A-11
Price:\3,000
 結婚を目前にした男の部屋、毎日のように彼女が出入りしている部屋に、高校時代の親友が居ついてしまう。友達の男は、劇団の脚本家で、劇団員も部屋に出入りするようになる。彼女は、イライラするが、はっきりといえない男。母子家庭で育った男は、一年前に死んでしまった母への思いが強く、友達は昔その母と関係を持っていたのではとの疑念が消えない。そんな中、彼女と友達が部屋で抱き合っていた。
 役者さん目当てで行ったけど、話しがあんまり好きじゃない。話の展開も何故彼女が友達に心を許していくのか。それぞれの役が、役者が入れ替わって演じる演出もイマイチピンとこない。木下さんは、ちょっと浮いた感じがするけど、自分はやっぱり好きな役者さん。
 今回、1つのホールを2つに仕切って、同時に上演するという試みだったけど、内面的なお芝居なので、そんなことよりもっとディテールにこだわったほうがいいような。
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No:035  直線 / 二騎の会
★★★
Theater:アトリエ春風舎
Date:9/3 M
Sheet:自由
Price:\2,300
出演:永井秀樹、松田弘子、天明留理子他
 宗教家のテロによって命を失ったミュージシャンを思っていたファンの女。彼の合同葬儀に参列させてもらえず、塞ぎこんだまま彷徨っていると、彼女を見つけて心配して旧友の男がつけていた。そんな女の家の前、女を思う旧友の男と、女を訪ねてきたもう一人の女友達が出会い、彼女の家の中へ。過去には、ミュージシャンの共通の関係者で仲の良かった三人。それぞれの感情は一方通行、友達の女は結婚していたが幸福でなく、男はテロリストの男と同じ宗教を信じていた。部屋の中での彼らの心の動きを描く。
 女2人は、2組の女優が同時、入れ替わりで舞台に出てくる演出。どちらも違ったキャラ作りで、ちょっと戸惑う。みんな、雰囲気あるんだけど、松田さんのキャラが最近鼻についてしまう。
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No:034  北限の猿 / 経済とH
★★★☆
Theater:明石スタジオ
Date:9/2 S
Sheet:自由
Price:\2,500
 青年団の再演を一度観ている作品
 全体的にまとまってない感じ、役者さんの技量もまちまちな感じがする。特に、佐藤さんはいかがなものなんでしょう。ほとんどオリジナルを崩した感じはしないが、笑いのポイントのロッカーが、舞台の大きさのせいか上手にあったのがなんか違和感だった。セットもチープ。
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No:033  赤木五兄弟 / モダンスイマーズ
★★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:8/27 M
Sheet:B-2
Price:\3,000
 両親を無くし、父の残した工務店を兄弟5人で継いでいる。暴力と男気で、通してきた父子心意気を受け継ごうとでしている兄弟は、周りからは、変わった家族と煙たがられていた。飼い犬を可愛がっていた末弟は、父の愛人の子で、一人違った個性を持っていた。ある日、可愛がっていた犬が変死する。上の4兄弟は、犬を妊娠させた近所の犬がいけないと殺気立ち、返り討ちをしようとする。喧嘩に弱い四男が、勢いだけで役目を引き受けるが、腰が引けて何も出来ない。末弟には、一緒に暮らそうと本当の母親が名乗り出てくる。生まれる兄弟達の確執。そして、犬は末弟がすでに殺していた。
 結構重たいテーマを、笑いも交えてテンポ良く描いている。四男役の津村さんがおかしく、末弟役の客演の恩田さんのうつむいた感じがいいアクセントに。次男、三男のキャラがはっきりしていない気がするが、兄弟5人が違うよりは、そちらのほうがリアルかも。
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No:032  道子の調査 / ペンギンプルペイルパイルズ
★★★☆
Theater:ザ・スズナリ
Date:8/26 M
Sheet:A-7
Price:\3,200
 辺ぴな街のモーテルに、6年前に失踪したダイザワナミコの調査をさせられに来た道子。7人の証言者から話を聞こうとするが、彼らが喋るのは6年前に調査をしていたサエのことばかり。サエは、7人の心の光であったナミコの調査をしていく内に、7人に引きずられて同じように失踪してしまう。そんな道子とサエの部屋での証言者とのやりとりが、クロスオーバーされて話が構成されていく。ナミコとは偶像・・・
 2時間15分の長い芝居。話も相変わらずよく分からないんだけれども、スズナリの座席でも観ていられる。不思議。ペンギンの雰囲気が大好き。どこかにある普遍性みたいなものに、見せられてる。衝動的に切れる役の高鹿さんは、ちょっとピンと来ない。ぼくもとさんは、相変わらずのこずるさ。加藤啓さんが、すごい存在感があっていい。なんかエキセントリックさだけが先行するけど、いいです。内田慈さんは、シベ少の映像でみた時に女将役だったので、今回女子高生役で誰だか分からなかった。面白いかどうかってのは、ちょっとハテナなんだけど。満足感は残るんだよね、ペンギン。小劇場、万歳なお芝居だね。
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No:031  ニコラス・マクファーソン / piper
★★★★☆
Theater:紀伊國屋サザンシアター
Date:8/20 M
Sheet:12-23
Price:\5,500
脚本:後藤ひろひと 演出:竹下宏太郎
出演:小須田康人、みのすけ、三上市朗、六角慎司、平田敦子、アドゴニー、川下大洋
