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自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評)
★は、自分のお気に入り度

海よりも長い夜/前略、幕野内家の人々/オス!/人間風車/1989
BiggerBiz/SPACER/ロングロングケーキ/あたっくNo.1/忠臣蔵・OL編
ドリルの上の兄妹/太陽まであと一歩/火呼人/マッチ売りの少女/ハンコメ
隣にいても一人/ヤルタ会談/ドタキャンするの?/オイル/忠臣蔵・修学旅行編
みつばち/小林秀雄先生来る/隣にいても一人/初恋/ゴーストライター
オールディーズ・バット・ゴールディーズ/約三十の嘘/奇人たちの晩餐会/青十字/ワンマン・ショー
エロドラマ(ハードバージョン)/エロドラマ(ソフトバージョン)/京都11区/男子はだまってなさいよ3/西へ行く女
燕のいる駅/カレーとイチロー/ビューティフル・サンデイ/南島俘虜記/ラフカット2003
もう風も吹かない/ハルディン・ホテル/ダブルアルバム/止まれない12人/トランスホーム・リフォーム(英語版)
トランスホーム・リフォーム(日本語版)/ともだちが来た/夏の砂の上


No:048  夏の砂の上 /青年団プロデュース
★★★☆
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:12/30 S
Sheet:自由
Price:\3,500
 以前に映像で見ていた作品。キャストが魅力的だったので観に行く。長崎のとある町、雨の降らない暑い夏。7年前に子供を亡くしている別居している夫婦。会社がつぶれて、職をさがす夫のもとへは、男に翻弄される妹が中学を出たばかりの娘を預けに。元会社の同僚と不倫をする妻、大学生を連れ込む姪、再就職した直後に死んでしまう同僚。そんな話を軸に、自分の気持ちを表に出せない男の心情、親の愛を受けられない姪っ子の心情を、照りつけるような日差しとともに描く。
 平田さんの演出は、なぜこんなにもリアリティがあるのだろう。一瞬その場にいるかのような感覚にさせられ、男の心と自分がオーバーラップしてしまう。左隅より観劇、不倫されてしまう妻演じる山村さんとその夫の人の表情がまったく見えないのが残念。あと、夏が舞台なのになぜ冬にという感覚が。
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No:047  ともだちが来た / 阿佐ヶ谷スパイダース
★★☆
Theater:ザ・スズナリ
Date:12/30 M
Sheet:自由
Price:\3,000
 下宿生活をしている大学生の元へやってくる高校時代の友達。彼は、数日前に亡くなっていたのであった。そんな、二人が高校時代を回想しながら、虚無的な大学生と、死んでしまってから生きていることの意味に気付く男の会話を描いた作品。
 すごく楽しみにしていたのだが、自分にはピンと来ない作品だった。脚本の鈴江さんの戯曲は、映像で他の作品を観ていたが、そんな苦手な感じはなかったのだけれど。また、今回は、長塚さんの演出でなく、中山さんの演出であったが、静かなイメージを持っていた鈴江作品に対し、ちょっと怒鳴り気味に台詞回しが違和感。
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No:046  トランスホーム・リフォーム(日本語版) / TEAM発砲・B・Zin
★★★★
Theater:本多劇場
Date:12/21 M
Sheet:B-8
Price:\5,555(英語版と通し)
 初演当時と比べると、勢いがない感じ。主役に片思いのやよいちゃん、初演の時に客演してた子のほうの印象が強くて。最後のほうの白いツアコンが、妻に電話をかけるシーンがなくなっていたので、最後のシーンの盛り上がりが薄くなった感じ。
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No:045  トランスホーム・リフォーム(英語版) / TEAM発砲・B・Zin
★★★
Theater:本多劇場
Date:12/21 M
Sheet:B-8
Price:\5,555(日本語版と通し)
 ストーリー分かっていてみたから良かったけど、知らないと英語追っかけるのに精一杯になりそう。ゆっくり喋っていて、かなり日本語なまりの人が多いのに、半分くらいは聞き取れなかった。でも、やっぱりガブリエルは東北なまりでなくっちゃ。
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No:044  止まれない12人 / G2プロデュース
★★★★★
Theater:スペースゼロ
Date:12/14 M
Sheet:A-13
Price:\5,500
 開通を迎えた夢の超特急「雷神号」。高い競争率のチケットを手に入れ、その一号車に乗り込んだ11人の男女と乗務員。この訳有りな人たちが、起こす騒動を描く舞台。
 順調に新大阪を出発した列車には、深夜放送のタレント、列車マニアの子供、田舎娘、チンピラ風の酔っ払い、鉄道警察を偽るスリの常習犯、その知り合いの怪しい女、麻酔科の医師、免疫の研究員、列車の名前を命名したマイペース男、ウルトラ警備隊の格好をした男と人見知りしない山岳部の男。スリの男がわざと騒動を起こし、犯人に仕立て上げようとした研究員の男のアタッシュケースを開けると、中からは免疫研究のための殺人蚊が。そんな騒動の中、列車はテロにのっとられ、制御不能になってしまう。かれらが青函トンネル内の駅に脱出するまでを描いている。
