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観劇日記(劇場編)2001年  −−−−−−−−−−− 

自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評)
★は、自分のお気に入り度

シンクロナイズドウェディング/冒険王/デビルマン/アンフォゲッタブル/國語元年

天保十二年のシェイクスピア/橋を渡ったら泣け/彦馬がゆく/エロドラマ/ジェラシー

ダブリンの鐘つきカビ人間/メルダイバー/フローズンビーチ/初恋/ポルノ

魔法の黄色い靴/きゅうりの花/血む娘。ザ・ヴァンパイア/アチャラカ再誕生/おじいちゃんの夏

ビューティフル・ネーム/コネクト/BigBiz/隣のベッド/ビルの中味

今度は愛妻家/東京ノート/南半球の渦/東京のSF


No:029  東京のSF / NYLON100℃
★★★
Theater:シアターアプル
Date:12/14 M
Sheet:13-36
Price:\5,300
 隕石が落ちて来た出版社、小説に書いたことがみんな現実になってしまう売れない作家の家族、戦争で左手を無くした男とその娘、少年探偵団がそれぞれに絡みあって物語が構成されている昭和38年。テンポ良く話は進み観ているものをくぎ付けにするスピード感。17年後の後半は、土星人が地球を侵略に来て。。。
 もう話が訳わからなかった。前半がめちゃくちゃ面白かっただけに残念。犬山、峯村は小ずるいくらいの面白い名コンビぶり。渡辺えり子、清水宏、中村まことは使い方がもったいないくらい。

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No:028  南半球の渦 / 東京国際芸術祭+世田谷パブリックシアター提携公演
★★★★★
Theater:シアタートラム
Date:12/1 M
Sheet:E-14
Price:\4,800
 作・演出:土田英生
 出演:木場勝己、篠崎はるく、近江谷太郎、植本潤、木下政治、小林愛、アダム・ブロノフスキー、水沼健、西野千雅子
 詐欺まがいの開運グッズが大当たりして、オーストラリアに社員旅行にやってきたベンチャービジネス会社の社員たち。開運グッズを考えた常識にとらわれず、思うがままに生きている男。古株の生真面目な社員とひそかに付き合っている女子社員。人間不信で、心に思うことはすぐ口に出してしまう女。ハーフの社長と秘書。開運グッズを大量に買ってくれたために旅行に招待された男。アルバイトと若手社員。そんなメンバー達が、宿泊先のホテルで体験する話。
 生真面目社員の思うがままに生きる男に対する葛藤。裕福であるから大量の開運グッズを購入してくれていたと思っていた男に、実は不幸の連続の人生を送っていると告白される人間不信の女。開運グッズのクレームで会社が危機になっていて、急に社長を辞めていなくなろうとするハーフと取り残される社員。
 それぞれの人間関係を細やかに面白おかしく描いている。常識、恋愛感情、たてまえという実はとても不明確なものに翻弄される人間たち。土田さんは、こういう個人個人の価値観のズレや温度差を紡いでコミカルに描くのが本当にうまい。常識無社員の植本さんはじめ、結構いい感じにまとまっていたと思う。MONOの二人は、やっぱり土田作品になれているだけあり、つぼに入っている。本当にいい作品を見たという実感。

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No:027  東京ノート / 青年団
★★★★☆
Theater:東京都現代美術館
Date:11/17 S
Sheet:自由
Price:\4,500
 2004年のある美術館のラウンジ。年に一度の集まりのため、そこで待ち合わせをする2男2女兄弟とその妻達。父の遺産の絵画を寄付しに来た女とその友達と弁護士、そしてその相手をする学芸員。女子大生と昔家庭教師をしていた男とその彼女。
 ヨーロッパで起こっている戦争をバックに、そんな人たちの会話が淡々と流れる。高齢化社会の老人の扶養、夫婦間の問題、思春期の憧れ等様々な内容がちりばめられている。青年団の作品に好感が持てるのは、ちりばめられた内包されたものに対し、見る側が好きにスポットを当てて芝居を見ることができる点にあるのかも知れないと思った。