 白翠館、葵の間。日本との国交成立の調印式出席のため来日したとある国賓ニコラス・マクファーソン。しかし、国交成立に反対する組織により、調印式の場にて彼を暗殺するとの情報が!ニコラス・マクファーソンを暗殺の危機から守るべく迎賓館で夜通しボディガードのリハーサルを行う二人の刑事。一方迎賓館近くの倉庫に迎賓館内部とまったく同じセットを作りニコラス・マクファーソン暗殺の予行演習を行う殺し屋二人。果たしてどちらの作戦が勝つのか? (ネルケHPより)
 大笑いの一時間半、段取りの多いお芝居でも、ちっともギクシャクしないのはさすが。竹下さん演出が後藤さんとはどう違うのかは、自分にはピンと来なかったんだけど、楽しかった。小須田さんのキャラの変化が突然すぎるのは、どうなんだろうとも。小須田さん、みのすけさん、三上さんと好きな役者を堪能、平田さんはもうずるいよ、反則。
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No:030  雨と夢のあとに / キャラメルボックス
★★★★
Theater:サンシャイン劇場
Date:8/17 S
Sheet:22-4
Price:\6,000→\5,000(e+得チケ)
 ベーシストの父と二人暮しの雨。趣味の蝶を取りに台湾に出かけた父は幽霊になって帰ってくる。娘には幽霊だとは明かさずにいて、彼の姿は情の強い人間には見える。そんな中、雨は、売れっ子のボーカリストの母親に偶然会ってしまい、彼女が母親であることを知る。母親は、雨を引き取りたいと言い、本当の父親は他の男であることも話す。自分には娘を幸せに出来ないことを分かっていても、父のことが大好きな娘と離れることも出来ず心がゆれ、あの世に行けない。やがて台湾で彼の遺体は発見される。本当のことを話さなければならない時が来る。
 小学生の福田麻由子ちゃん起用、楠見さん客演と、また新たな道にチャレンジしたキャラメル。どうなんでしょう。麻由子ちゃんの声は、よく通ってるんだけど、なんかテンポ早いし違和感。子役じゃなくても、いいんじゃないって思うんだけど。前半、麻由子ちゃんのテンポに引きずれる感のある岡内さん。でも、存在感が出てきたなって。このメンバーだと、引っ張っていかなきゃいけない両岡田コンビだけど、やっぱり客演に助けられている感。若手の育成とかも考えて、劇場小さくしても、お芝居で勝負して欲しい。ベタでもいいから、キャラメルらしさあったほうがいいかな。
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No:029  噂の男 / PARCO Presents
★★★★☆
Theater:PARCO劇場
Date:8/15 S
Sheet:Y-25
Price:\8,000
大阪にある宝田興業の持ち小屋、昭和の戦後に建てられた、宝田グランド劇場。その舞台袖、地下にある『ボイラー室』を訪れる、芸人たちとそれをとりまく人々。宝田グランド劇場支配人、宝田興業所属の元漫才コンビ“パンストキッチン”のツッコミ、ボイラー技師、売り出し中ピン芸人、“パンストキッチン”のボケで、12年前に他界した男、夫婦お笑いコンビ。五人の男と一人の女、そして一人の幽霊(?)が集まって、やがて露呈するそれぞれの思惑・・・。そして12年前、アキラの死の直前に一体何があったのか・・?過去と現在を行き来しながら、物語は意外な方向へと展開していく・・・。(PARCO HPより)
支配人は元パンチキのマネージャーで、モッシャンにいじめられ、アキラに密かに想いを寄せるホモ。話は12年前、ボケのアキラは、コンビを解消しライバルコンビのツッコミとコンビを組むことを画策していた。そして、マネージャーの可愛がっていたハムスターを殺し、それを骨ポテの女に見られていた。そんな時に、ライバルコンビのツッコミが瀕死の重傷を負わされ、ボケの男に疑いがかけられたままノイローゼになり、長い闘病の末、少し前に自殺したばかりだった。しかし、回りの人間は、ツッコミのモッシャンが真犯人であると疑っていた。アキラは、ボイラー事故の際に、ボイラーから這いずって出てきたところを、骨なしポテトの女に殴られて死んだというのが真実であった。
現在のボイラー室、アキラの命日の日、ピン芸人のポンチャンと支配人のいる中、そこにボイラー技師が訪れるところから話は始まり、真相が明らかになってゆく。ポンチャンは、迫ってくる支配人に嫌気が差し、ボイラー技師を焚きつけ、支配人を殺そうとする。技師は、ライバルコンビのボケの息子。奈落に酒びたりになっていたモッシャン。彼をうらんでいた技師は復習を試みるが、返り討ちにあってしまう、そして、モッシャンは常駐のボイラー技師も殺していたのだった。支配人殺しの罠に落ちてしまったのは、骨ポテの男。女の様子でアキラの死の真相を知った支配人は、女も殺してしまう。
 豪華役者揃い踏みで満足の公演。随所にケラさんらしい間の笑いも散りばめて、2時間半があっという間。笑いとグロさが上手く同居していない気がするのと、あえて全部謎解きしなくてもという気が。八嶋さんのがなり立てるのが、狂気の部分としっくり来なくて、彼の怒鳴りは松村さんとのコンビで見るのが一番いいかな。しかし、堺さんにホモ役ははまり役なのか?
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No:028  電界 / 猫のホテル
★★★☆
Theater:本多劇場
Date:8/5 M
Sheet:L-19
Price:\4,500
 浦安の漁師町に、土地開発のために来た男。新旧の漁協との折衝をする中、一人の男を捜す。捜している男は、裏金工作で会社を追われた男。その男は、町の片隅で書き物屋をやって身を隠していた。そんな二人の話に、漁協の確執、漁師夫婦の問題などが散りばめられた作品。
 30分で終わるような話を役者のキャラ合戦で2時間にした感じ。っていつもの猫ホテか。本当に良い役者さんが揃ってるね、ここは。千葉さんは、役者として観たいな。で、どの辺が電界だったのか?
