観劇日記(劇場編)2019年


自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)

観劇日記(劇場編)2010年  観劇日記(劇場編)2000年
観劇日記(劇場編)2009年  観劇日記(劇場編)1999年
観劇日記(劇場編)2018年  観劇日記(劇場編)2008年  観劇日記(劇場編)1998年
観劇日記(劇場編)2017年  観劇日記(劇場編)2007年  観劇日記(劇場編)1997年
観劇日記(劇場編)2016年  観劇日記(劇場編)2006年  観劇日記(劇場編)1996年
観劇日記(劇場編)2015年  観劇日記(劇場編)2005年  観劇日記(劇場編)1995年
観劇日記(劇場編)2014年  観劇日記(劇場編)2004年  −−−−−−−−−−− 
観劇日記(劇場編)2013年  観劇日記(劇場編)2003年  観劇日記(劇場編)1993年
観劇日記(劇場編)2012年  観劇日記(劇場編)2002年  −−−−−−−−−−− 
観劇日記(劇場編)2011年  観劇日記(劇場編)2001年  −−−−−−−−−−− 


お正月/帰郷/桜のその菌/PARTY PEOPLE/僕らの力で世界があと何回救えたか
夜が掴む/忠臣蔵・武士編/銀河鉄道の夜/莫逆の犬/世界は一人
東京ノート/仮面/はなにら/空ばかり見ていた/こそぎ落としの明け暮れ
クラッシャー女中/まほろば/喫茶ティファニー/LET'S GO SIX MONKEYS/やまいだれにやまいだれ
らぶゆ/らぶゆ/2.8次元/キネマと恋人/ビューティフル ワールド
世襲戦隊カゾクマンV/美しく青く/ビビを見た!/北限の猿/涙目コント
フローズン・ビーチ/4A.M.//ギョエー!旧校舎の77不思議/さなぎの教室
桜姫/あつい胸騒ぎ/どうしようもなくて、衝動。/ほしい/治天ノ君
boat/この道はいつか来た道/墓場、女子高生/ハケンアニメ/終わりのない
掬う/ドクターホフマンのサナトリウム/Q/鎌塚氏、舞い散る/ツマガリク〜ン
あれよとサニーは死んだのさ/女友達/私たちは何も知らない/常陸坊海尊/今、出来る、精一杯。
荒れ野/神の子/トウキョウノート


No:058  トウキョウノート / 青年団若手自主企画堀企画
Theater:アトリエ春風舎
Date:12/29 M
Sheet:自由 5,6列目右側
Price:\2,500
Time:1幕 1:00
作:平田オリザ
構成・演出:堀夏子
「東京ノート」の台詞を青年団の役者である堀夏子さんが再構成・演出した作品
 元の台詞を使っているけど、コラージュされ、時間軸や台詞を発する人が違ってたりしていて、オリジナルを観ていないとストーリーはわからない気がする。全体的に光と影で構成されて、影の部分が強く、のちのアフタートークでフェルメールの絵のように光を切り取ったイメージだとのこと。前評判では、ダークサイドの東京ノートと評する人もいたけど、そんなにダークな感じはしなかった。その光と影の印象がダークサイドとされているのかもしれない。内容としたら、戦争や家庭の問題に深く突っ込んだ感じはしなかった。短い時間の構成で、切り取られた台詞はなぜ選ばれたのかとか、身体表現などでリアリティを抜き去った舞台で、どの辺を見せたかったのかが、自分にはちょっとピンと来なかった。
このページの頭へ

No:057  神の子 / コムレイド
Theater:本多劇場
Date:12/28 S
Sheet:D-23
Price:\8,500
Time:1幕 2:05
作・演出:赤堀雅秋
出演:大森南朋、長澤まさみ、でんでん、江口のりこ、石橋静河、永岡佑、川畑和雄、飯田あさと、赤堀雅秋、田中哲司
 池田(大森南朋)、五十嵐(田中哲司)、土井(でんでん)。路上で警備員として働く3人は、行きつけのスナック、趣味のパチンコと常に一緒にいる。3人そろって独身で貧乏。目的も展望もない生活にウンザリしつつも、抜け出すほどのヤル気はなく、漠然とした不安の中でただ日々をやり過ごしていた。ある日、池田に若くきれいな田畑(長澤まさみ)と斎藤(石橋静河)という二人の女が声をかけてくる。彼女らの誘いを受け、池田は街頭でのゴミ拾いボランティアに参加することに。呆れるほど単調な日常の中に小さな変化が兆す。田畑との出会いにほのかな夢を見る池田。それは、男たちにとって幸か不幸か……。(コムレイドHPより)
 借金まみれの警備員たち、宗教に携わる人たち、どこか普通を求めるうまくいかない人々のお話は、いつものごとくネガティブさ満載なんだけど、トレンドや細かなしぐさなど小憎い位笑いの作り方が上手く、ある意味コメディでも成立しちゃう。救いがないと言えばないし、薄明かりがあると言えばあるしなのも好き。「だってだらしないもん俺たち」とか「グレーのままの方が幸せなことってあるから」みたいな台詞が素敵。田中さん、大森さんの男前さを消したやり取りも面白く。江口さんは、テレビとかとは違うキャラも脇を固めるには鉄板。長澤さんの声の響きと丁寧な芝居もいい、今まで観た舞台での印象は足が綺麗とかそんな感じだったけどけどなぁ。石橋さんのバレイのシーンがあって、ちょっとルーツを覗かせるサービス、趣里さんと共演しないかなぁ。あっという間の二時間。
このページの頭へ

No:056  荒れ野 / 穂の国とよはし芸術劇場PLATプロデュース
Theater:ザ・スズナリ
Date:12/22 M
Sheet:B-12
Price:\4,000
Time:1幕 1:45
 初演よりもちょっと大きな劇場になり、役者さんの芝居も大きくなったのかなぁ。ずっしりしながらもライトな笑いをちりばめて、初演よりもより良く感じる。初演、平田満さんと桑原さんのコラボで、観に行ったけど、今回は大方なあらすじを知って観ているからか、増子さんの揺れる気持ちの演技にばかり気が行った。多田さんはちょっと普段の役と違うタイプの女性で何となく違和感はぜんかいといっしょかな。そして、平田さんと井上さんの掛け合いのシーンの間が絶妙。バラちゃんの描く人ってほんとに寄り添いたくなる人ばかり。劇中に口ずさむ「あなたならどうする」はいしだあゆみさんが歌ってたそうだということがわかる。是枝さんの「歩いても歩いても」もタイトルが「ブルーライトヨコハマ」の歌詞からで途中のいい場面で流れる、何となく感じる同じような空気はやっぱり共通点があるのかも。
このページの頭へ

No:055  今、出来る、精一杯。 / 月刊「根本宗子」
Theater:新国立劇場 中劇場
Date:12/15 M
Sheet:15-46
Price:\8,000
Time:2幕 1:40 0:50
作・演出:根本宗子
音楽:清竜人
出演:清竜人、坂井真紀、伊藤万理華、瑛蓮、内田慈、今井隆文、川面千晶、山中志歩、春名風花、小日向星一、根本宗子、riko、天野真希、田口紗亜未、水橋研二、池津祥子
演奏:岩永真奈、大谷愛、二ノ宮千紘、三國茉莉
 舞台はスーパー「ママズキッチン」のバックヤード。そこでは頼りない店長、お局の店員、八方美人のバイトリーダー、正義感の強い若者、どもりで暗い男性店員などが、なんとかお互いに折り合いをつけながら日々働いていた。もうひとつの舞台、安藤雅彦の自宅。仕事の続かない男、安藤は、神谷はなと同棲している。バイトが全く続かず、ほぼヒモ状態の安藤を優しくサポートし続けるはな。求人誌をめくる安藤は、募集を見つけて「ママズキッチン」の面接を受ける。無事採用されるが、早々に面倒くさい人間関係を目の当たりにし、再び引きこもってしまう―――。それぞれが自分の正しさのために、例えそれが賛同されないことでも、自分のやり方で生きている。混沌とした中でも生きていく、精一杯の群像劇。
 今回は、清竜人さんって方が歌と演技で参加して、心なしかミュージカル仕立て。わっととっ散らかしておいて、どこに行くんだろって思わせて、最後に引き込んでく回収力が根本さんの魅力なんだろうなぁって思う。天才かと思っちゃう。キャストの意外さも上手いし、回転する舞台の使い方も上手。台詞もうまい、「人と関係を持つって面倒臭さも引き受けること」とか、いっぱい。なんだろうこのセンス、面白さを上手く伝えられないけど、観に行きたくなっちゃう。そして、清さんの歌のトーンがすごくいい。内田慈さんも観られたのでなお良し。
このページの頭へ

No:054  常陸坊海尊 / KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
Theater:KAAT神奈川芸術劇場
Date:12/14 M
Sheet:8-16
Price:\7,500
Time:3幕 0:45 1:05 1:00
作:秋元松代
演出:長塚圭史
出演:白石加代子、中村ゆり、平埜生成、尾上寛之、長谷川朝晴、高木稟、大石継太、明星真由美、弘中麻紀、藤田秀世、金井良信、佐藤真弓、佐藤誠、柴一平、浜田純平、深澤嵐、大森博史、平原慎太郎、真那胡敬二、他子役
 東京から疎開に来た啓太と豊は、ある日雪乃という美しい少女に出会う。常陸坊海尊の妻と名乗るおばばと暮らしている雪乃に二人は海尊のミイラを見せられる。烈しくなる戦争で両親を失った少年たちは雪乃に魅かれていくが、啓太は母恋しさで次第におばばに母親の姿を重ねていく。 東京に戻って成人した豊は、十六年後、岬に近い格式の高い神社を訪ねる。そこには巫女をつとめる雪乃と戦後おばばたちと共に消息を絶った啓太の姿があった。再会をなつかしむ豊は、雪乃の妖しい美しさに魂を抜かれてぬけがらとなった啓太に衝撃を受け、あざわらうかのように子守歌をうたう雪乃に魅入られていく自分の平凡な人生の、基盤がくずれていく恐怖に自失する。 取り残された啓太は、生きながら死に腐れていく自分の運命を嘆き、現れた第三の海尊に救いを求めるが、やがて自分自身が海尊となり、自らの罪を懺悔するため琵琶を抱いてさまよっていく。(KAAT HPより)
 三幕ものは久しぶり、一幕にウトウトして、導入がいまいちよくわからなかった。義経を裏切った海尊の贖罪と戦時中も戦後の人々を重ね合わせた舞台は難しかったけど、でもいいの明星さんも観られたし、麻紀ちゃん、真弓さんが出るから観に行ったんだし、中村さんは綺麗。中村さんは、映画やドラマの雰囲気とは違い強さが前。白石さんはほんと独特な空気を持っていてすごい存在感。堀尾さんの舞台美術はシンプルなのに奥行きが深くとても素敵。尾上さんは、ほんとに舞台が好きなんだなぁって、観ていて思う。
このページの頭へ