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No:026  今度は愛妻家 / サードステージ
★★★★☆
Theater:俳優座劇場
Date:11/16 S
Sheet:13-20
Price:\5,000
 子供を欲しがる妻とカメラマンで浮気性の夫、子作り旅行に出かけた二人だが妻は事故死してしまう。その後妻は幻影となって夫の前にだけ現れる。アシスタントとその恋人、オカマの妻の父を巻き込み様々な事件が起こり、失った妻を愛していることに気づく。
 妻が幻影だったことを物語の最後に明かすところも含めオーソドックスな話。それでも、小道具の使い方とか細かなところに気を使っているのがわかる作品。久しぶりにハートウォーミングコメディーってやつに会った感じ、前の方で観ていたら本当に涙こぼれていたかも?池田成志さんに泣かされると思わなかったし、長野里美さんは本当に素敵な役者さんだった。

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No:025  ビルの中味 / Me&Herコーポレーション
★★★★
Theater:本多劇場
Date:10/13 M
Sheet:H-19
Price:\4,000
 出演:猫のホテル、福本伸一、弘中麻紀、永井秀樹、伊達暁、他
 作・演出:千葉雅子
 合併吸収が行われた会社の吸収された側の会社にいた営業マンたちは、不当な扱いに疑問を抱く。その裏では、会社の人事部が合併もとの会社の色に変えようと裏工作をしまくる。ストーリーはその程度で、そんなに複雑ではない。とにかく猫のホテルの役者ほとんどが、飛道具。その中、阿佐スパの伊達さん、青年団の永井さん、ラッパ屋の弘中さんが持ち味発揮。千葉さんの出番が少ないのが残念。

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No:024  隣のベッド / PLAYMATE
★★★
Theater:シアターV赤坂
Date:10/12 M
Sheet:B-15
Price:\3,800
 マンションの別々の部屋に暮らす結婚7年目の夫婦。二人の仲を戻そうと、妻にやきもちを妬かせる官能小説を書いているその妹。テレビ局に勤める妻は、昔の敏腕ディレクターに偶然会い部屋に入れる。夫の部屋につまみをとりに行くと、妹と夫がベッドの中に。。。夫は、妻の元に言い訳に行くが、妻は他の男と抱き合っている。話は、余計こじれて紆余曲折するが、結局元ディレクターと妹は恋人同士であり、夫婦もハッピーエンド。
 なんか話しにひねりなくて詰め甘い感じ。楠見さんもおとなしめで、愛ちゃんはいつものとおり。

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No:023  BigBiz / AGAPE Store
★★★★☆
Theater:スペースゼロ
Date:10/6 M
Sheet:7-7
Price:\4,500
 昨年の5月に観た作品の再演。昨年よりもなんかバージョンアップしている感じ。粟根さんのきれっぷりが増していて好感。

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No:022  コネクト〜薄着知らずの女 / 古林広志プロデュース
★★★
Theater:三鷹芸術文化センター星のホール
Date:10/5 S
Sheet:G-9
Price:\2,800
 村岡希美、廣川三憲、原金太郎他を起用したコントオムニバス。村岡さん目当てでいったので、それなりにいろんな役をこなしてくれたのでチケット代からしたら満足。廣川さん、原さん、小松和重さんを除けばそれほど目を引く役者さんもなし。

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No:021  ビューティフル・ネーム / 鷺沢萠プロデュース
★★★☆
Theater:中目黒ウッディシアター
Date:9/22 S
Sheet:自由
Price:\3,000
 マルチ商法の事務所に集まった訳有りの人々、刑務所出の人間、サラ金で借金が返せなくなった男、体を使って会員を増やしている男と女、結婚詐欺にあった女、元トップアイドル。告発間近のある日に事務所で起こる事件と共に、自分の持っている名前のエピソードを語り、それぞれの過去を明らかにしながら話が進む。名前が他人からの印象の受け方を変える、しかし、それが本質的なその人であるのか。名前をいうアイデンティティーのひとつを使いながら、本当のこととは何なのかを解いていく。

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No:020  おじいちゃんの夏 / G2プロデュース
★★★☆
Theater:青山円形劇場
Date:8/25 M
Sheet:H-43
Price:\3,000
 出演:小須田康人、武藤陶子、広川三憲、小沢真珠他
 妻を無くしてボケてしまった祖父を引き取った一家は、父はリストラ、母はサラ金に手を出し、家を手放さなくなってしまわなければならなくなる。その時に娘が賞金一千万円のクイズの出場資格を得る。なぜか祖父はボケが治り、孫とクイズに出ることになるが、偶然孫の同級生のやくざの娘も出場することになり、さまざまな妨害をされる。孫に昔話をしてあげているうちに、結局祖父はまたボケてしまう。そんな不思議な夏を描く作品。祖父役の小須田さん、間やぼけっぷりで笑わすのうまい。武藤ちゃん、元気いっぱい。