 酔っ払いが列車を設計した2重人格の技術者だったり、怪しい女は田舎娘の初恋の男だったり、乗務員がテロリストだったり、ウルトラ警備隊が精神病の男だったりと、大小の伏線が引いてあり2時間飽きさせない。その他、舞台の列車を中央に配置したりして、その試みも面白い。途中、安楽死を陰でやっている麻酔科医の台詞が、ちょっとデリカシーが賛否両論分かれているみたいだけど、自分はいいんではないかと。
 席も一番前だったこともあり、好みの役者さんたちのおいしいとこ取りみたいなお祭り舞台に大満足。
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No:043  ダブルアルバム / 月影十番勝負
★★★
Theater:スペースゼロ
Date:11/23 M
Sheet:2-14
Price:\4,800
 2人で暮らす腹違いの姉妹、まったく正反対の性格で、生真面目な姉と出戻りで家出した息子までいる妹。生きることに意味を感じなくなった姉は、死ぬことを決意する。そんな日に訪ねてきたのは、父親代わりにもなっていた老父。彼と二人の回想が、二人のそれぞれの母親、二人の生い立ちを紐解きながら話が進む。二人の確執、母の思い出などから、幸せとはどんなものなのかを問う。
 間抜けなことに、なぜか勘違いして、内田春菊さんをみて、木野花さんってこんな顔だっけ?ってずっと思っていた。永井愛さんの本は、もっと言葉にこだわって、テンポのある印象だったが、木野さんの演出で、重い雰囲気の芝居に。大森さんは独特の間を持っていて、舞台に変化を加える。
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No:042  ハルディン・ホテル / NYLON100℃
★★★★
Theater:本多劇場
Date:11/16 M
Sheet:F-19
Price:\5,000
 10年前、その日に泊まった客は、10年後に無料で宿泊できますとキャンペーンを打ち、華々しくオープンしたある観光地のホテル。その日に、泊まりに来た客は、新婚夫婦、レズビアンのカップル、一人旅をしている男と浮気調査でその男をつけている探偵という一団のツアー客とツアコン。そして、若手女優とベテラン女優に、新人作家。それぞれに楽しんでいる中、ライバルホテルの陰謀で、ホテルの手落ちに見えるような、様々な仕打ちにあう。ナンセンスが会話で続く馬鹿騒ぎが、険悪な雰囲気へ。
 それから10年後、それぞれの時間を過ごしてきた人たちが、再びそこに集う。ホテルは、町と共に寂れ、集まった人たちも影を背負っていた。
 東京のSF同様、前半はスピード感のある面白さ、後半なんか大雑把に終らせた感じ。バブル期の10年前と現在という、分かりやすい比喩の上に載せたものはなんだったのか?それでも、独特のナンセンスな会話は、抜群に面白い。
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No:041  もう風邪も吹かない / 桜美林パフォーミングアーツプログラム+青年団
★★★★☆
Theater:桜美林プラネット淵野辺キャンパス(プルヌスホール)
Date:11/9 M
Sheet:自由
Price:\2,200
 近未来、崩壊寸前の日本の海外青年協力隊の研修施設、そこには派遣制度の廃止により最後の派遣要員となった隊員達が。人を助けると言うこと、自分の中の自分自身のアイデンティティの確立との間に揺れ動く青年達や、ぬるま湯の中に育ち、行く先を決められないままでそこにいる青年達。出発少し前のある一日の夕刻を、彼らの社会観、恋愛感、世界や日本がそこに至るまでの過程を交えながら描いた作品。
 バルカン動物園を見たときのような、感動と共感が残り、本当に見てよかたっと思えた作品。大学生達の演技も気にならないが、この国の終焉ばかりを描きつづける平田さん。この先どこへ?
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No:040  ラフカット2003 / ラフカット
★★★
Theater:スペース・ゼロ
Date:10/26 M
Sheet:8-14
Price:\3,500
 若手キャストオーディションで集めた一話30分程度のオムニバス公演。それぞれの公演を観に来る人たちで、途中で出入りすつ人が多く、凄く気になった。
第一話「ウィンカーを、美ヶ原へ」
 ある道のSAのようなところに来た、カップルと出張帰りの会社員の男女5人の恋愛感を描く会話劇。アクセントにベンチに置いてあるランドセルとそれをとりに来る変質的な男性。土田さんの原作を、30分に短縮した作品。会話テンポが速すぎる感じ。
第二話「消息を絶つ」
 軍に反抗するテロ組織の若者達。闇の指令を受けるが、人を轢いてしまい往生していると軍の見張りが。しかし、軍の人間はあくまでビジネスライクに1日1人につき1人を捕らえるというノルマをこなそうとするのみ。そんな場面のシチュエーションコメディー。かなりブラック。
第三話「ビートバン・ゴー!・ゴー!」
 ある市民プールのスタッフ控え室。忘れ物の手帳には自分の性行為が日記に記してあった。そして相手の女性にはスタッフの一人の名前が。そんな手帳の持ち主は、毎日プールにやって来て、仮病を装い手帳を取戻そうと。男は、女に一目惚れしただけで、書き記してあることは妄想だった。
 エキセントリックな中国人アルバイトの女の人が出てきて面白いが、今回の企画ではこういう人を置いておくのはどうなんだろう?