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No:027  開放弦 / パルコ+リコモーション
★★★★
Theater:PARCO劇場
Date:7/23 S
Sheet:A-14
Price:\8,000
作:倉持裕 演出:G2
出演:丸山智己、水野美紀、京野ことみ、大倉孝二、伊藤正之、犬山イヌコ、河原雅彦
 同級生同士で結婚した男と女が式を終え農家に帰ってくる。男は、有機農法で害虫駆除のために鴨を飼い、稲を栽培していたが、繁殖した鴨のうちの一種くいしんぼうがよその農家の稲まで食べてしまい大きな返済を抱えてしまう。不倫で身籠っていた女と偽装結婚することで、借金をしてその日を迎えた。一方、男は友人達とバンドを組んでいて、ネット配信した曲がヒットして、大金を得ることになる。友人はその金で借金を返すように言う。その日、男は、村に取材に来ていた漫画家夫婦に、はねられ右手が使えなくなってしまう。罪の償いのために、農業を手伝う漫画家の夫、運転していたのは妻であったが売れっ子漫画家の為、妻は東京で仕事をする。夫婦と漫画家の夫との不思議な生活が始まる。その生活の中、二組の夫婦の関係が少しづつ変わっていく。ギターの弾けなくなった男の右手の変わりに、弦を爪弾く妻。自分達から言い出したにもかかわらず、夫を戻してという妻。そんなある日、男はまたもやはねられて死んでしまう。
 倉持さんにしては相当分かりやすい話。夫婦の友人役としての大倉さんに笑いの担当を全部乗っけてしまった感じで、二組の夫婦の内、漫画家夫婦の描き方があっさりしすぎで、漫画家妻の犬山さんの「返して欲しいんです」って台詞が、あまりにも唐突になっている。大倉さんは、ほんと素敵。水野さんのしっとりとした感じも好感。
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No:026  恋するクランケにキスと包帯を!! / 代田’N PLANETS
★★★★
Theater:駅前劇場
Date:7/22 M
Sheet:F-1
Price:\2,800
作:上田誠 演出:伊東ひろあき
出演:原田泰造、千代田信一、植木夏十他
 フラフラと道に飛び出してきた広告代理店のおかげで、玉突き事故を起こしてしまった男達は、揃って同室に入院。傷一つ負わなかった代理店の男の薄れる罪の意識を逆手にとって、合コンを企画させ病院を抜け出す。しかし、なれていない男達は大失敗。一人話しに載らなかった男が、元は合コン好きで意気消沈する彼らに、合コンとは何たるかの指南が始まる。そして、ナースを使ってまでのシミュレーションを行い、退院を待って、再び合コンを企画するが、目前で代理店男が事故にあって入院。しかし、一人の男は余命がないと知り、病室での合コンを企てる。
 ちょっと大雑把なつくりだけど、企画ものとして楽しめる内容。原田さん、植木さん、いつものまんまのキャラ作りだけど好感、ヨーロッパ企画の二人の飄々としたキャラがツボ。開演前に流れていたのが、エコーズのジェントルランドだったり、プリプリの19グローイングアップだったりと、その時点で気持盛り上がちゃった。
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No:025  純粋人〜Juliet〜 / レモンライブ
★★★☆
Theater:駅前劇場
Date:7/2 M
Sheet:B-9
Price:\3,800
作・演出:斉藤栄作
出演:有馬自由、西ノ園達大、有川マコト、松原綾央他
 17世紀、英国女王の息のかかったの劇団の楽屋。座付きの作家シェークスピアもマンネリ化し、興行も下降気味。新劇場の建設の目処も土地買収が上手くいかず滞り気味な時期であった。そんな中、劇団員がカジノに出入りし、座長の弟から借金を重ねる。頼られる文盲の小道具の男がいつも巻き込まれる。本が書けずに、軟禁されたシェークスピアは不審に思い調べると、座長の兄弟の仕業で、小道具の男の持っている土地が目的であった。そして、小道具の男は、座長の異母兄弟、持っていた土地は父から受け取ったものであった。
 古臭いお芝居なんだけど、役者さんたちのアンサンブルで持たせている感。そして、有馬自由さんが、のびのびしていてすごくいい。花組の松原さんの同性愛的キャラで、StadioLifeみたいなの匂いが。
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No:024  ウィー・トーマス /パルコプロデュース
★★★★
Theater:PARCO劇場
Date:7/1 M
Sheet:G-25
Price:\7,500
作:マーティン・マクドナー
演出:長塚圭史
出演:高岡蒼甫、岡本綾、堀部圭亮、木村祐一、富岡晃一郎他
 アイルランドの田舎町、黒猫の死骸を運んできた少年は、家主から猫殺しの疑いをかけられる。猫の飼い主は、家主の息子で狂気的な男であった。男は、北アイルランドの独立を叫ぶ過激派から離れ、独自の戦いを一人行って家を離れていた。まさしく血も涙もない男が帰ってくる前に、少年の妹の猫を黒く塗りごまかそうとするが、ばれて猫を殺してしまう。本当に猫を殺したのは、男の元仲間、彼を中間に呼び寄せるためだった。罠にかかった男は、殺される寸前になるが、幼い頃から男にあこがれていた少年の妹が男を救い。元仲間は、全員殺されてしまう。即日恋にに落ちた二人は、家主と少年に死体の処理を任せ家を出ようとするが、猫殺しが妹にばれ男も殺される。その後、家主と少年の元に現われる黒猫「ウィー・トーマス」、男の本物の飼い猫であった。
 血や死体が出っ放しの舞台でも、なんかあまりグロさを感じず、長塚さんに慣れすぎ? 全体的に役者さんたちもこじんまりしている感じで、富岡さんは、なんか吹っ切れていなく迷いを感じる。笑いの割合がいい感じに入っていて、「ピローマン」に比べて、格段に観やすいお芝居。初演を観てみたかったな。
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No:023  トリデ〜砦〜 / ダンダンブエノ
★★★
Theater:青山円形劇場
Date:6/18 M
Sheet:アリーナ10
Price:\5,500
作:和久田理人+ダンダンブエノ
演出:山西惇
出演:永島敏行、坂井真紀、宮地雅子、ぼくもとさきこ
酒井敏也、山西惇、近藤芳正
 町のイベントで演奏するために、集めた仲間が合宿する元民宿「砦」。ほとんどが10代のメンバーは、誰一人まともに楽器すら弾けない。そんな人々の悩み、恋愛、性と青春の一こまを、エチュードで仕上げた感満載で描く。役者そのものの設定も入っている。
 話自体は、あまり好みじゃなかったけど、出演者による生演奏は、素人っぽさがあって素敵だった。後ろに流れる音楽もポリシーない感じで、時代も微妙に前後してるけど、自分好み。あと、楽屋うけっぽい感じのネタがちらほら。
