観劇日記(劇場編)2013年

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自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)

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音のいない世界で/東京ノート/阿修羅のごとく/祈りと怪物/三人獅子舞
ヤバレー、虫の息だぜ/ウェルズロード12番地/世界を終えるための、会議/撫で撫で/教授
トリオ/BONE SONGS/さらばゴールドマウンテン/あの女/秘を以て成立とす
デキルカギリ/デカメロン21/音楽家のベートーベン/八犬伝/マシーン日記
うぶな雲は空で迷う/ドブ、ギワギワの女たち/隣人予報/今ひとたびの修羅/ディス・ワンダーランド
葛城事件/サイレント・フェスタ/物語が、始まる 痩せた背中/ブライダル/ゴドーは待たれながら
あかいくらやみ/もうひとり/ヒノダン//姉さん女房の裏切り
つく、きえる/わが闇/トークトワミー/ジャングル・ジャンクション/組曲『空想』
ストリッパー物語/ウィンカーを、美ヶ原へ/ピーターパン/鮫に喰われた娘/歓喜の歌
第三次性徴期/兄帰る/PAIN/猿股のゆくえ/猿股のゆくえ
悪霊/更地9/犬、だれる/常に最高の状態/月光のつゝしみ
ジャンキー・ジャンク・ヌードット/建てましにつぐ建てましポルカ/無休電車/ストレンジ・ストーリーズ/冒した者
晩餐/それからのブンとフン/大和三銃士/SEX,LOVE&DEATH/モグラのヒカリ
ダチョウ課長の幸福とサバイバル/売春捜査官/MIWA/ライクドロシー/もう風も吹かない
シダの群れ/高校中パニック!小激突!!/血も涙も靴もない/ショッキングなほど煮えたぎれ美しく/性病はなによりの証拠
デイドリーム・ビリーバー/マクベス/死ンデ、イル/グッドバイ/アバエスク
ナツメ


No:081  ナツメ / ナ・プロポリピレン
Theater:スタジオあくとれ
Date:12/30 S
Sheet:自由
Price:\3,000
 高校の恩師の葬儀に集まったドラゴンボールを愛する同級生達。卒業式の日になぞの死に方をしてしまった友人の死の真相を突き止めようと、集まった友達を疑う。友人の死因は事故、しかも、友を思ってとった行動で誤ってがけから転落だった。
 死んでしまった「ナツメ」が、男なのか、女のかどちらでも取れるストーリー展開で最後までが楽しませる。前回までの喫茶ブレーメンも絡んできたりと、即席にしては中々。その中でみんな遊ぶ遊ぶ。大千秋楽と会って、他の日のゲストだった瓜生さんも前説その他に出演と、締めくくりにはとってもいい一本でした。
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No:080  アバエスク / 猫のホテル
Theater:ザ・スズナリ
Date:12/28 M
Sheet:C-2
Price:\4,000
 クリーニング屋を営む、中年夫婦。そこへ訪れるキャバレー周りのミュージシャンとそのマネージャーである妻。2組の夫婦の愛の物語。クリーニング屋の妻は、マネージャーの女に旦那を誘惑させるが、その最中隠れていた作業部屋にミュージシャンの男が、結局、何事も無いが、クリーニング屋は、妻も知らない隠し部屋で、なぞのカウンセリングを行っていた。
 航さんと真弓さんの嫌味チクチクな会話から、まことさんで空気換えて、千葉さんでもう一段ギヤアップの構成が絶妙。カウンセリングの件は消化不良な感じもあるけど、この劇団のテイストは好きだなぁ。いけしんさんの前説やちょい出も、スパイス的にまたよし。
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No:079  グッドバイ / シス・カンパニー
Theater:シアタートラム
Date:12/23 M
Sheet:E-8
Price:\6,000
作:北村想
演出:寺十吾
出演:段田安則、蒼井優、高橋克実、柄本祐、半海一晃、山崎ハコ
 8人の愛人をもつという大学教授・黄村先生(段田安則)は、助手の渡山(柄本佑)の提案で、ひとりの若く美しい娘(蒼井優)を雇い、愛人たちとの関係を清算しようと、ある計画を実行することになった。一緒に愛人の元を訪ね、「彼女と一緒になりたい」と告げて諦めさせようというのだ。計画は順調に運び、あと一歩というところまで来たかに見えたのだが・・・。(シス・カンパニーHPより)
 コミカルさを前面に出した演出で、ちょっとしっとりしたお話だけど、とっても観やすい。色々なコンビの掛け合いがそれぞれに面白く飽きさせず、ハコさんの生演奏のおまけつき。ちょっとチープな舞台セットもかえって雰囲気を出している気がしていい。蒼井さんの切り替えの演技、野田地図の「南へ」の大きな舞台でも見られた虚勢と心の内みたいなコントラストが実に素敵。 高橋さんは禿げネタ多用しすぎ感。
演出@tsumazuki no ishiの方は、じつなしさとると読むらしい。知らなかった。ずっと、てらじゅうごだと思っていた。
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No:078  死ンデ、イル / モダンスイマーズ
Theater:ザ・スズナリ
Date:12/21 M
Sheet:F-6
Price:\3,000
客演:高田聖子、松本まりか、宮崎敏行、西井幸人
 震災で家を離れなければならなくなった女子高生と姉夫婦。叔母の家に世話になるが、女子高生は失踪。胡散臭いルポライターが彼女の行方を追うためにインタビュー。その経緯と、インタビューを交互描く物語。
 舞台の隅々に椅子を配して、演技していないときは、椅子に座ってインタビューと物語をクロスオーバーさせる。女子高生が描いていたと思われるスケッチとモノローグをスクリーンに映しながらの演出が実験的。高校生役の若い二人の存在感が結構あって、他の役者さんたちも達者なので、青臭い感じにならず味のある舞台になっている気がする。話的にはあんまりピンとこなく、震災にあってしまった人たちが、そこから小さなほころびで、人生が変わって行ってしまうって話かな。松本まりかさんは、最近よく見るけど、舞台のたびに存在感が増していっている感じがする。もうちょっと、高田さんを観たかったなぁ。
 古山さんがメインのルポライターのAバージョンと、小椋さんがそれのBバージョンがあって、Bバージョンに日にいったが、蓬莱さんの決断で、Bバージョンを無くしてAだけになっていた。元々日程の都合でBにしたけど、Aが観たかったので、自分的にはよかったけど、なにがあったんだろ。
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No:077  マクベス / シアターコクーン・オンレパートリー
Theater:シアターコクーン
Date:12/15 M
Sheet:D-16
Price:\9,500(\8,000:okepi)
演出:長塚圭史
出演:堤真一、常盤貴子、風間杜夫、白井晃、三田和代、中嶋しゅう、小松和重、江口のりこ、市川しんぺー、池谷のぶえ、平田敦子、玉置孝匡、福田転球他
 舞台の部分に客席を配して、通路より前の客席を舞台にしての仮設置の囲み舞台。客席に傘を置いて、あるシーンで客に傘を開かせ、森を表現させる演出。マクベスの生首を模した巨大なオブジェを客席中に回し、最後に堤さんがその様子を呆然と見送る演出。
 他の舞台でも観たこともなく、マクベス自体も知らなかったので、どんな風に変化しているのかがピンとこなかった。より内面的なもの、本質的には夫婦とも人としての優しさみたいなものを持ち合わせていることでの葛藤みたいなものを表に出したいのかなぁって。後半は、板に上がる人を少人数にしての正に演技バトル。ちょっと台詞が聞き難い気がしたけど、池谷さんの声だけは美しく明瞭。池谷さん、平田さん、江口さん、小松さん、転球さん、玉置さんと結構好きな人たちが出てたけど、その人たちの自分が好きな部分はあまり観られなかったような。
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No:076  デイドリーム・ビリーバー / 鈴舟
Theater:シアターサンモール
Date:12/14 M
Sheet:E-8
Price:\4,500
出演:本間剛、中野順一朗、藤本喜久子、今藤洋子、中尾隆聖、駒塚由衣、鶴ひろみ、高野麗、しおつかこうへい、郡司みわ、和田太美夫、田中完、大谷典之
声の出演:内海賢二
 台風によって半壊した街の陶芸工房。窯が土砂に埋もれ、市民である生徒たちが復興にかよう。窯元であった父をついだ娘は、父の弟子であった男の手を借りて、工房を続けていた。街興しにやって来たバンドの男は、工房の男が超能力を持っていると偽った過去を明かす。男は、街を出ようするが、娘は男に気持ちをぶつけるなウェルメイドなお話。
 皆さんベテランな演技で商業演劇感もある安定の舞台。主役の今藤さんはとってもキュートで魅力的。藤本さんは、「またもや休むに似たり」の喜久ちゃんと180違う役柄で演技の幅を見せる。内海賢二さんの追悼という意味があったんだけど、声の出演はちょっと無理やりすぎるんでは。
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No:075  性病はなによりの証拠 / ブラジル
Theater:王子小劇場
Date:12/8 S
Sheet:自由
Price:\3,000
 八丈島付近でバーケーション中のクルーザーが転覆し、救命ボートに乗った中小企業の社長と社員とその連れの4組のカップル。助けが来る当てもなく、太平洋に漂流。みんなで助かりたい気持ちとエゴの行ったり来たりのなか、一人の社員の彼女が嘔吐。その原因は、竹毒(性病)、しかし、社員の男は感染の記憶がなく、どっからもらって来たんだの騒動。しかし、何日も漂流するボードでは、同じ症状を発症する人たちが。生き死にと、惚れた腫れたの大騒動な太平洋の上。
 最初の展開は面白いんだけど、シチュエーションが同じなので、2時間の繰り返しは冗長な気が。間近で嘔吐もなんだけど、近くで見られるは小劇場の妙。辰巳さんがKAKUTAの時とかと違った感じで、なんとなく残念。あの体格は設定的に必要なしなのか。金沢涼恵(クロモリブデン)がちょっと気になった役者さん。
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No:074  ショッキングなほど煮えたぎれ美しく / KAKUTA
Theater:すみだパークスタジオ倉
Date:12/8 M
Sheet:C-18
Price:\3,600
 今まで不自由なく裕福に暮らしていた男子高校生、父親が収賄の容疑がかけられ夏休みに家を離れることに。母はすでに他界、祖父は直後に休止。たどり着いたのは、田舎の港町に暮らす父親の従兄弟の小さな平屋。面倒を見てくれる男は親戚から生活費を預かっているが、近所さば缶工場に働きに出す。そこで知り合う田舎の高校生たちとの甘酸っぱい青春物語と、男と父の母をめぐる確執、そして、本当の父はな物語。
 いつものように熱く優しいKAKUTAの物語。成清さん以外は、ほぼ脇を固めるKAKUTAメンバー。このチームワークも、芝居を魅力的にしている一つだと思う。そして、幕間生演奏のフリサトの音楽がとってもあっていて素敵。桑原さんは、またまた破天荒なおいしい役どころで、スパイシー。好きとか嫌いとか、人の気持ちはそんなに割り切れるものではなく、色んな気持ちの中で生きている。そんなことを描いているKAKUTAが好き。
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No:073  血も涙も靴もない / 毛皮族
Theater:森下スタジオC
Date:12/1 M
Sheet:自由