第四話「ファイナリスト」
 ある大学陸上部の寮、オリンピックに選考時の怪我で出場できなかった女子選手に、TV制作をする高校時代の同僚が、オリンピックと同時に走るという企画を持ってくる。二人の確執を他の活躍できない部員達の心情を交えて描く。一人一人のキャラの作り方、話の構成が上手いと思ったが、何せ説教臭い感じ。
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No:039  南島俘虜記 / 青年団
★★★☆
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:10/4 M
Sheet:自由
Price:\3,500
 近未来戦争に突入した日本は、ほとんど焼け野原になっていた。そんな状況で南方に出兵した兵士達は、捕虜となり離島にとらわれていた。人権の擁護された離島で、ぬるい管理下で暮らす捕虜兵たちの様子を描く。愛国心、家族愛、モラルそんなものをちりばめながら、いつどこへ戻るかも分からない人たちのどこか無責任な日常の一こま。
 平田さんは、これを未来の日本人像としたのだろうか?自分にはちょっと違和感。欲が前に出すぎのような。。。松井さんは、見るたびに魅力が増している感じがする。
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No:038  ビューティフル・サンデイ / サードステージ
★★★★
Theater:俳優座劇場
Date:9/28 M
Sheet:4-5
Price:\4,800
 ホモのカップルが住む部屋に、酔って舞い込んできた元住人の中年の独身女性。寂しさで帰りたくない女と、同棲記念日をむかえたカップルのおりなすコメディー。その日を機会にお互いの関係にそれぞれのけじめをつけようとするカップルと、部屋からみえる家の主人と不倫していた女の気持ちの部分をクロスオーバーさせながら、養っている男の見合い話や、男の母の突然の上京にあたふたするなどの話を織り交ぜながら話は構成されている。そして、お互いの気持ちをぶつけ合ったカップルはわかりあい。不倫の告白を相手妻にしようとした女は、未遂に終わって、ハッピーエンドとなる。
 小須田さん、長野さんは本当に素敵で面白い。この二人が、鴻上さんのお芝居をやっていたと思うとなんか不思議な感じ。最後の方のお互いの気持ちをぶつけ合う場面に、ちょっと違和感。
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No:037  カレーとイチロー / コムラプラス
★★★★
Theater:ウッディーシアター
Date:9/21 M
Sheet:自由
Price:\3,000
 金融会社から借金を重ねる自堕落な一人暮らしの女。その女の部屋に借金取りがやってくる。女は、後でやってくる彼氏のために、部屋を片付けたり料理をしたりしたいが、男は帰らない。そして、男は彼女に浮気された身の上話を始め、駆け落ちしようと言い出す。そして、2人はカレーを作りながら昔話を交えて紆余曲折を重ね、男は女にほれて行き、女は気持ちがあっちに行ったりこっちに行ったり。女は、イチローが来日した試合を彼と見に行ったら、その後は真面目に借金を返すと。
 前半ものすごくテンポ良く間も良い。後半に前半にまいておいた伏線の説明的な部分が多くちょっとだれる。村岡さんのすばらしいコメディエンヌ振りが際立つ。
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No:036  燕のいる駅 / 劇団東演自主公演
★★★
Theater:東演パラータ
Date:9/20 S
Sheet:自由
Price:\2,000
 ビデオで観たMONOの作品よりも前に、土田さんが書き下ろした作品で、MONO版は大幅改定されているとのこと。内容は、ずいぶん違って感じた。
 役者さんがまじめ過ぎて、土田さんの書く本の面白さが全然出てない感じ。MONOだったら、ここで絶対に笑える場面なると思うところでも、しらけている。
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No:035  西へ行く女 / オリガト・プラスティコ

Theater:本多劇場
Date:9/20 M
Sheet:J-10
Price:\4,800
 作:若松了、演出:ケラリーノ・サンドロビッチ、出演:広岡由里子、宝生舞、渡辺いっけい、長塚圭史、八十田勇一、安澤千草
 元幼稚園だった館に、井戸端に倒れていた男が運び込まれた。3日後に目を覚ました男には記憶が無くなっていた。ここに住む陰のある女、その女が身寄りの無い若い娘と召使い。そこに、幼稚園時代に保母をしていて、可愛がっていた子供を死なせてしまった女が、夫を連れてやってくる。そして過去が回想される。倒れていた男は、幼稚園の死んだ子供で、若い娘の父は主の女に殺されていた。
 もう全く何が何だか分からなかったし、眠気との戦いだった。役者さんは魅力的なんだけど、全然興味がもてなかった。オリガト・プラスティコは、自分には辛いみたい。
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No:034  男子はだまってなさいよ3 / 男子はだまってなさいよ
★★☆
Theater:駅前劇場
Date:9/6 M
Sheet:自由
Price:\3,000
 作の細川徹の恋愛遍歴をベースにしたコント集。なんかコネタいっぱい並べてあるんだけど、役者の技量で笑わしている感じ。客席は超満員だけれど、自分には合わないなと。。。途中に五十嵐ケイ子嬢ができた場面(本来ならば峯村さんだった)は、薄ら寒くなるような状態だったけど、客席は大受けだった。
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No:033  京都11区 / MONO
★★★★☆
Theater:紀伊国屋サザンシアター
Date:8/30 M
Sheet:2-13
Price:\3,500
 京都市の政策により、ゴーストタウン化した外れの町の北崎町。人々は町から離れ、犯罪が立て続けに起こり、宗教団体までもがやって来ていた。そこにある旧館を利用した喫茶店は、整備のために立ち退き取り壊しを要求されていた。それに反対し立てこもる夫婦と応援する同じ町にすむ夫婦、イタリア籍の観光にきた日本人と立ち退きを懇願する気の弱い市の職員の間の会話劇。応援する夫婦の妻が宗教団体に顔を出していたり、その宗教団体が喫茶店夫婦の妻の実家のある京都の中心に放火をしたり、京都への偏執的までの愛情を表現するイタリア男が暴走したりといったサイドストーリーを交え、職員の上司が出てきて強攻策で喫茶店が取り壊されるまでを描く。
 相変わらず質の高い会話劇、計算された間と台詞は土田ワールド満開。いつもよりシリアスな内容ながら、笑いとのバランスはちゃんと保たれている。尾方さんを除いた全ての登場人物が曲者であることがちょっとくどさを感じるのと、舞台が大きすぎるのが残念なところ。西野さんは、見るたびに素敵になっているように思う。それにしても、客席は土曜のマチネなのに3分の2位、すごく安い値段で、質の高いお芝居を見せてると思うんだけどな?