No:053  私たちは何も知らない / 二兎社
Theater:東京劇術劇場 シアターウェスト
Date:12/08 M
Sheet:E-15
Price:\6,000
Time:2幕 1:10 1:15
出演:朝倉あき、藤野涼子、大西礼芳、夏子、富山えり子、須藤蓮、枝元萌
平塚らいてうを中心とする「新しい女たち」の手で編集・執筆され、女性の覚醒を目指した『青鞜』は、創刊当初は世の中から歓迎され、らいてうは「スター」のような存在となる。しかし、彼女たちが家父長制的な家制度に反抗し、男性と対等の権利を主張するようになると、逆風やバッシングが激しくなっていく。やがて編集部内部でも様々な軋轢が起こり─(二兎社HPより)
 枝元萌さんが出ているので、久々に永井愛さんのお芝居。平塚らいてふの青踏にまつわる固い内容だけれども、ラップでスタートしたり、服装が現代だったりと、観やすく仕上げる永井さんは流石。そして、女性の社会進出の芽生えを描くも、すべて肯定ではなく、人の歪んだ部分も描いているのが交換。前半の冨山さん、発声がよくて声が聞き取り易くて、すごく好感。枝元さんは、その前半はコメディリリーフみたいな役で残念に思ってたけど、後半はとっても重要な役で堪能。藤野さんも観てみたかった感じだけど、台詞詰まりすぎだし、少し背伸びして演じなきゃいけない部分もあって、自分の中では可もなく不可もなくな感じ。
このページの頭へ

No:052  女友達 / タカハ劇団
Theater:スタジオ空洞
Date:12/07 M
Sheet:自由 右側2,3列目
Price:\3,200
Time:1幕 1:35
出演:異儀田夏葉、高野ゆらこ、高羽彩
事故で緊急入院した姑の世話をするため、忙しい旦那に替わって一時帰郷した朱音(あかね)は、高校時代の同級生で今は介護士となった稔梨(みのり)と再会する。 再会の挨拶も早々に、朱音は稔梨に姑の事故原因について詰問する。 稔梨曰く、姑の事故にはこの家の引きこもりの長女、紀香(のりか)が関わっているらしいが――。女三人、一夜で語りあうのは、恋バナよりも赤裸々な、人生の話。(タカハ劇団HPより)
 女子会話のあるあるからの介護、結婚、子作りといろいろでてくるもライトに仕上がってる作品。高羽さんの作品は比較的トーンが暗めだけど、今回は三人の女優でしっかりライト。異義田さんと高野さんの会話がとてもおかしくあっという間。一番の目当ては異義田さんなんだけど、今回の高野さんはシリアスな部分と壊れちゃうところが抜群。結構ディテールもしっかり、女性ならではの話題も盛り込みな舞台。小劇場を越えて、もうスタジオサイズのお芝居、醍醐味だなぁ。小劇場万歳。
このページの頭へ

No:051  あれよとサニーは死んだのさ / 月影番外地
Theater:ザ・スズナリ
Date:12/06 M
Sheet:D-10
Price:\5,500
Time:1幕 1:50
作:ノゾエ征爾
演出:木野花
出演:高田聖子、池谷のぶえ、川上友里、大鶴佐助、竹井亮介、入江雅人
D-10 \5,500 スーパーの駐車場の初老の女、友人の車が若い男の足を踏んでしまったが友人は戻ってこない。そんな友人を待つ間、別な友人が現れたり、教え子が現れたり、別れた夫が現れたり、自分の人生に似た過去が行ったり来たり、夢なのか現なのかな物語。
 久々の小劇場の池谷さん、もうそれだけでたまらん。ノゾエさんの本は、奇天烈な印象だけど、やはり今回ものっけからそんな感じでどこ連れてかれるんだろうって思うけど、福原さんみたいに台詞が面白く、訳はわかんないんだけど、シーンシーンはとても面白い。そして、終わり方ですっきり。女優さん3人の絶叫が多く、スズナリで声がはねちゃってるのが残念。みんな、すごくいいテンションで、観入らせたり、笑わせたりしてくれる。池谷さんの変幻さといい声、やっぱり好きだわぁ。
このページの頭へ

No:050  ツマガリク〜ン / 小松台東
Theater:三鷹芸術文化センター 星のホール
Date:12/01 M
Sheet:自由 センターブロック右通路側4,5列目
Price:\3,200
Time:1幕 2:05
作・演出:松本哲也
出演:瓜生和成、今村裕次郎、松本哲也、佐藤 達(劇団桃唄309)、山田百次(ホエイ/ 劇団野の上)、斉藤マッチュ、櫻井 竜、荻野友里(青年団)、長尾純子、神崎亜子、廣川三憲(ナイロン100℃)
『ツマガリク〜ン』の舞台は、建設現場で使われる電気関係の材料を扱う「電材屋」。20代の頃、東京での仕事に挫折して故郷に戻った松本自身が3年ほど働き、あまりの忙しさから逃げるように辞めて再び東京へと向かった思い出の仕事場だ。そこで忙しく働く社長の息子ツマガリ君と、彼の会社の人々を描く。(ぴあ宣伝文より)
 タイトル、ずっと「妻がクリーン」って読んでたけど、「津曲く〜ん」だった。
 楽しい感じって書いてあったけど、笑いはあれどいつもと同じどんよりと丁寧に人を描く。電材屋の喫煙所を舞台に行き交う事情をもった人々の話。だから何だって話なんだけど、自分も電材屋の社員になったような気持ちで観いっちゃう。ちょっと仕事の話にシンパシー。瓜生さんとか山田百次さんとかたまらん。荻野さんの小づるそうな感じにもやられる。役者さんの佇まいがいいなぁ。
このページの頭へ

No:049  鎌塚氏、舞い散る / M&OPlays
Theater:本多劇場
Date:11/30 M
Sheet:L-8
Price:\7,000
Time:1幕 2:10
作・演出:倉持裕
出演:三宅弘城、ともさかりえ、片桐仁、小柳友、広岡由里子、玉置孝匡、岡本あずさ、大空ゆうひ
『完璧なる執事』として名高い鎌塚アカシ(三宅弘城)は今、名家・北三条伯爵家の女主人マヤコ(大空ゆうひ)の従者として雪山の別荘に来ていた。昨年夫を亡くしたばかりのマヤコはこの別荘で毎晩のようにパーティーを開いていた。アカシの下には、若い女中・円子ミア(岡本あずさ)がいたが、この女中がまるで働かず、注意すればパワハラだと騒ぎ立て、アカシも困っていた。そんな中、アカシは買出しに出かけた街中で偶然、上見ケシキ(ともさかりえ)に再会、ケシキは急遽、北三条家に雇われることに。優秀なケシキの働きぶりで、落ち着きを取り戻す北三条家。そこへリゾート開発のためにマヤコの土地と別荘を手に入れようとする堂田男爵夫妻(片桐仁、広岡由里子)が訪れる。そして、彼らは佐双ヨウセイ(小柳友)という若い執事を伴っていた。ヨウセイは、どうやらケシキに好意を持っている様子。スーパールーキーの登場に内心焦りを覚えるアカシ。不安をかかえたアカシはゲレンデをさまよい、そこで元々堂田家に仕えていた宇佐スミキチ(玉置孝匡)に再会する。スミキチは、どうやら自分をクビにした堂田夫妻に恨みを持っているようだ。折も折、別荘を猛吹雪が襲い、マヤコが行方不明となる。アカシ、ケシキ、ミアが捜索に出発、堂田夫妻とヨウセイも捜索隊を編成するが……。マヤコの隠された過去の事情が明らかになる一方で、ケシキはアカシとヨウセイの間で揺れている。その時、一行の耳に聞いたこともない地鳴りが……。アカシ「ご覧なさい! 雪崩でございます……!」(M&OPlays HPより
 コメディー側の倉持作品はかしこまらずに観られて好き。息の合った三宅さんとともさかさんの掛け合いがのっけから最高。勘違いの会話が続いて、笑いもいっぱい。そして、そんな結末になるなんて!玉置さんは、ああいう姑息な役は、ホントあってるなぁ。初見?の岡本さんは、好印象、また、観てみたい。執事は上流社会から出たことのない庶民っていうのがアカシのキャラづくりになってそう。
このページの頭へ

No:048  Q:A Night At The Kabuki / NODA・MAP
Theater:東京劇術劇場 プレイハウス
Date:11/23 S
Sheet:C-10
Price:\12,000
Time:2幕 1:35 1:10
 時は源平の合戦の世、平の瑯壬生と源の愁里愛の「ロミオとジュリエット」の物語と、実は二人は死んでおらず、その後の瑯壬生と愁里愛のお話を描く。前半、その後の瑯壬生と愁里愛は過去に帰って、二人が幸福になれるよう画策するが、結局は彼らの周りの人たちが案じて講じたことと同じことをしただけで結局同じ結末を迎えてしまう。しかし、最後に添い遂げた墓場で二人は蘇る、後半はその後の二人の行く末を描いた物語。蘇っても両家の画策で死んだままとされる二人、瑯壬生は戦いの最前線の一人の兵者になり、戦に敗れてきたに追われ極北スベリノの開拓師団になって苛酷に働き身を落とす。愁里愛は、尼となり傷ついた兵士を労わる身となり二人はすれ違うが、源の娘ということが知れて、鎌倉に返される。二人は、最後まで会えずに終わり、30年後鎌倉に戻った師団の老兵は愁里愛に瑯壬生の言伝を伝える。
野田さんがクィーンのアルバム「オペラ座の夜」からインスピレーションされて話を創作。
 同じように言葉遊びいっぱいで、人や戦争の愚かさを語りながら展開される物語は、いつもより少しわかりやすいかも。堀尾さんの舞台美術とひびのさんの衣装とが合わさって、シーンシーンが一つの絵に見えるような感覚は相も変わらす美しい。松さんは今回も圧倒的な存在感、初舞台とは思えない広瀬さんがその松さんの合せ鏡に見えて、それもまた舞台の世界観をより深めてくれる。上川さんと志尊さんの組合せは微妙な気がしたけど、男の色気が増した上での上川さんがキャラメル時代のコミカルさも出して好演。新感線出の羽野さんと橋本さんが、舞台を壊さず暴れてるのもいいし、伊勢さんの寒気のする怖い役もまたいい。心持っていかれた舞台、役者さんの迫力が感じられる前方席はよかったけど、絵面の綺麗な野田さんの舞台は前過ぎるのもまた微妙と言う贅沢な悩みかな。広瀬さんは、なんか存在感があって、今後も舞台で是非観たい役者さん。「愛することすら奪う戦争」、野田さんのメッセージは一貫している。
今回は本人認証確認のチケット制、この制度なら取れない時も諦めがつく、他でも営利目的の転売のない制度をすすめてほしい
このページの頭へ