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No:022  コルトガバメンツ / 東京ハートブレーカーズ
★★★☆
Theater:中野ザ・ポケット
Date:6/17 S
Sheet:L-13
Price:\3,800
作・演出:田村孝裕
出演:岡田達也、平野勲人、篠田剛、首藤健祐
 小学校の時に仲の良かった4人組。一人だけ同じ学区であるはずなのに他の中学に行ってしまった男。卒業して、23年後のある夜、ずっと会っていなかった、他の3人から電話があり部屋に訪れてくる。その日は、小学の同窓会のあった日であった。3人は何故、彼が他の中学に行ったのかを知りたくてやってきた。彼らの過去がフィードバックされ、昔を思い出しながら、夜も更けていく。自営業の社長になった男、早くして結婚し回転寿司屋をやっている男、引きこもり。大人になっている彼らに、それぞれの過去は、それぞれであり、彼が別の中学に行った理由に対して、誰も重きをおいてはいなかった。本物かわからない拳銃を見つけて、みんなで盗んで逃げたこと、おばあちゃんのやっている雑貨屋で万引きしたこと、戦争と呼ばれるゲームが嫌いだったこと。そんなことも、エピソードの一つに過ぎなかった。
 軽い笑いから、ずんって物語に入っていくところの抜き差しが、すごく上手いなあって思う田村さんの作品。特に、「29」、「ゼブラ」なんかで描いている、一部屋だけを舞台に使ったお話はほんといい。平野さん、いつもの感じなんでのびのび。岡田さんは、普段やらない気持悪いキャラをライトに、首藤さんって人は、初見だと思うけど、こんな感じなんだって。
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No:021  帰れない2人 / 故林広志+三鷹芸術センタープロデュース

Theater:三鷹芸術文化センター星のホール
Date:6/11 M
Sheet:C-13
Price:\3,500
作・演出:故林広志
出演:阿藤快、堀越のり、楠見薫他
 とある町、堅物の父とOLの娘の二人暮しの親子。そして、出入りする町の人々に、同僚OL。ある日彼氏を連れてくるお話や、怪しげな中国人が、町の再開発に熱心に反対し、娘がそれを応援する。やがて、娘は中国人に心移りして、町を去ってゆく。彼女の母親のように。
 話し滅茶苦茶で、つながり無いして、人物設定も滅茶苦茶。え〜、って感じだった。役者さんたち、よくこれで舞台に上がろうと思ったなぁ。すごく久しぶりに鯨エマさんが観られたのが救い。
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No:020  やわらかい服をきて / 新国立劇場
★★★☆
Theater:新国立劇場小ホール
Date:5/28 M
Sheet:C3-6
Price:\5,250 → \4,275(okepi)
作・演出:永井愛
出演:吉田栄作、小島聖、でんでん他
 物語は2003年、イラク戦争開戦前夜から現在までの、メンバーたちの活動の軌跡を追います。反戦運動の高揚、イラクでの日本人人質解放や医療支援に向けての行動と挫折、そして再生への葛藤。グローバルな視点で人類の幸せを願い続ける若者たちのハードな日常が展開していきます。-新国立劇場HPより-
 久々に、戦争とかを考えるにはいい機会かな。永井さんの本は、思想じゃなくて事実を伝えようとするものだという気がする。自分を含めた無関心な人間達への憂いや警鐘といったような。ただちょっと設定や、時間経過や心の動きなんかにリアリティが無いかな。吉田栄作さんは、テレビの通り熱かった。
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No:019  地下室 / 文学座+青年団
★★☆
Theater:アトリエ春風舎
Date:5/20 M
Sheet:自由
Price:\3,000
 地下室で有機的な方法によって独自に水を濾過して売っている人々。水のほかにも様々な自然を利用した商品を売っているらしい。金儲けに興味が無く、合理的な仕事の進め方もしない彼ら。その商品により救われた人々で構成され、どこかやんでいるような雰囲気で、一人の男を中心にして共同生活をしている。元夫婦、引きこもり、心を患った者。家族となるために主の男と交わることを儀式と呼び、引きこもりの男の性処理を手で助けることをおしぼりと呼ぶ。胎児の胎盤を密輸してコラーゲンを抽出したり、引きこもりの便を使っての水の濾過をしていたりしていることが明らかになっていく。小さな諍いや罪悪感から、リーダーの男へ求心力を失ったり、強めたり。組織の小さな崩壊と再生を繰り返している。
 新興宗教と同じ構図で、善意を売り物にする人々という設定がちょっと在り来たりな感じ。同じ方向を見ている人たちが、すれ違っていく様もちょっと在り来たり。どんどんドロドロになっていく展開に食傷気味に。辻美奈子さんは、観るたびに幅が広がっていく感じがする。
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No:018  上野動物園再々々襲撃 / 青年団
★★★
Theater:紀伊國屋サザンシアター
Date:5/14 M
Sheet:11-15
Price:\4,000
 東京の下町の商店街、初老の男達は、同級生の葬儀が終わって、なじみの喫茶店に集まってくる。街で商売を営んでいる幾人かの後輩も含め、たわいも無い話で盛り上がっている。そんな中で、それぞれの背っているものが、少しづつ出されていく。余命が少ない人、別居して片思いの若い女ができたもの、前妻の子供が突然訪れて来るもの、貧しい生活で中学を出てから水商売に身を売り、みんなの前から消えていた、クラスの中心的な女の子。そして、彼らの昔の思い出は、上野動物園から駱駝を連れ出そうとしたこと。今それが蘇る。
 志賀さん、ひらたさん、山村さん、山内さんと好きな青年団の役者さんが観られたのは良いこと。青年団のお芝居より、セットが豪華で舞台が大きいので違和感。懐古する心は持ちながら、純粋な心も持ちながら、でも人はいろんなものを背負って生きていかなきゃいけないのね。
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No:017  ハルちゃん / COLORE PRODUCE
★★★★
Theater:シアターVアカサカ
Date:5/13 M
Sheet:D-9
Price:\4,500
 脚本:ラサール石井 演出:田村孝裕
 出演:デビット伊東、松永玲子、八十田勇一、国分佐智子他
 ある法廷、女検事と、元夫で暴力沙汰を起こして酒漬けだった弁護士は、同じ事件を担当する。男は後輩の事務所で雇われ社会生活に復帰下ばかりであった。そんな2人の担当する裁判の様子を描いた作品。