Price:\3,800
 三人の孫を連れて、嫁が出て行ってしまうが、その嫁に非常識な無心をされ続ける女。娘が引きこもりで、まったく目の出そうにない女に私財をつぎ込む音楽業界の男。まったく努力もせずに、やせないことでヒステリーを起こす女と同居する女。(この一人が無心される女の娘であることが示唆される)これらの話がコラージュされた舞台。セットは、くみ上げ式の足場、ついたて、脚立を演者が場面転換ごとに動かし、抽象的なセットを構築する。
 無意味に乳出すシーンあれど、エロ少なめの実験的な舞台。ヒステリックな女(高野さん演で、本人自体は好き)の話を除けば、結構嫌いじゃないテイスト。語尾の使い方を終始徹底な演出のキャラ作り。皮肉とダメダメさのオンパレード。どんな感じのイメージで作ったお芝居なんだろ。
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No:072  高校中パニック!小激突!! / 大パルコ人
Theater:PARCO劇場
Date:11/30 S
Sheet:K-32
Price:\9,000
作・演出:宮藤官九郎
出演:佐藤隆太、勝地涼、永山絢斗、川島海荷、三宅弘城、皆川猿時、小路勇介、よーかいくん、宮藤官九郎、坂井真紀、綾小路翔
 渋谷にある聖ファイヤーバード高校(ヤバ高)とグレッジ工業高校(グレ高)の対立の物語をパロディ、下ネタ、ナンセンスなんでもありありのロックミュージカルコメディー。
 値段は別にして、いいでしょこういうお祭りも。みんなはじけてて、本気でバカやっているから面白い。特に、坂井さんは、典型的なAV系の清楚で巨乳で実はエロっていうキャラとヤンスって不良(男)の二役の振り切れっぷりったらないです。半分グループ魂なバンドをバックに綾小路さんも聞けたし、終わったのが22時ちょっと前を除けば、大満足。
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No:071  シダの群れ 第三弾 港の女歌手編 / シアターコクーン・オンレパートリー
Theater:シアターコクーン
Date:11/23 M
Sheet:L-10
Price:\9,500
作・演出:岩松了
出演:阿部サダヲ、小泉今日子、豊原功補、市川実和子、赤堀雅秋、佐藤銀平、吹越満、小林薫他
 志波崎組から逃れ、あてどなく彷徨った挙句、或る港町に辿り着いた森本(阿部サダヲ)。密航を図ろうとしていた森本は、港町を仕切っている都築組の若造たちにいきなり囲まれる。その窮地を救ったのは、ヨシエ(市川実和子)。森本にしてみれば、ふってわいた女だったが、実はヨシエは森本を追っていたのだった。ヨシエに待つよう言われ、港町一番のクラブ《スワン》に入って行く森本。そこには、こんな港町で終わらず歌手として羽ばたきたいという夢を持っている女歌手のジーナ(小泉今日子)とマネージャーの山室(吹越満)がいる。その店で、客の都築組の若頭・結城(小林薫)、ジーナに惹かれている幹部のノブ(赤堀雅秋)、都築組が密輸品を上納している大庭組の幹部・清水(豊原功補)などと出会う。森本はふとしたことから結城に誘われ組のために働こうとするが、結城に利用され、次第に都築組と大庭組の抗争に巻き込まれていく。人情、愛憎に揺れる男女の心の向かう先とは・・・。(コクーンHPより)
 誰に焦点を当てて観ればいいのかわからずなお話。いくつかあるエピソードも動機がつかみ難くちょっとついていけなかった。つまらなくはないのですが。生演奏、キョンキョンの生歌も聴けたし(鼻にかかる感じが好き)、その点はとっても良かったです。違和感があったけど、小林薫さんを観られたのも良かったし。なんか、次につなげるような感の終わり方してるけど、第4弾があるのだろうか。
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No:070  もう風も吹かない / 青年団
Theater:吉祥寺シアター
Date:11/17 M
Sheet:自由
Price:\4,000
2003年オリザさんが当時講師をしていた桜美林大学の学生たちに書いた作品の再演。
当時も印象が良かったけど、やっぱり今回も良かった。世界平和への理想や現実の乖離、それすらも維持できなくなった崩壊してしまった日本。その中のコミュニティーにおける確執、恋愛、多様性を描いた上で、個人の不安、夢へとスポットを当てていく、オリザユニバース。実時間の一幕、同時多発会話の芝居が、あたかも自分もキャストになったかのような引き込み方をしてくる。海外派遣の研修生であったり、JAICAの職員であったり、施設の職員であったりできるように。「バルカン動物園」では、研究院生であったり、学生であったり、「東京ノート」では、学芸委員であったり、フェルメールを見に来た人であったりと、舞台の中を自分の中の現実とクロスオーバーさせられのだ。近未来、日本が崩壊するかはわからない、でも、ここに描かれている、日本や、コミュニティーや個人といったものに内在してるなにかがこの芝居に引き込まれてしまうものなのだろう。そして、久しぶりに舞台で観た志賀さん、ほんと素敵な声だぁ。
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No:069  ライクドロシー / M&Oplays
Theater:本多劇場
Date:11/16 S
Sheet:B-11
Price:\7,000
出演:長澤まさみ、高橋一生、片桐仁、塚地武雄、川口覚、竹口龍茶、吉川純広、銀粉蝶
 とある孤島に3人の脱獄囚(高橋一生、片桐仁、塚地武雅)がボートで流れ着く。ひょんなことから芸術家に間違われてしまった彼らは、島を牛耳る悪徳市長ザポット(銀粉蝶)の屋敷に招かれ優遇される。ザポットの世話係の女・マッツ(長澤まさみ)は、3人の正体をあっさりと見破るのだが、彼女は慌てて逃げ出そうとする3人を引き止めて、その事実を黙っておく代わりに、自分がこの屋敷を脱出するためにトンネルを掘るという逃亡計画を持ち掛ける……。(シアターガイドより)
 長澤嬢、テレビドラマのまんま、だけど、あのコメディータッチな感じがすごく好き。「クレイジーハニー」では、あまり印象がなかっただけに、清楚な感じのお芝居とか観てみたい。3人の役回りもはっきりしていて、いい感じに面白い。映画とかに引っ張りダコの塚地さんのちょっと力技感がある気がするけど、意図的なのかな。吉川さん、川口さんの容姿が頭気味なのがちょっと残念。倉持さんのコメディーは、他の作品と違って、また魅力だなぁ。
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No:068  MIWA / 野田地図
Theater:東京芸術劇場プレイハウス
Date:11/10 M
Sheet:O-8
Price:\9,500
出演:宮沢りえ、古田新太、瑛太、井上真央、小出恵介、池田成志、浦井健治、青木さやか、野田秀樹他
 聖母マリアから生まれた両性具有の少年が、戦争を体験し、歌手になり、伝説のライブハウスを任され、同じ性を背負った文化人と交流を持って送った半生を描く。
 彼の心と体を抽象化した安藤牛乳(アンドロギュノスのもじり)が、表裏一体となり彼につきまとう。回転式の八百屋型の舞台は、後方が枠組みになり、出入り口、スクリーンなど抽象された装置となっている。
 舞台のセットが相も変わらず素敵、長崎の原爆を表現した舞台一面をゆっくりと落ちていく暗黒の布のシーンは圧巻。そして、ひびのさんの衣装がセットとキャストととっても合っていて、正に総合芸術。今回は、比較的ストーリー自体が前面に出ていて、わかりやすくなっていながらも、色々な暗示やスピーディーな台詞回しで、自分には難解。だけど、魅力的な野田地図。キャストは、豪華すぎる幕の内弁当状態。初見の井上真央さんがとっても舞台栄えしていた感。宮沢さん、古田さんは当たり前としてさておき、成志さんの引き出しの深さ、青木さんのインターミッション的立ち位置が舞台にスパイス。歌の部分が美輪明宏さんの歌を使ってたけど、創作だとしたら舞台上で歌ってほしかたけど、生よりも本物を取ったってことなのかなぁ
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No:067  売春捜査官 / カルネ
Theater:OFF・OFFシアター
Date:11/9 M
Sheet:自由
Price:\3,900
客演:植本潤、なだぎ武、宮下雄也他
 捜査室での売春を趣味にしている破天荒な女捜査官と派遣されてきた過去の男だった部下と二人の関係の物語と、尋問される殺人犯と、出身の過疎の離島からきた朝鮮人の男と、島から来て売春させられている幼馴染の殺されてしまう女たちの物語が捜査を通じて描かれ入れ子になっている舞台。
 「広島に〜」を想い出させるようなセリフもいっぱいでつかさんのしばいだなぁって感じなんだけど、それを野口かおるの世界にしきっちゃってて、アリなのかどうあわからないんだけど、これはこれで楽しめます。でも、比較的控えめなかおる嬢。ホモの部下と、裏稼業の朝鮮人演じる植本さんは、圧巻です。
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No:066  ダチョウ課長の幸福とサバイバル / ラッパ屋
Theater:紀伊國屋ホール
Date:11/2 M
Sheet:A-14
Price:\4,800
客演:ラサール石井、小林健一、ともさと衣
 飲料会社のダメ課長、能力主義に変わった会社に馴染めず、同期の課長たちとグズグズ。娘たちは出戻り、しかもダメ旦那が入り浸る。辞めてしまった同期が事故で亡くなり、同期たちと葬儀に行くも会社からはほかに誰も来ず、悲しくなって嫁婿たちと旅にでしてまう。戻った会社では、次期社長レースの策略に巻き込まれ、会社を辞めるハメに。サラリーマンの悲しみと、中年男の悲哀を描いたコメディー
 ほんといつ観ても楽しいラッパ屋。元気のもらえるおじさんたち。俵木さんとおかやまさんのオープニングから持って行かれて、あっという間の二時間。この頃のラッパ屋のスタイリッシュな感じパネルと、空けると後ろにいつもながらの茶の間の二つの舞台の切り替えもスピード感があっていい。そして、三鴨さんのいつもサービス。
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No:065  モグラのヒカリ / IKEYA食堂
Theater:MOMO
Date:10/27 M
Sheet:C-13
Price:\4,600
作・演出:池谷雅夫
出演:岩渕敏司、澤田育子、新田めぐみ、狩野和馬、八神蓮、鉢嶺杏奈他
 岩清水光は性格のひん曲がった盲目小説家で、破滅的に相手の気分を悪くさせる猛烈毒舌家。彼を取り巻く姉とスタッフの才覚で人気タレントに偶像化され、放送禁止スレスレのタブートークとオネエキャラで人気急上昇中。 そんな光が性同一性障害であることを世間に隠そうと、姉が連れてきた謎の女、日影さゆりと金銭契約を結んで偽装結婚する。愛に不器用な二人が運命の赤い糸をグッチャグチャに紡いでいき…。笑ったら不謹慎な気がするけど笑っちゃう愛憎喜劇。〜IKEYA食堂HPより〜
 実際には、盲目を売りにして、それがなくなったら生きていけなくなる。生きるってみたいな、重〜いテーマがのっかているお話。お話自体は嫌いじゃないけど、照明の使い方がすごく苦手、暗転せずにシーンのつながりうっすらと見せたり、あえてスポット当てるとこ薄暗い暖色の照明にしてみたり。2時間5分だけど、ものすごくしつこく繰り返す演出やこれ見よがしな風刺的な台詞も苦手。アイドル、モデル系の方たちは、自分には上手にみえたけど、前に観た時も苦手だなぁって思った役者さんは今回もそれを払拭できず。岩渕さんは、LEMONとはまた違う感じで達者だなぁって。澤田さん、新田さんもいつもと違う舞台でみられたんで良しとしましょう。MOMOで、\4,600高いでしょ?