No:047  ドクター・ホフマンのサナトリウム〜カフカ第4の長編〜 / KAAT神奈川芸術劇場
Theater:KAAT神奈川芸術劇場 ホール
Date:11/17 M
Sheet:14-33
Price:\9,500
Time:2幕 1:45 1:30
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:多部未華子、瀬戸康史、大倉孝二、犬山イヌコ、麻美レイ  ある男の祖母が持っていたカフカの第四の未完の長編小説が見つかった。金に困っていた男は、小説を売りに出そうと出版社に行くが、時間の渦の中、祖母の幼少期の時代へ行ってしまう。紆余曲折をして戻ってくるが・・・
 同時に描かれるのは、その第四の小説。ある女は双子の男とどこかへ向かう列車の中で男の不思議な夢の話をしたのち結婚の約束をしていた。兄と何かが違う双子の弟と出会い不思議な体験をし、その後、男は戦死してしまったと連絡を受ける。事実を確かめようと軍部へ向かうが遺体は見せてもらえず、その真意は確かめられないいまま軍部拉致、抜け出しある女のもとに潜り込む、そこから出て、再び女は列車の中、男と愛を確認し合う。
 カフカ、不条理と聞いて、好きなパターンのケラさんのお芝居じゃないかなぁと思ったけど、なんのなんの。のっけから持っていかれる。圧倒的な迫力のタイトルコールのマッピング。生演奏に、素敵なマッピングで、夢とうつつ、過去と未来を往き来する上質なお芝居。二つの物語は、根底は綱なっていても大きな接点がないけれども、上手に2つの物語が流れる。音楽、やりすぎない小野寺さんの振り付け、セットの使い方、色々なものものすごく上質に融合していて、いい意味でセンスを見せつけられる。疲れと質の悪い睡眠のせいでの寝不足で、前半にウトウトしてしまったのがまことにもったいない。大倉さん笑いを担うけど、ケラさんからの絶大な信頼があるんだろうな。多部さんも瀬戸さんもお芝居が好きそう、多部さんは「キレイ」の時をちょっと思い出す。村川さんは出番が少ないというかあまり目立たず残念。
このページの頭へ

No:046  掬う / ロ字ック
Theater:シアタートラム
Date:11/10 M
Sheet:1
Price:\5,800
Time:1幕 2:15
出演:佐津川愛美、山下リオ、馬渕英里何、日高ボブ美、水野駿太朗、大竹ココ、東野絢香、大竹わたる、古山憲太郎、中田春介、千葉雅子
 30代半ばのミズエには余命幾ばくかの父がいる。父が余命宣告を受けてからと言うもの、ミズエのもとに母からの常軌を逸したメールが連日届く。しかも兄の嫁は母との折り合いが悪く、母に執拗に攻撃されているとミズエに相談してきている。正直言うと、ミズエは辟易としていた。何を言っても母には伝わらないだろうし、ミズエは義姉のことも受け止めきれずにいる。ミズエは孤独を感じていた。だからどっちつかずの関係を持ってしまった男に連絡をする。だが、彼は自分のことなんて興味ないのだとミズエは知っている。それは離婚を話し合っている旦那もそうだ。旦那はミズエが不在の際に、家に知らない女を同情心から宿泊させ体の関係を持った。ミズエはそれが許せなかった。とある家族、余命幾ばくかの父。その娘であるミズエが、女3人の奇妙な共同生活を通して他者を許すまでの過程を描く。(ロ字ックHPより)
 いろんな感情を吹き出す佐津川さんの魅力満載、そして可愛い。最初の場面の馬渕さんと千葉さんがちょっと張りすぎ感でちょっと引いちゃう。入院している父親の謎の知り合い演じる東野さんの空気感、離れたとことからの物言いががなんとも絶妙。そして、暗転の時のガツガツくるギターのサウンドがめちゃかっこいい。家族の話と言う点で共感できるところはすごくたくさん、その家族の中に異分子の二人を落とすことによって、物語が広がるのかと思ったけど、どちらかというと、物語よりも主人公の気持ち側を広げる役目、なんとなくどこに焦点しぼっていいのかわからなかったかなぁ。舞台に上げる上でデフォルメする部分があると思うけど、日常っていうフォーマットの上に載せた時にありえないドラマの部分をいれるその加減がピンと来ないかなぁ。
このページの頭へ

No:045  終わりのない / 世田谷パブリックシアター
Theater:世田谷パブリックシアター
Date:11/03 M
Sheet:M-29
Price:\7,000(okepi)
Time:1幕 2:00
作・演出:前川知大
出演:山田裕貴、安井順平、浜田信也、盛隆二、森下創、大窪人衛、奈緒、清水葉月、村岡希美、仲村トオル
 18歳の悠理は旅の途中で目的地を見失い、立ち止まっていた。自分はなぜここにいるのだろう。悠理は自分の人生を振り返ってみる。ある日、悠里は両親と友達に、湖畔のキャンプに連れ出される。立ち止まったままの悠理には、時間だけが通り過ぎていくように思える。過去に思いを馳せていると、いつの間にか悠理の意識はキャンプ場を離れ、見知らぬところで目を覚ます。そこははるか未来の宇宙船の中。その船は人類の新たな故郷を目指して旅を続ける、巨大な入植船だった。32世紀のユーリとして目覚めた悠理は、自分が誰で、どこにいるのかも分からない。宇宙船から逃げ出した悠理の意識は、宇宙空間を漂い、地球によく似た見知らぬ惑星で目を覚ます。自分そっくりの肉体の中で。奇妙な旅を経て、悠理の意識は再びキャンプ場に戻ってくるが、その世界は自分の知っている世界とは少し違っていた。自分はなぜここにいるのだろう。帰りたい。悠理は自分の世界で、目的地を探そうとする。(パブリックシアターHPより抜粋)
 多重世界の話に、ちょっとおいていかれたり、ウトウトとしてしまったけど、回収してくれるし面白く観られた。効果音とかあんなに使ってるのに陳腐にならなかったり、人の出入りの見せ方が上手だったり、あまり抽象のセットは好きじゃないけど、リアリティーがあってすんなり受け入れられた。時間・現実/非現実が行ったり来たりだけどあんまり置いて行かれない。仲村さんと村岡さんのコンビが笑い作っていて、これもまたいいスパイス。
このページの頭へ

No:044  ハケンアニメ / 吉本興業
Theater:紀伊國屋ホール
Date:11/02 M
Sheet:H-10
Price:\7,500
Time:1幕 2:10
原作:辻村深月
脚本・演出:G2
出演:大場美奈(SKE48)、小越勇輝、市川しんぺー、三上市朗、菅原永二、町田マリー、幸田尚子、山内圭哉、小須田康人
 アニメ制作会社のプロデューサー・有科香屋子(町田マリー)は、次クールの「運命戦線リデルライト」で天才アニメ監督・王子千晴(小越勇輝)を起用。監督のストイックな仕事ぶりに、入社したばかりの制作進行・川島加菜美(大場美奈)や原画アニメーター・澤田和己(山内圭哉)など、スタッフは日々トラブルの連続、ビジネスライクに進めようとする垣内政信(小須田康人)との対立が激化していく中、作品完成を揺るがす大事件が起こってしまう......。(吉本興業HPより)
 エンターテイメントに無難に仕上げちゃった感じ、もっと昔みたいにふざけたわちゃわちゃ感があるといいんだけど、みんなに観やすくできてるけど。G2さんらしい、スピード感のあるシーンでしんぺーさんがなんか不釣り合いに感じちゃったのは残念、でも素敵な役者さんだけど。マリーさんは強かできれい、山内さんは、もはや兵器な面白さ。小須田さんはどこでも、やっぱり、小須田さん。「頑張るとか諦めるまでの時間稼ぎ」って、同意しないけどなんか好きな表現。途中に出てくる脚本家の名前が、「青木」、「前川」なんだけど、青木豪さん、前川知大さん?、原作読まなきゃ・・・
このページの頭へ

No:043  墓場、女子高生 / 別冊「根本宗子」
Theater:ザ・スズナリ
Date:10/20 M
Sheet:H-8
Price:\4,800
Time:1幕 2:10
作:福原充則
演出・出演:根本宗子
出演:安川まり、小野川晶、近藤笑菜、山中志歩、椙山さと美、藤松祥子、尾崎桃子、小沢道成、もりももこ、ゆっきゅん、川本成、天野真希
 2012年と2015年にベッド&メイキングスで上演された作品を根本さんが初の他人の作品を演出
 引っ張りだこの福原さんと根本さんのタッグ。話の筋は変わってないと思うけど、台詞はずいぶんといじってある気がした。セットはちょっと抽象に、お墓が盛り土みたいな感じで、桜の木もなかった。のっけの演出から持っていかれて、ぐんぐんと引っ張っていく構成力はすごいセンスだなぁって。だぁって広げて回収が上手だなぁって思う根本さんだけど、今回は他人の作品、でも、絵面がいちいち綺麗。吉本菜穂子さん、安藤聖さんって、キャスト観たさで行ったベッド&メイキングスの初演がめちゃめちゃ面白かったけど、それに輪をかけて面白くなったような気がした。普段から、混沌の中をさまようキラキラした女の子達を描くのが巧い根本さんだから、相性がいいのかも。そして、福原さんの本はいつも良くわかんないけど、チャラけたような台詞なのに、真意をつくような台詞がいっぱい。今回は、コーラス部がガチで歌うシーンもあってこれもまたいい。桜の木のあったほうがなんかカタルシスがあるかなって思った、今回は舞台裏側の声で細工。先生役の方、ちょっと厳しかったかぁ、っていうか、前回が猫背さんだから期待し過ぎちゃうのかも。
「頑張るとか諦めるまでの時間稼ぎ」、面白い台詞。
このページの頭へ

No:042  この道はいつか来た道 / 舞台芸術学院70周年記念公演
Theater:駅前劇場
Date:10/19 M
Sheet:A-4
Price:\3,500
Time:1幕 0:50
作:別役実
演出:鵜山仁
出演:金内喜久夫、平岩紙
 人はどこで、どう果てるのが幸せなのか!! 死から人生をとらえ返す!! 永遠に生きる為めにホスピスを逃げ出す、人生最後の愛の道行!!
 さまよい電柱の下でであった二人、そこで座って会話をするが、おぼろげにあった過去の記憶の中から二人が出会っていたかもしれないと言う、そして、二人は何かを確かめ合うためにホスピスを抜けだしたのだと・・・
 50分のために、紙ちゃん観たさに下北沢へ。ペケットのような不条理劇を、畑も年齢も違う役者さんが、軽妙に演じる。クスクスしちゃうんだけど、最後はちょっとしっぽり。金内さんはちょっと落語っぽさも感じたりして、紙ちゃんはキラキラした目で最後には涙も。最近の平岩紙様、舞台に直球で挑んでいる感満載。
客席:宮藤さん、渡辺えさん
このページの頭へ

No:041  boat / calmoプロデュース
Theater:Theater MOMO
Date:10/13 M
Sheet:自由 対面式入り口側3列目センター
Price:\4,300
Time:1幕 1:55
脚本:演出:ブラジリィー・アン・山田
出演:今奈良孝行、西慶子、福沢重文、笹峯愛、篠崎友、浅野千鶴、塩口量平、小川夏鈴
 2013年に劇団ブラジルの「性病はなによりの証拠」の再演を王子小劇場で観た作品で改題されたものを小池唯一さんってかたのプロデュースで。
 浅野千鶴と笹峯愛さん観たさに、予約してあった前日が中止になって、当日に観ようと思った三鷹の芝居も中止になったので、こちらの芝居は当日は上演するとのことなので予約しなおして劇場へ。唾液と疑似の吐瀉物出まくりのハイテンションでテンポのいいコメディ。走りっぱなしの福澤さん、セクシーな笹峯さん、豹変する可愛すぎる浅野さん。狭い中で8人がハイテンションのお芝居は小劇場ならでは醍醐味。疑似の吐瀉物がオレンジのスライムみたいなもので、なんか違和感。そして、怖い終わりだけど、病気どうやって伝染ってたんだっていうのが尻切れトンボなのが残念。
客席:瓜生さん、もたいさん、彩木さんなどなど演劇関係者ずらり。
このページの頭へ