 裁判は、同郷の女性(ハルちゃん)に借金を申し込み、バカにされて刺して、殺人未遂に問われた男に対してのもの。被害者が記憶喪失になっていることにより、本人の自白のみで法廷は進むが、小さな矛盾や関係者語るの被害者の人物像から、自白のないように疑問を持つ検事と弁護士。しかし、雇われ弁護士は、確信に触れることを許されなく、事務所の方針を貫かされる。そして、事務所は証人のホームレスを買収してまでも裁判を進めようとする。新人の裁判官の補佐が、独自で調べた内容と、被害者に優しくされていたホームレスが戻って証言をしたことにより、事実は明らかになる。第一発見者の男と被告人は同性愛者であったが、被告人がハルちゃんに好意を抱きだしたことにより、ハルちゃんに嫉妬した男とハルちゃんがもみ合ってのを止めようとしたところを刺してしまったというのが事実であった。
 くてびれた弁護士役のデビット伊藤さんがはまり役、八十田さんの裁判官役は、緩急織り交ぜて、芝居にメリハリをつけている。松永さん演じる検事役の女性の気持の移り変わりを台詞の回し方で変えているところはう〜んな感じ。裁判と裁判の合間に入る元夫婦の会話と、裁判官とその補佐の裏側の会話が上手く芝居を組み立てている。
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No:016  おとこたちのそこそこのこととここのこと / 寿団
★★
Theater:萬スタジオ
Date:5/5 M
Sheet:H-3
Price:\3,300
 ある社会人の野球部、廃部が決まり、明日には取り壊しになる部室。部室整理に集まった部員達の心の中の葛藤を描いた作品。基本的には、廃部後行く先の決まらないものたちが、2人ずつ組みなり、気持を吐露しあう。2人の過去の関係性などから、今の状況を説明して行き、ストーリーが何部かの構成になって展開される。
 映像で見た八時半や、劇場で見た「ともだちがきた」の、鈴江さんの本とは違ったのドタバタした感じのお芝居。本質的には、心の中身を映し出すような話なんだろうけれども。全体的に怒鳴りあうような場面が多く、脂ものをずっと食べさせられている感。保村大和さんって人の演技が自分の肌にもの凄く合わず、終始胸やけがするような感じ。主催している方の演技もちょっとどうなのかなって。勳人さん、順矢さんが出ているから行ったけど、二人も新境地は見られなかったかな。
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No:015  密室彼女 / 劇団本谷有希子
★★★☆
Theater:ザ・スズナリ
Date:5/4 M
Sheet:G-3
Price:\3,500
 ビルとビルの合間にできた閉塞な空間、自転車と共に落ちてきた女は何故落ちてきたかは記憶が無い。そこには、自殺に失敗したという男がいたが、叫ぼうとも助けが来ることも無ければ出ることもできない。2人の共同生活が始まる。
 一方、同居していた女を殺し捨てようとするところを女に見られた男2人。乗っていた自転車と一緒に女を監禁するが、殴られたせいで直前の記憶がないという。疑いをかけた男たちは、女に殺してしまった同居していた女であると説明し、殺したことも無かったことにし、ぼろを出させようとする。男の一人は元恋人、もう一人は男が慕う先輩の塾講師。女は同居人を演じながら、遺留品から男達との過去を暴こうとする。時間が経つうちのその関係性が崩れ、真実がばれてゆき、女は部屋を出る。しかし、捕まっていた女の自転車や持ち物は盗品。証拠を隠すために監禁されていたビルの屋上から、自転車を捨てるが自分も落ちてしまう。そして、それを追って飛び降りた塾講師。
 2つの話が交互にコラージュされ、最後に話がつながる。
 途中中だるみ間があるのと、伏線の作り方が雑な感じ。2つのシーンを同じセットで展開するけれども無理のある感じ。加藤啓さんは、普段のエキセントリックで自由さを消しての演技で渋め。ショートカットの吉本さんが可愛い。
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No:014  靴を探して / 椿組
★★★☆
Theater:シアターグリーン
Date:4/29 M
Sheet:F-13
Price:\3,700
 若くして外資系企業で抜群の成績を上げカリスマとなった女講師の起業家セミナー。なんとなく平凡から脱したい主婦、離婚して子供と過ごすために独立したい男、定年間近に会社をくびになった男に、真面目一筋で過ごしてきた離婚したての元女教師、何がしたいか分からないが講師にあこがれる女。それぞれがそれぞれの人生や生活を背負いながら、受講をしている。講師は体を壊しながらも、カリスマであり続けようとし、世話になった会社への恩返しから席を抜かない。父との確執から家をでた過去があるが、受講生の男の一人は父であった。そして、女教師は昔通っていた塾の優等生。数回のセミナー毎にエピソードが明かされ話が進む。所属する会社はつぶれ、営業成績という心のよりどころを失った講師は、セミナーを中止してしまう。それでも、セミナーに通ってきた受講生達。
 全体的にしっかりした役者さんたちで、話もダラダラしていなくて良かったんだけど、なんか頭でっかちな感じした。セットは加藤ちかさんだけどシンプル、セミナー会場の椅子を役者が移動して様々なシーンを作っていく。最近流行っているのかな?
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No:013  カラフルメリィでオハヨ 〜いつもの軽い致命傷の朝〜 / NYLON100℃
★★★★
Theater:本多劇場
Date:4/14 S
Sheet:J-19
Price:\5,800
 死期を前に、現実と妄想と過去が倒錯した老人と、その家族の物語。ある朝小高い丘の上で見た、美しい光景とその時出会ったメリィ、入院中の病院の中をおかしな患者達とグループで逃走しようとする自分。そんな老人と暮らす家族は、思春期の娘、下宿している長期浪人の兄の息子、借金に追われる兄夫婦。そんな人たちの話をナンセンスギャグいっぱいに描く、面白くもちょっと悲しい物語。
 再演回数の多い公演で一度観てみたかった作品。過去のナンセンスが突き抜けるようなナイロンの作品よりは、ストーリーがある作品で、下ネタも少なく見やすい。間が命の笑いの部分は、さすがの役者陣で外さない。看護婦役の植木さん、スリムすぎてボンテージ衣装になった時にもの凄く貧相に見えてしまう。老人の息子役の大倉さんのきれっぷりとシリアスさがたまらなくいい。オープニングの映像が秀逸。これだけでも、千円ぐらい払っている感。
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No:012  テングメン / TEAM発砲・B・Zin
★★★★
Theater:本多劇場
Date:3/26 M
Sheet:H-7
Price:\4,500