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No:019  アチャラカ再誕生 / 空飛ぶ雲の上団五郎一座
★★★☆
Theater:ラフォーレミュージアム原宿
Date:8/24 S
Sheet:自由
Price:\4,800
 脚本:いとうせいこう、井上ひさし、ケラ、筒井康隆、別役実
 出演:いとうせいこう、住田隆、中村有志、三谷幸喜、みのすけ、三宅弘城、池谷のぶえ、YOU他
 とにかく豪華な脚本陣と出演者によるお遊び企画のコントオムニバス。そこそこ面白い。

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No:018  血む娘。ザ・ヴァンパイア / X−QUEST
★★★☆
Theater:中野 ザ・ポケット
Date:8/24 M
Sheet:補助-6
Price:\3,300
 吸血鬼の女と人間の間に生まれた子供の話。吸血鬼の母は身ごもってしまったために、子供の将来を考えて人里はなれて暮らす。一方妻に逃げられた人間の男は研究の末に、体に血をためていくら吸われても死なない人間を作り、吸血鬼と共存しようとする。そんな話に、街の吸血鬼騒動、血を好む美貌の男とそのメイドたち、探偵、街のチンピラなど絡んで、コラージュされて物語が作り上げられている。いまいちぴんとこなくて、ギャグも少なめ。カムカムの山崎みちるさんすっごくいい。

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No:017  きゅうりの花 / MONO
★★★★☆
Theater:ザ・スズナリ
Date:8/16 S
Sheet:A-4
Price:\3,000
 田舎の農村の青年会、村を盛り上げようと、町おこしのイベントでイエイエ節を現代風にアレンジして踊ることだった。
 そんなメンバーたちの集まる集会所を舞台に町おこしの前日までの様子を描くコメディー。無農薬栽培をするが、村民からは村八分にされている男、農家の息子、出戻りの嫁、都会からリストラで戻ってきた男と一緒に戻ってきて村でペン習字を教える妻、嫁のこない役場の男、前村長の孫。それらの人間たちがそれぞれの事情、お互いの確執をぶつけ合いながら話は進んでいく。
 とにかく話の転がし方がうまい。メンバー同士の間も安心。奇妙な踊りや伏線の引き方など自分にとってもあう。いつ見ても、安心して楽しめる劇団。コストパフォーマンス高すぎ。当日はMONOを観にいった中で一番の大入りだった、そのためか、客入れに15分。これからの課題か。。。

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No:016  魔法の黄色い靴 / 明治座、TBS
★★★
Theater:赤坂ACTシアター
Date:8/13 S
Sheet:3-26
Price:\8,500
 山本耕史、伊藤高史、河合我聞、遠山景織子、原史奈ほか
 1970年代の前半、九州から東京に出るためにバンドのメンバーをスカウトにきた家でおこるドタバタハートフルコメディー。
 芝居としてみたら、何の面白みもない作品。自分みたいにTULIPが好きだとか、そういう思い入れのない人が見たらすごくつまらなかったのでは?
 評価は別にして、幕後にTULIPが出てきて、”心の旅”と”夢中さ君に”を演奏してくれてうれしくてたまらなかった。最後は、出演者全員で”魔法の黄色い靴”、平野くんちゃんと財津さんが同じ舞台にいるなんて、考えもしなかった。。。

