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自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)
★は、自分のお気に入り度

火宅か修羅か/キル/天井/ムコウカタ/革命日記
路地裏の優しい猫/ちいさき神の、つくりし子ら/ウラノス/恋する妊婦/からっぽの湖
Oh!クラウディア/もやしの唄/ある結婚の風景/なるべく派手な服を着る/東京
だるまさん、ころんだ/MIDSUMMER CAROL/洞海湾/どん底/莫逆の犬
HAKANA/空中ブランコ/物語が、始まる/49日後/けんか哀歌
失われた時間を求めて/夜光ホテル/まどろみ/恐竜と隣人のポルカ/おしるし
鳥瞰図/春子ブックセンター/ハイ!ミラクルズ/A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM/
眠れない夜なんてない/羊と兵隊/審判員は来なかった/道元の冒険/SISTERS
更年期SHOWガール/なんせんす/旧歌/ピース/阿片と拳銃
あんなに優しかったゴーレム/ペガモ星人の襲来/のび太とアニマル惑星/めぐみのいろは/葡萄
Fabrica[11.0.1]/シャープさんフラットさん/ゆすり/シャープさんフラットさん/シングルベッド
ベントラー・ベントラー・ベントラー/思い出トランプ/私生活/幸せ最高ありがとうマジで!/喧嘩農家
バッタモン/ザブザブ波止場/七人は僕の恋人/昭和島ウォーカー/ジャージマン
冒険王/あれから/ソラヲカゾエル


No:068  ソラヲカゾエル / G−up
★★★
Theater:中野ウエストエンドスタジオ
Date:12/28 M
Sheet:自由
Price:\3,300
作:広瀬格
演出:Peter.F.pumpkinhead
出演:有馬自由、有川まこと、瓜生和成、工藤潤矢、細見大輔
 病院裏の空き地に呼び出された4人の男達。しばらく会っていなかった同級生達であった。呼び出した男は、病院に入院していた同級生、昔話をして、それぞれに今を抱える男達を呼び止める。久しぶりに会った男達も、小さな見栄やプライドを解放し、今を語る。しかし、呼び寄せた男は、入院していた生徒の兄であった。みんなと遊ぶことを夢見て病室で過ごしていた弟はベットの上の生活をしたままで、小さな頃弟に冷たく接してしまった悔いを晴らそうと、弟のアルバムに彼らの写真を張ろうとしたのだった。
 消化不良。なんか中途半端で、主催者が気に入った役者さん集めて、鉄板にしておいて、思いついて公演しているんじゃないのって感じ。最後に音響のもの凄いチョンボつきでよりがっかり。工藤さん、瓜生さん、有馬さん、有川さんと役者さんが揃ってたから観にいったんだけど、やっぱりG−upは客無視なプロデュースばっかりの残念企画。
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No:067  あれから / シリーウォーク
★★★★
Theater:世田谷パブリックシアター
Date:12/21 M
Sheet:I-6
Price:\8,500
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:余貴美子、高橋ひとみ、渡辺いっけい、高橋克実、萩原聖人、岩佐真悠子、柄本祐、山西惇、赤堀雅秋、植木夏十
 偶然再会した中年の女性、かつて同じ教師に憧れを抱く同級生であった。一人は、静物のカメラマンである夫のアシスタントと浮気をし、夫も初めての人物写真のモデルと浮気をしている。もう一人は、夫は大人のおもちゃを製造する会社の社長で娘が一人、以前に息子を事故でなくしていた。そんな二組の夫婦が様々な偶然な事柄から、二人の過去を精算し、夫婦の再生をする物語。
 2幕の構成で、もの凄く細かにエピソードを詰め込む前半と、一気にストーリーを展開して行く後半。特に、後半のストーリー展開やエピローグは、今までに無いケラさん作品になった感じ。主演二人が、タイトルの「あれから」という台詞を喋る時があるが、高橋さんの方の台詞がなんか雑に感じてしまった。カメラマンのアシスタント役の柄本さんの演技もちょっと自分には違和感。余さん観たさが先行したけど、特に強い印象無し。植木さんが今回も素敵。とってもケラさんの真摯が伝わった作品。
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No:066  冒険王 / 青年団
★★★★
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:12/7 M
Sheet:自由
Price:\3,500
 2002年劇場で観た作品の再演。
 以前よりも若くなった作品。かえってリアリティがあるような。現代とも違うし、日常とも違うのになぜか温度が感じられるリアルさ。空気が素敵。世界を股にかける帰らない人々は、もしかしたら自分の中にも存在するのかも。平田さんの描く普遍性に、また酔う。
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No:065  ジャージマン / プロペラ犬
★★☆
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:11/29 M
Sheet:G-1
Price:\5,300
 話が繋がっているコントオムニバス
 結婚を控えた男女の前に横恋慕のヒーロージャージマン、花嫁の引っ張り合いで、新郎の手が。
 その時にあった交通事故で死んだ男の元に、きっかけの猫の霊が。
 新郎の幼少の記憶、ジャージマンの妄想。
 新郎強くなるために、修行へ。
 花嫁を取り戻すために行く新郎。ジャージマンは、自分の妄想だった。
 なんか中途半端。水野さんは、素でいる透明感や天然さがすごく素敵だけど、はじけるならもっとはじけた方が。\5,300は高すぎ。もっとコント色強く振って、だから、何? 見たいな方が素直に楽しめる。せっかくお笑いの人起用してるんだし。
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No:064  昭和島ウォーカー / PARCO劇場
★★★☆
Theater:グローブ座
Date:11/22 S
Sheet:2-B-46
Price:\8,500(\6,000:okepi)
作・演出:上田誠
出演:井ノ原快彦、京野ことみ、松本まりか、粟根まこと、福田転球、中山祐一朗、ヨーロッパ企画メンバー
 人口が増え、さらに工業化が進んだ近未来、うらぶれた町工場「アサヒロボット」の作業場。工場長(福田転球)や元ヤン女工(京野ことみ)をはじめ、工員達(ヨーロッパ企画メンバー)は皆一様にやる気のない仕事ぶり。新コンセプトのロボット開発中に先代の社長が謎の自殺を遂げて以来、同志だったマネージャー(粟根まこと)は酒浸りの日々。そこへ父親と違い、機械にはめっぽう弱い先代社長の息子・二代目(井ノ原快彦)が工場へと舞い戻ってきた。二代目は工場のラインを壊すなど失敗ばかりだが、これを発端に工場が改善され工員達は覇気を取り戻していく。その一方で、エリート(中山祐一朗)が実は新しいロボットを開発したがっていることや、若い女工(松本まりか)がアサヒロボットに対してひそかに情熱を抱いていること、元ヤン女工が昔アサヒロボットの2足歩行自動販売機に助けられたこと、などが明らかになってくる。二代目は懸命に工員達を説得。「こんなときこそ僕らにしかできない仕事をしましょう!僕らで新しいロボットを開発しましょうよ!」 二代目と若い女工のはかない恋や、先代社長の自殺の謎も絡めつつ、果たしてアサヒロボットは再起を果たすことができるのか!?(PARCO HPより)
 ヨーロッパ企画の舞台をそのまま大きくした感じのテンポとストーリー。家族が描かれた分、舞台→大、ストーリー→こじんまりな構図になった感じ。役者の掛け合いの中に、井ノ原さんが入ると、ちょっと違和感があり、面白いところがしぼむ気がする。中山さん、粟根さんと押さえ気味で、後ろに行っているのも残念。上田さんの魅力が消されていないのがいい。
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No:063  七人は僕の恋人 / ウーマンリブ
★★☆
Theater:本多劇場
Date:11/8 S
Sheet:I-5
Price:\5,400
客演:峯村リエ、池田成志、遠山景織子、星野源
 コントオムニバス
 女7人男1人の分校の女子クラスに自慰をした後にティッシュが、誰を想像して、誰が可愛いって、濃いキャラ女優が大賑わい。
 なぜか伊勢志摩が、パチンコCRのキャラに、なんで、なんでの撮影ドタバタ風景。
 35年前のアイドルのファン倶楽部のイベント旅行。爺さんになったアイドルとおばさんたちは大騒ぎ。
などのどうでもいいお話の2時間
 最初は、笑ってられるけど、途中から食傷気味。ごちそうさまでしたって言っても、まだ出てくる、こってりグルメ。
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No:062  ザブザブ波止場 / 道学先生
★★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:11/8 M
Sheet:C-12
Price:\4,500
客演:井之上隆志、草野徹、中野英樹、朝倉伸二他