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No:064  SEX,LOVE&DEATH / 文化庁委託事業 日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演 俳優部門
Theater:ザ・スズナリ
Date:10/20 M
Sheet:C-8
Price:\3,500
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ+ナイロン100℃
出演:ナイロン若手+α
−13000/2−
とある風俗店、妹と称する娘がお客だったバンド仲間に連れられて姉を連れ出しに来たり、常連ついてる女の子が向かいの店に引き抜かれたり、その店長がやって来たりな一場の群像劇。
「カメラ≠万年筆」を思い起こさせるような青草い感じの人の群れる話で、笑いもいっぱい、人間の馬鹿さいっぱいで大好き。特に役者さんとしてはないけど、猪俣さんが他のナイロン作品と違った感じなのが面白かったかな。
−死んでみる−
この一本だけ書き下ろし。医者にがんを宣告される村田さん、妻に浮気され、その妻も命は短く、日常では、床屋に行き、スナックに行き、過去の彼女を思い出す村田さん。みな同じ衣装、何人もが、時には一度に複数が村田さんを演じる実験的なお芝居。
よくわかんなかった、自分的にはあまり面白みを感じる部分もなく、特に良いなと思う役者さんもおらず。
−スモーク−
テレビ番組「あいのり」のラブワゴンで旅する若者とスタッフ。ある国で車が故障して、成立したカップルも帰れずなホテルのロビー。未練、横恋慕、スタッフの不倫に、ドラッグ、怪しげな現地のホテルスタッフが、巻き起こす市場の?末記。
ここからハルディンホテルにつながってるな感じもする変な人ばっかり出てくるお話。このメンバーだと、水野さんはかなりベテランに見えちゃうのね。
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No:063  大和三銃士 / 松竹
Theater:新橋演舞場
Date:10/13 M
Sheet:12-26
Price:\6,300 割引チケット(元\12,600)
作:斎藤雅文
演出:きだつよし
出演:中村獅童、早乙女太一、真琴つばさ、榎木孝明、濱田崇裕、藤井隆、西ノ園達大他
 関ヶ原の合戦中に、豊臣軍で戦った銃士たち。地方の一大名になった秀吉の息子秀頼はなんとも頼りなく母の淀君が実権を握っていた。10余年たち、銃士たちは集められ、熊野神社にある秀頼に将軍を譲ると書いた徳川の誓詞を取りに行く。そこには徳川の追っ手が。どうにか手に入れた誓詞だが、今度は豊富側の内紛。銃士たちは、その意を託し、散っていった。
 きださん演出、西ノ園さんも出演で、チケットも半額で手に入ったので観に行った。獅童さんが、かっこよすぎです。真琴さんが亡くなるシーンの二人は、画として美しすぎます。ところどころ、きださんぽい演出も見られ、特に、オープニングはまんま発砲だった。西ノ園さんは、早乙女さんとの殺陣シーンもある結構いい役で。早乙女さんは、殺陣とか美しいけど、なんか台詞回しが変だった気が。ジャーニーズの子は達者だなぁ。
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No:062  それからのブンとフン / こまつ座&ホリプロ
Theater:銀河劇場
Date:10/12 S
Sheet:C-11
Price:\7,000 okepi譲渡(元\9,800)
作:井上ひさし
演出:栗山民也
出演:市村正親、小池栄子、橋本じゅん、新妻聖子、山西惇、久保酎吉、辰巳智秋、富岡晃一郎他
 作家大友フンの小説「ブン」から、飛び出してしまった4次元の七変化の大泥棒ブン。1冊から一人づつ世界を股に様々なものを盗みだす。フンに情を移されたブンは、権威や贅などを盗むようになり、世の中のエゴや差別をなくそうとする。しかし、警察長官の策略によって、捕まってしまい、フンもまた牢獄へ。そして、ブンたちの中でも、考え方の違いから、分裂が起こってしまう。それでも、正しいものを追い続けるフンは、書き続けていく。
 人のエゴや欲、正しいものとは何かのパラドクスに、戦争に宗教と重いテーマを積み重ねながらも、達者な役者さんたちで、時にはコミカルに、時にはシリアス。市村さんは、ちょっと井上さんに近づけすぎな感があるのがかえって違和感があるけど、舞台のオーラはすごいなぁ。山西さん、じゅんさんって、観るだけで楽しい人たちも脇を盛り上げるし、新妻さんの歌は惚れ惚れする。そして、なんとも小池さん、目が素敵。観る度に、より好きになっていく。
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No:061  晩餐 / TAKUMA FESTIVAL JAPAN
Theater:サンシャイン劇場
Date:10/12 M
Sheet:7-28
Price:\4,000 CONFETTI当日引換割引(元\7,500)
出演:宅間孝行、田畑智子、市川由衣、柴田理恵、中村梅雀他
 吉祥寺のシェアハウスで暮らすカップル。そこに、未来から二人の息子とその妻がやって来て大騒動。母親となる女性は、息子を産んだあとに命を落としていた。息子は母親に会いたくてやって来るが、事実を知り、二人に結婚しないように懇願する。果たして未来はどうなるのか。
 がらがらです。なんでだろ、期間が長く、箱が大きいいからかな。笑わせるし、泣かせるし、アドリブに走って行っても話は壊さないし、舞台自体は結構いいと思うんだけど。宅間さんはなんか雑に感じちゃった。
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No:060  冒した者 / 葛河思潮社
Theater:吉祥寺シアター
Date:10/6 M
Sheet:C-3
Price:\6,300
作:三好十郎
演出:長塚圭史
出演:田中哲司、松田龍平、松雪泰子、長塚圭史、江口のりこ、尾上寛之、桑原裕子、木下あかり、中村まこと、吉見一豊
舞台は戦後の東京郊外。かろうじて焼け残った大屋敷に9名の人間が集まり、穏やかな暮らしを送っていた。そんなある日、一人の青年の訪問をきっかけに生じた日常の崩壊。それぞれが抱える「戦後の混乱」が一挙に表面化する中で、大屋敷の人間模様は激しく入り乱れていく──。-葛河思潮社HPより-
恋人の家族を殺した青年が屋敷に訪れたことで、大家、盲目の娘、医者夫婦と弟、妻を失い屋敷に住むようになった作家、元芸者、株屋と米兵相手に売春をしているその娘。それぞれがお互いの琴線に触れずに暮らしてきた中にゆがみが生じて吐露しだす。体験してきた戦争と生活を礎に、考え方の違いや未来への不安がかれらの関係を乱してゆく。トーンの暗いお芝居で、休憩込みで3時間15分は、耐えられないかと思ったけど、意外と観られた。長塚さんの演出も最近の中では観やすいほうかな。十八番ってとこだろうけど、まことさんはいい。桑原さんは、普段と違う役どころで、あまり良いも悪いも感じなかった。田中さんは舞台の人だなぁって改めて思う。松雪さんは影があってなんかいい感じ。誰もが熱演で、しかもキャスティングもしっくりな豪華幕の内弁当。松田龍平さんが出ていたせいか立ち見もでる超満員。
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No:059  ストレンジ・ストーリーズ / 表現爽やか
Theater:駅前劇場
Date:10/5 M
Sheet:A-1
Price:\,
客演:原史奈他
 貴族の娘は、生まれた時に母を亡くし、父を戦争亡くし、祖父に育てられている。祖父は、娘を楽しませようと、知り合いの劇団に色々演じさせる。って話をコントを盛り込んで。
 真弓さんとってもキュート。客演の原史奈さんは、エロさなく爽やかに。いけしんさんの無茶ぶりに次から次へとが可笑しい。
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No:058  無休電車 / 劇団鹿殺し
Theater:青山円形劇場
Date:9/29 M
Sheet:C-14
Price:\4,900
客演:福田転球、岡田達也、美津乃あわ
 工務店を経営する傍ら劇団をやっていた男が酒に酔いホームから落ちて轢死。財産を売って借金をチャラにし、仕事も劇団も手伝っていた同級生が、両方を再建。昔の仲間の集まり、そして、地元の電車好きの新人の女の子も加わり、上京して新たな船出。5年経っても芽が出ず、実は残っていた債務、資金の持ち逃げ、メンバーが去ろうとした時、主宰の亡霊が、そこで、最後に追悼公演を行う。その時、引き継いでいた男の祖母で女性初の電車の運転手だった祖母が危篤と連絡が届き、同時に再結成時に新人として入ってきた女の子が消えた。そんな中、亡霊が入り混じっての追悼公演が熱く行われる。
 青臭くてパワフル、鹿殺しの良いとこだぁ。楽隊の隊列を電車に見立てるとこや、場面転換の早さはチョビさんの演出力なのかな、素敵。チョビさん留学により、一年の充電期間に入る鹿殺し。過去に国費留学した長塚さん、土田さん、懐古主義者?の自分にとっては帰国後の作風の変化が残念。鹿殺しはよりパワフルでクリエイティブなおっさん、おばさんになっててほしい。
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No:057  建てましにつぐ建てましポルカ / ヨーロッパ企画
Theater:本多劇場
Date:9/23 M
Sheet:J-18
Price:\4,000
客演:菅原永二、吉川莉早、花本有加
中世を思わせるあるお城、建てましにつぐ建てましで迷路のよう、視界には入るが行き着くのは困難。パーティーの途中にトイレに行って会場の戻れなくなった貴族とその従者。もう一組の貴族も迷って一緒になるが、プライドから視界の先の他の貴族にも聞けず、メイドは道筋を知らずと大騒動。そこに、怪獣になった王子や、悪魔とメシアまで現れて、しっちゃかめっちゃか。
でも、ちゃんと舞台を成立させるのがヨーロッパの真骨頂。まあ、賛否両論あるでしょうが。悪魔や怪獣で世の中がどうなっても、自分はパーティーに戻りたいってのも面白く。本多さんが、諏訪さんのやっているような役をやっていて、結構切れキャラのまま通していくのまたいい。客演、菅原さんは違和感なく、溶け込んでていい感じ。
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No:056  ジャンキー・ジャンク・ヌードット / good morning N°5
Theater:駅前劇場
Date:9/22 S
Sheet:B-1
Price:\4,000
客演:脇知弘、MINAKO、小椋あずき、野口かおる他
どんなにお下劣で、話が滅茶苦茶でも、いいんです。これはこれで。ちょっと引く位の方が、日常から離れられて。とはいっても、野口さんの女体盛にはびっくりだけど・・・
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No:055  月光のつゝしみ / ハイバイ
Theater:神奈川芸術劇場 大スタジオ
Date:9/22 M
Sheet:G-13
Price:\3,300
客演:松井周、能島瑞穂、上田遥
 教師を辞めて、弟夫婦の家を訪ねた姉、同じ日、従兄弟の夫婦も訪れていた。姉と弟の微妙な関係と、夫婦の微妙な気持ちのすれ違いを描いた会話劇。
 全くもって、話に追従できず、どの役にも入り込めず。集中力のない自分にうんざり。上田遥さんの佇まいばかりが好印象。松井さんが今までと違った印象で最初全然わからなかった。
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No:054  常に最高な状態 / 財団、江本純子
Theater:ギャラリー LE DECO 5F
Date:9/21 M
Sheet:自由
Price:\3,300
出演:千葉雅子、松本まりか、佐久間麻由、荻野友里、柿丸美智恵
 超好みのキャストだった初演と同様、今回も面白かった。女子全開なブラックバトル。前回の池谷さんの役をやった千葉さん、個人としては池谷さんの方が好印象だけど、柿丸さんとのコンビは千葉さんの方が面白かった気が。安藤聖ちゃんの役をやった佐久間麻由ちゃんが好印象。松本まりかちゃんは、内田さんの黒さとは違った勢い。荻野さんは、青年団とは全く違った印象で好演。
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No:053  犬、だれる / 劇団HOBO
Theater:サンモールスタジオ
Date:9/16 M
Sheet:B-7
Price:\3,500
作・演出:おかやまはじめ
客演:松本紀保、小林さやか
男と駆け落ち同然で引っ越してきた南の島。日々だらだら暮らしながら、台風で畑もやられ収入源がなくものんびりした島では、同じように都会から逃げてきた人々とともに何とか暮らしていける。男は、役場でもらったゆるきゃらの仕事で子供殴っちゃうわ、妹が尋ねてくるわ、仲間の一人がさぎだったりと、どこにいてもいろんなことが。泣いても笑っても生きていくのねな話。
意気投合のいつものメンバーに、紀保さん、小林さやかさんが加わり、よりストーリーに膨らみが。ちょっと下世話な感じになりながらもてんやわんやが楽しい舞台。紀保さんのサービス気味のちら見せ感としっとり影、小林さんの男前な色気とが混ざって、由美子さんがひとりでになっていたものが役割分担されて、その分自由に?