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No:015  ポルノ / 阿佐ヶ谷スパイダース
★★★☆
Theater:TOKYO FMホール
Date:8/12 S
Sheet:G-6
Price:\3,800
 3組の男女にまつわる4話にわたるオムニバスであるが、登場人物は全員つながっている。
 坂の多い町で、老人と障害者に取り入って町会議員になろうとしている議員候補の男と体の弱く心の病んだその妻の話。男は限りなく偽善行為を行い選挙活動を行う日々のある日、家に帰ると子供の欲しかった妻は、路上で青年を襲い無理やり自分の赤ん坊だと主張して育て始めてしまう。子供は妻の妄想の中で、どんどん成長していき青年に、妻は青年と関係を作ってしまう。そこを目撃した夫は。。。そして、2人の過去が暴かれる。1場、3場。
 社会に順応できない着ぐるみショーをやっている男と、その彼女の話。先の男の選挙のビラ配りを手伝うはずだった男は、彼女と会いそのままサボって同棲している部屋へ。そこでの彼女の告白から、痴話喧嘩、そして、暴力へ。。。2場。
 着ぐるみショーに出ていた女は、TV女優になるが、議員候補に坂から突き落とされ骨折する。飲んで2場に出てくる女と部屋に帰ってくる。そこにいたものは男の妖精。出て行けというが、妖精は部屋から出られない。しばらく、召使のように暮らすが、女に触れることを避ける。妖精の正体は、実は女の昔使っていた着ぐるみだった。4場。
 ビデオで見ているよりも格段に面白かった。狂気と笑いのコンビネーションが、ナイロンとはまたちょっと違って面白い。自分は、作家よりも役者の長塚さんが好き。とぼけて頼りない感じの男をやったときが特に好き、今回の2場の村岡さんとのカップル役も最高。そして、村岡さんは、器用にこなす。議員候補の妻を演じる岩橋さんは、意図的にあの役なんだろうけど、どうなんだろう?

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No:014  初恋 / 土屋プロデュース
★★★★
Theater:ウエストエンドスタジオ
Date:7/27 S
Sheet:自由
Price:\3,000
 やはり土田作品ということで、当然楽しめた。最後のシーンはとっても素敵。ビデオで観たオリジナル作品に比べるとやはり技量、テンポ、間とも今ひとつ。増田さんのやっていた役の鯨さんって言う人は、個性があっていい感じ。一人とっても色の違う(技量のせい?)役者がいたのが残念。あと、この小屋でMONOと同じ料金ってどうなのかな?

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No:013  フローズンビーチ / NYLON100℃
★★★★☆
Theater:紀伊国屋ホール
Date:7/20 S
Sheet:J-20
Price:\4,800
海外リゾートの島にやってきた市子と千津。現地に住む千津の昔の同級生愛を訪ねてやってくるが、目的は精神が乱れた市子に、愛の双子の姉を偽装殺人させることだった。しかし、千津からは愛を殺したいと相談を持ちかけられている市子は発狂して、愛をベランダから突き落とす。その直後、愛の盲目の継母と心臓の悪い姉は口論となり、姉は突然死してしまう。一方愛はベランダに這い上がって戻ってきて、ベッドで死んでいる姉と入れ替わってしまう。(一場)
結局親子のたくらみはばれてしまい捕まるが、多額の保釈金を積み2人は釈放される。その数年後再び親子を訪ねた市子と千津。千津は宗教に染まり、リゾート地に宗教犯を逃がすためにやってくる。愛は、包丁で千津を刺してしまうが、市子の不思議な治癒能力でよみがえる。(二場)
リゾート地は地盤沈下によって、水没しかける。その家に唯一のこった愛であるが、家も水没仕掛ける、家族が崩壊して、自殺しようと戻ってきたところに、日本に帰ってしまっていた継母と市子、千津が現れる。(三場)
ストーリーを見ると何が面白いのかという気もするが、4人の狂気と笑いが交互にやってくる流れ、伏線。そして、女優4人の息合い過ぎ、巧過ぎ。NYLON作品は、すべてが好きにはなれないのだけれど、自分には最高の舞台。

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No:012  メルダイバー / TEAM発砲・B・Zin
★★★★
Theater:アートスフィア
Date:6/23 M
Sheet:E-9
Price:\4,000
 近未来ネットの治安を維持するために、生身の体を通信データと化してネット内に入り込めるようになったメルダイバー。しかし、彼はネットの海に沈む。彼の代わりにネット内に入り込むはずのメルダイバーは、後輩の女であったが、手違いで海に潜るダイバーがネット内に入り込んでしまう。全く近代化からかけ離れた海の男はネット犯罪者と格闘する。そこに、ネットの海に沈んだはずのダイバーが現れるが、男はネットの海の先住人のためにネットの世界を乱した人間に、これ以上氾濫をさせないために現れたのだった。最後に時代は、次なるコミュニケーション手段を得るが、彼の姿、先住人は現実にいたのか、幻だったのか?
 殺陣もストーリーもきだテイスト満載。擬人化や変身のシーンなど舞台上で出来ないことを逆手にとっての演出、すっごく好き。役者が安定しすぎて、当て書きっぽくなってきているのがちょっと残念。新しいキャラも見てみたい。客演の坂口さんは、やっぱりちょっと存在感が大きすぎて浮いちゃう感じ。