 宮崎の港町油津の漁協の事務所。真面目に働く2人の女性、入り浸る職務怠慢の警官、土佐の港から流れ着いた影のある漁師、東京から来た大学での男と、地元の漁師達。荒くれ者の漁師の船が行方不明、浮気性の妻に嫌気がさし、他の船に突っ込もうと自爆行為。街では貞淑と思われた妻であるが、箱を開ければ街の男達はみんな兄弟。しかも、妻妊娠。自分だけ棚に挙げ事件をもみ消そうとした船元が、自分の子供が出来たと妻を無理矢理娶るという強引な展開。事務の女の子に密かに想いを寄せるエリート、でも、その子も妊娠、若い漁師と結婚。土佐の漁師はゲイ、博多から来ている垢まみれの刑事と盛りだくさん。
 港町のお馬鹿な男達、みんな楽しそう。井之上さんの壊れっぷりは、ここでも健在。そして、演奏あり、歌ありの楽しみも。みんな宮崎弁だけど、草野さんのは東北交じりでなんか変。なんも考えず楽しくあっという間に過ぎてく時間。
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No:061  バッタモン / トム・プロジェクト
★★★☆
Theater:ザ・スズナリ
Date:11/3 M
Sheet:C-7 → 通路補助席(人身事故電車遅延)
Price:\4,000
作・演出:中津留章仁
田畑智子一人芝居
 婚約中の男が小さな諍いの後に、事故死してしまい、その傷を背負ったままの一年後の日。元彼が、刑事の訪れてきて、その男を下の階の偏執的な女を利用して刺し殺してしまい、その翌朝に、バッタを大都会に放って、テロを起こすという夢を朝方に見た女のお話。世間の価値観と自分の間を悶々とする女。
 田畑さんのお芝居に対する真面目さがとても伝わってくる舞台。話の中にテロだの世界経済だのと話が大きくなって、夢落ちって言うのはいかがなものかなぁ。小劇場の公演に出る事があったら、是非観てみたい役者さん。永作さんのやった「人間風車」の役なんて観てみたなぁ、とっても素敵な女優さん。
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No:060  喧嘩農家 / 劇団HOBO
★★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:11/2 M
Sheet:C-9
Price:\3,800
作:平田侑也 演出:おかやまはじめ+劇団HOBO
 地方の農家、四男と末娘の家族に、農家を手伝うと都会から戻ってきた男が婿に来る。家計が行き詰まった一家は、末娘のガソリンスタンドとバスの運転手をしている四男の収入で何とかやりくりしていたが、借金が募るばかり。次男がダチョウの飼育を始め、三男が村会議員に立候補することにより、一家は破産の一途をたどり、家族も散り散りになることになる。また一家には、村の独自の厄払いをする役目があり、娘がその役割をになっているが、旦那には守護霊がたくさんついていて、四男はより力が強く、娘が村を離れる時にその役目を譲る。という示度ストーリーあり。
 TOPS・役者と好条件のお芝居。これで、楽しめないわけは無い。芝居もテンポ良く、間がよくだったけど、どうも中途半端にテーマ投げてほっぽり放し感が。「らくだ工務店」でも、同じ感じがするんだよな。おかやまさんの不器用な男っぷり、林さんの馬鹿おやじっぷり、由美子さんのけり連発は最高。いい役者さんたちが楽しそうにやっている舞台は観ていても楽しい。
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No:059  幸せ最高ありがとうマジで! / PARCO Presents
★★★☆
Theater:PARCO劇場
Date:10/26 M
Sheet:D-6
Price:\7,000
出演:永作博美、近藤公園、前田亜季、吉本菜穂子、広岡由里子、梶原善
 舞台は「エリートが書いたもんをヤクザが売る」とからかわれる、とある町の新聞販売所。慎太郎の留守中に、彼の愛人を名乗る得体の知れない女・明里が突然現れる。もともと慎太郎の女癖の悪さは病的とも言えたため、妻と子供たちはその話を信じ込んでしまう。が、家族は一丸となって明里の存在を無かったことにしようとする。嫉妬でおかしくなったように家に上がりこもうとする明里を、妻と息子と娘は協力して阻止。明里は道に放り出されるが、住み込みバイト・えいみの手引きによって、なぜか敷地内のプレハブ小屋に密かにかくまわれることに。こうして、誰にも予想できない復讐劇の幕は上がった・・・。(PARCO HPより)
 実際には、明里の虚言であり、物語の始まりに過ぎない。明るい心の病んだ女は、無差別に新聞店を襲った。そこには、たまたまリストカットする主人とするアルバイトの女、知りながら影でみている妻、社会になじめない兄と、その兄をさげすむ異母兄妹の妹のオールスター家族。ここに明里が油を注ぐ。
 本谷節全開、だけど、全員がずれているので、なんかちょっととっちらかっちゃう感じ。永作さん、吉本さん、広岡さんとはまり役。それぞれの絡みのシーンはそれだけで面白い。ちょっと、セットが豪華になっている分、本谷さんの舞台には違和感。
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No:058  私生活 / シアタークリエ
★★★
Theater:シアタークリエ
Date:10/15 S
Sheet:8-29
Price:\10,500→\8,000(okepi)
出演:内野聖陽、寺島しのぶ、中島朋子、橋本じゅん
 フランスの避暑地・ドーヴィル。美しい眺めを望むリゾートホテルには、 2 組の新婚カップルがハネムーンを楽しもうとしている。 1 組目はエリオット(内野聖陽)とシビル(中嶋朋子)。そして、もう 1 組はアマンダ(寺島しのぶ)とヴィクター(橋本じゅん)。偶然にもエリオットとアマンダは元夫婦だった。同じホテル、それも隣りに泊まっているとは知らない 2 組のカップル。シビルとヴィクターはパートナーの「前の相手」が気になって仕方ない。そんな「今の相手」に多少うんざり気味のエリオットとアマンダは、スゥイートのバルコニーでくつろいでいる時にばったり遭遇。お互いの部屋が隣同士だと気づく。エリオットとアマンダはホテルから今すぐ出たいと、お互いの『今のお相手』に御願いするが、断固拒否される。 5 年ぶりの再会、『今のお相手』の無理解をキッカケに、元夫婦の恋の炎は、瞬く間に燃え上がる。お互いをまだ愛していると気づくエリオットとアマンダは、ハネムーン中の駆け落ちを決行する。 恋の逃避行さながらにアマンダ所有のパリのアパルトマンに転がり込んだ 2 人は互いの伴侶へのひどい仕打ちに自己嫌悪を見せかけながらも、情熱的に愛し合っていた。しかし、もともと激しい気性の二人は、会話を重ね、同じ屋根の下で住むにつれて、お互いへの対抗意識に火がつき始める。エリオットはアマンダに「人の気持ちが読めない」と言い、アマンダは「気持ちを読む。あなたには思いやりがない」とエリオットに言い返す。おすまし顔の些細な口論から、罵り合い、掴み合いの大喧嘩に急転直下。駆け落ちして間もないのに、またしても 5 年前の悪夢が再現される。大ケンカは最高潮に達したところへ、ヴィクターとシビルもやってくる・・・。(クリエHPより)
 内野さんは、役どころもあるのかもしれないけど、テレビの方がかっこいい。寺島さんは、いつもながら変に色っぽく、じゅんさん前半声ガラガラ。2人の感情のスイッチの入るタイミングが、どうも流れからつかみにくく、いきなり感。どうでもいい喧嘩の話を延々と見せられている感じ。
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No:057  思い出トランプ / ONEOR8プロデュース
★★★★☆
Theater:青山円形劇場
Date:10/18 M
Sheet:H-22
Price:\5,500
脚本・演出:田村孝裕
出演:田中麗奈、根岸季衣、八十田勇一、宮地雅子、弘中麻紀、中島愛子、野本光一郎、恩田隆一、和田ひろこ、富田直美、阿知波悟美、山口良一
 思い出トランプの中から、「大根の月」を軸に、「かわうそ」(主人公の実家)、「花の名前」(実家で懇意にしている不動産屋)、「だらだら坂」(不動産屋の愛人)のお話が組み合わされ、「大根の月」の指を切られた子供が結婚した後、祖母の葬儀の日がエピソードとして足されている。
 上手く話を繋げていて、その後が描かれていて、より話に厚みが。ONEOR陣は、野本さん以外は基本的に、原作には無い役だけれども、今回の中で上手い繋ぎ目。特に、主人公の姉演じる和田さんの妹を叱咤するシーンは泣ける。田中さんは、その後に出てくる老いた主人公の演技がキラり、容姿は歳を取れていないが、背負った過去を表現していた気が。根岸さん、阿知波さんはテレビのまんまだった。山口さんの陰の演技も見所。弘中さんの出番が少ないのが残念。
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No:056  ベントラー・ベントラー・ベントラー / Piper
★★★☆
Theater:スペース・ゼロ
Date:10/13 M
Sheet:3-4
Price:\6,500
客演:楠見薫、鈴木蘭々、平田敦子、松尾貴史
 「スプーキーハウス」、「ひーはー」の舞台を地下の宇宙基地に移し、そこにやってくる地球人が、それぞれの勘違いと入れ違いでストーリーが進む、ドタバタコメディ。
 「で?」「べつに」、カーテンコールの後藤さん。これが魅力のシリーズであるけれど、ちょっとつくりが雑すぎる感じ。特にエレベータを使うシーンは、役者の出入り含めていい加減すぎ。そういった間まで、計算されていたから面白かったのに。しかも、パコネタと過去ネタふんだんで、初見の人置き去り。松尾さんも押さえ気味、急遽当番の蘭々さんはいい感じだけど、なんせ平山さんの当て書きっぽいので。どうだろう?