台風で行くのが危ぶまれたけど、行ってよかった舞台、楽しかった。
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No:052  更地9 / 大森そして故林
Theater:シアター711
Date:9/8 M
Sheet:C-7
Price:\3,900
出演:岡まゆみ、山口良一、岸博之、大森ヒロシ他
 ショートコント集
 そこそこ面白いんだけど、イマイチつぼに入らない。山口さん繰り返しがくどく感じちゃうのが残念。岡さんがまたキュートなおばちゃんっぷり。
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No:051  悪霊−下女の恋− / M&Oplays
Theater:本多劇場
Date:9/1 M
Sheet:A-21
Price:\6,500
出演:広岡由里子、三宅弘城、平岩紙、賀来賢人
売れっ子漫才コンビになった異母兄弟。妾の子は幼い頃正妻の子をいじめる側であったが、ネタを作る側に回られ見た目の立場は逆転。過去のことなどなかったようにコンビを続けていた。正妻の子は結婚目前に電車の事故で車椅子の生活になり、妻となる女はそれでも結婚してくれたがコンビは解散、妾の子はサラリーマンになる。正妻の子は、一緒にいじめられていた井上と言う男の頼まれ事をしているうちに、井上の存在が大きくなるがその実体は見えず、彼に言われるままに悪霊に生贄をささげたと言う。やがて正妻が亡くなり、代わりに来た家政婦は正妻の生き写しのよう。妻は妾の子に惹かれていってしまい妊娠。それを隠そうと、妻は不能になっていた男と奇跡の夜を過ごしたはずが。そして、家政婦までもが妾の子に惹かれ。
過去の公演を映像でも観ているけれど、あんまりピンと来ないけど面白い。松尾さんの作る軽やかな負の世界に引き込まれる。人の業みたいなものに、理屈でなく翻弄されていく感が好みなのかな。三宅さんの身体能力を生かした演技や、紙ちゃんの可愛さにやられちゃう。
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No:050  猿股のゆくえ / ONEOR8
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:8/31 M
Sheet:K-4
Price:\3,900
また観たくなちゃって、2回目の観劇。
後方の席なれど、やっぱりいい。2度目は、なるほどここに伏線があったのかとか思って見られたりしてこれまた楽し。ただ、笑えなくなってないのに笑った回数は減った気が。物語の重さがそうさせるのか。途中話するは、扇子で扇ぎまくるは、あめちゃんの袋ガサガサするは、野放し状態のおば様たちはどうにかして欲しいものです。
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No:049  猿股のゆくえ / ONEOR8
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:8/25 M
Sheet:C-8
Price:\3,900
客演:岡本麗、三田村周三、モロ師岡、上田桃子
 6年前に三田村組に書き下ろした作品の劇団での再演。
 楽しみで仕方なかった、そして、その期待を裏切らなかった。前回からすこし設定が変わった部分があるようだ。両親よりも年上だった長女の相手は同い年になっていた。子供たちの年齢も若干高めになっているのではと、三田村さんと岡本さん以外で唯一同じ役を演じた富田さんを観ていて思った。間やテンポで笑わせる部分はやっぱり劇団だなって、そして、客演の上田さんが物凄くいい、のっけの三田村さんとのやり取りから芝居にのめり込ませちゃう。それぞれが感情をあらわにする場面も大業にならずに流れもよく、それぞれの台詞が染み込んでくる。久々にもう一度観に行こうかなって思った作品。
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No:048  PAIN / アヴァンセプロデュース
Theater:「劇」小劇場
Date:8/15 M
Sheet:Z-7
Price:招待
脚本・演出:坂上忍
出演:吉井怜、城咲仁、一青妙他
 悪質ファンド経営の社長と冷め切った間柄の妻。社長と愛人。愛人と社長の部下は恋人同士。部下は交通事故の加害者。被害者の妻は大人と子供のあいだで揺れる娘との関係を持て余す。娘が相談する先の医者は、弁護士の妻をもち、その妻は障害をもって生まれた子供を殺してしまい、医師である夫が隠蔽。夫はゲイの男とも付き合っている。弁護士の妻はアル中で、療養仲間は社長の妻。社長の息子は、交通事故被害者の娘と仲が良い。それぞれの抱える心の痛み。
 う〜ん。いろんなシーンのコラージュがつながって一つのテーマを描いているようなんだけど難解。何人か自分に苦手な演技の人がいてより残念。劇場が寒すぎで、死ぬかと思った。
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No:047  兄帰る / 二兎者
Theater:東京芸術劇場シアターウェスト
Date:8/14 M
Sheet:J-7
Price:\5,000
出演:鶴見辰吾、草刈民代、堀部圭亮、伊東由美子、枝元萌、二瓶鮫一他
 弟夫婦の元に16年ぶりに現れた兄。昔、横領などで実家に迷惑をかけた後失踪。上野でホームレスをしていた兄はまっとうに働くといい叔父叔母を巻き込んで就職活動。そこに、それぞれの確執が生まれて、てんやわんやの騒動。真っ直ぐに生きていく弟嫁の世間との確執も含めて正しく生きるとはな話。そして、兄は本当に蘇るのか。
 妻の兄の就職へのこだわりの気持ちの元がピンと来なくて、何となくモヤモヤ。今まで何回か観た永井さんの作品の中では一番難解。役どころで憎まれ役の草刈さんが悪い意味でなくとってもキュート。目当ての枝元さんも見事なコメディリリーフ。観るたび安定感が増していく感じ。
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No:046  第三次性徴期 / 親族代表
Theater:ザ・スズナリ
Date:8/13 S
Sheet:B-8
Price:\4,000
客演:峯村リエ
いろんな作家が書くコント集。
「AIR・・・」佐々木充郭
「だるまさん」川尻恵太
「シマムラ引越センター」ブルー&スカイ
「IWGP」佐々木充郭
「泣きながら15分で書きました」前田司郎
「小川町二丁目1333番地物語」福原充則
「竜太」ケラリーノ・サンドロヴィッチ
個人的には、「AIR・・・」、「シマムラ・・・」と「竜太」が特に良かったけど、それぞれみんな面白かった。峯村さんも観られたのでかなり満足。
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No:045  歓喜の歌 / 劇団姦し
Theater:ザ・スズナリ
Date:8/3 S
Sheet:B-11
Price:\4,000
作・演出:赤堀雅秋
客演:倉野章子、池津祥子、日々大介
ふとしたことから日常化からちょっとだけ逃避したくなった中年のOL三人組。辿り着いた海のある町は何もない町で、出会った虚言癖の老女に連れられ彼女の民宿へ。そこで過ごす一日の何も起こらない物語。
3人の佇まいが素敵、那須さん綺麗、かんのさんキュート、そして、あめくさんの笑いの裏の悲しみ。非日常の中に日常投げ込まれて、それでもなおやっぱり違う日常に、癒されもしないけど、心の隙間風がちょっとだけ緩やかに。「人生なんて、暇つぶし。いいひまつぶしだったじゃないって思えたら最高じゃない。」みたいな台詞にとても共感。
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No:044  鮫に喰われた娘 / INGELプロデュース
Theater:CBGKシブゲキ!!