No:040  治天ノ君 / 劇団チョコレートケーキ
Theater:東京劇術劇場 シアターイースト
Date:10/06 M
Sheet:L-11
Price:\4,300
Time:1幕 2:20
客演:松本紀保他
 あまりスポットが当たらず、あまり良い印象で伝えられていないに、大正天皇の物語を史実をもとに、昭和天皇や明治天皇との確執、大隈重信・原敬の歴代の首相や周囲の人間との関係、そして、妻節子との夫婦愛を描いた物語。
 興味深い物語なるも笑いや大きな展開、派手なセットなどがあるわけではないのに、見事に舞台に引き付ける演出。まず、言葉が難しいはずなのに台詞が聞き取りやすいのと前後の台詞や構成のためなのかこちらにちゃんと入ってくる。事前の説明文書もあるから余計にそうなのかもしれない。そして、天皇の椅子とそれに続く絨毯のみのセットなのに、光の当て方でシーンを作るのが上手。こういう芝居の紀保さんの芝居は抜群の存在感、今回はストーリーテラーの役も担うがそれもすごくいい。他の役者さんはほとんど観たことないと思うのだけれど、そつなくて、すごくまとまっていたと思う。よかった照明だけれどももっともっと繊細に作るとよりようなるんじゃないかと思った。
客席:松金さん
このページの頭へ

No:039  ほしい / 劇団時間制作
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:09/29 M
Sheet:H-9
Price:\4,500
Time:1幕 2:00
客演:武藤晃子他  舞台は都内にある精神障がい者、身体障がい者が暮らすグループホーム「長草荘」。入居者である彼ら、彼女らは架空の家族を組み、生活していた。そこに2つのニュースが舞い込んでくる。「春の甲子園で地元の高校野球部が10年ぶりのベスト4」。「長草荘を退所した馬場良治による無差別殺人事件」。このニュースにより、長草荘の人々の欲求という悪魔が顔を出す。テーマは「才能」。錯覚と現実が行き来する物語の中で、ある者は家族を求め、ある者は能力を求め、ある者は愛を求める。入居者、長草荘の人々に果たして希望は訪れるのか。懸命に生きる術を求め続ける人々を描いた圧倒的な現代劇。あなたは、何が「ほしい」ですか?(各所案内文より)
 案内のあらすじからは、かなり変わっていた。仮想の家族ではなかったし、高校野球のベスト4は途中の話できっかけではなかった。
 初見であまり観ないタイプのお芝居だけれど武藤ちゃんが出るので、ちょっと観てもいいかなって思って。リアルなセットにこだわっていて、ポツドールとかシベ少とかでよく見る2階構造のリアルな部屋、青年団みたいに幕前から役者が舞台で演技。障害などをストーレートに扱う劇団らしくヘビーな内容。でも、結局言いたいことは台詞で全部しゃべっちゃうような気がしちゃった。なんか盛り沢山でお腹一杯、やりたいことや書きたいことがいっぱいあるのかなぁ。書きたいこと先にあって、設定やストーリーがある感じでなんか違和感。役者さんも苦手な演技をする方がいたかなぁ。イケメン、可愛い女性が多い舞台。客席の感じも普段観ているのはちょっと違った感じがした。武藤さんは今よりも、発砲の頃やセルフプロデュースしてた頃の方が好きだなぁ。
客席:青山さん
このページの頭へ

No:038  どうしようもなくて、衝動。 / good morning N°5
Theater:浅草九劇
Date:09/28 M
Sheet:J-01
Price:\4,500
Time:1幕 2:05
客演:入江雅人、野口かおる、千代田信一、小林健一、池田有希子、MINAKO  観光地の土産屋の中にあるキャラクタショップの無言な店主。同級生のませた妹。英語が堪能な女上司がやってくるダメな部署。うれない劇団女優とスターになってしまった昔付き合っていた俳優。などなどの話がちりばめられた特につながったストーリーの舞台。
 相変わらす、支離滅裂で芝居なのかコントなのか、よくわかんないんだけど、なんか足が向く。藤田さんと野口さんは相変わらす半裸のまま。池田さんの歌と捲し立てるような英語は見所。入江さん、佇まいだけでも笑わせちゃう
 このページの頭へ

No:037  あつい胸騒ぎ / iaku
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:09/22 M
Sheet:自由 4,5列目センター
Price:\3,300
Time:1幕 1:50
作・演出:横山拓也
出演:辻凪子、枝元萌、田中亨、橋爪未萠里、瓜生和成
 階段しかないマンション。古い間取りの3DK。散らかったダイニング。明日も履くジーパンが脱いだ形のまま放置されている。未開封のダイレクトメール。二年前のままのアロマスティック。トーストの粉がついたマーガリン。終わらない課題。持ち帰った仕事。インクが切れたボールペン。ミシンの音がうるさい。飲みかけのペットボトルと食べかけのビスケットは捨てていいのかダメなのか。ダイレクトメールの束に、再検査のお知らせが混ざっていることにも気づかないような、だらしない娘と母の二人暮し。だけど、今、二人は恋をしている。はじめての恋と、二十年ぶりの恋。高鳴る胸が騒がしい。
 枝元さんのお母さん役って・・・、もうそんなに観てるのかな。娘役の辻さんとの関西弁のやり取りがすごくいい。辻さんの明るさと悲しさの裏表が絶妙。「彼の地」や「世界は嘘でできている」の異儀田さんを思い起こさせるまた観てみたい役者さん。そして、瓜生さんと枝元さんのシーンとか至極、どこか裏のある淡々とした瓜生さんと明るさを表にまとった枝元さん。瓜生さんの薄ら笑いとか、「腹ぺこチンパンジー」って台詞とか、スパイスとしての笑いも絶妙。芝居は、前半の軽妙なテンポと重くなりすぎずにしっかりと打ち付けてくる感じががすごく良かった。物語よりも人の気持ちの一筋縄ではいかないような感じのところが好き。前回の「逢いに行くの〜」もそうだったけど、今回も抽象セット。自分はリアルなセットで観てみたい芝居かなぁ。
このページの頭へ

No:036  桜姫 / 阿佐ヶ谷スパイダース
Theater:吉祥寺シアター
Date:09/16 M
Sheet:G-14
Price:\5,500
Time:2幕 1:30 1:00
原作:四代目鶴屋南北
作・演出:長塚圭史
音楽:荻野清子
 2009年にコクーンで上演された『桜姫〜清玄阿闍梨改始於南米版』(演出・串田和美)の裏側にあった、もう一つの『桜姫』を、2019年版として長塚圭史が新たに筆を加えて上演。
 敗戦後、占領下にあった日本国を舞台に、「桜姫」の主人公としての運命に恋焦がれる若い女・吉田と、女を取り巻く欲望に満ちた男女の有相無相。
 清玄の足取りは覚束ない。その時一人の男、権助とぶつかる。権助の目つきはケモノのようである。清玄はその恐ろしい眼から、しかし視線を逸らさずにいる。権助もまた同様に。やがて互いに顔を背け、歩き出した瞬間、完全に点対称で動いた事に一瞬振り向く二人だが、気のせいだとそのまま歩んでいく。戦後復興の救世主、慈悲深き聖人と呼ばれる清玄の孤児院さくら学園。今日、『彼女』はそこから嫁ぐ。彼女が見つめる窓の外を楽隊が通る。「あっちですよ、お嬢さん。物語はあっちで始まります」
元々複雑な話らしいけど、手が加えられている上に前半ウトウトしちゃってよくわからなかったかなぁ。清玄の話と桜姫の話と権助の話が今一つながらなくて、なんかもやっと。それでも最近の長塚さんの中では分かりやすいかなぁ。まことさん、村岡さん、中山さんの三人のシーンは好きだなぁ。今回のスパイダースは、青年団並みの手弁当感、なんか身近に感じていいなぁ。プレトーク(\300)でこの戯曲はコクーンでボツになって取ってあった作品とのこと。また、バックステージツアー(無料)で、色々舞台の仕掛けやらを見せてくれて、ちょっとお得感。
このページの頭へ

No:035  さなぎの教室 / オフィス・コットーネ
Theater:駅前劇場
Date:09/08 M
Sheet:E-5
Price:\4,500
Time:1幕 2:00
作・演出・出演:松本哲也
出演:佐藤みゆき、吉本菜穂子、今藤洋子、朝倉伸二、古屋隆太、小野健太郎、新納敏正
 2002年に久留米市で実際に起きた4人の女性看護師による保険金連続殺人事件をモチーフに、九州・宮崎を舞台に、より閉鎖的な人間関係から彼女たちが犯行に至るまでの心理描写を緻密に描いた作品。
 事件自体を綴った作品は大竹野正典さんの作品「夜、ナク、鳥」で、コットーネが企画した大竹野正則没後十年企画の第三弾で、昨年劇場でも観た作品。
 日本の河川の森谷ふみさんが出演予定だったけど、交代で松本哲也さんが女性役で出演。松本さんの役はやっぱり女性で観たかったかなぁ。作品自体は、4人の関係性に絞っていて、ちょっと自分には取っつきにくい感じだったかなぁ。大好きな吉本さんは、いつものオフビートさは控えめなのが残念だけど、間近で観られるのはうれし。松本さんも今藤さんもちょっと過剰な感じかなぁ。
このページの頭へ

No:034  ギョエー!旧校舎の77不思議 / ヨーロッパ企画
Theater:本多劇場
Date:08/25 M
Sheet:M-5
Price:\5,000
Time:2幕 1:05 1:15
 校舎の都合で落ちこぼれクラスは旧校舎で授業をすることに。噂では77の不思議が起こる校舎、そして、その不思議をすべて見ると・・・先生、生徒たちのてんやわんやを描いた作品
 ちょっと強引なかなぁって感じの展開。コント色強めに無理に77の不思議を作るよりは、もう少しストーリーがあってもいいかなって。最近は役どころをあえて定番な役どころを当ててないのは意図的なのかなぁ。なんか映像が上田大樹さんっぽくて、ヨーロッパなのにナイロン観てる感じの不思議さ。今回、西村直子ちゃんが出てないのはすごく残念。
このページの頭へ

No:033  夕 / TAG
Theater:シアターサンモール
Date:08/14 M
Sheet:F-12
Price:\6,000
Time:1幕 2:20
作:宅間孝行
演出:田邉俊喜
出演:伊ア右典、石井美絵子、今野杏南、時人、篠原あさみ、三又又三他
 2008年東京セレソンデラックスの再演2014年のタクフェスと宅間孝行のユニットの公演を2度見ている作品。
 宅間さんの中で一番好きかな、この作品。普段観ないタイプのベタベタなお芝居だけど、ウルウルきちゃう。今回は、失礼ながら全然知らない方たちの舞台で直前でのチケット確保、客席も8、9割の入りだったのでどうかと思ったけど、役者さんはそんなに苦手な人はいないし、まとまっていたのでよかったかな。喜劇仕立てでちょっとやりすぎ感のあってすべり気味、かといってうまいと思わせるような部分がなかった演出。時代設定もそのままなので若い人はネタの部分で分かったのかなぁ。唯一観たことがある篠原さんは、2008年のセレソンの時にも同じ役で出ていて、東京マハロの時とは違った印象で吹っ切れてて良かった。この芝居、自分の好きな役者さんのキャストで観てみたいなぁ。2008年の舞台とすごく似たセットだと思ったら、美術さんが一緒で再現したらしい。セレソン版は同じサンモールで\4,500、時代を感じるなぁ。
このページの頭へ