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No:055  シングルベッド / LEMON LIVE
★★★☆
Theater:駅前劇場
Date:10/12 S
Sheet:E-6
Price:\3,800
 つぐみ(勝平ともこ)は、数日後に結婚式を控えていた。三十路も半ばを折り返したつぐみにとって、この結婚はラストチャンス。しかも結婚相手は神戸の貿易商の御曹司・カオル(岡田達也)。是が非でもこのチャンスを逃したくないつぐみは、カヲルの母から要求された「支度金五千万円」を、半年前から雇ったよもぎだ(有馬自由)の助けもあって、なんとか作り上げた。しかし、その結婚を快く思わないのが弟・三太(佐野賢一)。その三太が帰ってくる日がやってきた。ところが、長年つぐみに想いをよせている町内会長の一人息子・てっちん(朝倉伸二)と、その使用人・玉置(森田祐吏)がつぐみの引っ越しの手伝いをしているところへ現れたのは、三太ではなく、内山俊夫(きだつよし)と名乗る大阪府警の刑事。結婚、引っ越し、店じまいとただでさえテンヤワンヤの店内に、更なる複雑珍奇な事件を持ち込む迷惑刑事。ついに、完璧に仕組まれていたはずのカヲルの計画が狂い始める―――果たして、つぐみの恋の行方は……。 (劇団HPより)
 きださん最初うわっついた感じがするも、だんだんになじんでくる感じ。有馬さんが、舞台の空気を作っているので、だらだら感が無くていい。岡田さん、小道具仕込み忘れ。勝平さん、ヒロインにはちょっとイメージ違い。塩湯さんで観てみたかったな。
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No:054  シャープさんフラットさん / NYLON100℃(ブラックチーム)
★★★★
Theater:本多劇場
Date:10/11 M
Sheet:F-5
Price:\6,800
出演:大倉孝二、犬山イヌコ、みのすけ、峯村リエ、長田奈麻、植木夏十、三宅弘城、小池栄子、坂井真紀、住田隆、マギー他
 冒頭の煙役の大倉さんのモノローグに違和感。煙は圧倒的に三宅さんの方がいい感じがするんだけど、美果との関係性で観るとブラックチームの方が好き。研々さんの夫婦もイヌコさんの悲しさは圧倒的にいいんだけど、夫婦としてみると廣川・村岡組になったりと、バラエティーでも楽しませてくれる舞台。小骨は、六角さんよりの植木さん。エキセントリックな印象が強いけど、哀の部分を演じるナイロンの役者さんはとっても素敵。
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No:053  ゆすり / アル☆カンパニー
★★★
Theater:SPACE雑遊
Date:9/28 M
Sheet:自由
Price:\3,500
作・演出:青木豪
出演:大谷亮介、平田満、井上加奈子
 マンションの家賃収入で暮している中年の男。世話をしてくれる近所に住む妹、二人の元に、父の代に部屋を借りていたという男が突然やってくる。男は、兄と良く酒を酌み交わしたといい、マイペースに話を続ける。男の昔話から、兄妹をの危うい関係が明らかになる、そして、妹は双子で一人は亡くなっている、兄妹は言う。その関係を断ち切るために、死んだ妹は、二人が生み出し殺してしまった偶像であった。
 青木豪さんの本だったけど、兄妹の禁断の関係という設定が、ある種の普遍性を生み出す要素を消している気がして残念。奥さんの井上さんは、顔の筋肉を動かせるの? びっくりな演技。大谷さんはこういう演技に説得力があるなぁ。平田さんの見所が少なくて残念。
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No:052  シャープさんフラットさん / NYLON100℃(ホワイトチーム)
★★★★
Theater:本多劇場
Date:9/23 M
Sheet:C-14
Price:\6,800
出演:三宅弘城、松永玲子、村岡希美、廣川三憲、新谷真弓、大倉孝二、佐藤江梨子、清水宏、六角慎司、河原雅彦他
 時はバブルのある劇作家、人々の面白いと思うものと自分の面白いと思うのものずれから不振になり、都心から離れた高級サナトリウムに身を隠して暮している。サナトリウムには、体の不自由は無いのに、同じように世の中の中心から、外にでようという人々が暮している。彼を追いかけてくる劇団員との確執、サナトリウムに暮す人々の物語を紡いで、ナンセンスな笑いにくるんだお話。
 ケラさんっぽいなって感じた作品。ほんとに役者や演出の間が無いと、舞台を壊してしまうようなギャグに、時代背景を風刺したような含みのある物語。役者の視線とセットの関係や、役者同士の関係性など、細かい演出をしてそうだなって印象。松永さん、村岡さんが、実力分しか出てなくて、新しい感じが見たい。皆戸さんは、「わが闇」の狂気の妹から、がらりとイメージが代わった役。客演の河原さんはいつもの河原さん、佐藤江梨子さんはなんかそのまま。三宅さんは、もうちょっと半音ずれた感じを、大げさに演じてもらった方が頭の悪い自分にはわかり易くていいんだけど。
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No:051  Fabrica[11.0.1] LOST GARDEN / ROBOT
★★★☆
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:9/21 M
Sheet:J-6
Price:\3,500
脚本:高井浩子 演出:本広克行
出演:安藤聖、川田希、古山憲太郎、永野宗典他
 若者二人の主宰する劇団、知り合いの小説家に脚本を依頼するも、招いたやり手の演出家に全て書き換えられてしまう。女優間の確執や演技の巧拙などもありながら初日を迎えるが、当日、一人が死んでしまう。結局は、演出家が代役を務め、舞台の幕は開く。この物語に、三人の姉妹と弟、若いフィアンセのいる病気の父の家族劇という劇中劇で展開するお話。
 三作品の中では一番観やすかったような。笑いは永野さんで繋いでいる感じ。永野さんの役の男の死に対してのフォローがない気が、自殺であれば動機はダメだしであり、その演出家舞台に出る展開はどうなの。あの場で事故って無い気がするし。
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No:050  葡萄 / THE SHAMPOO HAT
★★★
Theater:ザ・スズナリ
Date:9/14 M
Sheet:E-12
Price:\4,000
客演:那須佐代子、池谷のぶえ、いせゆみこ他
 ある山村の民宿の居間のような場所。殺人の罪の服役から出てきた男といつもうつむいている手伝いの女。男は、民宿を営む夫婦とは知り合いで、妻は過去に関係があったよう。息子が数日引きこもってしまっている夫婦であるが、妻の熱心さと裏腹に夫は不器用にその気持ちと表せずにいる。傍若無人な態度で振舞う男と、もう帰ってくれという妻、誰にも悪く出来ない性格から引き止める夫、そして、なぜか男に引かれていく手伝いの女の間のイライラしたじ時間。そんな中町では、コンビニ強盗があって犯人探しが行われ、警官が男を連れにやってくる。手伝いの女に求婚する男、受け入れる女。
 シャンプーはやっぱり肌に合わない感じ。当然わざとの演出なんだけど、舞台から来る負のオーラに嫌〜な感じ。池谷さんがエキセントリックさを出さずに、目線の演技で魅力的。
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No:049  めぐみのいろは / らくだ工務店
★★★☆
Theater:THEATER/TOPS
Date:9/13 S
Sheet:A-8
Price:\3,500
客演:麻乃佳世、林和義、古川悦史、工藤潤矢、佐藤拓之
 ある町の消防団の集会所、若者離れで中年の集まりになっている消防団員たち。それぞれに悩みや不安を持ち日々を暮らしている。団員の一人は、放火の被害にあり集会場に暮らしている。火をつけられてことによる不信感は団員たちにも向けられる。ある日、募集広告をみてやってきた中年の美しい独身女性。どこかに過去を秘めた感じのする女性に、メンバーたちは、戸惑いながらも喜ぶが、放火された男は、彼女にも疑いの目を向け、言葉に出してしまう。彼女への疑いが晴れた後にも、他の団員に疑いをかける。その団員がある事をきっかけにやけになり、町へ出た際に放火があり、残りの団員から男は疑われるが、男は放火犯を捕まえていた。その他、離婚して娘と会えなくなった父、バツ一の妹とその兄、父から受け継いで団員をしている最年少の男。それぞれのエピソードと共に描かれる。
 舞台の雰囲気はいつもながらとてもいい。役者さんも素敵。本にもう一つテーマみたいなものが感じられるといいんだけど。麻乃佳世さんは、ちょっと浮いた感じ、瓜田さんスタイルが良くて、ちょっとドッキリ。
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No:048  舞台版ドラえもん「のび太とアニマル惑星」 / サードステージ
★★★
Theater:東京芸術劇場中ホール
Date:9/7 S
Sheet:B-18
Price:\6,000
脚本・演出:鴻上尚史
出演:坂本真、すほうれいこ、脇知弘、小林顕作、板垣桃子、平野勲人、澤田育子他
 ある夜、のび太(坂本真)はピンクのもやをくぐって見知らぬ森に迷い込む。そこでは、なんと動物が人間の言葉で話していた!翌日、みんなに話しても誰にも信じてもらえない。その夜、のび太は夢の正体をつきとめようと再びもやの中に入り込む。 後を追ってきたドラえもんと一緒に、もやの向こう側を探検していると、チッポ(板垣桃子)という犬の少年に出会う。 次の日、しずか(すほうれいこ)も誘い、再びアニマル星へ遊びに行くことに。だが、こっそりついてきたジャイアン(脇知宏)とスネ夫(小林顕作)は、もやの中をさ迷ううち、荒れ果てた星(アニマル星の月)に着いてしまう・・・。地球に戻ったのび太たちに、チッポからSOSのメッセージが届く。宇宙救命ボートで再びアニマル星に到着したのび太たちが見たのは、廃墟と化した街だった!のび太たちは、アニマル星を守るために、チッポたちとともに月から来た敵に立ち向かう!  試みは買うけど、もっと大人が見ても面白いものにして欲しかったかな。逆に子供が演出についていけないところもあったりとちぐはぐ感。役者さんもこれといってな感じ。注目の小林顕作さん、澤田育子さんも抑え目。勲人さんも抑え目だったけど、らしさは出せてたかな。のびた君は、違和感ありあり。社会的な下りの部分は、もうちょっと子供目線がいいかと。
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No:047  ペガモ星人の襲来 / G−up Prestns
★★★
Theater:駅前劇場
Date:8/30 M
Sheet:H-3
Price:\3,980
作:後藤ひろひと/演出:関秀人
出演:大内厚夫、有川マコト、小椋あずき、柿丸美智子他
 あるラジオ制作に関わる男が、以前幻といわれた効果音を使ったドラマ番組”ペガモ星人の襲来”が、1回の放送で打ち切りになってしまった謎を追う。なぜ打ち切られたのか、どんな効果音だったのかを求めて、旧来のスタッフの子供、そして、唯一生き残っている男を集め、ラジオドラマを再び作ろうとするが、生き残っている男は、承諾をせず過去も語ろうとはしなかった。しかし、徐々にここを開き、その話が話される。
 疲れがあって、終始うつらうつら、見所特になし。後藤さんの魅力の本とも思えず、なぜこれを取り上げたのか?小椋あずきさんとハイバイの祝いさんの掛け合いが面白かったかな。全体的に、キャラクタで無理やり笑い作るが、力量でただの空回りになっちゃてるところが多数。
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No:046  あんなに優しかったゴーレム / ヨーロッパ企画
★★★★☆
Theater:あうるすぽっと
Date:8/24 M
Sheet:J-5
Price:\3,300
 ある町に新人野球選手のルーツをたどる取材にきたTVクルー。そこでは、土人形に命が宿るという都市伝説があった。野球選手は、ルーツはゴーレムという土人形とのキャッチボールであると言い出しクルーは大困惑。町の人々は、ゴーレムは地下で孤児を育てていて、クルーの一部がそれを見て、その存在をみんなが信じてく。そして、クルーの一人が昔見たという、ペガサスまでもが見えるようになる。目に見える理屈だけが、本当に正しいものなのか。そんなことも考えさせてくれる作品。
 役者通しのテンポのいい掛け合いが楽しく、前に観たブルーバーズ・ブリーダーズの時にいまいちと思ったストーリーも筋が通っていて面白く、満足の作品。これで、\3,300だよ。個人的には、前から好きな永野さん、諏訪さん、本多さんに眼が言ってしまうが、チームワークも抜群。テレビ系の仕事が多い方たちなので、設定も得意な分野でよりよかったのかも。
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No:045  阿片と拳銃 / M.O.P.