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No:032  エロドラマ(ソフトバージョン) / X−QUEST
★★★☆
Theater:駅前劇場
Date:8/23 M
Sheet:D-5
Price:\2,700
 ハードバージョンとラストシーン以外に大きな違いが無くなんかがっかり。ハードバージョンのラストは、惑星に言った男がアンドロイドになり、惑星で別れてきた女に会いに行く。そして、地球に帰ると生物がいなくなり、セクサロイドが一体待っているというラストであった。ソフトは、セクサロイドに別れを告げるという場面で終わる。ここに違いを集約されてもなぁ。
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No:031  エロドラマ(ハードバージョン) / X−QUEST
★★★☆
Theater:駅前劇場
Date:8/22 S
Sheet:C-10
Price:\2,700
 作春に上演された作品を、ハードバージョンとソフトバージョンに分けて上演。前回見たときの印象は、なんとなく良かった気がするのであるが、再演、キャスト大幅入れ替えのわりには、変化が少ない?役者さんもメリハリが無く、主宰のトクナガさんと客演の窪アツさんが前にで過ぎてて、まとまってない感じ。ストーリーは好きだが、1時間半ぐらいできる内容を整理しないで、2時間にしている感じ。
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No:030  ワンマン・ショー / ペンギンプルペイルパイルス
★★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:8/15 M
Sheet:A-9
Price:\3,000
 懸賞マニアの夫に、寝ているとよだれを流す妻。妻の兄は、やっと仕事を見つけるが、その内容は、ある部屋にいて依頼主の女のことを聞かれたら知らないと答えるだけ。夫婦の隣には、夫婦の家の池をカーテン越しの覗き込む男。その男と一緒に暮らす義姉は、夫婦の兄の依頼主であった。夫の職業は、航空写真をとって、違法改築している家を取り締まる仕事。その容疑をかけている家には、義姉と弟が住んでいるが、一向に増築を認めない。この人々の中に共通して現れる公営の何でも屋の女。
 こんなシチュエーションのコマゴマを共通の会話や小道具をのりしろにつないでいくのだが、最後の最後まで、よく分からない話。しかし、それぞれの事情の中に、引き込まれていく。懸賞マニアの男が、応募の際に偽名を作り、そのキャラクタまでも作り出す。最後に、この登場人物たちは、懸賞マニアの男の妄想であることが。。。
 謎の女を演じるぼくもとさんのキュートさが抜群。長田さんは、理不尽に怒鳴りだすような役やるとほんとに面白い。
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No:029  青十字 / KERA・MAP
★★★★
Theater:三鷹芸術文化センター星のホール
Date:8/10 M
Sheet:G-6
Price:\4,000
 都会から離れた街の喫茶店は、町の人々が密かに企てる革命の中心となっている。そこの集まる革命戦士達の陰なる確執、野望や逃避を、自殺をしに来たカップル、ロケハンに来たスタッフとの関わりを交えながら描く。物凄く閉塞感に満ちているはずなのに、何故かカラッとしているケラさん独特の感じが自分には好き。人が何人も死んでいくわりに、悲惨な芝居にはなっていない。ただ、人が沢山出過ぎで、とっ散かった感じがするし、原金太郎さんなどの素敵な役者さんなんか出ているシーンなど、必要なさそうなシーンが沢山。その為、時間も長い(苦痛にはならなかったけれど)。
 伊達暁さん、町田カナさん、千葉雅子さんは、はまり役。村上大樹さんは、相変わらずずるい笑いを誘う。弘中さん、旗島さんの役はちょっと残念。
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No:028  奇人たちの晩餐会 / フジテレビ企画
★★★☆
Theater:世田谷パブリックシアター
Date:8/2 M
Sheet:O-13
Price:\8,400
 出演:明石家さんま、ジミ―大西、秋本奈緒美、うじきつよし、温水洋一、松永玲子、井沢弘
 毎週水曜日に、馬鹿をゲストに向かえて食事会をしている出版社の社長。当日ゴルフでぎっくり腰になり、食事会にいけなくなる。しかし、当日のゲストはあらかじめ会っておくために、自宅にやって来た。その日は、男の妻が逃げ出してしまい。その馬鹿を使って、どうにかしようと画策するが、帰って話は悪い方向に。。。
 さんまさんとジミ―さん二人の会話が、一時間強もあり会場大盛り上がりだけど、自分はしらけてしまう。これといった見せ場もなく、テレビのまんまのさんまさんをみせられてもなぁ。\8,400払ってみる公演では。。。
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No:027  約三十の嘘 / サイスタジオ公演
★★★★
Theater:サイスタジオコモネA
Date:8/1 S
Sheet:自由
Price:\3,300
 文学座若手の企画公演
 土田さん原作の作品。MONOの公演は、人数を一人減らした再演版を一昨年観ているが、今回は初演版を元にした上演だった。
 役者さんがみんな上手なので、安心して観られたんだけど、土田さん独特の間や、会話のずれ具合がMONOの方が好き。ただ、MONOでは増田さんがやっていた宝田役の山本郁子さんって人は、MONO版に近い感じで好きだった。
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No:026  オールディーズ・バット・ゴールディーズ / M.O.P.