No:032  4A.M. / 川面企画
Theater:アトリエ春風舎
Date:08/09 S
Sheet:自由 下手4,5列目
Price:\3,500
Time:1幕 2:00
作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:山田由梨
出演:川面千晶、菊池明明、川上友里、大竹直、串尾一輝
 とある東欧を思わせる川を隔てて南と北に分かれた近未来の国。元は北に住んでいた夫は南に出て、妻と結婚するが激しく情勢が不安定になった南側から、非人道的てなことも含めてあらゆる手段を使って北に逃れてきていた。その北側も、南側の影響を受け、物がなく、疫病が蔓延し始めてきていた。そこへ深夜に食べ物を求めてさまよいこんできた女は夫の元恋人。その女が居着いた三日後の深夜、医者である幼馴染とその婚約者が妻の病気を見に来る。不安と嘘と狂気に満ちた深夜の物語。24年前のナイロン100℃で上演された作品。
 偶然にもケラさんの本を他の演出家が演出する作品を続けて。この作品は映像で観て、ナイロンを観てみようかと思った作品のひとつだけど、トーンしか覚えてなかった。個性派の役者さんたちで面白かったんだけど、当時の自分がこの作品を映像で観て、ナイロンを劇場で観てみようかと思ったのかなぁ、ちょっと疑問、こんなシュールな作品だったっけ?、でもナイロンとしてはかなり初期の作品だからなぁ。後々、自分はケラ信者になるんだけど。そうは言っても、今の作品のテイストがうかがえるシーンもちらほら。役者さんはちょっとエキセントリックになりすぎな感じがしたし、大竹さん、川上さん、川面さんと元の劇団の時のイメージを強く感じたけど、光と影の暗い舞台が絶妙。明明さん、大きい。
客席:ケラさん夫妻
このページの頭へ

No:031  フローズン・ビーチ / KERA CROSS
Theater:シアタークリエ
Date:08/05 M
Sheet:20-6
Price:\9,000
Time:1幕 2:15
作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:鈴木裕美
出演:鈴木杏、ブルゾンちえみ、シルビア・グラブ、花乃まりあ
 2002年のナイロンの再演2014年の高羽彩さんが演出した企画ものを観ていて、戯曲も持っている好きな作品。岸田戯曲賞受賞したナイロンの初演は1998年。
 ケラさんの過去の本を別な演出家が演出すると言う企画ものの第一弾。花乃まりあさんは、体調不良で降板の朝倉あきさんの代わりに出演。こんな感じだっけ?って、全然覚えていないもの。オリジナルがものすごく息合い過ぎの当て書きのような作品なのでなんか違和感。ナイロンでは、犬山さん、峯村さんの名コンビが見所の舞台。ブルゾンさんが体格の大きな人だと思ってたから、杏さんが犬山さん、ブルゾンさんが峯村さんの役だと思ってたら逆だった。杏さん、大奮闘、ブルゾンさんは自分的には全体的辛かったかなぁ。松永さんの役は、花乃さん、バルコニーから飛び降りるシーンがダイナミックさが無くて残念だったけど、他の舞台も観てみたい役者さんだった。今江さんの役がシルビアさん、裕美さんの演出か、完全に新しい役になってた気がする。背筋が寒くなるような狂気さがナイロン版ではドライな笑いとして描かれてると思うけど、こういったところがエンターテイメントの芝居として仕上げた時にどうしても違和感を感じるのかなぁ。
このページの頭へ

No:30  涙目コント / MONO
Theater:三鷹芸術文化センター 星のホール
Date:08/04 M
Sheet:自由
Price:\3,000
Time:1幕 1:40
外部からの脚本提供も受けてのほろっともあるコント集。
 1.オープニング:土田英生:みんなで自殺しに屋上に来てしまって・・・
 2.フルーツバスケット:土田英生:特命隊の隊員の名前を珍しいフルーツにしてしまっててんやわんや。しかも、隊長が全員の女の子に・・・
 3.久保の挑戦:平塚直隆:屋上のヘリを目隠しして歩こうとする男。
 4.見えない恋:土田英生:透明人間の恋人と別れようと・・・、そして、次の相手は。
 5.さらば鎌玉:横山拓也:同棲していたカップル、別れを切り出した女に新しい部屋を勧める不動産屋の恋人。
 6.坂本:土田英生:印象のいい男の名前をなぜか坂本さんと思い込む女。
 7.ゴッド・セーブ・ザ・クリーン:前川知大:
 8.エンディング:土田英生:

 コントではあるけれども、話もしっかりで、大笑いというよりはニタニタな笑い。若手の女優さんたちがみんな魅力的、MONOでの高橋さんの印象が結構あったけど、石丸さん、立川さんも素敵。外の作家さんの本も面白かったけど、土田さんの演出なら、土田さんの本が面白いかなぁ。
このページの頭へ

No:029  北限の猿 / 青年団・無燐館
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:07/21 M
Sheet:自由
Price:\2,500
Time:1幕 1:40
 過去3度みている作品。
 ほとんどが観たことない役者さんにかなりばらつきがある気がしたけど、あの空間にいることが幸せ。細かなところは色々と変えられてるけど、ホント普遍性のあるシリーズだなぁ。シリーズの中で一番好きな「バルカン動物園」がまた観たくなるなぁ。来年は、吉祥寺で「東京ノート」、楽しみすぎて・・・。青年団系は、過去の名作を再演してくれるからうれしい。
このページの頭へ

No:028  ビビを見た! / KAAT
Theater:KAAT神奈川芸術劇場大スタジオ
Date:07/15 M
Sheet:D-15
Price:\5,300
Time:1幕 1:45
原作:大海赫(おおうみあかし)
上演台本・演出:松井周
出演: 岡山天音、石橋静河、樹里咲穂、久ヶ沢徹、瑛蓮、師岡広明他
 盲目の少年・ホタルに突然7時間だけ目が見えるようにしてやろうという声が聞こえた。ホタルの目が見えるようになると同時に、彼のまわりの人々は光を失ってしまう。突如、町が正体不明の敵に襲われ、人々はパニックに陥る。ホタルは盲目となった母とのりこんだ列車で、やぶれた羽と美しい触覚を持った緑色の少女・ビビと出会う。天津爛漫で無邪気なビビに振り回されるホタル。そして、ホタルたちの乗り込んだ列車を巨人が追ってくる。(KAAT HPより)
 最近ドラマや映画でたまたま気になっていた岡山さんと「こそぎ落しの明け暮れ」でもう一度見てみたいと思った石橋さんが出ていて、久ヶ沢さんも出るし、久々に松井さんの作品も観てみたいと思い、リセールのチケット取って観劇。絵本が原作と言っても、とっても大人なファンタジー。ちょっと抽象的な内容と、セットや衣装なんかがピンと来ない部分が多く長く感じた舞台だけど、観終わった後はなぜか好印象。出だし真っ暗な状態がしばらく続いている時の岡山さんの声が素敵、映画なんかの朴訥とした不器用な感じのイメージはあまりなかった。石橋さんは「こそぎ〜」時とは、軽やかさは変わっていたけど押してくる感じで雰囲気が全然違ってた、バレエをやっていたらしく身のこなしが綺麗。2人ともまた見てみたい役者さん。ONEOR8の「グレーのこと」に出ていた長尾さんが出ていたのに全然気が付かなかった。
このページの頭へ

No:027  美しく青く / シアターコクーン・オンレパートリー
Theater:シアターコクーン
Date:07/14 M
Sheet:R-21
Price:\10,000
Time:1幕 2:15
作・演出:赤堀雅秋
出演:向井 理、田中麗奈、大倉孝二、大東駿介、横山由依、駒木根隆介、森 優作、福田転球、銀粉蝶、秋山菜津子、平田 満
 山を背負い、海を抱く町。都市のきらびやかさとは無縁のその町は、かつて大きな災害に見舞われていた。8年を経て、日常を取り戻しつつあるかに見えた町に新たな「問題」が生じる。人馴れした野生の猿が、田畑の作物や人家の食べ物を狙って荒らし、時には人間にまで危害を加えるようになったのだ。中でも片足の、群れをはぐれた“ハナレザル”は気性が荒く、危険視されていた。青木保(向井理)ら町の男たちは猿害対策のための自警団を結成し、日々不毛な争いを繰り返していた。メンバーは保の同級生で農業に従事する古谷勝(大東駿介)や地主の息子・峰岸春彦(駒木根隆介)、軽口ばかりの中年・落合秀樹(福田転球)、己を持て余す若者・林田稔(森優作)たちだ。役場勤めの箕輪茂(大倉孝二)も、申し訳程度に参加している。保は町のためと息巻くが理解者は少なく、猿の餌になってしまうゴミの出し方や柿の木の伐採について、町内でアパートを経営する老人・片岡昭雄(平田満)に協力を仰ぐもはねつけられてしまう。成果の上がらぬ自警団のメンバーは、佐々木幸司(赤堀雅秋)・順子(秋山菜津子)の営む居酒屋に集っては、夜な夜な愚痴まじりの飲み会を繰り広げていた。店では勝の妹・美紀(横山由依)がアルバイトをしている。保が自警団の活動にのめり込む一方、妻の直子(田中麗奈)は認知症を患う実母・節子(銀粉蝶)の介護に明け暮れる日々に疲れ果てていた。ささやかな日常の水面下には、誰もが不安や不満を抱えている。それでも生きていく。それでも生活は続く。空と海は、今日も美しく青く、そこにある。(コクーンHPより)
 いつもの赤堀さんの本に比べて、殺害や暴力がなく、震災、痴呆や動物が里に下りてきてしまうような社会的な部分も書かれているがよりリアルな日常を描いた感じ。まさに、僕たちはそれでも生きていくな物語。細かな人の気持ちみたいなものを丁寧に描いていて、コクーンのサイズの芝居じゃないみたい。人にどういう風に良かったのかうまく伝えられなく、あまり良席ではないけど2時間15分は長く感じなく、とても興味深く観られた。田中さんが掃除機かけながら、自分の狂気を見つけて泣き出すシーンとか、秋山さんと田中さんがシリアスな話をしてるときに佇んでいる赤堀さんとか、すごく好みの演出。向井さん、田中さんは松山ケンイチさんの髑髏城−風−の時の蘭兵衛、極楽太夫のコンビ。田中さんは、ONEOR8で演じた時のような繊細な感じのお芝居のほうが好き。向井さんは、悼む人とかでも観てるけど、映像のほうが魅力あるかなぁ。大倉さんのコメディリリーフさは相変わらす素晴らしく、秋山さん、平田さん、銀粉さんが屋台骨を支えて安心感もありのお芝居。そして、赤堀さんの役がずる過ぎです。
このページの頭へ