Date:8/3 M
Sheet:K-1
Price:\4,000
脚本・演出:ブラジりー・アン・山田
出演:桜井智也、高山奈央子、野口かおる、清水宏他
7年前に鮫が出だ海岸にまた鮫が。妹を鮫に喰われた女は、旦那に逃げられ一人海の家を営んでいる。鮫を殺そうとそこへ現れた妹の元の恋人。しかし、妹は喰われたのでは無く、義兄とかけおちしたのだった。余命一年とわかり妹と帰って来た旦那。恨みと想いの大バトル。
ダラダラと長く、清水さんも野口さんも抑え気味で残念。高山さんはいい味だしてたなぁ。
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No:043  ピーターパン / ホリプロ
Theater:東京国際フォーラムCホール
Date:7/28 M
Sheet:K-3
Price:\6,800
潤色・演出:桑原裕子
出演:唯月ふうか、橋本じゅん、仁藤萌乃、池田美佳、渚あき、武藤晃子、成清正紀、辰巳智秋、小手伸也、山本芳樹他
 桑原さんの演出、武藤ちゃんの出演と言うことで、子供たちに混じりながらの観劇。以外に楽しめた、歌も舞台の間を崩すことなく、フライイングには圧巻。中々のエンターテイメントでした。フック船長の橋本じゅんさんはまさにはまり役、去年の一時変わった武田さんはやりにくかっただろうなぁ。主役の子は、全然知らない子だけど、歌声は魅力的でした。KAKUTAにも出ているブラジル辰巳さんは、美味しい役ですね。それにしてもピーターパンってこんな話だったのね。
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No:042  ウィンカーを、美ヶ原へ / kitt
Theater:駅前劇場
Date:7/27 S
Sheet:自由
Price:\3,500
客演:もたい陽子、みやなおこ他
 PAで交差する姉妹、女性同士のカップル、運送業者の男たちと出張帰りの男女4人のお話。近くで起こった殺人事件でPAから出られなくなった人たちのすれ違う風景、そして、事件の真相は。
 10年前のラフカットでショートバージョンを観たけど、全く記憶になし。土田さんの本はやっぱり土田演出がおもしろいなぁ。役者さんは、ん〜って思う人もいるけど、間の勝負が舞台なので気にならない。元そとばこまちのみやさんが観られたのも良かったです。
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No:041  ストリッパー物語 / 東京芸術劇場
Theater:東京芸術劇場シアターイースト
Date:7/21 M
Sheet:K-3
Price:\5,500
出演:リリー・フランキー、渡辺真起子、安藤聖、米村亮太郎、でんでん他
 盛りを過ぎたストリッパーとひもの男とそれを取り巻く人々の物語。
 三浦さんの演出って事でもっと過激になると思いきやしっとり目。オリジナルのつかさんのは観たこと無いけど、もっとハイテンポで台詞のガチバトルになっている気がしたんだけど、今回はほんとに抑え目。ヒモの娘とのシーンは秀逸。スケールの大きさと人の気持ちの機微があるから魅力なのかなって思った舞台。
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No:040  組曲『空想』 / 空想組曲
Theater:シアター風姿花伝
Date:7/20 M
Sheet:自由
Price:\3,700
出演:高瀬哲朗、古川悦史、松本紀保、川田希他
 主に町外れにあるレストラン、ファミレスを舞台とした男女の物語の短編集。
 なんか1本の舞台が書けてなくて短編集になっちゃてるんじゃないかと勘ぐっちゃうところはある。最初の入りやすいお話しで、ずっと面白くは観られた。紀保さん目当てで行ったのでもうちょっと色々観たかったかな。古川さんはいつもながら素敵で、川田さんの佇まいがすごくよかった。ゲストの小玉さんは面白いけど、ギリギリだなぁ。こいけけいこさん、葛木英さんって女優さんは、機会があったらほかでも観てみたいと思った。
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No:039  ジャングル・ジャンクション / キャラメルボックス
Theater:THEATRE1010
Date:7/13 S
Sheet:4-24
Price:\5,500
原作:高橋いさを
作:成井豊&真柴あずき
演出:成井豊
客演:菜月チョビ
 平凡なOLの恋の物語。凶悪犯を追う敏腕刑事の物語。人造人間が悪を倒す物語。3つの舞台が一緒になってしまい、結末はどうなるのかな物語を男性一人残りすべてを女性キャストで構成する。
 客演のチョビさん観たさの久々のキャラメル。本公演ではないけど、相変わらずのわかり易さを観易さは変わっていない。スピード感たっぷりの動き回る舞台なので、チョビさんも違和感なく。OL役の子は汗かきすぎなんじゃなないの。<br> このページの頭へ

No:038  トークトワミー / おにぎり
Theater:ザ・スズナリ
Date:7/13 M
Sheet:D-9
Price:\4,200
作:江本純子
演出:千葉哲也
 成人病にかかった夫と妻に、金を無心に来る妻の兄。痔になって入院した妻に、イライラしながらも世話をする夫、妻が退院すれば夫が入院、そこにも金をせびりに来る兄。人生後半に入り出す夫婦の物語。
 お腹の調子悪く眠くて、なんか楽しめなかった。池谷さんとしんぺーさんという好きな役者さんの上、江本さんの脚本で期待したんだけど、演出がどうも肌にあわない。前作もそうだけど、好きな役者さんたちだから、好きなお芝居になるとは限らないんだなぁ。
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No:037  わが闇 / ナイロン100℃
Theater:本多劇場
Date:7/7 M
Sheet:F-8
Price:\6,900
客演:坂井真紀/長谷川朝晴/岡田義徳
 5年半前に劇場で観た作品のオリジナルキャストによる再演。
 前回のことはうっすら覚えているけど、見終わった後の感覚は前回にもまして好印象だった。で、感想書こうと思って前回のを見返したら、思ってたこととほとんど同じことが書いてあった。普遍的な作品って事か、まあ、自分が進歩してないんでしょ。やっぱり、犬山さんと峯村さんの悲と、未完の愚かなまでの実直さが場面場面でにじみ出てきてジンと来る。でも、基本はコメディ、悲⇔笑の双方向の転嫁が緻密。特に、大倉さんの笑いの裏にある愚かなまでの悲しみがより舞台を深くさせる。なんて繊細なお芝居なんでしょ。
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No:036  つく、きえる / 新国立劇場
Theater:新国立劇場 小劇場
Date:6/16 M
Sheet:C-3-17
Price:\5,250
作:ローラント・シンメルプフェニヒ
演出:宮田慶子
出演:中村蒼/谷村美月/田中美里/大石継太/松尾 諭/津村知与支/枝元 萌/河合杏南
 沿岸の小さな町。港にある小さなホテルが、A氏と、その愛人Y(既婚)の密会の場所だ。彼らは毎週月曜日の昼食をここで共にする。彼らが知らないことがある。Aの妻にもZ氏という愛人がいる、ということ。彼らは毎週月曜日の午後をこの小さなホテルで過ごす、ということ。そんな彼らが知らないことがある。Z氏の妻はY氏(A氏の愛人の夫)と逢い引きを重ねていて、毎週月曜日の夕方をこの小さなホテルで過ごす、ということ。一人の若者がこのホテルを運営している。彼は、彼の客たちのエロチックな、はらはらどきどきな冒険を知っている。それが彼の仕事だからだ。彼は、この港には決して降りてくることのない女の子と哀しい恋をしている。湾岸警備のための時計台の上で仕事をしている女の子だ。彼女は海を恐れている。なので、いつも勤務に就いているのだ。
ある月曜日、なぜだかホテルは海の底に。しかし奇跡的な理由から、ホテルは大きなあぶくに包まれ、その外を魚が泳ぐという、さながら水族館のようなことになっている。あぶくの中に残った人々は大慌て。秘め事も露呈し、すぐに対立が生まれる。大きなあぶくは電話もインターネットもテレビも通さない。たまに古いラジオが動くだけ。時計台の頂上は、水の上に出ている。彼女はまだそこにいて、もちろんホテルにいる彼に連絡を取ろうとしている。二人とも、お互いに何が起こっているのかはわからない。海底のあぶくの中に残された人々はちょっと変わった「社会」を築くようになる……まるで自らを開発しすぎ、技術的知識を持ちすぎた現実社会を映す鏡のような社会を。(新国立劇場HPより)
 途中からもう画を観てるだけになちゃった。概念的で何のことなのかつかみ損ねたので、最後まで置いていかれたまま。キャストがとっても素敵だったから、とっても残念。やっぱり翻訳物は苦手だなぁ。プロジェクションマッピングは、とっても綺麗だったけど。
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No:035  姉さん女房の裏切り / 千葉雅子×土田英生 舞台製作事業
Theater:SAiSTADIO コモネA
Date:6/8 M
Sheet:自由
Price:\3,800
 組長の妻と不倫した上に、抗争の主犯者に仕立て上げられて男は、20年組長の妻と一緒に身を潜めて暮らしてた。ある日小さな諍いのあと女は、決意する。そして、二人の元に来る追っ手。
 土田さん演出だけに、MONOと同じような間と会話。土田さん演じるちょっと足りない男の阿呆さ加減で笑わせながらも、20年耐えてきた女の心と男の心のすれ違いをちょっとブラックな加減で描いて終る。作・演出・役者ともこなす大好きな二人の芝居だけでも満足なのに、笑わせてくれるは、重い球もなげてくれるはのフルコース。ご馳走様でした!
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No:034  て / ハイバイ
Theater:東京芸術劇場 シアターイースト
Date:6/2 M
Sheet:自由
Price:\3,300
 呆け始めた祖母を囲んで集う家族。祖母やそれぞれの家族への思いが交差し、気持ちをぶつけ合う。舞台は、前後に客席を配し、同じシーンをちょっとニュアンスを変えながら、前後を裏返し繰り返す構造。
 人の悲しみ方や、喜び方がそれぞれに違うことを、同じシーンを別な角度から繰り返すことによって見せる。舞台は前後の2パターンであるが、心の表裏ということではなく、人それぞれだということがうまく表現されているように感じた。そして、そこに至るまでの過程も、説明的ではなく、すんなりと入ってくる気がする。息子2人、娘2人の兄弟のバランスもよく、姉妹の雰囲気が特にいい。次女演じる上田遥さんは、声の質と佇まいがとても自分好み。3回目の再演だそうだけれど、自分は初見でとても新鮮な舞台でした。
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No:033  ヒノダン / TEAM発砲・B・Zin
Theater:本多劇場
Date:5/26 M
Sheet:C-14
Price:\5,500
 かつて緋の色の旗のもとに街を守っていた「ヒノダン」。仕切る姫に、クローンなる怪物が乗り移ったことによって、崩壊し、散り散りになっていた。6年後、何者かに呼び寄せられ彼らは街に戻ってきて、再び戦いを始める。その中で、当時の真実、呼び寄せたものの秘密が明らかになってゆく。
 発砲限定復活の舞台。比較的センゴクプーが近いんだろうけど、物語とシンクロさせた解散から今までの劇団、そして、きださんの思いがつまった当書き。個人的には、ジャスキス、トランスホーム、ワンダバ、パレットのような方が良かったけど、素直に復活を喜びましょう。オープニングのミッキーマウスが流れたときは、ゾクッてした。劇団員は、それぞれのキャリアを積み上げてきたけど、大きく変わった感じがする人はいなかったかな。武藤ちゃんの安定感は、さすがだなぁって思うけど。工藤さん、より大衆演劇感が強まった感じはするなぁ。舞台のセットや照明の使い方が、スタイリッシュと言うか粋と言うか、大人になったというか。最後のシーンはなぜか野田地図っぽく見えたりして。また、やって欲しいな。
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No:032  もうひとり / 酒とつまみ
Theater:OFF・OFFシアター
Date:5/19 M
Sheet:自由
Price:\3,900
作・演出:倉持裕
 何もせずに居候している女と家主の女。居候の女にだまされていると隣の女に言われようと、結婚相手と同居しようと、追い出そうともせず擁護する家主。出て行こうとするのさえ引きとめ、彼女の才能を世に知らせたいとさえ言う。