★★★★
Theater:紀伊國屋ホール
Date:8/16 M
Sheet:F-7
Price:\5,500
 昭和の初め、ひょんなことから銀座の路地裏でであった男二人と女。母親が妾をしていたために政界の大物の裏で動いていた一人の男と娼婦になれ果てた女はその後出会い結婚をする。そして、上海での事業をしている際に、もう一人の男を探し出し呼び寄せる。裏の男は、自分のさらされている状況に、銃殺された偽装をし、妊娠している妻をもう一人の男に託す。二人は結婚し、男は映画監督になるが夫婦の間は上手くいかず、浮気を繰り返す妻が戻ってきたのは、夫の臨終寸前の時だった。老いても男運に見放される女、老人ホームで暮すある日、息子が最初の夫が生きていることを告げ、夫は会いに来る。
 ドリさん、三上さん、小市さん、そして、奥田さん格好良すぎです。ザッツ・エンターテイメント。土曜マチネなのに満席にならないのはなんか悲しいけど、今の客層とマキノさんの本のギャップっていう現実なのかな。芝居自体は、時間軸通りに進まず、時代がいったり来たりするが、帰って効果的かと。ただ、最後生きていた小市さんが、ドリさんに会いに行くシーンは、ちょっと緩かった気がする。他の役者さん達も、それぞれの出番が少ないのは残念。中国人妻役の塩湯さんは、コメディータッチも妖艶。
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No:044  ピース −短編集のような・・・・・ / グリング
★★★☆
Theater:ザ・スズナリ
Date:8/10 M
Sheet:D-9
Price:\3,800
客演:林和義、佐藤真弓、星野園美、鬼頭典子他
 5+αのオムニバス。プロローグと幕間に、携帯でブログを更新する妊婦。
「花火の約束」:嫁ぎ先の兄の怪我で同居しなくてはならなくなった夫婦と、若き頃に妻恋心を抱いていた同級生の男。相談に乗っているうちに関係を持ってしまう話。
「僕の好きな先生」:教職を辞めて妊娠した女。直前に旦那に先立たれ、入院している中、他の患者がよからぬ噂を吹聴する。たまたま、喫煙室であった教え子の父親に、救われる話。
「朝顔」:兄の看病に疲れ、手を汚してしまう夫婦。兄は死んでおらず、逆に殺されてしまう。3人のそれぞれの角質の話。
「北向きの女」:とあるマンションの一室。二人は不動産屋の元同僚で先輩後輩の仲だった、先輩の女性に呼び出されて、やってきた男だったが、思い出話をしているうちに変な方向に話が曲がっていき・・・ 。先輩女性は、社長と不倫をしていて、男はそれをやめさせるために仕組んでいた。臆病な女に、言い訳せずに前に進めという。(昨年のPARCO LOVE30より)
「ピース」:花火のあと、教え子の父にまたもや会い、ブログを生まれる子供ために更新していると告白。笑っていられるようにと、「ピース」サインで写メしてもらう。
兄と悪評の患者、不動産会社の社長と息子の父親などが同一人物で繋がっている。
 無理に、つながりを持たせなくてもいい感じはする。役者さん同士の温度が近い感じで好感。萩原さんは、「虹」の時のような強さと美しさ。林和義さん、佐藤真弓さん、中野英樹さん、星野園美さんは、やっぱり好きな役者さん。鬼頭さんは、自分にとっては、押し引きが強すぎた感じでちょっと違和感。抽象的な舞台セットもグリングにはあまり向かないかな。
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No:043  旧歌 / 熱帯倶楽部
★★★★
Theater:シアターモリエール
Date:8/3 M
Sheet:A-3
Price:\3,800
作:青木豪/演出:松村恵二
出演:ふるたこうこ、古山憲太郎他
 北関東のとある漁師町。造船所とは名ばかりの、昔ながらの船大工工場の土間が舞台。夏祭りの夜に集う30代の男女が織りなす、これからの人生、結婚、仕事、家族・・・。先代社長の急逝後、工場を継ぎ、日々奔走する女社長・美由紀。田舎町を襲う深刻な不景気の波、痴呆の症状をみせる母親。様々な問題、複雑な想いを抱えながらも、祭りの福男を狙い意気込む男達を温かく見守る。そんな中、いとこの毅が隣町から”彼女”を連れてきた・・・。(チラシより)
 やっぱり雰囲気が素敵な青木さんの本。美由紀演じる女優さんは、好きなタイプの演技だったけど、グリング版では弘中さんが演じたことを考えると、当時に見たかったなと思う。全体的に、こじんまり感。
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No:042  なんせんす / あんぽんたん組合
★★★☆
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:7/27 M
Sheet:B-14
Price:\4,860
作・演出:樫田正剛
出演:近江谷太郎、平賀雅臣、西ノ園達大、高野志穂、朝倉伸二、野口かおる、田実陽子、大森美紀子他
 70年代初めの北海道の田舎町の教職員寮。反政府左翼の運動をしている人間達の検挙のために潜入する公安。和やかに暮しているように見える寮であったが、運動をしている人間の溜まり場だった。高校生の息子をかかえる寮母は女で一つで息子を育て、教職員達が検挙されれば職を失ってしまう。堅物の公安ではあったが、職員達が運動を止めることを前提に見逃す。正しいものとは何か、同じ目的で集まった集団が、代わって行ってしまう様子。当時を生きた人々の苦悩や夢を描く。
 大森さんはやっぱり素敵。野口さんのコメディエンヌぶりは、芝居を逸らさず笑いをとっていっていい塩梅。話としては、やっぱり樫田さんの作品は、あまり好みではないかな。
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No:041  更年期SHOWガール / タニマチ金魚
★★★★
Theater:ザ・スズナリ
Date:7/26 S
Sheet:E-9
Price:\4,300
作:後藤ひろひと/演出:福田転球
 ある町医者の昼休み。有名女優のカルテを盗みに入った男女。そこに当の女優がやってきて、居合わせてしまった男の方が、代わりの医者だとでまかせをいい。ここから、でまかせと勘違いと、昼寝している医者の寝言と、それぞれが翻弄される物語が。女優、盗人の女、看護婦とそれぞれが更年期の悩みを抱え、最後には更年期パワーで地球を救う戦士達が誕生。
 後藤さんの得意の勘違いはちゃめちゃコメディー。女優さんたちが3人が滅茶苦茶楽しそう。何も考えずに、楽しめるコメディに、万歳。
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No:040  SISTERS / パルコ・プロデュース
★★★★
Theater:PARCO劇場
Date:7/21 M
Sheet:F-23
Price:\8,400
作・演出:長塚圭史
出演:松たか子、鈴木杏、田中哲司、中村まこと、梅沢昌代、吉田鋼太郎
 田舎町のホテル、レストランの調理をしていた妻が自殺してしまった支配人の夫。都内の有名料理店のシェフである従兄弟に料理を教えてもらうために、従兄弟夫婦をホテルに招く。そこの一室には、自殺した妻の作家である兄とその娘が暮している。父と娘は、一線を越えてしまった関係にあり、娘は父を男として愛していると信じていた。その空気を感じ取ったシェフの妻は、姉妹で父に関係を共用されていた過去が蘇る。娘を妹を重ねあわせる妻の心は、乱されていく。作家と妻、娘と妻、心の中をぶつけ合うホテルの部屋。妻の忘れたい過去、その傍らにある妹への嫉妬、夫は家に帰ろうという。
 前半の松さんは、長塚さんのお芝居には違和感かなと思ったけど、後半の絶叫するシーンはさすが。ただ、杏さん、吉田さんとのシーンはちょっと過剰な感じ。最後舞台は一面の水溜まりとなり、その中を2人の女優が感情をぶつけあう。画としてとても美しく、「LAST SHOW」や「桜飛沫」を思い出させる長塚さんの演出。
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No:039  道元の冒険 / シアターコクーン・オンレパートリー
★★★
Theater:シアターコクーン
Date:7/20 M
Sheet:C-5
Price:\9,500
作:井上ひさし/演出:蜷川幸雄
出演:阿部寛、栗山千明、北村有起哉、横山めぐみ、木場勝己、池谷のぶえ他
 日本曹洞宗の開祖・道元と怪しげな新興宗教の教祖。七百年余りの時空を越えて、夢の世界でもつれあう二人の男の記憶と思想。冒険≠フ果てに描き出される、信仰と社会の狂気とは―?ブラックユーモア溢れる言葉遊びや、多彩な劇中歌など、井上戯曲の陽性の魅力が怒涛のごとく感じられる濃厚な劇世界!10名余の俳優がスピーディーな役替えにより全役を演じ分ける独特のスタイルで、人間社会の表と裏が克明に照らし出す。<コクーンHPより>
 現代の描き方が薄く、道元の生い立ちに終始した感じ。エピソードもさして面白くなく、退屈な感じ。井上さんの本の時にいつも感じる物足りなさはこの芝居も。裸の女性が出てくるシーンでびっくりしたけど、何で必要?