 江戸の時代、顔を覆い股間に天狗の面をつけ、一人寝の寂しい女性を喜ばすテングメン。闇で女性の依頼を受ける一団の一人であるが、自分の物は役立たず。素顔では、一生懸命どうにかしようとしてくれる、街一番の遊女に心惹かれている。一方、遊女も彼に引かれている。そんな遊女から一味に夜のお供の依頼がやってくる。実は彼女の名前を語ったおかまの仕業であるが、それが原因でテングメンが彼だということがばれて、距離が遠くなる。そんな矢先、テングメンの偽者が街で悪行を働きだし、大ピンチ。遊女は、城から逃げ出した姫で、テングメンの疑いもはれる。最後に気持を表すテングメンは、姫を連れ去る。
 ほんのり18禁をテーマにしたせいか、客がいつもより多し。テーマを変えてもきだテイストというか、発砲テイストが出せるかの挑戦だと思うけど、そういう意味では成功だったかな。ちょっと、話が浅くなった感じと、ゲスト使ったせいか見せ場をいろんな人に作りすぎな感じ。屋根と坂などを表現するために、跳び箱の踏み台みたいなセットを使うが、取り回しが上手くできてなくてギクシャク感なのがすごく残念。そういうところをうまく使うのがより発砲なんだけど。
 斜め前に当日券で通路に座って観てるのに、携帯のライトの明かりでマンガ読んでる女の子がいて、前半イライラしてすごく気分が悪かった。さすがに、注意した。
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No:011  月影十番勝負 第十番 約束 / 月影十番勝負
★★★
Theater:スペースゼロ
Date:3/19 M
Sheet:13-19
Price:\5,000
 幼い頃施設で育てられ、その所長に可愛がられていたが、あるときから二人の間に何らかの因縁が。その業を永遠に背負って、追われる女。初めて捕まって、和歌山の刑務所に護送されるまで、逃げたり捕まったりの回想のシーンをつづった物語。
 お話は、影のある主役の裏大河ドラマみたいなのは、千葉さんテイスト満載だけど、もうほとんど池谷さん、木野さん、千葉さん、伊勢さん、加藤さんっていった役者達のキャラクタ祭り。そこにエンタテイメントとして高田さん、成志さん。暗い内容なのに、たくさん笑ったけど、なんでしょ?男女の比率が入れ替わった猫ホテな感も。引くとこは引く池谷さんに比べ、加藤さんは自由すぎ。月影の後半は、裏に裏に向かってったなぁ。
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No:010  パレード / ONEOR8
★★★☆
Theater:三鷹芸術文化センター 星のホール
Date:3/18 M
Sheet:B-14
Price:\2,800
 娘を失ってしまい、娘役を雇って隠居生活を送る元社長。少し前に入院していた病院には度々診察んい行く。そこには、悲観的な盲腸の患者に感化される元同室の男と出入りする妻。40も歳が違う異母兄妹の妹が入院していた。娘役の女はヤクザの子を身籠っていた、堕ろせという男に女は産むという。そんな人々が、不安や孤独を抱えながら、病院の中で行きかう群像劇。散歩の途中で、つまらなさを紛らわすのに、パレードを想像しながら歩くという社長。本当の親の元に戻るという娘が去ってボケてしまう、オカマの家政婦に車椅子に押されながら、幻のパレードを見ている。
 家族を描いた前作と前々作に比べて、色々なところに話がいって散漫な感じ。それが群像劇ってものなのかもしれないけれど、もうちょっと、あのジクジクとした感覚のお芝居が好き。死が迫る不安と孤独の不安に対して、ちょっとさっぱりしたアプローチに感じる。元社長役の中村方隆さんの演技が前半のライトな感じから、後半のぼけていく感じの変わりようがぐっと来た。
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No:009  労働者M / シアターコクーンオンレパートリー2006
★★★☆
Theater:シアターコクーン
Date:2/21 S
Sheet:K-13
Price:\9,000
 近未来の収容所、そこは管理をするものも元は収容されていた人間。そして、その立場は一部の上層階級を除いて、昨日と今日の立場が一転する。その中に、紛れ込んだ革命家達は、それぞれが変わって行ってしまう。一方現代の日本、悩み相談に電話をしてきた人間達を巻き込みながらねずみ講組織を広げていく事務所。過去に傷を持つ人々の中は、エゴ、不安、憎悪が入れ乱れる。
 なんかもともとのテーマだった近未来の部分が作りきれなくて、現代を足した感。自分達の日常にでも、小さなどす黒いものを立て続けに並べられたような現代版と、近未来であるのになんか70年代の学生運動を思い起こさせるような話。砂の上の植物群同様、救いのなさを感じてしまう作品。なんか高い値段のキャストである必要ってありって感じはするけど、あのセット組めるコクーンだからって思えば9,000円もまあそういうもんかと。
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No:008  桜飛沫 / 阿佐ヶ谷スパイダース
★★★★
Theater:世田谷パブリックシアター
Date:2/11 S
Sheet:N-16
Price:\6,800
客演:山本亨、橋本じゅん、水野美紀、峯村リエ、山内圭哉、市川しんぺー、真木よう子、猫背椿、吉本菜穂子他
第一幕(蟒蛇如)
 沼ばかりの貧しい村。村を仕切る郷地壱之佑(市川しんぺー)とその兄弟。郷地兄弟は村を貧しさから救うため三人っ子政策を打ち出して、それ以上の子供を作れば重罪とした。流れで医者のようなことをしている徳市(橋本じゅん)は、この村の助産婦のタネと共に村人たちに避妊の知識を広げながら生活していた。そこへ賞金稼ぎの新兵衛(伊達暁)が現れる。新兵衛は剣士としての徳市を探し訊ねて、ある悪人の首を取りにいかないかと誘い込むのだが、遠い昔に剣を置いた徳市はきっぱりと断るのだった。そんな折、四人目の子供が出来てしまった村人が徳市とタネの元に相談に来る。また同じ頃、村に女郎崩れの身重の女ヤマコ(猫背椿)も運び込まれて・・・。
第二幕(桜飛沫)
 かつては賑わった宿場町。今ではすっかり寂れてしまっている。お尋ね者の佐久間(山本亨)が身を隠すには打って付けの場所であった。この町に嫌気がさしていた若い娘マルセ(真木よう子)は余所者の佐久間に興味を抱き、自分の宿場に招き入れる。そこにはマルセの姉である頭の弱いグズ(峯村リエ)と、その夫である岡っ引きの蛭間(中山祐一朗)が住んでいた。佐久間が吐き気をもよおすほど、日々ドメスティック・バイオレンスの限りを尽くす蛭間は、町の元締め市川左京(山内圭哉)のイヌだった。その左京が流れ侍の佐久間の首に多額の賞金が掛かっていることを知り、ぬめぬめと動き出す。そんな中、佐久間はグズの不思議な人柄に興味を抱き始めて・・・。
<阿佐ヶ谷スパイダースHPより>
 第一部は、徳市を思うタネの気持だったり、タネが郷地の三男に襲われ刺してしまったり、新兵衛はダメダメで、その女がヤマコだったりとの話が加わり、最後徳市は村人に頼まれ、郷地の兄弟を切ってしまう。そして、過去を思い出し、昔裏切られたその悪人のもとに向かう。