★★★★
Theater:紀伊国屋ホール
Date:7/27 S
Sheet:E-17
Price:\4,500
 70年代のある銀行、多額の現金が運び込まれるのを知って、男女の強盗に襲われる。しかし、輸送車は渋滞のために遅れ、犯人は銀行内のわずかな現金を持って逃走しようと外に出る。その後にもう一人の強盗が銀行に入ってくるが、もう盗むものは無い。そこに男女の犯人達が、車の故障で戻ってくる。そんなシチュエーションの中、戦中派の店長と刑事、戦後の全共闘世代の犯人とのお互いの世代への不信感、純粋に人を思う気持ちなどを織り交ぜながら話が展開するコメディー。
 話の細かなところに矛盾を感じる点や、途中中だるみするところがあるが、全体的に面白い話。役者の人たちがみんな息が合っていて、上手なので安心してみられる。客演の山内圭哉さんの台詞を噛むが、華があるのでご愛嬌か?途中の山内さんのギターと木村さんの歌はちょっと得した感じ。舞台美術が、MONOの奥村さんだったが、この人の舞台ってきれいだけど、いつも似た感じがする。
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No:025  ゴーストライター / G2プロデュース
★★★★★
Theater:紀伊国屋ホール
Date:6/29 M
Sheet:F-4
Price:\4,500
 喫茶店でアルバイトする売れない俳優を密かに見つめていた女は、その喫茶店に書いていた脚本の原稿を置き忘れてしまう。俳優は、その原稿を読み発表しろというが、女は恥ずかしくてできない。そこで、俳優の名前で発表してしまった原稿は、賞を取ってしまう。2本目を依頼された俳優は、自分も出演することを条件に依頼を受ける。女優の彼女がいることを知りながら、俳優の為に原稿を書く女。しかし、その女は3ヶ月前に、上海で殺害されていたのであった。そんな、俳優と幽霊になった女の物語を、映画の原稿の舞台となる上海で、クランクイン寸前の原稿の書き直しの連続の場面を中心に、麻薬の密売組織と映画スタッフ、警察のサイドストーリーを交えて描くファンタジックコメディー。そして、女の殺された理由は、密売組織の密会を見てしまったことだった。
 ヒロイン役の武藤ちゃん関西小劇場の大御所達をバックに大健闘、唯一幽霊にだけ見える天使を演じる遊気舎の久保田さんがものすごくいいし、リリパのコングさんの歌もすごく素敵。腹筋さん、久保田さんと絡むところだけが見せ場だったのがちょっと寂しい。
 そんなに泣くほどのストーリーではないのに、もう、ラストはうるうる。デビューからずっと観ている武藤ちゃんの親にでもなった気分。
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No:024  初恋 / META
★★★★
Theater:シアターΧ(カイ)
Date:6/21 M
Sheet:自由
Price:\3,300
 土田作品をちょっと年齢層の高い役者さん達が演じる”初恋”。役者さん達の演技が上手いので、舞台に集中できるし、本に忠実なこともあり、作品の面白さも損なわない。ただ、オリジナルの西野さん演じる小百合と増田さん演じる毛利がはまり役過ぎているので、今回の女優陣に違和感。それでも、ラストは本当にいい、この作品。
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No:023  隣にいても一人 / 青年団
★★★★
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:6/20 S
Sheet:自由
Price:\1,500
 5月に観た作品の別キャストバージョン、山村さんが出るので観たかったのだが、若手のチームだった前作の方が自分は好み。なんか落ち着きすぎている感じ。でも、不条理さをさらりと表現して淡々と進むその様がかえって面白く好感。
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No:022  小林秀雄先生来る / 壱組印
★★★★
Theater:TEATER/TOPS
Date:6/15 M
Sheet:F-7
Price:\4,200
 青森の西津軽で歴史ある同人誌を発行する文学を志す青年達。100号の記念に思想家の小林秀雄に講演の依頼をする。依頼どおりに講演に訪れた小林先生はちょっとおかしな様子、青年達と酒を酌み交わし、翌日嫌々ながらも雑談と称し講演を行い帰る。しかし、青年達はその15分後都内で小林先生が息を引き取っていたことを知る。そんなファンタジックな話に、青年達をたぶらかすフィリピンから出稼ぎに来た女とのサイドストーリーがついて構成されている。
 ラスト前の大谷さん演じる小林先生の長台詞は圧巻。本当に小林先生という人物が喋っているかのよう。そして、台詞の間が自分にとってとても気持ちいい。草野さんは、期待通りで、フィリピーナ役の伴さんはずるいくらいの役作りで笑わせてくれる。比較的ストレートな内容なのに、深みを感じるストーリーも◎。
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No:021  みつばち / 阿佐ヶ谷スパイダース
★★★★
Theater:スペースゼロ
Date:6/8 S
Sheet:2-1
Price:\4,800
 江戸時代ある離島の住人達は、近くの洗剤工場が流す有毒物質によって、異常に白くなる病気にかかってしまう。病気に冒されていない人々は街を隔離し、日々の飢えをしのぎ、それぞれのエゴをぶつけ合いながら暮らしていた。そこにやってきた侍は、洗剤工場の持ち主から雇われ、街を遊郭に変えようとしていた。侍の運んでくる豊かな物資に街の人々は腑抜けになり、結局暮らしていくために街を遊郭にしてしまう。そんな街の人々達を、愛憎、不倫、虐待等のトピックを交えながら、人を思う気持ちや歪んだ愛情をポップに描く。
 場面々々や役者の切れっぷりも面白く長塚ワールドに引き込まれるが、ちょっと2時間40分弱は長すぎ。中山さん、富岡さんがいつもの役どころで魅力を出し、伊達さん達者に小ズルく笑いを誘う。その中で猫のホテルの役者陣が、芝居をより引き締めている感じ。
 席が2列目の一番左、舞台の一部が見えなくて、台詞を言っている役者が見えない場面がある。あれは無しでしょ。
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No:020  忠臣蔵・修学旅行編 / 青年団
★★★☆
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:5/24 M
Sheet:自由
Price:\1,500
 前回の企画物のOL編に続く、修学旅行編。シチュエーションが全く一致しないところが前回より、増しているのが面白かったが。OL編の安部さんの存在感が中和をさせていたが、今回は全体で抑揚がなかった感じ。