No:026  世襲戦隊カゾクマンV / プリエール
Theater:赤坂RED/THEATER
Date:07/07 M
Sheet:E-7
Price:\4,500
Time:1幕 2:15
作・演出:田村孝裕
出演:西山水木、田中真弓、芋洗坂係長、曽世海司、岡田達也、上田桃子他
 腰痛の治療のために入院していた病院で敵ミドラーにさらわれ改造人間にされた父、改造人間に変わってしまうリミットまでに家族は人間に戻すため団結。ミドラー親子の話だったり、悪の組織の部下の謀反だったりも交えて繰り広げられるおポンチダメダメ家族戦隊ものの第三弾。
 それこそ実績のある役者さんたちが、家族のぽんこつヒーローものを半壊状態で演じるお芝居、舞台も客席も楽し。被り物だったり、戦隊スーツだったりを還暦過ぎた方もいるような恒例な方たちが楽しそうに演じてて、ホント小劇場万歳。田村さんお得意のお茶の間出てくるけど、ONEORっぽさは全くなし、家族愛はあってもシリアスさは全然なし。それにしても上田桃子さんは可愛すぎるでしょ・・・
このページの頭へ

No:025  ビューティフル ワールド / モダンスイマーズ
Theater:東京劇術劇場 シアターイースト
Date:06/23 M
Sheet:E-19
Price:\3,000
Time:2幕 1:05 1:00
客演:菅原大吉、吉岡あきこ、成田亜佑美
 家が火事で焼け、北海道の叔父の家を居候することになる引きこもり。そこにいた奥さんと深い中になってしまう。叔父の家は老舗菓子家だったが経営難でカフェに業態を変えて営んでいた。奥さんの父が営んでいた菓子屋を叔父夫婦が潰したことから、夫婦は失敗をお互いに擦り付け、わだかまりの中にいる。そこの従業員同士のこじれた恋愛に、叔父の娘も加わってぐちゃぐちゃな状態。人を好きになるって、生きていくってなお話。
 モダンの二十周年公演。津村さんがメインにたちにその相手に初見の吉岡あきこ。観るか迷っていて、取ろうと思ったら売り切れになっていた千秋楽、たまたま譲渡サイトで譲ってもらっての観劇。 自分の中ではモダンは当たり外れが大きい感じで、セットが抽象的な時は苦手なものが多い。今回の舞台は抽象のセットだったけど、なかなかの見ごたえ。人との関わりのなかで甘える人間の弱さ、人のせいにする弱さ、絶望しながらも前を向かなきゃならないこと。それぞれのキャラクタの作りも良く、シリアスさの中でも笑いをちりばめるのも良かった。当日券に並んだ人が50人弱、入りきれない人たちに、ロビーでライブ映像を見せたらしい。小劇場、万歳!
このページの頭へ

No:024  キネマと恋人 / KERA・MAP
Theater:世田谷パブリックシアター
Date:06/22 S
Sheet:J-18
Price:\7,800
Time:2幕 1:35 1:35
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:妻夫木聡、緒川たまき、ともさかりえ、三上市朗、佐藤誓、橋本淳、尾方宣久、廣川三憲、村岡希美
 2016年にシアタートラムで上演された人気作をパブリックシアターで再演、当時当日券立ち見で観た作品
 尾方さんがケラさんの舞台で観られるのも嬉しいし、三上さんを久々に観られたのも嬉しい。尾方さんの朴訥さ、三上さんの放蕩さ、そして、村岡さんの間を外さない笑い。緒川さんがウクレレ弾いて妻夫木さんが歌うシーンとか、二人が読み合わせするシーンとか至福。緒川さんは前回よりもよりコメディエンヌぶりが増してかつキュートなあっぱれさ。緒川さんの役、小池栄子さんでも観てみたいなぁ。ダブルキャストで再々演しないかなぁ。
このページの頭へ

No:023  2.8次元 / ラッパ屋
Theater:紀伊國屋ホール
Date:06/15 M
Sheet:C-18
Price:\5,500
Time:1幕 1:50
客演:谷川清美、ともさと衣、林大樹、青野竜平、豊原江理佳、黒須洋嗣
 財政難に苦しむ老舗劇団「雑草座」が、観客動員アップを狙って2・5次元ミュージカルを上演することになる。理想の演劇とのギャップ。イケメンの客演との衝突。必死で歩み寄るが、劇団員たちはバリバリの3次元。それぞれの人生に味がありすぎて、2・5次元になりきれず・・。(ラッパ屋HPより)
 毎回安定な面白さで楽しみにしているラッパ屋。タイトル観て「おじクロ」の焼き直しっぽいの想像してたけど、おじさん、おばさんが歌って踊ってのミュージカル風仕立て。のっけからジャズピアノの生演奏でノックアウト。予定調和なんだけど、皮肉や自虐もいっぱい、否定じゃなく肯定なところが素敵。2.5に魂注入して2.8ね。麻紀ちゃん、三鴨さん、岩橋さんが三人並んでるだけでも嬉しくなっちゃう。毎回、おじさんたちに元気をもらう。ミュージカル系から豊原さん、ピアニストに黒須さんと呼んだ客演がまた効果的。
このページの頭へ

No:022  らぶゆ / KAKUTA
Theater:本多劇場
Date:06/09 M
Sheet:P-22
Price:\5,500
Time:2幕 1:25 1:05
 昨日に観た芝居もう一度見ておきたくて直前予約でギリギリチケットを取って観る。
 最前列の前日とは打って変わって後ろから二列目での観劇。後方で観ても面白い芝居は面白い。そして、俯瞰してみらたり、台詞の後ろへつながる意味が分かっていたりしているので、じっくり見られる。ほんとに一人一人が細やかに愛情を持って書かれているのがわかる。
このページの頭へ

No:021  らぶゆ / KAKUTA
Theater:本多劇場
Date:06/08 M
Sheet:A-8
Price:\5,500
Time:2幕 1:25 1:05
客演:小須田康人、みのすけ、中村中、松金よね子他
 服役中に知り合い仲良くなった4人。一番純朴な男は自殺をしてしまう。残った四人の中の一人は、服役中の懇意になった老人の養子となり、老人の死後に福島の田舎の土地と廃屋を相続していた。出所後、職を無くしたり、離婚したり、恋人を失ったりとそれぞれの居場所を無くした彼らはその土地に移り住む。彼らはそこに、訳ありの人たちを連れてきて共同生活を始める。薬の売人をしていた男は薬を売った相手が薬を使って自動車事故を起こして死亡したことから、その母親が気になり身を明らかにせず付きまとっていて、希望を失いかけた母親を連れ福島に来る。トランスジェンダーの男は女になって福島に来るが、昔の恋人の女の弟が薬漬けになり、組織の薬に手を付け追われて福島にやってくる。会社を守るために詐欺を行った男は、服役中に妻と離婚し、妻は別の男と結婚するが、心も疎遠だった娘が新しい父との折り合いが悪くなり訪れてきて、福島にやってくる。そんな人々が地元の農家の人々と関わりながらコミュニティーを築き上げていくが、廃屋の持ち主だった老人の縁を切ったはずの娘が相続を要求し、彼らの出自を明かしてしまった上に、東北沖の震災が発生し、彼らを離れ離れにしてしまう。
 客演陣とKAKUTAの劇団力の相乗効果で役者さんが乗ってる感じ伝わってくる。いつもちょっとだけ入るファンタジーさがなく、中々ありえそうにない設定も、骨太でストレートな物語。3.11の絡め方はちょっと消化しきれない感じかなぁ。中さんは残念ながらたくさん歌わないけど、ちょっとだけ歌うシーンが素敵、松金さんの息子の過ちを再び犯させないようにしようとするシーンも素敵、異儀田さんとみのすけさんのシーンなんてたまらない。そして、多田さんめちゃめちゃキュート、バラちゃんのキャラはいつもながらずるいぶっ飛びキャラ。バラちゃんはそれぞれの人々を描くのが丁寧で、みんな愛おしくなる。「愛ってなんだろ」、「言わなければなかったことにできるから」、「信じてくれるんですか」、「神の教えを忘れるぐらい夢中になれるなんて」などなど、素敵な台詞いっぱい。
このページの頭へ

No:020  やまいだれにやまいだれ / 久保と人間
Theater:サンモールスタジオ
Date:05/19 M
Sheet:A-7
Price:\4,200
Time:1幕 1:35
作・演出:アオキヒデキ
出演:松本紀保、村上航、山崎彬、石澤美和、國吉咲貴、岡野優介、久保貫太郎
 僕の病と君の病を交換しないかい?あの人はいつもそんな風に私を誘ってくる。私には病なんて無いのに。そうか病は気からって云うから気持ちの持ちようによっては可能なのかも知れない。あれ?こんな事を考えてる私はどこかオカシイのかしら!やっぱり交換してもらおうかしら!私の病だけ相手に押しつけることはできないかしら!こぶとりじいさんの様に!(久保と人間HPより)
 クロムモリブデンは、何人か役者さんは観たことあるけど、アオキさんの本はたぶん初見。(と思ったら「僕たちが好きだった川村紗也」で観てたみたい。)イマイチどんな話か分からない話。心の中の心象なのか、心の病の話なのか。ちょっと、一人苦手な役者さんがいたのが残念かなぁ。サンモールスタジオ、最前列のセンター。近いときには役者さんが50cm位の位置で熱っぽさが伝わりすぎてこっちが照れ臭い。紀保さん、航さんが観られただけで満足。今日の紀保さんはキュートだった。
このページの頭へ

No:019  LET’S GO SIX MONKEYS / JOVIJOVA
Theater:品川プリンスホテル クラブeX
Date:05/02 M
Sheet:I-15
Price:\6,000
Time:1幕 2:00
構成・演出:マギー
・閉じ込められたビル、謎を解かないと出られないが謎が出ない。
・ボーリング場でハイタッチするのを門田がホームランのハイタッチで打球したのをネタに。
・カルロス・ゴーンの警備の仕方がおかしい。
・レストランで森のサラダをきっかけにフラッシュモブ。
・添乗員の言い方をいじる話
・歌詞があるのに「ルパン」のフレーズしか歌わないレコーディング。
・笠地蔵の恩返しに行く道中でそれほどの恩かって。
・お面がないのに変面ショー。
・不死身の阿闍梨がバージョンアップしてよみがえる。
・色覚補正眼鏡で見える世界が変わる。
などなどのコント集。
 ナイロンの舞台ではいっぱい観ていたマギーさん、長谷川さん、坂田さん一度見てたかったので良かった。ちょっと、好みじゃない話は中だるみ感があるかな。でも、ずっと笑ってられて楽し。木下さん、石倉さんを映像以外で見られたのも良かった。
このページの頭へ

No:018  喫茶ティファニー / ホエイ
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:04/21 M
Sheet:自由 4列目中央
Price:\3,500
Time:1幕 1:45
出演:森谷ふみ、山村崇子、中村真沙海、斎藤祐一、小倉ケント、吉田庸、山田百次、川村竜也、赤刎千久子
 喫茶ティファニー、ねずみ講の詐欺の勧誘が行われているその場所に集った人たち。日本の国籍を持たないということでつながっていた人々の事情が徐々に明かされていく。ここに最初からいるのになぜ、ここの人として扱われないのだろう。
 国籍や生まれと言ったセンシティブな内容をそれほど重くならずに描いた作品。ちょっと、アイデンティの話とねずみ講の詐欺の話が繋がらないのが残念かなぁ。暗転とスポットライトで時間を入れ換えたり、最初に色々説明したりと面白い演出。やっぱり、アゴラの濃密な空間はいいなぁ。
このページの頭へ