 二人芝居だけど、第三者がいる体でのお芝居。日常の中に、1点の理不尽さをスポイトでポツリ。二人の掛け合いは当然面白いけど、切れ合うくらいのコメディーを期待した分は、ニヤリ、クスリ系の笑いに転嫁。二人ともいい声。大好きな女優二人のユニットなので、今後も続けて欲しいと切に。
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No:031  あかいくらやみ〜天狗党幻譚 / 阿佐ヶ谷スパイダース
Theater:シアターコクーン
Date:5/12 M
Sheet:N-13
Price:\9,000
原作:山田風太郎「魔群の通過」
 第二次世界大戦直後、世を忍び未亡人となった旧友の元妻と水戸の古い旅館に逃げ込んだ男。男の見る幻想は、尊皇攘夷の志を胸に水戸から京を目指した水戸藩天狗党の残党の行軍と倒幕派のとの血で血を洗う内乱だった。己の子を宿した身重の女や宿泊していた天狗党を取材していた作家たちに憑依した浪士たち、そして、彼らと男と女の関係が明らかになって行く。
 2時間半休みなしの長編。途中3度くらい爆睡、つまらなくないのに体が疲れているのかなぁ。回り舞台とそれを囲む溝と可動式のブロック、たまに屏風のみのシンプルな舞台を照明で演出。ほの赤いスポットライトが美しく、板と衣装だけでも景色を想像させてくれる。後半詰め込んだ感があるけど、最近の長塚さんの作品にしたらきちんと筋あり。ただ、大好きだった桜飛沫みたいな舞台を連想していたのでその点はすごく残念。あの時の桜吹雪と同じような舞台風景の美しさは健在だったけど。役者さんは飛び道具的な過剰な演技が無いのは、2時間半やるなら残念。まことさんや中山さんにはそんな一面も期待したんだけど、いつもの感じなのは長塚さんでクスリと客席の笑いを誘う。小栗さんだったらもっとかっこいい感じのものがみたいのなぁ。
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No:030  ゴドーは待たれながら / NYLON100℃
Theater:水戸芸術館ACM劇場
Date:5/4 S
Sheet:G-19
Price:\4,500
作:いとうせいこう
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
声の客演:野田秀樹
 ペケットの「ゴドーを待ちながら」の待たせているゴドーをコメディーとして描いたナイロンの20周年記念企画のサイドセッションの大倉さんの一人芝居。
 休憩挟んだにしても2時間の一人芝居、大倉さんにあっぱれ。コメディーで、大倉さんだったから観ていられた作品かなと。大倉さん得意の変な動きを多様し笑いをつくる。本家同様に繰り返しのお芝居なので、若干飽きがくるところも。後半部分にシリアスな感じになるが、大倉さんのテンションで、元々がシリアスにしたかったのかどうかがピンと来なかった。東京のチケットを取り忘れ、水戸まで行ったけど、観光付き、それはそれで楽しかった。
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No:029  ブライダル / 3軒茶屋婦人会
Theater:東京芸術劇場シアターイースト
Date:5/2 M
Sheet:A-13
Price:\5,500
作・演出:G2&3軒茶屋婦人会
 旧来の女友達が、共通の知り合いの男と結婚するという。女は男の大学時代に付き合っていたブライダルコンサルタントを紹介。それぞれが思惑を持って、結婚を阻止しようとなお話。
 最前列での女装は、ちょっと辛いです。篠井さんは、ホームグラウンドなんでいいのですが、大谷さんは、ちょっと厳しすぎ。でも、百戦錬磨な方たちなので、当然見せてくれます。テンポもいいし、間もいいので、ビジュアルさえ気にしなければ、楽しめます。もうちょっと席離れてたら、もっと楽しめたのに。ただ、これ女優さんでやっちゃったら、なんか普通のお芝居になっちゃうね。
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No:028  物語が、始まる 痩せた背中 / 風琴工房 おるがん選集3
Theater:くらしのアトリエひらや
Date:4/29 M
Sheet:自由
Price:\2,500
 川上弘美「物語が、始まる」、鷺沢萠「痩せた背中」の2編。物語〜は、2008年月影で観た作品。痩せた背中は鷺沢さんの「駆ける少年」中の短編。
民家を改築したカフェでの公演。25人くらいで満席の会場なので役者さん近すぎな公演。
 物語〜は、なんか観たことあるなぁって思ったら、やっぱり観ていた。痩せた背中が鷺沢さんの作品なので観たくて観劇。読み直してから観たら、かなり台詞を継ぎ足していた。詩森さんの解釈ってことで、観やすく仕上がってたんだけど、町子がオイサンが好きだったから出て行かなかったっていうのはセリフにして欲しくなかったなぁ。
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No:027  サイレント・フェスタ / 東京ハートブレーカーズ
Theater:吉祥寺スターパインズカフェ
Date:4/28 S
Sheet:自由
Price:\4,800
作・演出:ほさかよう
出演:首藤健祐、粟根まこと、岡田達也、みのすけ、曽世海司、石川よしひろ他
 就職もせずバンドに明け暮れる長男、売れないの兄の曲を愛する三男。突然、三男は耳が聞こえなくなり、うちにこもるが、長男は心で音楽を聞けと演奏をするお話。
 まあなんと豪華キャストをライブハウスでな企画。みのすけさんが叩くドラムは、勲人さんの時より、控えめな感じ。首藤さんは、なんか苦手なんだけど、今回の主題を歌っているときは素敵。いしかわさんの変な役回りも面白く。なんといっても、コメディー部門一人で引き受けちゃった曽世さんがおかしすぎ。いいじゃないですか、お祭り。
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No:026  葛城事件 / THE SHAMPOO HAT
Theater:ザ・スズナリ
Date:4/21 M
Sheet:C-8
Price:\3,800
客演:鈴木砂羽、新井浩文、安藤聖
 死刑になる為に児童を集団で殺した男の半生と家族の物語。死刑廃止のために獄中結婚する女と、被害者の父親も含めて、暴力的で自分勝手な男と家族との関わりを描く。
 期待フルで行ったけど、どこか肩透かし。もちろんのめり込むように観てしまいドロドロながらも不快にならない感じはいつもどおりなんだけど、家族の愛と謳ったので、歪んだ形に転嫁されるまでの過程が見たかった。父役の赤堀さんのしょっぱなと老け役になっていない砂羽さんを除けば、役者さんはシャンプーの風合いにとてもなじんでいるんだけど。個人的には舞台セットをシンプルにしているのと、遠藤留奈さんの出番の少ないのが残念。
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No:025  ディス・ワンダーランド / Grick×InnocentSphere×JP
Theater:青山円形劇場
Date:4/14 M
Sheet:D-33
Price:\5,500
作・演出:西森英行
出演:鈴木ちなみ、松本まりか、島谷ひとみ、武藤晃子他
 都市の地下にぽっかりと開いた地下空間に、集まる人々がいた。その中に、彼らを惹き付けてやまない一人の少女がいる。生まれてから一度も地上に出たことのない少女、ヒナコ。天真爛漫な彼女は、誰からも愛されていた。「この場所のことは、誰にも喋らない」「ヒナコのことは、誰にも喋らない」それがこの場所の掟だった。しかし、1人の男の手によって、彼らの大切な場所は無残に解体され、やがて、次々と隠された秘密が明らかになっていく。ヒナコの生い立ちと、地下生活の始まり。そしてその発端となった衝撃の事件とは。生きることにとことん不器用な人々が繰り広げる、人間喜劇。現代を生きる人々の「絶望」と「希望」の物語。<公演サイトHPより>
 頭でっかちにあれもこれも詰め込み感。感情や設定にうなずけないこと多々。オリジナルの劇団の方々の演技が一様に自分の苦手な説明的に大声で感情を吐露する感じで居心地悪い。松本さんは、ここ数回でのベッド&〜、ブス会、ナイロンとせっかくの経験も、なんか宝の持ち腐れになっちゃった感。最近、よく見る結局武藤ちゃんが1人で背負っちゃうパターンに今回もな。急遽リリース当番なのに、元々のキャストの方は、この役背負えたのかすっごく疑問。鈴木ちなみちゃんは、テレビの顔の方が好き。
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No:024  今ひとたびの修羅 / シス・カンパニー
Theater:新国立劇場中劇場
Date:4/13 M
Sheet:17-17
Price:\5,500(okepi)
脚本:宮本研
演出:いのうえひでのり
出演:堤真一、宮沢りえ、岡本健一、小出恵介、小池栄子、浅野和之、風間杜夫、鈴木浩介、村川絵梨、逆木圭一郎、村木仁、インディ高橋、磯野慎吾他
 昭和初頭の東京・深川。義理の上から加担した出入りで人を殺め、警官に追われる中、 逃げ込んだ民家で飛車角(堤真一)は不思議な初老の渡世人と出会う。彼こそ伝説の侠客の血を引き継ぐ男、吉良常(風間杜夫)だった。その民家には、三州吉良町(現愛知県吉良町)から上京し、早稲田大学に学ぶ青成瓢吉(小出恵介)が恋人お袖(小池栄子)と暮らしており、瓢吉の父に恩義を受けた吉良常が彼を気に懸け、たまたま訪ねてきたところだった。飛車角には、横浜のあいまい宿から足抜きし、共に命からがら逃げきたおとよ(宮沢りえ)がいたのだが、己の不始末にけじめをつけるべく、泣きながら止める彼女を振り切り自首。前橋刑務所に送られてしまう。しばらくは足繁く面会に通っていたおとよだったが、ある時期からふっつりと顔を見せなくなり、心の支えを失い苦悩する飛車角を、吉良常が励まし支えていく。それから数年の月日が流れ、飛車角の出所も近づいた頃、おとよの姿は玉の井の娼窟にあった。そして、その傍らには、飛車角を兄と慕っていたはずの弟分・宮川(岡本健一)の姿が・・・。男と女の運命の糸車が、転がり行きつく果てにあるものは・・・・? <シスカンパニーHPより>
 おけぴでかなりお得な感じで譲渡してもらって観劇。まあ、商業感の強い演劇でとりあえず観てみようって思ったけど、なんのなんの舞台が美しく、主だった役者さんの存在感のあることあること。ものすごいお得だった。小池さんの立ち振る舞いが美しく、引いている時の光のあたっている役者さんを見る所作とかもすごく素敵、観る度により好きになってしまう女優さん。ただ、今この本をなんでわざわざ掘り起こしたんだろって。あと、回り舞台の裏で次のセット組む音が芝居中に響いちゃうのはいかがなものかなぁ。
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No:023  隣人予報 / 企画集団マッチポイント
Theater:ザムザ阿佐谷
Date:4/6 M
Sheet:自由
Price:\4,000
作:佐々木充郭
演出:松本祐子
出演:岡まゆみ、野村佑香、弘中麻紀、野本光一郎他
 父の誕生日に集まった子供達。しかし、企画したのは父のマンションの隣に住むカップル。それぞれの思惑をもって集まる子供達。離婚を迷う長女、大きな借金を抱えて金の無心に来る長男、結婚相手を紹介しようと連れてくる末娘。それぞれが自分のことばかりで父のことはほっておき、そんな父は隣人に優しくされ、新しい日々を過ごしていた。隣人の無報奨な善意を怪しむ家族たち、妄想癖の伯母、母の幽霊、借金取りなんかも現れて、てんやわんやの家族とはなお話。
 弘中さん、野本さん、岡さんと出演なので、チケットとったけど、プレイガイドを通してなくて、手に入れ方が分かりにくい、分かりにくい。お芝居はテンポ良く進むも、後半エピソード詰め込み過ぎで、人物の描き方が雑になった感じ。弘中さん観られたからいいか。岡さんのやってた叔母役なんて飛躍しすぎだし、話もところどころツッコミ入れてくなるような箇所があって残念。
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No:022  ドブ、ギワギワの女たち / ネルケプランニング
Theater:AiiA Theater Tokyo
Date:3/31 M
Sheet:3-23
Price:\5,500
作・演出:江本純子
出演:小橋めぐみ、矢吹春奈、小泉麻耶、ジヒョン、高山のえみ、柿丸美智恵、羽鳥名美子、高野ゆらこ、江本純子他
 これがOLの死に様。とある企業の経理部と総務部のOLたちが体を張って守るものは、 愛なのか欲なのか、エロなのかテロなのか。 オフィスに舞うのは、大量のコピー用紙と巨額の金、そして渇いた髪を濡らして振り乱すギラギラの女たち。 ドブ川に転落一歩手前、ギリギリの人生でもがき続けながらも美しく生き続けるギワギワ女たち。ドブ際と窓際で起こり続ける熾烈なオフィスラブと炸裂するマネーロンダリング!! <ネルケHPより>