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No:019  オイル / NODA・MAP
★★★★☆
Theater:シアターコクーン
Date:5/18 M
Sheet:XA-17
Price:\9,000
 太平洋戦争後、統治下にある日本の島根にて、石油がでる。アメリカは自由をかざし無知な人々を騙して、島根を自分のものにしようとする。石油を掘り当てたのは、過去の人々の声が聞こえる不思議な女”富士”。戦争で殺された弟の復讐をするための偽装工作であった。”富士”は”復讐”を叫び、自分の声にこたえる人々を求めつづける。そんな物語の上に、古事記の天照大御神の国盗りの話、中東の戦争、9−11テロの話が重なってコラージュされた舞台。
 初の野田作品、最前列で観たせいもあってか、舞台全体の持つ雰囲気に圧倒される。自分の中でどんどん消化していかないと、舞台から次から次へと出てくるものがあふれてしまいそう。いつもより、ストーリー性がある作品で、言葉遊びもやや少なめだそうであるが、自分にはNODAテイスト満載に感じた。松さん、藤原君始め、役者自体の存在感がすごい。かえって、それぞれが引いて見えてしまう様に思ってしまう。最前列のために舞台全体を一つの絵としてとらえられないのが少し残念。
 本当に観てよかったと思った作品、というか観なければいけなかった作品であった。作者の意図は、どこにあるのかはわからないが、自分には共感が残った。そして、作者が世界に向けた危惧感なのではと感じた。
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No:018  どたきゃんするの? / 渡辺えり子プロデュース
★★★☆
Theater:青山円形劇場
Date:5/11 M
Sheet:G-31
Price:\3,800
 漫才トリオをしていた3人姉妹、10年前に三女を亡くしてからも漫才を続けてきた。そして、解散を向かえる最後の舞台の前夜、ネタ作りで苦しむ2人の会話劇。
 土田さんの本であるが、何か魅力を感じない内容。やっぱり2人芝居は厳しい?会話のズレがテンポを生んでハーモニーを作っていく土田さんの独特の会話劇の魅力が半減している感じ。幽霊役で愛情出演している渡辺さんにも違和感。
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No:017  ヤルタ会談 / 青年団
★★★☆
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:5/10 M
Sheet:自由
Price:\1,000
 スターリン、ルーズベルト、チャーチルによって行われたヤルタ会談の模様を、コミカルに毒っ気たっぷりに描く。
 歴史を全然知らない自分にも、楽しめるわかりやすい作品。資本主義と共産主義の表現のくだりが、自分にはしっくりこないが十分笑える。役者陣が、みんな豊満な身体つきなのはちょっとずるい。
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No:016  隣にいても一人 / 青年団
★★★★
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:5/10 M
Sheet:自由
Price:\1,500
 離婚を決意している夫婦の妻の妹は、ある朝起きると姉の義弟の元にいる。そして、弟と妹はなぜか自分達は結婚していると思い込む。そんな不条理さを、離れて暮らしている兄と姉に説明する。そんな4人のその一日の会話劇。夫婦って?結婚って?というテーマを下地に面白おかしく展開する。
 他劇団に書き下ろした作品であるが、平田作品には珍しく暗転があり、笑いもかなり多め。秋山さんのとぼけっぷりと抑揚はずるいと思わせるほど。
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No:015  ハンコメ / チャリT企画
★★★★
Theater:早大劇研アトリエ
Date:4/20 M
Sheet:自由
Price:\1,800
 劇団の稽古中に、北朝鮮のミサイル「ノドン」が東京に向けて発射されたというニュースが流れ、ミサイルが来るまでの30分。
 特命リサーチXの司令室で、タイトルの「ハンコメ」とはなにかを探る。
 諍いの絶えない隣同士の米屋とパン屋。
 この3つの物語が交互にオムニバス形式に展開する。予備知識で、社会的なイメージを持っていたが、とってもポップでスピーディー。でも、今時ストレートに主張する、劇中堂々と戦争は嫌だと。結構好感が持てる。特に、メインの吉本さんは、キャラがいい。
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No:014  マッチ売りの少女 / 新国立劇場
★★☆
Theater:新国立劇場小ホール
Date:4/19 M
Sheet:B-17
Price:\5,250
 大晦日、昔一人娘を失った老夫婦の下に、二人の娘だと名乗る女が現れる。女は、幼い頃マッチを売り、そのマッチが灯っている間にスカートの中を見せていたという。そして女は弟も連れてくる。弟はあるはずもない昔話を語り、やはり息子だという。
 以前同じ作品を、平田オリザさんの演出しているのを見たが、筋がまったく同じなのに全然違った感じだった。平田版のほうがポップな感じで、坂手版のほうはいや〜な後味が残った。
 舞台美術を妹尾河童さんが担当していたが、客席を前後にはさんだ舞台で、中心とその外側の円が別々にまわるようにできている。そして、壁面は昭和30年代くらいの古い長屋。きれいだった。
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No:013  火呼人 / X−QUEST
★★★
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:4/13 M
Sheet:自由
Price:\3,000
 太陽を失ってしまった地球の男は、様々な体験をするが、それが自分の夢の中の話だと気付く。しかし、太陽を失ったことは本当で、男は再び太陽に火をつけようと。。。って感じの話だったのか?前半コントで、後半は火にまつわる話をちりばめてコラージュに。体調悪く、全然集中して見られなかった上に、徳永さんの世界観があっち行ったり、こっち行ったりで???でも、キャスト多いより今回のようにオリジナルメンバーの方が好き。
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No:012  太陽まであと一歩 / キャラメルボックス
★★★
Theater:サンシャイン劇場
Date:3/29 S
Sheet:11-2
Price:\4,800