No:017  まほろば / 梅田芸術劇場
Theater:東京劇術劇場 シアターイースト
Date:04/13 M
Sheet:N-5
Price:\6,800
Time:1幕 1:50
作:蓬莱隆太
演出:日澤雄介
出演:高橋恵子、早霧せいな、中村ゆり、三田和代、生越千晴他
 新国立劇場で2度上演された蓬莱さんの岸田戯曲賞受賞作品を梅田芸術劇場のプロデュースで上演。2012年の再演時に観た作品
再演版を観ていて、ストーリーは覚えてなかったけど、芝居の自体と秋山菜津子さんの印象がいいことは覚えていた。最初、三田さんの新劇っぽい入りに、早霧さんがエンターテイメントな感じで、なんか色の感じの違う役者さんたちで違和感があるんだけど、終盤見事なまとまり。さすが蓬莱さん、重いとこ突っ込んでくるけど、いい台詞いっぱいあるなぁ。前回は秋山さんの芝居な気がしたけど、今回は高橋さん、早霧さん、中村さんとバランスよく見所たっぷり。たぶん初めての日澤さんの演出だったけど、あまり好みの感じではなかったかな。
このページの頭へ

No:016  クラッシャー女中 / M&Oplays
Theater:本多劇場
Date:03/31 M
Sheet:Q-4
Price:\7,000
Time:1幕 2:20
作・演出:根本宗子
出演:麻生久美子、中村倫也、西田尚美、趣里、田村健太郎、佐藤真弓、根本宗子
 幼少期、驚くほど貧乏だったゆみこ。彼女は母の再婚相手の子供、静香と「貧乏なんてこりごり、絶対金持ちになってやる。」という誓いを立てる。長じて、二人はとある屋敷に居た。静香はこの屋敷の息子・義則の婚約者として。ゆみこはこの屋敷の女中として。屋敷の主は義則の母・和紗。和紗は息子を溺愛し、自分の理想の男性として育て上げた。義則は和紗の期待通りの完璧な男性を演じているが、そのストレスを使用人たちにぶつけて疎ましがられている。「金持ちになる」という夢のために静香を「お嬢さん」に仕立てて、まんまと屋敷に潜り込んだゆみこ。しかし、「育ちのいいお坊ちゃん」という仮面の下に、底知れぬ本性を隠し持っていた義則によって、二人の計画はねじれ、思わぬ方向へ暴走し始める。しかしそれはすべて完全に何かがぶっ壊れていたゆみこの欲望が原因だった。やがて屋敷の人々の欲望があらわになったとき、ゆみこと義則を中心にして、人間関係のクラッシュが始まる――。勝つのは女の欲望か、男の欲望か。(M&OPlays HPより)
 実際はちょっと違う話だった。良家で母親に溺愛された息子と、彼に喜んで欲しいだけで、様々な画策をものすごく遠回しにし続けた女の偏愛のお話。
 中村さん人気でチケット入手できず、200分の30〜40の当選確率の当日券を二回目のチャレンジでどうにか手にする。前半主役は誰なのってくらいに、趣里さん、田村さんのエピソードが詰め込まれていて、話どうなっちゃうんだろって思ったけど、すごい回収力。終わったら、メイン二人がちゃんと浮き出てる。麻生さんが出ずっぱりのお芝居が見たかったけど、仕掛けからすると仕方ないのかな。全体的に役者さんの使い方贅沢、特に西田さんは贅沢な使い方だなぁ。狂言回し的な真弓さんがまた素敵。
このページの頭へ

No:015  こそぎ落としの明け暮れ / ベッド&メイキングス
Theater:東京劇術劇場 シアターイースト
Date:03/21 M
Sheet:C-17
Price:\5,500
Time:1幕 2:10
客演:安藤聖、町田マリー、吉本菜穂子、野口かおる、石橋静河、佐久間麻由、葉丸あすか、島田桃依さん
 登場人物達のそれぞれの善意が、互いをすり減らし、こそぎながら、信じるに値するもの≠求めて、右往左往する様を笑い≠交えて描く群像劇。(チラシより)
 愛が溢れすぎて次々と不倫を繰り返す夫。その妻は夫の不定と誰にでも愛想よくする姉に切れ気味。不倫相手の一人は別れても男を忘れられず、もう一人の不倫相手はなぜ付き合いだしたのかを分からずにいる。一方、蜘蛛退治を請け負う業者の集団、リーダーの女は蜘蛛好きであるが捕まえたくもを見たことないと言う。見た時にそれが存在しなかったら自分が好きだったものが存在しないということを恐れて見られない。そんな人たちが会えない、分かり合えない群像劇。
 相変わらす、自分にとっては???の支離滅裂さだけど、なんか引き込まれる、会えない、分かり合えない物語。面白セリフが続々、それが一つ一つ言いえて妙なたとえだったりするから楽しい。吉本さん、聖さん、町田さん、野口さんと好きな女優さんが出まくりの上に、楽しみな石橋さん、贅沢すぎるこの女優陣、たまらん。石橋さん、軽やかでかわいらしく、葉丸さんはちょっと歌った時の声が素敵だった。吉本さん、オフビート最高、野口さんアクセル全開、町田さん美しさとやさしさと裏側の怖さ、聖さんは今まで見たことない啖呵切るような場面がかっこよかった。
 アフタートークに、岸田戯曲賞受賞の「新しいエクスプロージョン」に出てた川島海荷さんと大鶴佐助さん。前回を振り返ってくれながら、ちょっと裏話。
このページの頭へ

No:014  空ばかり見ていた / シアターコクーン
Theater:シアターコクーン
Date:03/17 M
Sheet:S-5
Price:\8,000(okepi:額面\10,500)
Time:1幕 1:25/1:05
 舞台は反政府軍のアジト。反政府軍の兵士・多岐川秋生(森田 剛)は、尊敬するリーダー吉田満(村上 淳)の妹・リン(平岩 紙)と恋愛関係にある。ある日リンが暴漢に襲われ、指令部のある町に派遣されていた秋生は身を案じ慌ただしく帰還する。傷を負いながらも、リンは愛する恋人や仲間たちが自分を見守ってくれることに幸福を感じ、回復へと向かう。命の保証のない日々のなか、結婚に踏み切れない秋生と、その考えを察して共に闘いたいと願うリン、そんな彼女に戸惑う満。やがて、秋生が絶対的な信頼をおいていた満に対して不信を覚えざるをえないような出来事が起こる。満への感情と連動するようにリンを否定する気持ちがわき上がり、戸惑う秋生。同じころ、政府軍のスパイが組織に入り込んでいたことがわかり、事態はさらに複雑さを増していく─。(コクーンHPより)
 剛さん出てた前回の「すべての四月のために」に続きフライヤーが素敵過ぎ。入りは「ブエノスアイレス午前零時」に似た感じでスタートしたけど、長い台詞が全然入ってこない。相変わらず、自分には難しい岩松さんの本。ちょっとウトウトが多くて背景の説明をちゃんと理解できてないのか、台詞の意味が分かりにくかった。内戦下という難しい局面で語られる恋愛って言うのも入り込みにくかったけど、場面場面はものすごくいい絵面なので、もう一度観る機会と気合があれば面白いんだろうなぁって。役者さんみんなそつなくだけど、特出して良かった人もいないかなぁ。筒井さんがコメディアスな役柄だけど、年齢の設定的にも宮下さんと逆の方がいい気がしたかなぁ。特に紙ちゃんはもうちょっと自分の好きな部分を見たかったかなぁ。
このページの頭へ

No:013  はなにら / MONO
Theater:吉祥寺シアター
Date:03/10 M
Sheet:B-15
Price:\4,200
Time:1幕 1:55
 20年前の天変地異により、親や子供を失った人たち。他人であったはずの彼らは寄り添うように家族になった。たくさんのお父さん。顔もバラバラな娘たち。拒絶、喧嘩、涙、そして笑顔を何百回も繰り返し、今、旅立ちの時は来たようだ。疑似家族の物語です。一緒にいるとはどういうことか? 別れとはいったいなんなのか?(MONO HPより)
 若手メンバーが増えて、客演なしの30周年第一弾。相変わらずちょっとありそうで現実にはない設定にずれた不条理な会話で面白おかしく話を進めながらも、人の業やコミュニティの不安定さを上手に描く。若手が入って、役の年齢差もしっくり。若手の人たちもすごくMONOの雰囲気に馴染んでいて違和感がなくて好感。ちょっと明るめな感じの金替さんが珍しく、いつも嫌な役の奥村さん。やっぱいいなぁ、土田ワールド、MONOの劇団力。カーテンコールのBGMが、ポール・サイモンの「母と子の絆」だったのもツボ。
このページの頭へ

No:012  仮面 / 小松台東
Theater:新宿眼科画廊スペース地下
Date:03/09 M
Sheet:自由-鍵型2列席角後列
Price:\3,000
Time:1幕 1:15
客演:小園茉奈、廣川真菜美
 小松台東が松本さん単独から、スタッフを含めた4人の編成になって初めての企画公演。新メンバー、役者は瓜生和成さんと今村裕次郎さん
 天皇陛下が変わることによる恩赦の民間の説明会に集まった人たち。一向に来ない講師、やたら絡んでくるうざい男、観客も説明会に来た人間の一人という設定で描かれた軽演劇
 ちょっと客を巻き込んだ仕掛け。松本哲也さんの嫌な男っ振りに虫酸か走るほど劇に巻き込まれながら、ものすごい至近距離の役者さんたちに酔う。タカハ劇団から二か月連続のナイロンの小園さんのくりくりした目、今村さんのテンション、瓜生さんの押引きがほんと素敵。
このページの頭へ

No:011  東京ノート / 亜人間都市
Theater:早稲田小劇場どらま館
Date:03/08 S
Sheet:自由-3列目中央
Price:\2,800
Time:1幕 1:40
 青年団で過去何度の再演され、他ユニットや若手公演まで含め、何度も観ている作品。
 どこで上演されても可能な限り観に行ってしまうこの舞台。今回は、学生演劇に近いユニット?、一人の役者さんが複数を演じる舞台。同時多発会話劇の芝居でそれぞれが衣装も変えず何役も演じたり、仮想の相手に喋ってその相手も自分でやったり、その上創作的なクネクネした身体表現を使って演じている。元々をある程度知っているので会話についていけるけど初見だったらまるで置き去りになってしまうのでは。自分には脚本の良さが損なわれちゃってる気がした。身体表現については、あまり観る種類の舞台でないのでよくわからないけど、一人で二人の会話演じるならせめて上下切るぐらいはしてほしかったかぁ。でも、所々で、台詞噛み締めて、やっぱり名作だなぁって思う。来年、青年団本公演での何回目かわからない再演が楽しみ。
このページの頭へ