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No:038  審判員は来なかった / ペンギンプルペイルパイルズ
★★★★
Theater:シアタートラム
Date:7/19 M
Sheet:C-19
Price:\4,300
客演:片桐仁、安藤聖
 ある独立国家パリエロ、国家の安定を目論む大統領官邸。新しい国技を作ろうとする委員会。国の政策により、生活が豊かになった農家。信頼を失いかけている聖教の教会。4つの舞台が、互いに絡み合い物語が進行。農家の土地に落ちた飛行機の部品は、隣の国の宗教家が予測した事件だった。これを利用しようとして、やらせを行う教会と政府。農家からの贈り物で国技の新しい道具ができ、競技は発展していくが、秘密裏に進めていたはずも他国にもれており、他国はもっと強くなっていた。そして、国家は独立から、従属に戻ることとなる。
 いつもよりも謎めいた部分が少なく、ライトな仕上がり。4つの絡み合いもそれほど強引でなく違和感がない。片桐さんで笑いすぎる客席に辟易。高鹿さん、ちょっと不必要な自信みたいなものを感じて鼻につく。
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No:037  羊と兵隊 / 松竹
★★
Theater:本多劇場
Date:7/12 M
Sheet:C-24
Price:\6,800
作・演出:岩松了
出演:中村獅童、田畑智子、辺見えみり、近藤公園、岩松了他
 戦時中の靴工場、息子に召集のかかる社長は、身代わりの男を雇い、息子を隠す。息子の妹達は、政略結婚、人間不信。家政婦も含めた家族の中の不安と恋愛、そして、戦争を描いた作品。
 眠くてよく分からなかったけど、岩松さんの作品は、台詞が膨大でついて行かれなくなる。初獅童さんも、あまりこれといった印象は無く。奇跡の人で好感だった田畑さんは、今回も振り幅があるって感じた。
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No:036  眠れない夜なんてない / 青年団
★★★★
Theater:吉祥寺シアター
Date:7/6 S
Sheet:D-11
Price:\3,500
 マレーシアのリゾート地。老後の人生の為に移住をした夫婦は、夫が病にかかり、心配した娘達が訪れてくるが、日本には戻りたくないという。商店を廃業し島にやってきた男も、その後を心配した娘が訪るがもどらないという。海外での仕事をする夫と、夫の浮気に引きこもる妻、その元に訪れる疎遠であった同級生。学生時代にはいじめられた過去がある。そして、リゾート地と都心の配達人の日本人は引きこもりであったが、その地に来て生活が出来ていた。日本に戻り無くない人々と、居場所を求めて日本を出てきた人々。それぞれの過去や思いが交差する。
 相変わらず素敵な空間と時間が過ごせる平田さんのお芝居。いつもよりちょっと広めの劇場なので、セットも豪華に。年配のキャストは貫禄、うつむき加減の山村さん、飛んでるひらたさん、皆いい。話的には、もうちょっと焦点が絞り易いと良かったんだけど。
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No:035  夕 / 東京セレソンデラックス
★★★★
Theater:シアターサンモール
Date:6/29 M
Sheet:C-15
Price:\4,500
客演:永井大、いとうあいこ、武藤晃子他
 長崎にある海の家兼民宿「あいかわ」には地元で「長崎のキングギドラ」と異名を取り恐れられる暴れん坊のヤンキー三兄弟がいた。「あいかわ」の隣に住む幼なじみの三上夕は次男坊の元弥「もっちゃん」にずっと恋心を抱いていた・・・。しかし、当のもっちゃんはそんな夕の想いをよそに、夕の親友である薫に恋心を抱く。そして薫は、元弥の親友塩谷に恋をしていて・・・(ちらしより)
 ベタなストーリーを上手に構成していて、笑いと泣かせるところのバランスもいい感じ。女性ファンが沢山なのや、テレビの仕事もくるのが肯ける。役者さんたちがちょっと過剰な感じがするけど、エンターテイメントととしてはかえっていいのかも。武藤ちゃんは、味を出せていてよかった。
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No:034  A MIDSUMMER NIGHT’S DREAM 〜THEじゃなくてAなのが素敵 / 北九州芸術劇場Presents
★★☆
Theater:東京芸術劇場中ホール
Date:6/28 M
Sheet:D-23
Price:\5,800
作:W・シェークスピア/演出:G2
出演:山内圭哉、竹下宏太郎、神田沙也加、藤田記子、新谷真弓、植本潤、コング桑田、殿山泰他
 シェークスピアの原作をポップに仕上げた作品。
 走る前半は、台詞早すぎてよくわかんないところが、後半は取ってつけたような内容にはちゃめちゃ。初めての鹿殺しの菜月チョビさんはいい味出していて、神田沙也加さんは舞台栄えしていいなと。山内さん、コングさん、植本さん、藤田さん、新谷さんと好きな役者さんいっぱいなのに残念な内容。これからどこに行くんだろうG2は。最後に植本さんが言い訳のように幕を閉じるけど、あれは地方公演の時からあったのだろうか?
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No:033  ハイ!ミラクルズ / ダンダンブエノ
★★★☆
Theater:青山円形劇場
Date:6/22 M
Sheet:ア-16
Price:\6,000
作:福島充則/演出:近藤芳正
客演:南野陽子、光石研、前田健、峯村リエ
 とある町の新聞配達員の男たち、面白くない日常に、自分たちを卑下するばかり。彼らを雇う局長は、奴隷扱い、命令で行わせる慈善事業で彼らにモチベーションを与えて働かせている。そんな彼らうちの2人の憧れのマドンナ、妄想が募るばかりであるが、実は夜勤のパン工場の従業員で、やはり日常に埋もれている。しかし、彼女と知り合って、1人だけ彼女に興味の無い男が彼女と二人で町を出て行ってしまう。そこから、平々凡々の人々の関係が崩れていく、再び集まった人々は、世の中が逆さになればと願いをかける。底辺にいたと思った彼らであるが、世の中の価値観は逆さになっても、彼らは何も変わらなかった。
 峯村さんと南野さんの掛け合いが面白すぎ。笑い多めの構成になっていて、最後に結論だけドンって感じだけど、楽しめた舞台。光石さんは前からいるような存在感、前田さんはちょっと浮いた感じで、南野さんは綺麗、峯村さんの独特なテンポの笑いがまたスパイス。
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No:032  春子ブックセンター / シアターBRAVA!プロデュース
★★★☆
Theater:東京芸術劇場中ホール
Date:6/15 M
Sheet:K-12
Price:\7,500
作:宮藤官九郎/演出:鈴木おさむ
出演:友近、なだぎ武、星野真理、ルー大柴、福田転球、平田敦子、加藤啓他
 舞台は、とあるひなびた温泉街にあるストリップ劇場の楽屋。まだ皆には知らされていないが、この日をもって劇場は閉館することになっている。楽屋の世話係として働く春子のもとに、東京からお笑いタレント「本宮ブック」が現れる。実は二人はかつて一世を風靡したトリオ漫才「春子ブックセンター」のメンバーだった。リーダーだった春子は、とある事件で突如芸能界から姿を消し、その後は自らの人生自体で “ボケ”を演じ続けていたのだった。自分の芸に自信が持てないブックと、彼のマネージャーに転身したセンターは、「再結成でもう一花咲かせ よう」と春子にもちかける。楽屋は劇場出演者を交えた大喜利となるが、えてして笑いの素人の方が大ウケだったりする。(シアターBRAVA! HPより)
 映像で見た大人計画をほとんど覚えてないのだけれども、全く違ったテイストに感じる。舞台の大きさしかり、笑いのポイントしかり。なだぎさんは、面白いけど、笑い声に台詞かぶせちゃうし、暴走気味だし、ちょっと食傷、ルーさんも役割だからしょうがないけど同様。お笑い芸人集めているのに、平田アッコちゃん、転球さんや加藤啓さんを起用するのも、両方に保険かけてるみたいで納得いかず。友近さんの芸達者振りには舌を巻く。
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No:031  鳥瞰図 / 新国立劇場
★★★★
Theater:新国立劇場小劇場
Date:6/14 M
Sheet:B2-18
Price:\5,250
作:早船聡/演出:松本祐子
出演:渡辺美佐子、浅野和之、野村佑香、八十田勇一、弘中麻紀子他
 釣り船宿「升本」は、三代続く老舗だ。新しい土地に移り住んで来たサラリーマン、元漁師の老人など常連客相手に細々と営業している。経営者である女将の悩みは、息子が嫁に逃げられ、跡継ぎの孫が出来ないこと。船頭見習いで雇った若者もいつまでもアルバイト感覚で使いものにならない。息子が突然船を降りたいと言い出したある夏の日、見知らぬ少女が船宿を訪れた。ミオと名乗るその少女は出て行った長女の娘だと言う。女将にとってはじめて見る孫の顔。その来訪をきっかけに失われた海の記憶が語られはじめる…。
 ちょっと最後の方で、女将と孫娘の気持ちの流れが大雑把な感じがするけど、過去に縛り付けられる人の心とその過去の清算みたいなものがいい感じで描かれていたと思う。脇の役者さんたちもいい、弘中さんと八十田さんのでしゃばらないコメディリリーフはほんと快感。これで4回連続喪服の弘中さん、喪服女優まっしぐら。
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No:030  おしるし / プリエールプロデュース
★★★☆
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:6/8 M
Sheet:C-3
Price:\4,500
作・演出:田村孝裕
出演:重田千穂子、井之上隆志、恩田隆一他
 超高齢の出産をしようと弟夫婦の営む産婦人科に訪れる女。弟夫婦は、夫の浮気で別居状態。姉は父親を明かさない。病院に通う色々な悩みや事情を抱えた妊婦のエピソードを交え、お産への不安と男女の関係と子供についてのお話。
 色々な人に焦点を当てるところや、笑いとシリアスの程よいバランスはさすが田村さんって気がする。女性側から描いた部分は、やっぱり掘りたりないのではないかと思う。RED/THEATERってなんか、お芝居の良さをそいでしまっているような気がするのは何でだろう?
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No:029  恐竜と隣人のポルカ / PARCO PRODUCE
★★★☆
Theater:PARCO劇場
Date:6/1 M
Sheet:Y-6
Price:\7,500
作・演出:後藤ひろひと
出演:寺脇康文、手塚とおる、水野真紀、竹内都子、石野真子他
 隣同士の幼なじみ、幼い頃は二人とも石野真子のファン。ある日、一人が庭から恐竜の化石らしきものを発見。もう一人に知らせないように家族中で隠すがばれてしまう。もう一方も、庭を掘るとやはり化石が、恐竜の番組をやっている石野真子を呼び、大々的に発掘をしようとする。最初に見つけたほうは、博士を呼び発掘、ノベルティまで売り出そうと。博士の調べによると、恐竜の化石は繋がっているとのこと。しかし、発掘には多額のお金がかかることが分かり、権利を押し付けあう。2つの家族のドタバタコメディ。
 寺脇さん、水野さんの夫婦は、二人とも違和感。大げさで空回り気味の寺脇さんと、はじけ切れない水野さん、好対照の手塚さんと都子さんの兄妹は見ていて楽しい。石野真子さんの使い方も良く、2時間楽しんでおしまいの大王お得意のパターン。いい娯楽作。それにしても、何ゆえに真子さん好き?