 映画監督をする明は、自分の自叙伝的映画を撮るが、映画を見ているうちにその中の世界に入ってしまう。明の妻に頼まれ映画を見た弟の智も、映画の中に入ってしまう。そこに起こっていたことは、自分の記憶とはちょっと違っていた。智は、明を連れ戻そうとするが、明は戻らない。智は元の世界に戻るが、魂の抜けてしまっている明の体は瀕死寸前になり、もう一度明を連れ戻すために映画の中へ。明は、過去に偽って作ってしまった映画のストーリーを変える為に戻ろうとしない。そんな中、過去の自分達に出会って、幼い頃の純粋な気持ちに触れ、そして戻ってゆく。
 過去や映画の中に入り込んでしまうのは、今までにも見たパターンで、展開も同じよう。新しさを感じないし、昔のような人が人を思う気持ちの純粋さがなんか薄れている感じ。説明的な台詞も多いし、内輪うけのネタ多すぎ。若手も個性的な人が少ない割に、ベテラン勢は引き気味。華がない感じ。
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No:011  ドリルの上の兄妹 / ペンギンプルペイルパイルス
★★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:3/29 M
Sheet:C-1
Price:\3,000
 田舎町の旧家屋に一人住まいしている娘の元へ町のエンジニアリング企業の人間達が、床下に穴を掘るために訪れていた。町をも巻き込んで開発したドリルマシンの欠陥を見つけたエンジニア達は、プライド故に欠陥を明らかにすることができずに、初運転で通る唯一の民家の地下で欠陥を修正したドリルと入れ替えるためだった。この計画を立案した胡散臭い企画屋は、もう一つの仕事を同時にその家に持ち込む。落ち目女優をスキャンダルで売り出すために、女優の双子の妹と、家に住む娘の兄で売れない俳優を連れてやってくる。この人物達の会話劇。結局2つの計画とも失敗に終わる。ドリルは、得体の知れない怪物に、スキャンダルは裏切りによって。
 話の途中に奇想天外な台詞や行動がでてくるが、全然筋がそれない気がする。何を表現したかったのかピンとこないのだけれどすごく引き込まれた。中山さんはすごく面白いし、朴本さんていう女優さんすごく味があってキュート。
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No:010  忠臣蔵・OL編 / 青年団
★★★☆
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:3/28 M
Sheet:自由
Price:\1,500
 浅野が自害した後に、大石を初めとする残る者たちが、討入りを決断するまでの話。そのシチュエーションをOLの昼食時に置き換えて、集団の終焉を日本人の思想の曖昧さ、ポリシーのなさ、安易な妥協等を盛り込んで描く。
 女優陣のメリハリの強さが気になるが、大石役の安部さんが均衡を保つ。安部さん、ずるい役作り、でも好き。日本人感みたいなものに、ちょっと共感が持てなかった。
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No:009  あたっくNo.1 / 方南ぐみ
★★★
Theater:東京芸術劇場小ホール2
Date:3/23 M
Sheet:C-10
Price:\4,000
 客演:近江谷太郎、西ノ園達大、大森ひろし他
 太平洋戦争勃発直前行き先も知らされず、潜水艦に乗り込んだ海軍の戦士達。潜水艦の行き先は真珠湾、アメリカの戦隊に宣戦布告の一撃を見舞うためだった。そして、潜水艦に積み込まれたのは、迎撃用の小型潜水艦。果たしてその重要な使命を果たすのは?しかし、小型潜水艦は人間魚雷であった。戦争の悲哀とそこにできた階級制度を背景にした、男達の熱い物語
 基本的に脚本があまり好みでない。歴史的背景、人物設定がすべて詰めが甘い感がある。しかし、役者の力量で笑わせる部分はしっかり笑わせる。
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No:008  ロングロングケーキ / つめきり
★★★★
Theater:MOMO
Date:3/21 S
Sheet:自由
Price:\2,700(当日)
 偶然に久しぶりに友人と再開した女の子は、車にはねられ死んでしまう。死後の世界に行く前に、神様の許しを得て、一緒にいた友達の体を借りる。そんな、女の子と友人の関係。ボケてしまって、自分が大学生になっている老人と初恋の人に勘違いされる家政婦。同棲しているカップルの下に迷い込んだ性別のない宇宙人。父に未練を残す母とその息子。こんな人々の話が、いろいろなところで繋がって、人との出会い、関係、気持ちを伝える事をテーマにしながら描く。物凄く不思議な舞台空間で、女性の作演出ならではの感性や台詞が意外に気持ちいい。すごく短い場面場面の連続で、1時間半という短い上演時間なのに、暗転が多いがあまり気にならない。内面の気持ちを、音響から流すという手法も含め、好き嫌いが分かれそう。ちょっと間違うと、学芸会のようになってしまう舞台が、上手くまとめられてて、自分には好感。
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No:007  SPACER / ウォーキング・スタッフプロデュース
★★☆
Theater:THEATER/TOPS
Date:3/15 M
Sheet:L-5
Price:\4,200
作・演出:和田憲明
出演:植本潤、木村靖司、内田滋啓、鈴木省吾、伊達暁、古川理科他
 体内に寄生する生物が出没した街。とあるBARに主人の親友の妻が、夫が見かけはそっくりだが、本物でないと入り浸る。そして、その場にいた主人の弟とその仕事の先輩、そして、歯科医がこの騒動に巻き込まれていく。寄生は他のものに進み人間を蝕んでゆく、残った人間同士も疑心暗鬼になってお互いをいたぶりあう。最後は、そういう映画を撮っているのだという場面転換があり、その物語がフィクションであるように見せる。しかし、映画スタッフの殆どが去り、残ったメンバーで明かされるのは、映画のストーリーは実話が元になっているという真実。
 すごく気持ちの悪いラストの裏切られ方、役者はすごく良かったのに、自分に合わないお芝居だった。木村さん、植本さんと自分の好きな役者さんの中でも伊達さん一人舞台の感。発砲の工藤さんがちょい役で出演
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No:006  BiggerBiz / AGAPE STORE
★★★★★
Theater:紀伊國屋ホール
Date:2/23 S
Sheet:F-1
Price:\4,500