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No:011  ダブリンの鐘つきカビ人間 / G2プロデュース
★★★☆
Theater:PARCO劇場
Date:6/2 S
Sheet:I-3
Price:\7,500
 水野真紀、大倉考ニ、長塚圭史、後藤ひろひと、遠藤久美子他
 人気の無い村の一軒家に迷い込んだカップルは、家の主人に不思議な話を聞かされ、何故か物語に同化してしまう。奇病に冒された人々の住む町で、カップルは町の奇病を治すための剣を手に入れるため旅に出る。一方町では、カビ人間になって人々から嫌われる男と、思ったことの反対の言葉を喋ってしまう娘、二人は行き違いからお互いを思いあうようになる。町は市長の独裁に侵されていて、カビ人間は市長の謀略によって無実の罪を着せられ、町を歩けないようなになるが、娘の警告を聞き入れず、鐘をつきに行くカビ人間は撃ち殺されてしまう。そして、娘は持ち帰られた剣で自ら命を絶ってしまう。こんな話を聞かされた後カップルは殺されてしまう。
 途中までとっ散らかった舞台を最後にぎゅっと締めた感じ。大倉さんは際物振りが抑えられていてちょっと残念。水野さんは出番が少なく見せ場も少ない感じ。遠藤さん、声かれてたけど、長塚さんといい感じで絡む。

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No:010  ジェラシー / うさこF
★★★☆
Theater:中目黒ウッディシアター
Date:5/26 S
Sheet:自由
Price:\3,000
 松村武作演出、藤田記子、池谷のぶえ、弘中麻紀、澤田育子、宮下今日子
 ある結婚式場の場面からダンスシーンでいきなり暗転。
 有名なイタリアのF1ドライバーに嫁いだミサの元に、同級生だったあか抜けない看護婦のサナエと、どう見ても女の”彼氏"と一緒にユカが訪れた場面の話。ここに、彼氏の女とメイドが加わり話が進行する。サナエは憧れの若先生にレイプされ、それでもレイプされたことに気付かずのほほんとしているが、妊娠が発覚する。ユカは、ミサの元彼氏の実兄に裏切られ、男性不信に。そして、ミサの夫は帰ってこない。そして、最後はミサの兄からの脅迫状が。。。。滅茶苦茶面白い会話とともに女性達のどこか歪んだ男性への心情を描く。そして、最後は最初の結婚式の場面、どこかメインのストーリーとオーバーラップして幕。池谷さんのとぼけっぷりに、藤田さんの壊れ加減、弘中さんのボケ、突っ込みと笑いだけでも十分価値あり。