No:010  世界は一人 / パルコ・ステージ
Theater:東京劇術劇場 プレイハウス
Date:03/03 M
Sheet:P-19
Price:\8,500
Time:1幕 2:15
作・演出:岩井秀人
出演:松尾スズキ、松たか子、瑛太、平田敦子、菅原永二、平原テツ、古川琴音
音楽:前野健太
演奏:前野健太と世界は一人
 海のそば、かつて炭鉱で栄えたがいまは寂れ切ってシャッター街となった地域に生まれ育った同級生三人が、成長し、家族とモメにモメ、窃盗で捕まったり、自死を計ったり、上手く立ち回って人生の罠から逃れたりなどしつつ、東京へ出て成功したり失敗しながら再び巡り会う、物語。三人の人生のねじれと交わりを、<前野健太と世界は一人>が奏でるオリジナル楽曲にのせてたっぷり描きます。(PARCO HPより)
 ハイバイの岩井さんの作品と比べて物語性が薄く、音楽や観念的な感じになった気がする。一部音楽のないシーンで舞台にぐっと引き込まれたのは皮肉な感じ。2時間10分の芝居が3時間くらいに感じてしまった。メインの3人が同い年として、それぞれの年代をそのまま演じるような手法がとられるのは面白いけど、なんかぴんと来ないことが多くて入り込めなかった。一つ一つとるとすごく面白いんだけど。そして、瑛太さんも含めてみんな歌うのはお得感、中でも松さんの声がめちゃ澄んできれい。古川さんって女優さんは初見だけど、いい雰囲気でまた観てみたい。
このページの頭へ

No:009  莫逆の犬 / よしもとクリエイティブ・エージェンシー
Theater:神保町花月
Date:03/02 M
Sheet:G-10
Price:\4,500
Time:1幕 2:00
出演:宮下雄也、板尾創路、大谷麻乃、矢部太郎、冨田直美、山口森広、恩田隆一他
 2008年のONEOR8が上演した作品を吉本のプロデュースで。
 ONEORのメンバーも3人出てるけど、矢部太郎さんもほとんどONEORのようなものだから、劇団の色が強いかなぁって思ったけど、かなり笑い側に振ってる気がした。その分、切なさが増してるかなぁって思ったけど、後味は、劇団版のほうが強かった気がする。キャストが増えてる分、追加シーンもあったり、設定の年代が少し後の時代になっている。流石に、笑いの取り方がうまいけど、ちょいちょい違和感あり。なんか当時の和田さんばかり思い出してた。
このページの頭へ

No:008  銀河鉄道の夜 / 青年団
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:02/24 M
Sheet:最前列ベンチシートセンター
Price:\2,000
Time:1幕 1:05
出演:井上みなみ、藤松祥子、山本裕子、鄭亜美、中村真生
 銀河鉄道の夜を舞台化させた作品。  井上みなみさんがまっすぐどこまでもまっすぐで素敵。昨年末の根本さんのお芝居で好印象だった藤松さんは不思議さを持った天然で無心な感じすごくいい。そして、出だした鄭さんのハスキーで小さいんだけど響く優しい声が溜まらない。「それでは〜」(あってたかな?)って台詞だけでぐっと来た。とってもいい意味で、ものすごく上質な高校演劇を観てるような気がした。
このページの頭へ

No:007  忠臣蔵・武士編 / 青年団
Theater:駒場アゴラ劇場
Date:02/24 M
Sheet:自由4,5列目センター
Price:\2,000
Time:1幕 0:55
出演:大塚洋、大竹直、海津忠、秋山建一、島田曜蔵、中藤奨、吉田庸
 大石内蔵助を中心に討ち入りを決めるまでの過程をコミカルに創作した作品。
 よもやま的に出てくる日常の会話の裏にある生活が現代だったりという設定が面白い。討ち入りを決めるにあたっての日本人観の出し方も好き。軽演劇ながらあまりエキセントリックなキャラクタを出さないのも好感でニタニタ。
このページの頭へ

No:006  夜が掴む /
Theater:シアター711
Date:02/11 M
Sheet:A-6
Price:\4,500
Time:1幕 1:40
作:大竹野正典
演出:詩森ろば
出演:山田百次/有薗芳記/町田マリー/柿丸美智恵/杉木隆幸/異儀田夏葉/西澤香夏/塩野谷正幸
 アパートの階下の娘のピアノが気になって殺人を犯した男の実話をモチーフに書かれた物語
 ストーリーよりも男やその回りの人たちの心にスポットを当てた本。いい役者さんばかりの舞台は、見応えの演技バトルだけど、引くとこ出るとこわきまえてて、バランスがいい。しかも百次さんは暑くストレート(これも意外さがいい)、有薗さんと塩野谷さんはアングラなテイスト、異儀田さんはアメコミのようなキャラ作り、マリーさんは妖艶でしっとり強か、柿丸さんはクレイジーってバラバラな感じなんだけど、すごくグルーヴ感とライブ感があった。狭い舞台なりに工夫した演出やセットが好感。ピアノを模したセットを中央に、ミニチュアの家具やセット背面の複数ある扉で団地の生活を表現したりとかで、スケール感の出し入れをするのが上手だなぁって思った。席が折り畳み椅子出しての最前列、爪先がセットに当たっての観劇はちょっと役者さんの声がでか過ぎだった。
このページの頭へ

No:005  僕らの力で世界があと何回救えたか / タカハ劇団
Theater:小劇場B1
Date:02/10 S
Sheet:自由-左側ブロック右側
Price:\4,000
Time:1幕 1:40
出演:大久保祥太郎/斉藤マッチュ/松澤傑/小園茉奈/内藤栄一/もたい陽子/若狭勝也/松永玲子
元アマチュア無線部の三人が、7年ぶりに母校で再会する。薄暗い校舎、今はもう廃部になってしまった無線部の部室の片隅で、古ぼけた無線機から懐かしい声が聞こえてくる。それは7年前に失踪したきりになっていたもう一人の部員、リョウタの声だった――   ともだちがいなくなった。いなくなったきり、みつからなかった。ともだちの不在をおきざりにしたまま、僕らはおとなになった。でも最近おもう。ほんとうにおきざりにされたのは、僕らだったのかもしれない。
科学的でSFチックな物語が下地だけど、物語としては心の距離のお話。後半に向かい見せ場があってグイグイ引き込まれる舞台。並行世界という生きた時と死んだときの2つの世界を使って物語性をもたせたのが上手く、無線やSFもディテールに入り込み過ぎずいい匙加減。松永さん最初の関西な感じのテンションにニヤリ、若狭さんKAKUTAで観たことないようなフケ役、小園さんのテンションと眼が泳いでる感じ、もたいさんのライトノベル作家の雰囲気も良かった。狭い限られた空間だから仕方ないけど、セットや演出にもうちょっとインパクトがあったら、より良かったかなぁ。
このページの頭へ

No:004  PARTY PEOPLE / 艶ポリス
Theater:駅前劇場
Date:02/10 M
Sheet:E-8
Price:\3,800
Time:1幕 1:40
出演:川村紗也、岸本鮎佳、奥村佳代、彩木りさ子、小林きな子、関絵里子、中山まりあ、石井エリカ、河野安郎、藤田晃輔、谷戸亮太、渋江譲二
 とあるお金持ちの夫婦、次男の誕生日にと勝手に招いた人々は、いわゆるパーティーピープルだったり、普通の暮らしをしている人だったり。長男の中国人の嫁、ベンチャー立ち上げる男、金持ちの娘、株成金、ラッパー、惚れやすい女、成り上がりの画家に、実家は金持ちだけど質素に暮らす女。画家の元カノが質素女だったり、長男の嫁との確執だったり、金持ちだけどコンプレックス持ってたり、破天荒だけど動物月なラッパーだたりと、色々な人が色々混じって、大騒ぎな、人々にとってお金の価値や愛情、友情をテーマにした作品。
 軽くポップにコメディーで突っ走るけど、ちゃんとテーマを持っているの見える。ちょっと矛盾や音楽や台詞のタイミングに違和感とかを感じちゃうとこもあるんだけど、濃くて薄っぺらいキャラを次々と出してくるけど全然うんざりしない構成力。目当ての川村さんと彩木さんは反対側のキャラだけど、川村さん持ってる空気いいし、彩木さん綺麗。
このページの頭へ

No:003  桜のその薗〜ミワクの鳥が踊る町の山の川の果ての鈴鳴る滝で一人龍を征す〜 / はえぎわ
Theater:ザ・スズナリ
Date:02/03 M
Sheet:F-10
Price:\4,000
1幕 1:40
客演:茂手木桜子、中園菜々子
 矢を放たれた女、女の元には矢を放った女が、その女も同じように矢を放たれ回想が始まる。所属していた劇団の作家の男とプロデューサーの女、その男が出会う女と男。あこがれていた男とその勤め先である火葬場の人々。はえぎわ20周年の作品。
 うとうとしたせいもあってよくわからなかった。矢を放った女は自分自身に放ち、その写し鏡が放たれた女になっていて、その回想に劇団の歴史が少しずつ絡めてあるのだろうか。ちょっと福原さんに似た感じと思ったけど、よりピンと来なかったかな。頭かたい自分。ただ、なんか場面々々は面白く、満席なのもうなずけるかなぁ。フライヤーと一緒に入っていた折り込みを見ると色々やってきた劇団なんだなぁって。
このページの頭へ

No:002  帰郷 / 入江雅人企画
Theater:本多劇場
Date:01/27 M
Sheet:9-15
Price:\6,800
1幕 2:10:
作・演出:入江雅人
出演:入江雅人、池田成志、田口浩正、坂田聡、尾方宣久、岡本麗
 1980年、福岡。真夏の暑い夜。しげお、向井、香月、長崎、竜彦の5人は、学校のはずれの部室で秋の文化祭で上映するホラー映画を撮影していた。そこで彼らが体験する不思議な出来事とは? 2021年、日本中が、ゾンビパニックに見舞われる。 東京で暮らす向井と竜彦、地元に残ったしげお、香月、長崎、かつての仲間たちにも運命の時が迫っていた。夏の終わり。帰郷した向井は、しげおの家を訪ねる。友の願いを叶えるため、青春に終わりを告げるために。(「帰郷」HPより)
 ゾンビ必要? 最後にものすごくカタルシスに傾ける場面があるけど、そこまでの過程が何か雑な感じで、ちょっと完成した感がなくて、話も中途半端な気がしたかなぁ。おバカならおバカな方向に突き抜けてもらった方がいいし、折り込みに福岡ネタの開設とかつけてくれたらいいのにって思った。なんか置いてけぼり。ちょっと、高杉かなぁ。
このページの頭へ

No:001  お正月 / 玉造小劇店
Theater:吉祥寺シアター
Date:01/20 M
Sheet:A-4
Price:\5,000
1幕 2:00
出演:有馬自由、桂憲一、浅野彰一、茂山宗彦、山像かおり、水町レイコ、美津乃あわ、小椋あずき他
 明治から現代までの旧家鈴木家のお正月を描いた作品。再々演の作品で、今回は、東日本大震災後のエピソードが追加されている。
 ふっこさんの本は、いつもほっこりさせられる、なんか暖かいんだよなぁ。劇中茂山さんが一節うなるシーンもあってとってもお得感。そして、あずきさんがおかしい、おかしい。カーテンコールは写メありあり、東京千秋楽満席なのに宣伝してくれなんて。
このページの頭へ