 「BigBiz」で財をなした結城エンタープライズ。社長の結城と社員の加賀、そして、香港支社長の木太郎は、商談のために絵描きだった神崎の経営するシンガポールのホテルへ。そこへ前回同様にケンゾウが現れ、結城は一度も登場しないままバスルームで卒倒してしまう。ケンゾウは今回もやりたい放題に、かき回した挙句、商談の相手にはめられ乗っ取られかかる。そこに秘密の女皿袋が登場し、乗っ取られる結城エンタープライズを二束三文の会社にしてしまい、新たに加賀BiggerBizエンタープライズが作られる。
 続編の今回も、伏線が伏線を呼ぶ舞台の仕掛け、松尾さんの芸で大笑いの作品。前回の結城社長役の粟根さんも特別ゲストで、顔の出ない結城社長のシーンをすべてこなすというおまけつき。そして、最後には誕生日だった大王に客席みんなでハッピーバースデー。本当に得した感じ。残念なのは、松永さんの皿袋があまり自分好みのキャラでないこと。
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No:005  1989 / VILLEGE PRODUCE
★★★★
Theater:青山円形劇場
Date:2/8 M
Sheet:ア-46
Price:\3,800
脚本:ブルースカイ/演出:村上大樹
出演:野村佑香、小林顕作、本谷有希子、池谷のぶえ、正岡泰志他
 女子高生チカは、なぜか元麻布高校野球部のマネージャーをしている母と二人暮し。売れない歌手の追っかけをしているある日、彼が人気ロックバンドのデビュー前の元メンバーだったことを知り、バンドを辞めさせないために学校にあるタイムトンネルを使い1989年へ。そこで起こっていたのは、バンドブーム、地上げ、そして、バブルの全盛期。やっと彼と出会えるが、バンドを辞めた直後だった。チカは、彼のプロデューサーとなり、出会った政治家の娘の女子高生とその同級生を集めてバンドを作ってしまう。そして、後年にヒットする曲を先回りして盗作し、大成功を収める。年末に武道館公演を行うことになるが、その当日、高校生達の教室が地上げ屋に乗っ取られ、それを取り戻すために公演をキャンセルしてしまう。当時3歳のチカをつれて、その公演を見に行こうとしていたチカの母は、チカを迷子にさせてしまい、野球部のマネージャーになることを条件に、一緒にチカを探してもらう。高校生達は、それぞれの道を歩き出し、チカは現代へ帰って行く。
 こう書いてしまうと、ご都合主義のストーリーだが、去っていたチカの父親が政治家の右腕だったり、冒頭の母のタイムカプセル郵便など伏線の張り方がすごく上手い。何よりも2時間半を感じさせないスピーディーな展開、基盤となっているケラさんの「1979」の完成度の高さが伺える。観てみたくなった。池谷のぶえさん、加藤啓さん等の際者ぶりが抑えられているのが残念なのと、本谷有希子さんと野村佑香さんは可愛いけど観ててつらい。みのすけさんが、急病で演出の村上大樹さんが出ていたが、なんかこっちのほうがあってるような。。。
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No:004  人間風車 / G2プロデュース
★★★★☆
Theater:PARCO劇場
Date:1/25 M
Sheet:X-21
Price:\7,500
 2000年の秋の公演の再演。しかし、キャストはそう入れ替え。前回のキャストがオールスターキャストだっただけに、不安混じりに劇場に行ったが今回は今回でよかったと思う。席が一番前だったせいもあり、滅茶苦茶楽しめたし、怖かった。キャスト自体を比較してしまうと、不満はあるんだけど。生瀬⇔入江、安部⇔川原、升⇔橋本、大谷⇔宇梶、大倉⇔岩崎は、前作の方が好みだった。斎藤⇔永作は今回のほうが好き、前回ちょっとつらかった独白も今回は聞き入れた。前作との比較は別に、阿佐スパの中山さんは面白かった。その他は、甲乙つけがたし。特に、前回の松永さん、武藤さん、今回の三鴨さん、岩橋さんは出てるだけでOK。岩橋さんは、MOTHER、阿佐スパと客演をしてきてなんか幅が広がった感じ。
 やはり、芝居は表情のはっきり見える距離で観るのがいい。

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No:003  オス! / TEAM発砲・B・ZIN
★★★★
Theater:本多劇場
Date:1/20 M
Sheet:C-7
Price:\4,000
 応援団のOB会から抜け出してきてしまった男女は、門を乗り越えて学校の校庭に入り込んでしまう。しかしそこは未来、男と女の立場、服装といった体以外の全てが入れ替わってしまった世界だった。セーラー服の男たちと学ランの女達は、互いを認め合わず戦いつづけていた。そして、そこでは旧番長の亡霊騒ぎが起こっていた。その騒動に、紛れ込んでしまってから、現在に脱出してくるまでの顛末を描く。
 いつもの如く話は、ご都合主義な点が多いが、それがまた1つのきだテイストである気がするし、自分は好き。今回は、変身シーンのリプレイなどの、舞台でできないことを逆手に取ったような演出が無かったのが残念。基本的にメンバーにあてがきをしているのだろうが、今後の愛ちゃんポジションの難しさが、この本の中にも現れていた感じ。客演の伴さんは、前回の坂口さんと比べて馴染んでいた感じで、しかも、迫力あり。きださん、工藤さんの飛び道具ぶりは、ちょっとズルイ。森貞君、福田さん好演、なんか若手の方が存在感あり?

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No:002  前略、幕野内家の人々 / X-QUEST
★★★★★
Theater:中野ザ・ポケット
Date:1/12 S
Sheet:H-6
Price:\3,000
 QUESTの一番再演して欲しかった作品。演劇的には、もう古いものなのかもしれないが、幕野内シリーズは本当にお馬鹿で面白い。ミカン役の子と佐助役がどうかと思ったが、その他は◎。

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No:001  海よりも長い夜 / 青年団
★★★★☆
Theater:シアタートラム
Date:1/11 M
Sheet:F-7
Price:\4,000
 ある老朽化した女子寮の廃止反対を訴える事で集まった団体は、自然保護、基地建設反対にまで発展して行く。その団体の終極の場面を描いた作品。人々がある目的で集まり、それが発展していった先に起こりうる問題、個人間に発生してくる思想や目的の相違、メンバー間の恋愛を含めた人間関係。そういったものを凝縮した内容の話。
 似たようなテーマで描く土田作品の”きゅうりの花”同様、自分はこのての話に入り込んでしまう。集団に対する個人の接し方みたいなところから常に作品に接してしまう。今回の作品は、ちょっと詰め込みすぎな感、各々が激高する場面が誇張しすぎの感があるが、好きな芝居だった。松井周さんは、見るたびにいい感じになっているし、秋山さん、山内さんの際者ぶりもでしゃばり過ぎずに好感。

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