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No:009  エロドラマ(e-DRAMA)〜宇宙で一番遠くて永い遠距離恋愛 / X−QUEST
★★★★☆
Theater:駅前劇場
Date:4/6 S
Sheet:自由
Price:\3,000
 男の快楽のために開発されたアンドロイドのセクサロイド。その性器から男は40億光年離れた惑星ラブランシェに。女性だけが生存していて、唯一選ばれた男が精子提供用に飼われているだけの星に来てしまった理由は、そのゆがんだ星を正そうとする革命軍の仕業だった。革命軍は、秘密裏にかくまわれていた唯一の男の三つ子の兄弟と、さらに地球から連れてこられた仲間達と共に、祭りの日に革命を起こし、女王から政権を奪いとる。そして、その後のラブランシェと地球は。。
 女性蔑視の男性社会への反動から出来上がったラブランシェの崩壊、男の欲望のままに作られたセクサロイド、二つの対比を使いながら、最後に残るのは愛情であること。クエストの代表作にもなりそうな、充実した内容。いつものように戻ってこれないくらいわき道にそれる事もなく。コラージュされている部分も本筋の邪魔をしない。客演の女優陣を上手く引き立て、オリジナルメンバーはやや控えめ。えげつないエロに走ることもなく、どちらかというと王道を行った感が良かった。最後が説明的になった感じがするのが残念。ダンスがいつもより揃ってない?
 タイトルのせいか、駅前劇場客入れするのに30分近く。それでも、10人くらいの立ち見。
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No:008  彦馬がゆく / パルコプロデュース
★★★★
Theater:ル・テアトル銀座
Date:3/30 S
Sheet:22-20
Price:\8,500
 写真館をはじめた神田彦馬一家が、幕末の騒動に巻き込まれるのを描くシチュエーションコメディー。思想を問わず写真をとりに集まってくる勇士達に翻弄される家族。薩長の同盟を結ぶために、名士たちが記念写真を取りにくるのを狙い彦馬の娘に近づいた坂本龍馬を中心に、桂小五郎、高杉晋作、伊藤博文、近藤勇、西郷隆盛と、次々に。。。そして、竜馬の恋人となった娘の小豆は、最後には捨てられる。
 三谷作品初見。そつなく面白いし、3ヶ月間やってきた芝居だけに役者陣の息もピッタリ。大倉さん、温水さん、梶原さんと際物揃って、それぞれの出番が抑えられているのがちょっと残念。小日向さんの頼りなさぶりと、次男役で語り部を担う筒井道隆の淡々とした語り口調が楽しさを増す。
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No:007  橋を渡ったら泣け / MONO
★★★★★
Theater:シアターサンモール
Date:3/21 S
Sheet:B-1
Price:\3,000
 突然の天災で日本のほとんどが水没。乗鞍岳付近の水没しなかった島に生き残った6人の人々が暮らす。ある日そこに漂流してきた男が現れる。協力して生き延びていく人々の中にも、リーダーが出てきて独裁色が強まる。そのリーダーは異を唱える男を崖から突き落とそうとするが、漂流してきた男がそれを助け次のリーダーとなる。しかし、同じように独裁色を強めていくが、食料を隠した男を裁こうとして自殺未遂させてしまい、我に帰る、そしてまた、漂流をはじめる。
 結局チラシのあらすじとは違った内容だった。集団になった人々の中で起こる権力をもってしまった人間の侵す過ち、権力に媚びる姿、己の意思のあいまいさを上手く描いて好感。最後も終末を描くでもなく、安易に丸く納めるでもないところがまたよし。話の中に出てくる伏線の使い方がすっごく巧い。やりとりののチグハグさやことば訛りを使った会話の面白さが相変わらず秀逸。役者陣安定、西野さん毎回魅力がアップしている感じ。「何もない冬」に続き、いつもとちょっと違った路線だが、MONO中でも代表作になりそうな作品。サンモールなのに、終了後の拍手が「天保・・」よりも大きく感じる。これで、本当に3,000円でいいの?
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No:006  天保十二年のシェイクスピア / 日本劇団協議会
★★★☆
Theater:赤坂ACTシアター
Date:3/17 M
Sheet:7-43
Price:\7,500
 上川隆也、沢口靖子、熊谷真実、古田新太、池田成志、阿部サダヲ他
 天保の時代、下総の清滝という宿場町の一帯を仕切る鰤の十兵衛は、代を3人の娘に譲り隠居に入ろうとする。捨て子であった末娘は真に父を思うが、要領悪く家を追放され、美辞麗句を並べ立てる姉夫婦2組が家を継ぐ。姉達はそれぞれに店を構え、骨肉の争いを繰り広げる。お互いの野望のためにそれぞれ男に取り付き、相手の仕業に夫をも殺してしまう。そこで、セムシでびっこで醜い顔持つ、口が達者な無宿者三世次は次女側に取り付き、やがて、主人をも殺し、店を乗っ取り、村を牛耳りっていくが。。。戻ってきた末娘と代官の妻である末娘と生き別れになった双子の姉を手に入れようとするが、その醜さ懲悪さゆえに思うように行かない。最後には、農民の一揆で殺されてしまう。三世次の話を中心に、所々にシェイクスピアの物語を交えた物語。