 エネルギー全開の江本さんのお芝居。エッって思う役者さんのオンパレードだけど、勢いで進んでく。エロも抑えだけど、結構楽しめる。小橋さんは、小劇場でやってるだけあって変幻自在、毛皮族の方たちが美味しいとこ持ってく構図。
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No:021  うぶな雲は空で迷う / MONO
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:3/24 M
Sheet:D-8
Price:\4,000
 窃盗団を組む、ダメ男たち。飛行船が故障し、不時着した島から飛び立つも、仕事をしに行く目的の島も見失い内輪揉め。しかも、宝の島のお話は、メンバーの吹聴したホラ話だった。結局たどり着いたのは、不時着した島。
 結構MONOらしい作品で最近では好みな感じだったのだけれど、ウトウト、もったいない。でも、やっぱりあの会話劇はおもしろいなぁ。
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No:020  マシーン日記 / 東京芸術劇場
Theater:東京芸術劇場シアターイースト
Date:3/20 M
Sheet:J-10
Price:\5,500
出演:鈴木杏、小路勇介、オクイシュージ、峯村リエ
 ずいぶん前に、映像で見た作品。当時、阿部サダヲ、松尾スズキ、片桐はいり、宝生舞というキャスト。
 女優二人の体当たりの演技に圧巻。ハチャメチャなお話しながらも、生の舞台は引き込まれる。片桐さんのために書かれた戯曲と言っているが、峯村さんもいい感じでは。狂気さとテンポずらすおとぼけさが素敵。杏ちゃんはやっぱり舞台女優だなぁっていう意気込みを感じる。小路さんのキレっぷりもいいけど、オクイさんは、松尾さんを追っかけすぎてる感があってなんか残念。
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No:019  八犬伝 / M&O plays
Theater:シアターコクーン
Date:3/17 m
Sheet:中2 ML-11
Price:\6,000(okepi)
台本:青木豪
演出:河原雅彦
出演:阿部サダヲ、瀬戸康文、津田寛治、中村倫也、近藤公園、尾上寛之、大賀、辰巳智秋、二階堂ふみ、田辺誠一
 紆余曲折あって集まった椿の花の形の痣と光る玉を持つ八犬士。大義の元に、寝込んだ将軍家の跡取りを助けに行こうとするが、実は裏で手を引くものがな、大チャンバラ芝居。
 8人揃うのが2幕の途中ってぐらいに、一人一人は丁寧だけど、その分全体の話が最後に詰め込みすぎ感。阿部さんは、いつもの調子が心地よい。中村倫也さんが、なかなかいい女形、津田さんの声が高くって何か違和感。二階堂さんは、結構舞台向きかも。結構エンターテイメントな仕上がりに河原さんの技光り。
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No:018  音楽家のベートーベン / ダッグスープブロデュース
Theater:こまばアゴラ劇場
Date:3/16 M
Sheet:自由
Price:\3,800
作・演出:ブルー&スカイ
出演:池谷のぶえ、小村裕次郎、金子岳憲、延増静美、村上寿子、田村健次郎
音楽家のベートーベン
 ベートーベンの生涯を切り取りながら、人妻が付き合っていた学生への侘びの為に届くモンゴルからのアイデア。そして、そのナンセンスなアイデアの中にちょいちょい出てくるベートベン。2つの話が交差するナンセンスコメディ。
 ブルースカイから、ブルー&スカイになっても相変わらずな、はっちゃかめっちゃかなナンセンス芝居。笑っちゃうけど何が何だかな内容も、池谷さんのホームグラウンド的な伸び伸びナンセンス、大好き。
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No:017  デカメロン21〜或いは、男性の好きなスポーツ外伝〜 / NYLON100℃
Theater:CBGKシブゲキ
Date:3/10 M
Sheet:F-11
Price:\6,900
客演:内田滋、安藤聖、松本まりか、千葉哲也
 初演の焼き直し
初演よりもストーリー性は薄く、場面場面のコラージュな感じ。その分笑いが多目かというとそんな感じしなかったかな。おちゃらけにしても、消化不良。
三宅さん、大倉さん、犬山さん、峯村さん無し、村岡さん休演でも、これだけのメンバーがそろうのもなんとも贅沢。たまたま、ロマンサーの映像を観た翌日、松永さん、千葉さんと出演者がかぶっていたので、そのギャップに不思議感。若手の女性はみんな綺麗。
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No:016  デキルカギリ / G2prduce
Theater:本多劇場
Date:3/3 S
Sheet:D-6
Price:\6,500
作・演出:G2
出演:山内圭哉、大和田美帆、片桐仁、菅原永二、吉本菜穂子、岩井英人、中川智明、久ヶ沢徹、久保酎吉
G2prduceとしては最後の公演
あるダム湖近くの村の科学者の邸宅。核エネルギー開発を擁護する科学者とその家族。長男は、原発反対運動で追われ行方不明、次男は官僚、甥っ子は政治家、そして、愛娘。ボケが始まったかと思われる家族の元に、遺言状を持った弁護士が現れ、兄弟全員そろったときに、それを公開すると。その家族の秘密とは? 偽の兄を装って、遺言状を明かすも、兄追った警察、匿う娘にほれた地元警官、怪しい隣の主婦が入り乱れての謎解き合戦。家ある秘密とは、隠されたプルトニウム。見つけた後も、核融合させまいと、てんやわんやの顛末劇。
 最期に詰め込んだような、核へのメッセージ性の強い物語に。とはいってもG2店舗はよくすすみ、話自体は重くならない。前半にもっと笑いがあれば、後半とのコントラストが出る気がするけど。久ヶ沢さん、片桐さん、山内さん、吉本さん、菅原さんと揃えておいて、笑い少なめなのは残念。吉本さん、痩せた???
前のトラムのKAKUTAから30分弱しかなく、三茶から下北までタクシー移動・・・
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No:015  秘を以て成立とす / KAKUTA
Theater:シアタートラム
Date:3/3 M
Sheet:B-6
Price:\3,900
客演:清水宏、藤本喜久子、瓜生和成、吉見一豊
「知らなくていいの?・・・このクリニックには、秘密があるのよ」関東近郊にある、町の小さな診療所・守田クリニック。そこは半年前の「ある出来事」をきっかけに医師が体調不良に陥り、長期休診していたが、近頃ひっそりと診療を再開した。近隣住民の間では「ある出来事」についての悪評が近所で出回っており、診療再開を強く非難する声もある。よって再開後も患者はほとんどおらず、この経営難がしばらく続くことを予測した医師夫妻は、両親から譲り受けた母屋の空き室に下宿人を置くことにした。初夏。周囲の批判にさらされながらも再生の一歩を踏み出したクリニックは、元通りの生活を取り戻せたかに見えた。少なくとも、普通の日常を成立させる程度には。だが、守田クリニックには秘密がある。「ある出来事」は、その秘密を生み出したきっかけに過ぎなかったのだ――― KAKUTA HPより
 所々の台詞にぐさり。コッブがいっぱいになる話なんか、もう。清水さんの起用が吉と出たかどうかは微妙。バランスの崩れた感があるんだけど、あの役だったら、中途半端な人はなぁってものあるから。成清さん、原さんがしっかり舞台支えて、瓜生さん、藤本さん、吉見さんの相乗効果。若狭さんの意外な役どころもいいスパイス。そして、自分に当書きかよって思うほど、相性のいい役どころの桑原さん。大枝さんが観られたらなぁって。藤本さんに感情移入できないのは残念だったけど、相変わらず桑原裕子LOVEな気持ちにさせてくれる舞台だった。
雪山素子ショーのおまけ付き
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No:014  あの女 / 猫のホテル
Theater:ザ・スズナリ
Date:2/24 S
Sheet:B-5
Price:\4,600
演出:ノゾエ征爾 前説芝居:千葉雅子、村上航、いけだしん、佐藤真弓、久ヶ沢徹(ゲスト)、菅原永二(飛び入りゲスト)
出演:市川しんぺー、中村まこと、森田ガンツ
 ひとりの毒婦にかかわった、検察と弁護人と告訴人。その男達が追い求める、あの女の真実。こわれそうな男達の哀しくもおかしい物語。(ここまで、猫ホテブログ、千葉さんの記事より)
結婚をほのめかし、男から金を巻き上げては自殺に見せかけて殺害してしまう女。告訴した男は、女性関係も薄く貧窮、なぜ女は男を殺さなかったのか、男はそれでも女を愛したのか。検察の男は、今は若年性のアルツハイマーになり、過去と未来が行ったり来たり。そして、過去を金に変えようとする元弁護人。告訴人が働く寂れた湖畔のボート乗り場での男たちの物語。
 直球勝負の千葉さんの本に、ちょっと舞台裏からの映し絵だけの抽象的なセットと、小道具使わずパントマイムと効果音でのノゾエさんの演出で、3人のガチ芝居。しびれる〜。セット、演出は、あんまり自分好みではないけど、役者さんが月だからなぁ。しんぺーさんの声が小屋にしてはでかすぎる感(前方だったからか)があるけど、まことさんとの目合わして、何も語らないシーンとか、ほんと素敵。そこに、ガンツさんね、とぼけた感じと裏の毒。う〜ん、猫ホテ。
 予定していた久ヶ沢さんのゲスト出演+一緒に本多でマチネだった対談した菅原さんが飛び入りのうれしい前説。それも、深沢さんと飲んだ後に酔っ払ってって、いいじゃない猫ホテ。
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No:013  さらばゴールドマウンテン / ヨーロッパ企画 イエティ
Theater:駅前劇場
Date:2/24 M
Sheet:B-15
Price:\3,000
作・演出:大歳倫弘 出演:松井大悟、石田剛太、酒井善史、角田貴志、土佐和成他
 大阪ガード下の屋台呑み屋。急激なインフレで、貨幣価値が一万倍に、知らずに呑んでいた男達は、法外な請求にてんやわんや。他の客は札束を集め回って精算をしてる最中にも、また貨幣価値があがる。そのことを利用して、返品で設ける男、その男を追いかけるやくざ。そして、見る見る変わる貨幣価値に、みんながそろって大騒動なシチュエーションコメディ。
 風刺芝居ながらも毒々しさ無く、ヨーロッパのテイストは残したままのユニット公演。ご都合主義なのは舞台の性格上ありだけど、コントっぽくなっているので、お芝居観てる感が若干・・・ 酒井さんの役どころが劇団公演と違っているのもまたよしです。
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No:012  BONE SONGS / 劇団鹿殺し
Theater:東京芸術劇場シアターイースト
Date:2/17 S
Sheet:E-9
Price:\4,500
客演:姜暢雄、谷山知宏、森貞文則、松村武
受身を身上とするプロレスラーの娘辛島たえは、夢をあきらめない為、常にえたましらか帝国を目指せとの父からの教えを胸に人生を送る。不良学生として頂点を極め、卓球の道に入ればインターハイを目指せる選手に、そして、ミュージシャンにと、栄光は手にするも、周囲の人間は不遇な目にあってしまうという業を背負って生きていた。母の死、レスラーとしての晩秋の父とその死、ライバルから恋人、そして、夫となる男と、ミュージシャンになるきっかけを作ったその兄、そして、息子。不遇な彼らは、彼女の骨となって、彼女の体で行き続ける。
う〜ん、勢いある舞台。話は、滅茶苦茶ながらもわかりやすく、そして、影の部分を描きながらも、派手な演出や歌。なんか元気になれるお芝居。菜月さんは魅力的で、劇団を引っ張っているようだけど、集団の中で一人が前に出る危うさみたいなものが背中合わせになっている感じがして、長期的なヒヤヒヤ感が。松村さんのおっさんのがんばりに比べ、森貞君の見所が少ないのは残念。なんかいいぞこの劇団
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No:011  トリオ / LEMON LIVE
Theater:OFF OFFシアター
Date:2/17 M
Sheet:C-9
Price:\4,000
出演:西牟田恵、野口かおる、武藤晃子
ゲスト:有川マコト
 小さな演芸場の楽屋の人気も落ち目な女性トリオ漫才。前説の芸人の取り合いで切った張ったの大騒動。実は、男を懲らしめる為の彼女たちの芝居だった。