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No:028  まどろみ / M&Oplays
★★★
Theater:あうるすぽっと
Date:5/25 M
Sheet:G-22
Price:\5,500
作・演出:倉持裕
出演:ともさかりえ、近藤公園、村岡希美、玉置孝匡、六角精児
 一夜を共にした男を探してたどり着いた先はある夫婦の家。しかし、男は身に覚えがないといい、自分と全く同じ顔をした男を妻と共に新宿で見たことがあるという。そして、そこに現われた男は夫に向かい、自分のゲイの恋人だという。現われた男は妻の昔の恋敵で、妻が恋していた男は夫であるという。一体何が本当なのか、昔のシーンがコラージュされて難解な物語がより難解に。
 あっち行ったりこっち行ったりの難しい話で、倉持ワールド全開。後半になって、集中力が全くなくなってしまいもったいない感じ。もう20分短くシンプルにまとめてもらえると自分にも最後まで楽しめたかも。そして、やっぱり村岡さんの演技と声は好き。なんか舞台セットがどこかで見たことあるような感じがして残念。
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No:027  夜光ホテル / モダンスイマーズ
★★★☆
Theater:OFF・OFFシアター
Date:5/24 M
Sheet:B-6
Price:\3,500
客演:萩原聖人
 函館のホテルのシングルルームに集まった男達、日暮里で中学時代悪いグループでぐれていた。昔から付きまとっているヤクザに言われ、荷物を受け取り東京へ運ぶため。青森に引越しリンゴ農園を営んでいる男を巻き込み車を用意させる。青森の男は、いまだにチンピラのように暮らす男達には関わりたくないと言う。騒ぎを聞きつけ来たホテルマンを拉致し、男達は荷物を待つ。そして、男達の目的はもう一つ、今は幸せに暮らす青森の男を東京に連れてくること。引っ越す前に、男は一人の少女を妊娠させていた、中学生だった少女の産んだ子供は、高校生になりぐれかけているのだった。一人社会に復帰したと思われる男にも暗い影が残されていた。
 坊主になった津村さんのうざったい男の演技は絶品。そして、客演の萩原さんも。赤木五兄弟や今回のような蓬莱さんの作品は素敵。OFF OFFでやった意味もあるのでは。
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No:026  失われた時間を求めて / 阿佐ヶ谷スパイダース
★★
Theater:ベニサンピット
Date:5/10 S
Sheet:H-11
Price:\5,500
客演:奥菜恵
 電燈とベンチある小さな広場、四方は壁に囲まれ、3方向に扉がある。そこに、探し物をする男、それについてくる見ず知らずの女、女は男に何を探しているのかを問い、小さな切り口から猫を探していることが分かる。もう一人の男、男は何かに失望しており、人生の無意味さを説く。そして、もう一人の男、ベンチに座り本を読む。確かなものはなんなのかを問う女。人にとって、時間やお金や大切なものは、人による人が決める価値とは、って感じの話?
 エチュードで組上げた芝居のようで、自分にはさっぱり良く分からなかった。役者としても、魅力もなんかいまいち。伊達さんは、ちょっと新しい面を見た気がしたけど。
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No:025  けんか哀歌 / 猫のホテル
★★★☆
Theater:本多劇場
Date:5/6 M
Sheet:K-9
Price:\4,600
 終戦直後の映画会社、進駐軍の規制でまともに制作の出来ない試行錯誤する男達。軍によってつくらされた労働組合が左翼化していき、今度はそれを弾圧しようとする。映画を愛する人々が巻き込まれる戦後の渦を描いた作品。
 前半は、役者のキャラ争い、後半一気に話が核心に。千葉さんの本は、どうもあまりしっくり来ないけど、役者は素敵だね。イケテツさんが出てくると、過度に客席が反応しちゃって逆にしらける。猫ホテのお芝居は、本多だと大きすぎる感じ、スケールの大きな話を狭い空間で料理するのが味のような気がするので、ダイナミックに舞台使うとなんか違和感。
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No:024  49日後・・・ / PARCOプレゼンツ
★★★★
Theater:PARCO劇場
Date:5/4 M
Sheet:E-10
Price:\7,500
作:竹内佑
演出:池田成志
出演:古田新太、八嶋智人、松重豊、池田成志、小田茜
 一人暮らしの老女が自殺し、その後始末に来た業者と依頼した葬儀屋の女。ちっともきちんと働こうとしない業者達であるが、一人暮らしであった筈の老女の自殺に疑惑を抱く。葬儀屋の女は、遺族からの依頼で家屋の権利書と実印を探せという。これもまた怪しく、ゴミ屋敷のようになった部屋の中と、腐ってしまった老女の遺体が放置される部屋を片づけていくうちに、真相が明らかになってゆく。老女は、引きこもりのオタクの息子と一緒に暮らしており虐待を受けていた。葬儀屋の女は、その老女の娘であった。息子である兄は、何者か(老女?葬儀屋?)に殺され、その事実を隠そうとした老女の仕業でややこしいことになっていた。
 前半、古田さん、成志さん、八嶋さんのキャラクタ対決、その中に松重さんも加わり、笑いの渦。そのままのテンションで、後半のシリアスにつなげていくのがどうもしっくり来ない。説明が、残り15分くらいで一挙に行われ、前半のテンションからの中だるみもあり、ちょっと散漫。役者さんの楽しみ方が、伝わってくるので、客席も楽し。
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No:023  物語が、始まる / 月影番外地
★★★
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:4/29 M
Sheet:G-1
Price:\5,000
脚本:千葉雅子
演出:木野花
出演:高田聖子、加藤啓、辻修
 ある日男の雛形を拾った女、体は大人で、日々ものすごい速さで頭と心が育っていく。そうしていくうちに、彼との関係も崩れていく女。雛形は、体の年齢に追いついてからは体も急速に歳をとっていき、数ヵ月後に女は老人の雛形と暮らしていた。
 ちょっとねむかった。最後の方は、引き込まれる芝居だったけど、最初の方がダルダル。木野花さんの演出はどうも相性が悪い。モッカモッカの二人が、笑いなしに舞台に立っているのは良いかも。
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No:022  空中ブランコ / アトリエ・ダンカンプロデュース
★★★☆
Theater:東京芸術劇場中ホール
Date:4/27 M
Sheet:O-30
Price:\8,800
脚本:倉持裕
演出:河原雅彦
出演:宮迫博之、佐藤江梨子、坂元健児、高橋由美子、小林高鹿、酒井敏也、ぼくもとさきこ、尾藤イサオ他
 原作は、ブランコのフライヤーを救う話だけど、色々なエピソードが加わりサーカス団を救う話になっていた。
宮迫さんの一人舞台な感じ。劇場が広すぎで散漫になちゃってるし、そのための大舞台も驚く仕掛けもなく残念。ぼくもとさんも魅力が出てないし。
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No:021  HAKANA / 明治座
★★★☆
Theater:明治座
Date:4/26 S
Sheet:9-39
Price:
作:横内謙介
演出:杉田成道
出演:藤本美貴、大口兼悟、山本亨、村杉蝉之介、吉本菜穂子、工藤潤矢他
 人でなしな博打うちの男は、鬼に勝ち、死体から作った美女儚を手にする。心と体が一緒になるまで100日、その間に女として扱うと、儚は水になってしまう。儚は男に情が移ってくるが、その頃から、ツキはなくなり、落ちていく。儚は僧侶に預けるが、金策のために僧侶を殺してしまい、最後には儚を賭けてしまう。女郎屋に売られた儚は、最後の一線を守り命を繋ぐか、99日目に殿様に手に渡る。男は、鬼に頼み自分の命と引き換えに、儚を救うように頼み、救われる。2人は抱きあい、男は鬼へ、儚は花になる。
 藤本さんはいかがかと思うし、チケットの値段とキャストは不釣合い。目当ての工藤さんはいい役もらい活躍だけど、吉本さんの魅力が全くといって良いほど出ていないのですごく残念。
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No:020  莫逆の犬 / ONEOR8
★★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:4/20 M
Sheet:A-1
Price:\3,500
 浮気性の母に結婚を反対され殺してしまった男。恋人の家に隠れ続け、月に一度の父親が現われ二人の生活費を置いていく。全く外に出ずに暮らし続ける男の元に、恋人の弟、その同僚、バイトを初めその同僚と、色々な人が入り込んでくる。恋人もバイトに出るようになり、二人の関係が変わっていく。10年の後、恋人は彼を置いて部屋を出て行く。
 隠れ続けられるって言う、ちょっとリアリティが無い話だけど、恋人2人と父親含めた3人の心情を描くのはさすが。その中に、上手い具合に劇団のメンバーが絡んでくるのが魅力。富塚さん、恩田さんが過剰な気もするけど、恋人役の和田さんはほんと素敵。田中さんの真摯さが伝わってくる。
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No:019  どん底 / シアターコクーン・オンレパートリー
★★★★
Theater:シアターコクーン
Date:4/13 M
Sheet:R-5
Price:\9,000
原作:マクシム・ゴーリキー
上演台本、演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:段田安則/江口洋介/荻野目慶子/緒川たまき/三上市朗/松永玲子/池谷のぶえ/犬山イヌコ/若松武史/山崎一他
 ある木賃宿に、人生へのあきらめしか持ち合わせていない住人たちが巣食っている。アルコール中毒の元役者、哲学かぶれ、鍛冶屋と、今にも病死しそうなその妻、文句ばかりの帽子屋、男性不信の饅頭売りの女、恋物語の妄想にふける娼婦、気取った元貴族、賭け事に興じる警官、そして夜な夜な集まる労働者や浮浪者たち・・・。
強欲な木賃宿の大家夫妻に悪態をつきながら、お互いにいがみ合いながらの生活。最近の住人たちの興味は、若い泥棒と、木賃宿の妻との不倫の関係が終わるのではないか、ということだった。男は、こんな状況の中でも純粋さを忘れない妻の妹に惹かれ始めている。不穏な空気が漂う中、謎の男が現れる。その男はしばし木賃宿の面々を観察したのち、皆に新しい世界≠説き始める。「人間は、変わろうと思えば、いつでも変われるんだ」と。悲惨な状況でもどこか享楽的で楽観的な空気が漂っていた木賃宿の日常のバランスが崩れ始める・・・。(コクーンHPより)