 上川さん上手いけど悪者になりきれない、沢口さん観ててヒヤヒヤ、長女の息子役の阿部サダヲと語り部、村の預言者の老婆役の熊谷さんは、出てくると舞台が引き締まる。PAの前だったので音でかすぎ。脇から見ていると、セットの裏とか見えちゃうようなところが??武藤ちゃんは、出番少ないけど頑張っていたが、ダンスみんなと合っていない。この企画で新しいエンターテーメントって出来るの?キャストの意外性だけではもう持たないのでは?いのうえひでのりの行く先は?
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No:005  國語元年 / こまつ座
★★★
Theater:紀伊国屋ホール
Date:3/16 S
Sheet:L-左通路補助
Price:\5,250
 佐藤B作、剣幸、小市慢太郎、三鴨絵里子他
 明治の初期に、国から日本の標準の言葉を制定するように命じられた役人の話。舞台は役人の自宅で、日本のあちらこちらから集まってきた女中、居候、家族等が、それぞれの地元の言葉で話しながら主人共に日本の標準的な話し言葉を作っていこうとする。
 役者みんな上手い、たびたび唱歌をみんなで歌うシーンが出てくるが、剣さんと野々村さんって人歌うまっ!三鴨さん、タンカ切る河内弁の女を演じるが、こういう役本当に合っている。小市さん、”ジンジャー・・”に続いてストーリーテラーを演じるがここでも◎。
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No:004  アンフォゲッタブル / キャラメルボックス
★★★☆
Theater:シアターアプル
Date:3/9 S
Sheet:4-26
Price:\4,500
 一家心中の際に、1年ごとにランダムに時代を行き来するようになってしまった男は、知り合いの画商から死んだアメリカの画家の若き頃の作品の真贋の鑑定を依頼される。次の日、身を引き取ってもらった先の血のつながっていない妹から、彼氏の叔母に当たる画家の未亡人が帰国するので、ガイドをして欲しいと頼まれる。未亡人にその絵を見せようと画廊に連れて行くと、絵は未亡人が日本の妹の家に送ったもので、男の妹の彼氏が家から盗み出して売ってしまったものだった。男と未亡人は、彼氏を騙して絵を売りにだした男から絵を取り戻そうとする。男のタイムトラベルと妹へ対する愛情、未亡人の絵に対する想いや過去を交えながら描く作品。
 キャラメルにしては珍しく本当の悪者が出てくる作品。その悪者を客演の平野くんじが好演。全体的にキャストに魅力なし。西川さんのギャグも前ほどの切れが無し。唯一、坂口さんが観ていて安心。若手の男性陣が、今までに無いキャラメルのキャラクタを演じていたのは結構面白かった。
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No:003  デビルマン〜不動を待ちながら〜 / マントルプリンシアター
★★★★
Theater:ウエストエンドスタジオ
Date:3/3 M
Sheet:自由
Price:\3,500(当日)
 世の中では悪魔狩りが始まり、不動に呼び出された人々と牧村ミキの友人達十数人は、ミキとその弟を守るために牧村家にバリケードを張る。警察や報道陣に囲まれた家の中で人々はひたすら不動を待つ。その中で生き抜くこととそのために人を殺してしまうことの葛藤やエゴなどを、人々のぶつかり合う会話の中で描く。
 6年前の芝居を見始めた頃に見た作品の再演。携帯電話などを取り入れるなど、当時から変わっている部分もあるが、役者が若くなっていたのが一番の違い。当時のほうが上手かった感あり。当時とても面白くこの芝居を見た自分の演劇に対する嗜好の普遍性みたいなものを試してみたかった。あの頃からすると観るものも色々変わったけど、この作品は今でも面白かった。ただ、時間がたってもう一度観ても、この芝居のテーマや人間のどういう部分を描きたかったのかは、今でも??ものを観る能力は成長して無いみたい・・・
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No:002  青年団 / 冒険王
★★★★☆
Theater:アゴラ劇場
Date:1/12 S
Sheet:自由
Price:\3,500(当日)
 1980年のイスタンブールの安ホテルにて、そこに宿泊する海外を放浪する日本人とそこを訪れる日本人の繰り広げる場面を描く一幕一場の芝居。当時の世界情勢やグローバルな視点から日本人観など色々な物が描かれていると思うのだけれども、自分にはほとんど吸収できない。なのになぜこんなに平田オリザの世界に引き込まれてしまうのだろう。とにかく感覚的に自分の中の何かが響く。
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No:001  シンクロナイズトウェディング / PLAYMATE
★★★☆
Theater:恵比寿エコー劇場
Date:1/3 S
Sheet:C-10
Price:\3,500
etc:小須田康人、津田匠子、近江谷太郎、武藤陶子他
 キャラメルの近江谷太郎を中心にした企画もの。
 13年連れ添った夫婦は、お嬢様だった妻がプロダクションの社長となり、夫は現実が見られず映画監督になる夢もそのまま、何もせずに暮らしている。そんな夫婦の一緒になるきっかけの大学時代の映画サークルの仲間とのエピソードとシンクロさせながら二人の行方を描く作品。
 夫を演じる小須田康人は、やっぱり巧い。津田さんは魅力的。武藤ちゃんは飛び道具だけでないことを証明。
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