当然のごとくの野口さん大爆発。その分、普段だったら同じポジションの武藤さんが引き気味に。この公演終ったら、武藤さん引きでも笑い取れるようになって、一皮向けるんじゃないかなぁ。西牟田さん、2週前の撫で撫でとは全く違うキャラで熱演のまとめ役。レモンなので、安心の予定調和も心地よく、3人の乱闘に大笑い。ゲストが有川さんなのも良かったぁ(きださんの回もみてみたいなぁ)。
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No:010  教授 / アトリエ・ダンカン
Theater:シアターコクーン
Date:2/10 M
Sheet:F-10
Price:\5,000(okepi)
原作:五木寛之作「わが人生の歌がたり」
構成・演出:鈴木勝秀
弾き語り:中村 中
出演:椎名桔平、田中麗奈、高橋一生、岡田浩暉、坂田聡、伊達暁、佐々木喜英、上條恒彦、中村 中
アフターライブ:山崎ハコ
〜流行歌の時代を、独自の価値観で生きた歌好きの免疫教授、そして、観念的な恋愛に己をささげた助手〜というサブタイトル
 安保闘争・労働争議などが湧き起こる、高度経済成長期の、60年代日本。これは、そんな時代の趨勢とは無関係に生きていた、「寄生虫」を研究する、ある変わり者の教授と、教授を見つめ続けた助手、また、それを取り巻く、“時代”を生きる人々の物語である。社会とは無関係に生きているかに見えた“教授”だが、彼が唯一、社会との接点を持ったのは、「流行歌」を愛したことであった――。(シアターコクーンHPより)
 主人公が歌謡曲好きとはいっても、それが彼の人格や物語を語るのに、あまりかかわってこないので、コンセプトがいまいちピント来なかった。椎名さんが思いのほか滑稽な部分を押し出したお芝居。坂田さんの長台詞が意外、伊達さんの台詞回しが以前と変わってきた感じ。上条さんの「出発の歌」が生で聞けてラッキー。中村中さんの弾き語り、押し迫ってくるようなピアノの迫力と、それとデュエットしているような歌声にうっとり。
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No:009  撫で撫で / 劇団宝船 泥船公演
Theater:座・高円寺1
Date:2/3 M
Sheet:D-18
Price:\4,000
作:新井友香
演出:ペヤンヌマキ
出演:西牟田恵、黒田大輔、高木珠里、伊藤俊輔他
学生時代からの親友同士、マリカ(西牟田恵)とメグ(高木珠里)は共に38歳。 マリカはサークル仲間の千々岩(黒田大輔)と結婚し、今は働くかたわらで妊活中だが、なかなかうまくいかない憂さを晴らすようにホームパーティと称して仲間と家飲みでガス抜きをしている。一方、メグは年下の恋人・大哉(岩瀬亮)との関係に自信をなくしていた。この恋人と一生添い遂げる決断をするべきか。結婚したら子どもを持つか持たないか、そもそも持てる可能性はあるのか。結婚と妊娠をめぐる、“期限”目前の女たちを巡る物語。
舞台は同じマンションに住む二人の部屋。割り切り結婚した女と自由に生きる女の退避の図。女の幸せとはみたいなオーソドックスな話で、思っていたよりも淡々とすすむ。女と男の考え方の対比みたいなのがうまく、ところどころ台詞にクスリ。役者さんがみんなそつなく、珠里さんの自由さと切なさ、黒田さんの朴訥とした感じがいい。
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No:008  世界を終えるための、会議 / タカハ劇団
Theater:駅前劇場
Date:1/27 S
Sheet:奥 B-7
Price:\3,800
客演:有川マコト、有馬自由、かんのひとみ、高畑こと美、山口森広他
コンピュータの未来を擬人化した舞台、旧世代のコンピュータは正しい答えを得る為の人間のツールであった。しかし、現世のコンピュータは人間の持つ定量化できない感覚も取り入れていた。そのコンピュータをも終末を迎える時代、旧世代は現世代をアップデートを言う形で終らせようとし、再び自分たちの時代が来ることを心待つ。しかし、そこに彼らの時代をやって来ず、彼らも無用となる。次に必要なのは、人間の葛藤やゆらぎなども表現できるものなのか。彼らを操っていたのは、彼ら自身なのか、人間なのか、ウィルスなのか。人とコンピュータの行く末を暗示した舞台。
 導入部思わせぶりすぎて、ちょっと苦手。物語性が出てくる中盤で興味がわいてくるが、終盤の抽象さで頭がまた混乱。普段観ている、有馬さん、有川さん、山口さん、かんのさんという方たちからは意外な舞台で、ちょっと不思議な感じ。それ以外の役者さんも結構、自分の好みな感じの方が多く、舞台自体は飽きなかった。1.5時間は結構いいのかも。
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No:007  ウェルズロード12番地 / 日本の演劇人を育てるプロジェクト
Theater:青年座劇場
Date:1/27 M
Sheet:C-2
Price:\4,500
 いつの話なのかは分からない。とにかくロンドンにある日本食レストラン「有栖川」。日本食が定着しているので、どこの日本食レストランも地元の人などで賑わうのだが、ここだけは違った。ロンドンの生活に馴染めない日本人たちの吹きだまりなのだ。だったら日本に帰ればいいのにと思うような人ばかりが集まっている。例えば・・・・・・会社をリタイアして夢を追うとロンドンにやって来た中年の男は、当初の目的を忘れて、サラリーマン時代の自慢話ばかりしている。他の人達も同じだ。日本でもうまく行かず、そしてロンドンでもうまく行かず。そんな彼らがなぜここに集まるのか?傷を舐め合う為か、それとも憩いを求める為か?・・・・・・しかし彼らは見栄の張り合いを続ける。彼らはここで傷つき続ける。それでも他に行く場所はないのだ。ああ、ダメな人達の集まる場所。そのレストランはお洒落なノッティングヒルからやや西、ウェルズロード12番地にあった。そんな中、日本とイギリスの関係が突然、悪くなったようだ。大丈夫なのか?(青年座HPより)
 最近の土田さんはMONOの作品より、外部に提供した作品の方が昔のテイストが生きている気がする。ただ、土田さんの作品の持つ、勘違いや無知さ、素直さから始まる会話のずれの面白さ、これを十分に引き出してくれるところがないのでは。その点は、MONOのメンバー同士の息や間は絶妙なのではないか。やはり、どこか真面目さや硬さがその面白さを消している気がする。これは役者さんの巧拙ではなくて、相性とか雰囲気なんだろうと思う。今回の公演、役者さんは安心感あるし、ほんの設定も面白い、土田さんのシニカルさも具合良く、楽しめたけど、やっぱりMONOメンバーの出すあの間があればと思ってしまう。細かくは覚えてないけど、「じゃあ、次の問題」なんて感じの台詞はほんと土田さんらしくて好き。
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No:006  ヤバレー、虫の息だぜ / 毛皮族
Theater:座・高円寺1
Date:1/26 S
Sheet:F-26
Price:\3,800
グランドキャバレーが舞台で、セットは上下に分かれ、上はステージ、下は楽屋の構造で、楽屋のガヤガヤとステージのショーが交互に展開。
もう、肝心なとこは隠せどもほとんど全裸のショーです。物語性も、風刺的な要素も無く、ただショーです。高野さんになんか釘付けだった。柿丸さんと他の女性を見ていると、なんか変遷を見ているようで面白かった。出産で出演できない町田さんが、出産前後の映像でちょいちょい出てくるのは結構好き。
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No:005  三人獅子舞 / ナカミチ円陣
Theater:シアター711
Date:1/20 M
Sheet:A-2
Price:\3,500
作・演出:福田転球
客演:小椋あずき、大堀こういち、佐伯太助、シューレス・ジョー
女性三人の獅子舞。ある地方都市のイベントに出演する予定が、一人はインフルエンザでこられず、もう一人携帯を無くし捻挫をして遅刻してくる。残った一人は、頭のパートではなく、どうにもならない状況。そこの実行委員のお手伝いの青年たちが混じっててんやわんやの大騒ぎなドタバタコメディ。
小椋さんが大騒ぎで、笑いを担い。その他の役者さんもとぼけた笑いを連発。特に、大堀さんの関わり具合が絶妙で、うまいなあって。お話的には、消化不良な感も、楽しい小劇場は心を豊かにしてくれます。
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No:004  祈りと怪物〜ウィルヴィルの三姉妹〜<蜷川バージョン> / シアターコクーン・オンレパートリー
Theater:シアターコクーン
Date:1/14 M
Sheet:コクーンシート BL-4
Price:\5,000
脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:蜷川幸雄
出演:森田剛/勝村政信/原田美枝子/染谷将太/中嶋朋子/三宅弘城/野々すみ花/大石継太/石井愃一/橋本さとし/三田和代/伊藤蘭/古谷一行他
蜷川版のセットは、舞台の上に台座、その上を壁や置物が場面場面で入れ替わるもの。ディテールを作りこんだKERA版とは大きく違う。蜷川版の方が、商業演劇っぽく、台詞が客席に投げかける感で全体的にエンターテイメント。台詞は、ほぼ一緒だと思うけど森田君を真ん中に置いて感があって、一人長台詞があり。小出君の素朴な感じのほうが好きかな。ドン・ガラスは勝村さん、生瀬さんの悪さよりよりは、独裁感の強い感じ。その他キャストも、ほとんどそれなりにだけど、小劇場好きの自分としては、どうしてもKERA版に感情移入。蜷川版では、原田さんが素敵だったかな、久世さんも良かったけど、個人的な好みで原田さん。メメとパキオテ、どうなるのかと思ったこの当て書きのような二役。犬山さんしかイメージできないこの役を伊藤蘭さん、がっかりさせられないでよかったと思ったてことは、そうとううまいことやりきったのでは。大倉さんの役が、三宅さん、「シャープさん、フラットさん」を思い出させてにんまり。個人的は、大倉さんの方が好き。蜷川版も見ごたえ十分でありました。自分の肌に合うのはKERA版でした。どうせなら野田さんや松尾さんなんかの演出で、古田さんのドン・ガラスが見たいと思った、いのうえさんの演出でも面白そうだけど。
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No:003  阿修羅のごとく / Quaras
Theater:ル テアトル銀座
Date:1/13 S
Sheet:6-4
Price:\9,800(割引チケットだったので実際はもうちょっと安い)
台本:瀬戸山美咲
演出:松本祐子
出演:浅野温子、荻野目慶子、高岡早紀、奥菜惠、林隆三、加賀まりこ、伊佐山ひろ子、大高洋夫、山本亨、中山祐一朗他
 なんともクラシカルな仕上げに感じた。浅野さん、荻野目さんの演技は、商業演劇感が満載な感じがして自分には合わなかったかな。伊佐山さん、中山さんが笑いを持っていっている感じがけど、笑いも少なめ。
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No:002  東京ノート / 東京デスロック
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:1/13 M
Sheet:自由
Price:\3,500
演出:多田淳之介
 青年団版じゃない「東京ノート」。舞台と客席を平場にして、毛長のカーペットをしいて、いくつか長椅子。上に舞台と映像を重ねて写せるモニター。役者は客席の合間をぬって演技。
 プロローグ、エピローグが、本編とは別に映像でついていて、長めになっている。オリジナルとは、一組の役を二組みにしたりと、セリフの順番を入れ替えたりとしているが、ほぼ崩さず。最初、ちょっと思わせぶりだなって思ったけど、これはこれで素敵。何人かの役者さんがう〜ん、ちょっとな感じなのがちょっと残念。でも、この作品は、やっぱり素敵。
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No:001  音のいない世界で / 新国立劇場
Theater:新国立劇場小ホール
Date:1/4 M
Sheet:C4-1
Price:\6,250
作/演出:長塚圭史
振付:近藤良平
出演:近藤良平/首藤康之/長塚圭史/松たか子
 小劇場大切なカバンを盗まれたことで「音」を失ってしまった女性がカバンを取り戻そうと旅に出ます。その女性と、彼女を追う夫を軸に綴られる不思議な一夜の物語。
 新しい試みもいいと思うし、役者さんそれぞれの表情や動きも素敵なファンタジー。だけど、ピンとこなかった。
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