 第二部は、左京がホモだったり、佐久間との過去の確執が筋に加わる。そして、もう佐久間は腑抜けになって、過去の男ではなくなっていた。町人の勘違いやら、左京の佐久間への歪んだ思いから、蛭間たちの命は絶たれる。そして、現われるのが、第一部の徳市。佐久間にも過去が蘇るが・・・
 最後、剣を合わせる二人の姿に、嵐のような桜吹雪。圧巻のラストシーン、このために3時間使ったのかと感じさえしてしまうくらいきれい。全体的に長塚さんのいつものグロさやドロドロさを隠してしまった感じがする。そのため、愛情や気持も比較的ストレートな話になっている。じゅんさん走りすぎ感があるも、それぞれのメインの俳優の使い方が上手い分、こりゃまた賛否両論になりそうな感じ。自分は、いつものドロンとした胸焼けしそうな変な満足感が無いも、結構好きだったしこういうのもありだと思う。でも、スパイダースではもっとこじんまりして欲しいかな、プロデュースものでないのに豪華すぎ。佐久間とグズの物語性が薄く、蛭間や左京と町人の物語が助長な感じで、マルセかかわり方がちょっと違和感。猫背さんと吉本さん、二人で笑い独占、市川さん、伊達さん、中山さん、山内さんは、いつも通りだけどなんか空回りしているように見えてしまった。
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No:007  ラブハンドル / パルコ+サードステージ
★★★★
Theater:PARCO劇場
Date:2/5 S
Sheet:F-3
Price:\7,500
作:中谷まゆみ 演出:板垣恭一
出演:原田泰造、富田靖子、石黒賢、小須田康人、長野里美、瀬川亮
 登場するのは、「ラブハンドル=お腹のまわりの贅肉」が、 そろそろ気になる微妙な年頃の人々。バツイチの弁護士・勝(原田泰造) とその秘書・千鶴 (富田靖子)は いわゆる恋人同士だが、長すぎた春をやりすごすうち、夏と秋を飛ばして冬を迎えてしまった結婚ニートカップル。もはや崖っぷちと焦っている千鶴は、あの手この手で結婚を迫るが、勝に全くその気ナシ。ある日彼らの事務所にやってきたのは、二枚目なのにどこか挙動不審な男・薄井(石黒賢) 。一見オイシイ依頼人かと思いきや、この人が世紀の片思いに悩む実に情けない恋愛ニート。彼女にために生きるの死ぬのと大騒ぎして、果ては3人同居するハメに。そんなさなか、近所に住む勝の姉(長野里美) は、夫(小須田康人)の浮気を疑って離婚を宣言。さらに勝の娘のカレシと名乗る若者(瀬川亮) までが現れ、恋愛相談を持ちかける。かくして、勝の事務所では、4つの恋物語が交錯。 人の恋を見て我が恋を想い、それぞれが見つける愛のカタチとは?<サードステージHPより抜粋>
 原田さんカミカミだけど、元々そこは承知の上なので、それもまた逆によし。全員にエピソードを作っちゃって、詰め込みすぎ感があるも、中谷さんのお話はいいです。石黒さんが普段見られないキャラで楽しいし、長野さん、小須田さんが舞台を締めて、いい仕上がりだったんじゃないかなと思う。
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No:006  Damage / 東京タンバリン
★★★☆
Theater:吉祥寺シアター
Date:1/27 S
Sheet:自由
Price:\3,200
客演:長田奈麻、池谷のぶえ、皆戸麻衣他  前作「デッサン」(未見)とつながっているお話。色々なところで起こったある宗教の集団自殺。自殺した人の家族たちの一部は、色々なところで点でつながっていた。家族たちは被害者の会を作り、その宗教を撲滅しようとする。しかし、運営のための資金稼ぎのための物品販売のノルマや、未遂のまま昏睡状態の娘の写真の会報紙での公開などから内部の人間関係は崩壊していく。一方、健康のためのヨガから教祖的な人物が出てきて宗教色も強くなっていく。最後、妻に自殺された無職、無気力な男が、事務所代わりの喫茶店でゴミに放火をしてしまう。
 集団のすれ違いから起こる話って好きだけど、主にしているものが宗教だったので、もうちょっとデリケートに描いて欲しいと思った。なんかすごく大雑把に感じてしまう。特に、被害者の会を作っていく部分や崩壊していく部分の心の移り変わりの部分はそう感じる。人数が多すぎて散漫になってしまった感。舞台上に同時にいくつかの違う人たちの場面を点在させて台詞で場面をつなぐことや、暗転を使わず場面転換を創作ダンスでセットの移動などをこなすのは面白かった。ここまでやったのだから、最後の2場面だけ暗転があったのが残念。一人台詞回しがどうしても肌の合わない役者さんがいて、その人が結構中心的な部分にいたのでちょっと辛いとこがあり。セットがナイロンの舞台だった、そして、長田さんが火事の中に巻き込まれている妹を助けようと叫ぶ部分も「ナイスエイジ」みたいだった。他の作品も観てみた息がする。
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No:005  あしたのニュース / ラッパ屋
★★★★☆
Theater:THEATER/TOPS
Date:1/22 M
Sheet:A-6
Price:\4,500
 きれいな水を売り物にしている老舗の手作り豆腐屋の夫婦。向かいの地方新聞社に勤める娘と動物園に勤める人付き合いが苦手な娘を持つ。向かいの新聞社の記者たちは、何かと豆腐屋に入り浸っている。目標がなくなって豆腐屋のおばさんで一生を終える事に危惧感を感じる妻は、町のエコ活動を始める。リーダー的存在になり、町の水のきれいさをアピールするため、豆腐工場を作ってしまう。向かいの新聞社には、東京のTV局からも引き抜きのありそうな美人記者が、このエコ活動の取材をきっかけに主要記者へとなってゆく。豆腐屋の主人と記者の同僚の彼氏は、男の威厳をなくす恐れから、娘の動物園から預かったきれいな水にしかすまないカエルを川に放し、ねつ造記事を作ってしまう。罪悪感と戦う二人だが、そしているうちにきれいになっていった川には、なぜか珍しい生き物が次々と。しかし、これは市長と動物園長がビール工場誘致のために仕組んだ工作であった。それには、新聞社の重役も一枚噛んでいた。そして、豆腐工場やらきれいな水をアピールするための施設のせいで、豆腐屋の水道からは泥水が。記者たちは、記者生命をかけて、暴露記事を書き、きれいな水を売り物にし豆腐屋は昔のスタイルに戻る。
 今までと違った路線で、個に翻弄される人々が、公に翻弄される物語に。ちょっと話が大雑把な感じがするけど、2時間飽きずに観られるお芝居。なんといってもラッパ屋は、観ているだけで幸せな気分になれる。しかも、弘中さん、三鴨さん、岩橋さんを最前列ど真ん中からなんて。熊川さんの宇納さんのやりあいのシーンは、俵木さんいなくても面白い。木村さんが噛み過ぎなのがちょっと気になる。あと、客演の外人って必要だったのかな?