 ちょっと席が遠かったせいかねむねむ。所々にケラさんぽいなあって、思うよなところがあって楽しめる。特に、タイトルコールの映像とラストの辺りの構成はグッとくる。役者さんは、緒川たまきさんの声が素敵だったこと、あとは、初見の江口さん、荻野目さんと何人かを除いては、いつも観ている感じのままのイメージ。特に、山崎さんは、カラフルメリイやグミチョコのボケ老人とかぶっちゃう。重いけど、楽しめる内容なのではと。
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No:018  洞海湾-九州任侠外伝- / サモ・アリナンズ
★★★★
Theater:ザ・スズナリ
Date:4/6 S
Sheet:B-3
Price:\3,900
作・演出:松尾スズキ
 九州の港町にある場末のスナック、麻薬に絡むヤクザが2階で風俗を営む。常連の警官は見て見ぬふり、警官の恋人でもあるママの兄はヤクザに借金をしている。麻薬が盗まれた男がヤクザに捕まり、盗んだ麻薬を隠した先を探すが出てこない。彼女を連れ出してはかせると、警官と関係を持っていて、だまされていた。そんなどす黒いお話が、洞海湾の薄汚れた匂いと、軽い笑いの中に描かれる。
 松尾さんの話にしては、ちょっとライトで、ドロドロした感じが無い。初見のサモアリは、間を使う笑いを多様して、それを小松さんが上手く繋いでいる感じ。久ヶ沢さんの壊れっぷりがおかしく、海から救い上げられた袋に入っている謎の女という、平田さんの役どころがぴんとこなかった。これでサモアリ活動休止、オリジナルが観てみたかったな。
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No:017  MIDSUMMER CAROL / PARCOプレゼンツ
★★★☆
Theater:PARCO劇場
Date:3/15 M
Sheet:86
Price:\6,000
出演:吉田鋼太郎、春風亭昇太、岡田浩暉、新妻聖子、中山祐一朗、楠見薫、山内圭哉他  2004年に劇場で観た作品
 全然話覚えてなかった。印象は全体的にこじんまりした感じ。木場さんから、吉田さんに代わった偏屈じじいは、より頑固な感じになっていて適役になったかと。
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No:016  だるまさん、ころんだ / らくだ工務店
★★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:3/26 S
Sheet:A-6
Price:\3,300
客演:朝倉伸二、林和義、古川悦史、塩湯真弓、恩田隆一
 下町の畳屋さんのだるまさん。50手前で独身の一人暮らし、そこに訪れる幼なじみや弟などの人たちを描いた作品。ある日交通事故で、軽い怪我を負っただるまさん、大事と思い込み慌てて駆けつける人たちは、肩透かしをくう。そんな時に幼なじみが持ってきた見合い話であるが、事故の侘びに来た真面目そうな教員への興味が沸いてしまう、でも、話すらままなら無い。その後度々訪れる女性に、恋心を抱くだるまさん。弟夫婦の子作り、幼なじみと子供が出来てしまったその息子、町内会なんかをエピソードに交えてほのぼの描く。
 TOPSということもあってか、雰囲気はとてもいい。林さんのおせっかいなおじさん、朝倉さんのモジモジさも楽し。目当てだった塩湯さん、恩田さんは最初あれって思ったんだけど、後半になるとそういうことなのかと。本はもうちょっと、芯のあるものがいい気がする。ストーリーだけのお話になちゃっているのが、ちょっと残念。
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No:015  東京 / 赤坂RED/REVOLUTION
★★
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:3/23 M
Sheet:B-8
Price:\4,200
作・演出:赤堀雅秋
出演:小林愛、野本光一郎他
 紀州の田舎町で学生時代から引きこもりを続けてきた男、同級生の上京と共に社会にでる。淡い恋からの劇団への入団、友人の死、田舎に残された者達との対比を含めて描かれる。
 全く持って肌に合わない感じ。なんか、色の違う日と集めていて、ユニットとしてもいかがなものかと。愛ちゃんは、どこに行っても愛ちゃんだ。
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No:014  なるべく派手な服を着る / MONO
★★★★☆
Theater:ザ・スズナリ
Date:3/16 M
Sheet:C-12
Price:\3,800
 全く顔の似ていない四つ子と存在感の無い五男、甘え上手な養子の弟。それぞれの場所で暮らしている兄弟が、父の具合が悪くなったために面倒を見ている長男からの連絡を受けて集まる。次男の内縁の妻と、四男の内縁の妻、五男の彼女もそこには集まり、別れようと思っていた彼女は有名写真家である三男のファンであった。五男は名前すら覚えてもらえず、全く持って家族から忘れられるような存在感のなさである。家族には、結婚してはならず、国外に旅行に行っても行けないと、不思議なルールがあり、長男が絶対的な権力を持ち、みんなが母に甘い思い出を抱いている。命が後わずかな父から切り出された話は、四つ子は全て別々の容姿であることが分かり、五男も父親は違うことが分かる。それにより兄弟の関係が微妙にずれて行ってしまう。その上、次男の嫁はみんなにちょっかいを出し関係がよりおかしくなる。一年後、再び集まる彼らは、それぞれの思い出に再び、新しい関係を作りあげ始める。
 久々の女性キャストの出るMONO。昔のMONOが帰ってきた感じ。微妙にずらす会話、人間関係の微妙な揺らぎ、ちょっとエキセントリックな人間像。「京都11区」以来の好きだった色々な部分が戻ってきた。客演の方たちそれぞれが良く、土田さんと山本さんの夫婦は最高。また、女性ありのキャストで見たい、出来れば西野さんや増田さんも含めて。
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No:013  ある結婚の風景 / TPT
★★
Theater:ベニサンピット
Date:3/15 M
Sheet:86
Price:\6,000
作:イングマール・ベルイマン
演出:鈴木裕美
出演:天宮良、村岡希美、鬼頭典子
 何不自由の無い夫婦の結婚生活から離婚、その後を、二人の分かり合えない気持ちのぶつかり合いを通して描く。
 合間のストーリーテラーの話以外は、ずっと2人の会話での2時間半以上(休憩15分)。男と女の普遍的な分かり合えない部分を描いているのだけど、自分には退屈だった。村岡さんは鼻声だったけど、色んな表情を見せていて器用さをだしているけど、舞台の性格からダイナミックさみたいなのが出ないのが残念。ガラガラの客席なのに開演10分以上の遅れ、まるで後から入ってきた重鎮そうな爺さんを待っていたみたい。
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No:012  もやしの唄 / ハイリンド
★★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:3/1 M
Sheet:K-2
Price:\3,500
 高度経済成長真っ只中で、地道にもやしを自家生産するもやしやさんの家族のお話。早くして妻をなくした主人、同居しているのは、もうすぐ結婚を控える妹と甘ったれの留年を繰り返す弟、そして、一人息子。そこに、出入りするのは手が空いていると手伝いに来る近所の中華料理屋の店員で主人に想いをよせる女、亡き妻の母親、昔職人で息子に先立たれたことで痴呆になりかけている男、そして、御曹司だが父のやり方が気に入らなくて家を飛び出てきて手伝いをしている男。大量生産のもやし工場に押されていく中、再婚話、妹の結婚、弟の就職、昔の職人の死、御曹司が本当の大会社の息子であった男の会社復帰、この人々たちの日常をコミカルに描く。
 なんてことは無い、ともすればもの凄くつまらなくなってしまう話を丁寧に真面目に作り上げている。お世辞にも華のある役者さんたちでは無いけれど、取り組み方の姿勢が伝わってくるいい舞台。客演の石原さんは、ファブリカで見たときより、落ち着きみたいなものが、辻さんはグリングの時と全然違う演技でも魅せる。ちょっと、応援したくなるようなユニット。
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No:011  Oh!クラウディア / LEMON LIVE
★★★★
Theater:駅前劇場
Date:2/22 S
Sheet:H-12
Price:\3,800
 舞台はトリノの街角に佇む古びたアパートの部屋。扉にはベニーニ法律事務所と書かれた看板。中では口を塞がれ、縄で縛られもがいている弁護士・ベニーニ(本田誠人)の傍らで、洒落たデスクに足を乗せ、探偵・ジュリオ(木下政治)が窓の外を覗いている。探偵・ジュリオはマフィアのボス・マリオ(有川マコト)の秘書・ラウル(大内厚雄)からの依頼で、「マリオの妻の不倫現場」を探していた。そして見つけたのが、部屋の窓の外に見える向かいのアパートの一室だった。不倫現場が見つかったマリオはおかかえの無免許医・レオナルド(関戸博一)を引き連れ、法律事務所に現れた。妻と不倫相手の暗殺するために腕利きの暗殺者を雇って……。しかし、やってきたのは、まだ一度も人を殺したことのない暗殺者・フランチェスコ(野本光一郎)。窓の外の標的に震えながらライフルをかまえた瞬間、時間が止まった!なんと標的は少年時代の憧れの人、クラウディアだった。(劇団HPより)
 そして、6人は20年前の同窓生、クラウディアに想いを寄せる幼なじみだった。教会に火をつけた疑いで街を追われたジュリオ、しかし、事の真相はもっと複雑。幼少期のよき思い出と、教会事件の真相、クラウディアへの想いをコメディタッチで綴る物語。
 役者さんみんな楽しそう。劇中に大内さんがパスタを作るシーンがあり、いい匂いの劇場内。木下さんは、MOPの感じが残っているが、大内さん、野本さん、有川さんなんかはコミカルな感じでポップな役作り。こういうのもいいんじゃない。
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No:010  からっぽの湖 / AGAPE store
★★★★
Theater:紀伊國屋ホール
Date:2/16 M
Sheet:F-16
Price:\5,800
 未確認の巨大生物ノッシーが現われたことで有名になった野間口湖。ノッシーを見たという日から20年が経ち、すっかりと寂れた村に雑誌の取材の記者が来ていた。その相手をしていたのが、喫茶店の主人、出戻りの女、発見者の息子の3人と記者が宿泊するファンシーを売りにするペンションの経営者の同級生である4人。発見者の父は騒動で一稼ぎをするも手を拡げすぎて、家族を置いて失踪、途方も無い借金は息子が返していた。そこにやってくる他の湖での未確認の生物を追い求め家族も捨ててしまった訳ありな感じの老人、剥製を作っていたが鳥のたたりが怖くなって、猟殺をやめさせようと山を歩いている男。自分が記事を書きながらも、ノッシーなんていないという記者、信じる老人と鳥の男。しかし、ノッシーは喫茶店の主人とペンションのオーナーの学生時代の悪戯だと告白する。そこで、父親を失った男は怒りを爆発させる。老人は、みんなにノッシーの写った写真を見せ、記者も本当はいるのではないかと言い出す。しかし、老人の写真も偽造で、借金に追われた老人は湖に自殺に来たと話す。諭すみんな前に、何かが現われる。
 事実だけが本当のことは伝わらないみたいな話で結構引き込まれる展開。演出の上手さってこういうことなのかなって思う。一人一人のエピソードを、暗転のスポットライトを他のキャストに白いコートを着させて白のバックに光を当てて影で映す。ちょっと面白い。松尾さん、片桐さん、ぼくもとさんと笑いが偏らなくなっているのもいい。あまりにもオーソドックスな最後はいかがなものかという気もするけど。役者さんの粒が揃っていてそれだけでも楽し。
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No:009  恋する妊婦 / シアターコクーン・オンレパートリー
★★★☆
Theater:シアターコクーン
Date:2/11 M
Sheet:G-15
Price:\9,000
 地方回りの大衆演劇の一座、座長の妻は「ママ」と呼ばれみんなに慕われていて妊娠中。若手の人気役者は、ママとの不倫の噂もあったが女優と逃げてしまっていたが、帰ると連絡をよこす。日頃から座長のワンマンに不満を持っていた副座長は帰ってくるのを反対、他の劇団員とともに劇団を抜けるという。そんな中、女優は一人で帰ってくる。追いかけるように、こっそり俳優も入院中のママと帰って来て逢瀬をしているなかみんなに見つかったところ、俳優は、女優に撃たれてしまう。この話をベースに、副座長夫婦、その妹の恋愛。劇団員の恋愛を描いた作品。
 初めての岩松作品。台詞が気持ちを説明するものと普遍性を問うものが、もの凄く多く。途中で頭が疲れちゃう。観たかった荒川さんと平岩紙ちゃんは、荒川さんはもっとはじけて欲しい感じで、紙ちゃんもメガネをかけていたのが残念。大森さんは、グミチョコ見たばっかりだったこともあり映像の印象が強くってなんかしっくり来なかった。砂羽さんの台詞の内容が疲れるんだけど、舞台の上ではしっかり箍の役目。
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No:008  ウラノス / 青山円劇カウンシル
★★★★
Theater:青山円形劇場
Date:2/10 M
Sheet:A-18
Price:\4,500
 ある村の旧家の裏庭、謎の穴に大きな石で蓋がされている。ある日の夜、そこに初老の男が倒れていた。旧家に住むのは、姉妹の妹一人、東京に行った姉の帰郷した日、地質調査のために土地を売ってくれと、要求される。妹はキッパリと断るが、訳ありの姉は答を保留する。姉は、多額の借金をして戻っていることが分かった市役所の職員の男は、昔の姉との関係から金の都合を申し出て、土地の買収の真の目的を探る。穴は、異次元の空間に繋がっていて、放射能物質の廃棄をしようとしていることが分かるが姉は土地を譲ってしまう。それを暴こうとした男は穴に突き落とされてしまう。一方、庭にいた男は50年前に妻が疫病を患ったことで村八分にされ、穴に突き落とされたことが分かる。穴に落ちたのもが時間を越えて落ちてくる可能性が分かり、土地を廃棄物処理に使うのをやめさせようと、姉は戦うことを決意する。
 久々にSFっぽい作品に触れる。酒井さんは、強い感じは出てるけど、借金をこさえちゃうような部分の脆さみたいなのがちょっと感じらなかったかな。中野さんは、他の作品と芝居の感じが一辺倒な気がする。津村さんは、相変わらず、際物を際物にならずに雰囲気を壊さぬ感じでいいでは。
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No:007  ちいさき神の、つくりし子ら / プレタポルテ
★★★
Theater:俳優座劇場
Date:2/9 S
Sheet:2-18
Price:\5,000
 ろう学校に赴任した男は、先天性のろう者の他人に心を閉ざした女性と出会い2人は結ばれる。幸せな結婚を続けているうちに、だんだん出てくるろう者と聴者の物理的な壁や精神的な壁が出てくる。そこから分かり合っていく二人と、回りのろう者と聴者との関係も含めて描いた作品。
 用意した耳の不自由な方用の表示に実際には舞台上では訳されない手話のを表示しているのに見えない座席がある、実際には自分の席も非常に見難い位置。19時開始で2時間45分の舞台を六本木でやるのであれば、事前にわかり易く告知してくれるべきではないだろうか。なんかいつもこのプロデュサーの打つ公演は、客の気持ちを無視しているような気がする。岡田さんは、いい役者さんだなぁって思った。長野さんはそれなりに。らくだ工務店の石曽根さんは、自分の劇団の時は結構後ろに引っ込んでいた感じだけど、今回はけこうなインパクト。
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No:006  路地裏の優しい猫 / STRAYDOG
★★★
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:2/9 M
Sheet:K-14
Price:\5,800
 オリンピックでメダルを取りながらも、プロになり網膜はく離を患ったボクサー。浮気と荒れた生活に妻は出て行き、新しい女と暮らす。何をやってもうまくいかない人生。その男の娘が、継母との諍いにふと路地裏に迷い込んだ時に、野良が見せてくれた父の半生。父と娘の関係を描いた作品。
 出演者を紹介したペラ紙も無しの舞台に若い女の子が何人も。開演と同時に一番前を通って客入れするなど、スタッフワーク悪し。誰が誰かわからん。物語に猫を加えて歌わせてアクセントをつけてあるがいらない感じ。個人的には、舞台に向かない気がするお話。大内さん、ガンツさん、古山さんが出てたんで観てみたけど、ガンツさん際物役を一人で担わされていて大変そうだけど(他に振ってあるけどだれもこなせてない)、適当にこなしてる感じがしちゃた。大内さん、古山さんは、真面目さが伝わってくる舞台。高すぎ。
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No:005  革命日記 / 青年団若手公演
★★★☆
Theater:アトリエ春風舎
Date:2/8 S
Sheet:自由
Price:\1,500
 革命を起こそうとする青年達の集まるアジトとなったマンションの一室。明後日の大使館襲撃と空港占拠に侃々諤々。そこに、生活が入り混じり、日常と非日常が交差する。子育て、地域社会、恋愛、不倫、市民運動様々な要素と革命を起こそうとしている人たちにまとわりついている現実の日常。
 平田さんの集団を描いた舞台はなんか引き込まれるも、役者さんの巧拙やちょっと演出的なのか出るところと引くところの温度差みたいなものに違和感。それがアンサンブル的にも出てきているような感じ。1500円だったら充分じゃないの。
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No:004  ムコウカタ / ちからわざ
★★☆
Theater:THEATER/TOPS
Date:1/26 M
Sheet:G-6
Price:\3,500
 海のかなたにムコウカタが見える島。ある時島から出て行った男が帰ってきた。男は、自分が殺した男の娘姉妹(姉は男への復讐のために男に性転換していた)を殺し、他の島の者達も殺していた。男同様昔悪かった島の男は、妻が妊娠して、もうその世界から足を洗っていた。妻は、子供を生んでも長く生きられないことが分かる。そして、ムコウカタから帰ってきた男を諌める。
 自分の好きな役者さんが出ていても、自分の好きなところが観られなかった舞台。話もう〜んな感じ。佐藤さんのテレビや舞台での印象と作るもののイメージが違うのにちょっと驚き。
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No:003  天井 / 三田村組
★★★☆
Theater:中野ザ・ポケット
Date:1/20 M
Sheet:C-5
Price:\3,500
 2男1女の長男夫婦と同居していたが折りが合わず、一人暮らしをしていた父。寝たきりになりヘルパーに頼る毎日。そこには心を寄せるヘルパー、正体の知れない成年が慰めに、市民から金を巻き上げた警官が金を隠しに来ていた。ある日突然、動けるようになり、それを内緒にヘルパーにもし治ったらオーロラを見に行こうという。一方末娘は、長男の元にもどれといい、次男は会社上手くいかなく金の無心。酒によって抗議に来るヘルパーと取っ組み合い、警官に隠した金のことで脅され、また動けない体に。結局、長男の下に行くことになるが、引越しのその日帰らない人となる。
 ファンタージーっぽさとリアリティーが同居しているような不思議な感覚が帰って邪魔してるような。三田村さんのキュートなわがままじじいが、「猿股の行方」とはちがった魅力。娘役の和田さんの抑えながらも迫力のある気持ちを吐露する演技が素敵。ヘルパー役の麻丘さんも素敵な女性像。マーク義理人情の面々は卒なし。ラッパ屋の福本さんの酔っ払って切れるという普段見ないよなキャラもまたよかった。部屋の外の効果演出はちょっと違和感。
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No:002  キル / NODA・MAP
★★★☆
Theater:シアターコクーン
Date:1/6 M
Sheet:G-20
Price:\9,500
 モンゴルの草原の中の洋服屋に生まれたテムジン。世界を席巻していた父から、世界一の座を奪ったカルダンを征服し、ブランド界を牛耳る。しかし、追手は彼を失墜させようと責めてくる。攻めてくるのは、彼の息子であり、自分の心の中の敵でもあった。ブラント界の戦争とモンゴルでの民族舞台に置き換えて、巡る人々の野心や愚かさをモチーフに描いた物語。
 映像で何回か観てるけど、やっぱり話自体は良く分からん舞台だった。舞台の美術は本当に美しい、これだけでもかなりの価値。妻夫木君は堤さんを、広末さんは羽野さんをなぞっている感がしてしまう。山田さん、村岡さんの使い方は、もの凄くもったいない。勝村さんは、一人で出すぎている感じが、自分には鼻についちゃう。
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No:001  火宅か修羅か / 青年団
★★★★
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:1/2 M
Sheet:自由
Price:\3,500
 とある郊外の温泉旅館の待合室。そこで暮らしている作家と遊びに来ている婚約者、訪れてくる前妻の三姉妹。以前にボート部の転覆事故で、友を失っている同窓生たちのOB会へ集まった人々。訳ありのカップルに、従業員。ある日の夕方の一景を描写する物語。離れて暮らす父と娘と、婚約者の心の葛藤や会話、友人を失わせてしまった過去のわだかまりなどを綴りながら、人の持つ修羅の部分と、人への優しさの裏腹を描写する。
 12年程前の作品の再演とのこと、映像で一度見たことがあったが、科学シリーズなどの他の作品と比べると同時に語られる台詞が多すぎる気がする。ただ、平田さんの作品の一連にある色々な普遍性をつまみ食いするように観るお芝居はなんか幸せ感がある。
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