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No:004  クラウディアからの手紙 / ホリプロ・FM TOKYO
★★★
Theater:世田谷パブリックシアター
Date:1/21 M
Sheet:G-8
Price:\7,000(okepiの救済欄で\6,000)
演出:鐘下辰男
出演:佐々木蔵之介、高橋恵子、斉藤由貴、すまけい、山西惇他
 太平洋戦争の終戦を朝鮮で迎えた、民間人 蜂谷弥三郎。妻久子と乳飲み子の久美子と共に日本に引き上げようとする折も折り、スパイとして告発され無実の罪でソ連軍に捕らえられてしまう。極寒のシベリアの強制収容所に送られた彼は、幾度も死線をさまよったが、もちまえの手先の器用さに磨きをかけ、理髪師の技術を取得し、執念で命をつないだ。刑期を終えて出所しても、スパイ容疑のため弥三郎に帰国は許されず、ロシア(ソ連)に残された。その後彼は、自分とそっくりの境遇でつらい日々を送っている女性クラウディアと出会い、やがて結婚する。その後、ソ連は崩壊し、日本で待つ妻・久子とついに連絡がとれた。久子は弥三郎の生存を信じて待ち続け、どんな再婚の話にも首を縦にふらず、女手ひとつで娘を育て上げていたのだった。久子は、弥三郎にクラウディアという女性のあることを聞かされていた。一方、クラウディアは弥三郎を日本に帰すことを心に決めていた。二人の女性の滅私の愛に弥三郎は揺れたが、しかしクラウディアに押されるようにしてついに半世紀を過ごしたロシアを後にする。<公式HPより抜粋>
 ストーリー重視の内容で、セットはほとんど無く、抽象的なダンスが情景を映しだす。説明の台詞が多く、淡々とした印象。初の蔵之介であったが、あまりオーラを感じられず残念。一方、人間風車の時に、長台詞をちょっと辛く感じた斉藤さんのクライマックの台詞はじ〜んと来た。最後に、物語の本人たちの映像を流すのは、演劇としていかがなもんでしょう。久しぶりに泣いたけど。
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No:003  色彩組曲Remix / X−QUEST
★★☆
Theater:シアターグリーン
Date:1/14 M
Sheet:F-12
Price:\3,500
 レッドなんとかランドの女王とつぎの座を狙う3人の息子達は、敵対する国と争いあうように大きな力を得るためのグレイを探す。そのグレイは、まるで五感を失った子供であった。そして、その子供を暖かく見つめる親と、いじめられっこの友達。そんな人々の争いや愛がダンスと共にコラージュされた作品。
 終始眠くて何がなんだか分からなかった。なんかいつも以上にまとめきれていない感じ。久々登場の若原さんのダンスが一人飛びぬけて、素人にも分かるほどきれている。まあ、それだけでも価値あるかなって。人数多くなった分、ダンスに統一感が無くなって、年齢のせいもあるのか、昔のすごさを感じない。
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No:002  BiggestBiz / AGAPEstore
★★★★
Theater:本多劇場
Date:1/9 M
Sheet:O-16
Price:\5,500
 アメリカの東海岸で雑貨屋をしている神崎。秘書見習いの男は、代議士がカジノでもうけた金を紛失してしまい。このまま捕まってしまいたいと雑貨屋に強盗に入る。心細さから現地で生活している密かに心を寄せていた同級生も巻き込んでしまう。その状況の中に、加賀BIGGER BIZエンタープライズの面々が、パーティーに出席するために出たり入ったりで、勘違いとケンゾーのいたずらでドタバタが。そこでサラさん登場、全てのからくりが明かされる。秘書見習いは、代議士にだまされていて、お金は賄賂。その賄賂の出先のカジノの経営は、加賀エンタープライズの敵対会社だった。そして、加賀エンタープライズものっとりの危機に瀕していることが分かる。いつものように会社を二束三文にして相手の手に渡し、もうけた株を山分けでドリームチームは解散。
 ちょっと、話が浅い気がするけど、大笑いの2時間強。3作目の割り切ったつくりとしたら、これでよかったのかなって気がする。もう、このシリーズが観られないのは寂しいけど。菅原さんのダメダメ男は、坂田さんの跡継ぎとして、いい味。粟根さんの出番が少ないのはちょっと寂しいかな。今回ネットに入り込むサラの役目の一部を三上さんが行うが、その時の変貌するキャラがAボーイ系、ずるっ。
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No:001  贋作・罪と罰 / NODA・MAP
★★★★☆
Theater:シアターコクーン
Date:1/4 S
Sheet:1F F-4
Price:\9,000
出演:松たか子、段田安則、古田新太、宇梶剛士、中村まこと、村岡希美、マギー他
 今年初観劇は、年末に続き2回目の観劇の作品。前回、終盤に全然集中できなかったようで、幕末の倒幕の浪士たち物語、特に古田さん演じる主人公の相手役の才谷=龍馬の図式が全く頭に入っていなかった。高いお金払って、何しているんだろうって感じ。
 実質3列目の席だったこともあって、今回は、かなり色々観られた感じ。こんなに印象が変わると思わなかった。特に、田舎の小学校にあるような椅子を、積み木のように積んだり崩したりする舞台セットの演出は美しい。松さんと古田さんの存在感はすごい、でも、松さんの役作りは、オイルのときと違って、抑揚の無い一本の感じで、意図的なのだろうか。宇梶さんは、悪くみせようとしている感が見えている気がして、なんか違和感。村岡さんの声色の美しさと中村さんの放蕩さ加減が、この劇場の大きさになっても魅力的なのは感心。小松さんとマギーさんはもったいない。
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