観劇日記(劇場編)2020年


自分で足を運んで劇場で見た芝居の感想です。(≠批評、ネタばれあり)

観劇日記(劇場編)2010年  観劇日記(劇場編)2000年
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観劇日記(劇場編)2014年  観劇日記(劇場編)2004年  −−−−−−−−−−− 
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観劇日記(劇場編)2012年  観劇日記(劇場編)2002年  −−−−−−−−−−− 
観劇日記(劇場編)2011年  観劇日記(劇場編)2001年  −−−−−−−−−−− 


阿呆浪士/誕生の日/セイムタイム・ネクストイヤー/燦々/グッドバイ
東京ノート・インターナショナルバージョン/往転/東京ノート/その鉄塔に男たちはいるという+/獣道一直線!!!


No:010  獣道一直線!!! / ねずみの三銃士
Theater:パルコ劇場
Date:10/25 M
Sheet:P-5
Price:\10,000
Time:2幕 1:10 1:05
作:宮藤官九郎
演出:河原雅彦
出演:古田新太、生瀬勝久、池田成志、池谷のぶえ、山本美月
 一面識もない独身男性3人が殺害された。殺害方法も三者三様。無関係と思われた3つの事件。被害者の共通点は、大金を持っていて、婚活サイトに登録していた。そして同じメーカーのED治療薬を飲んでいた。事件に関心を持ったドキュメンタリー作家が取材を続ける中で浮かび上がってきた1人の女性の存在。『苗田松子』3人の被害者は、苗田松子と名乗る女と、関係を持っていた。なぜこんな女に騙されるのか。男たちは耄碌していたとしか思えない。しかし、苗田松子を取材するうちに自身も事件の闇に取り込まれ......。
 パルコのコロナ対策はほんとしっかりしていたと思う。久々の観劇できもそぞろ。なんかしゅうちゅうできなかったかなぁ。池谷さんが魔性の女設定がとってもいい。ねずみの三人の上に、クドカンの本で池谷さんの客演は鉄板、面白さはそこそこ約束されているから、その上何かが欲しかったかなぁ。
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No:009  その鉄塔に男たちはいるという+ / MONO
Theater:吉祥寺シアター
Date:03/15 M
Sheet:C-14
Price:\4,200
Time:2幕 2:20(休憩込み)
 2001年に観た作品に、妹と一緒に辺鄙な海外の妹の知人を訪れた夫婦たちの会話劇。
 やっぱりあのころのMONOはいいなぁ。同じ目的を持った人たちが段々に主張をしてくる土田節、コメディの後ろ側で人の本質を描いていてほんと好み。年齢が変ってても違和感がないのもまたよし。+側は、「隣の芝生も」のテイストのお話だけど、舞台となっている場所やエピソードがつながっていて、近未来の鉄塔の男たちの一人が夫婦の息子というのもおもしろし。若手も好感があっていいMONO。
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No:008  東京ノート / 青年団
Theater:吉祥寺シアター
Date:03/01 M
Sheet:自由 3,4列目右通路脇センターブロック
Price:\4,000
Time:1幕 1:45
作・演出:平田オリザ
出演:山内健司、松田弘子、秋山建一、小林智、兵藤公美、能島瑞穂、大竹直、長野海、堀夏子、鄭亜美、中村真生、井上みなみ、佐藤滋、前原瑞樹、中藤奨、永山由里恵、藤谷みき、木村トモアキ、多田直人、南風盛もえ
 青年団以外のアレンジされたものも含めて、もう10回目の東京ノート。青年団の東京ノートは2012年の東京都立美術館で本当にフェルメール展が開催されているときに上演されたもの。
 コロナウィルスの影響で上演されるか不安だった公演、観るほうも上演するほうも様々なジレンマを抱えているし、最近の青年団の色々なアクションやごたごたの中でオリザさんの発言にすべて共感できるわけではない。でも、ほんとにあの空間にいるのは至極幸せ。ずっとずっとあの空間にいたい。ただ、30年近く前に書かれたこの戯曲が、家族、恋愛、戦争切り取った日常が自分の思う普遍性と今でもどこか共振する。普段は見ない3度のカーテンコールと大きな拍手は今日この時にこの作品を上演したことと、この作品のもつ魅力が合わさったからだと思う。先々週観たインターナショナルバージョンに比べて、ニュアンスが伝わりやすいかなぁ。
 キャストは、学芸員のキャストの兵藤公美さんと山内健司さんがすごくいい。そして、次男の嫁の能島さん、次女の永野海さん、絵を売る人の友達の大竹さん好きだなぁ。井上みなみさん、ちょっと出演が少ないのが残念かなぁ・・・、あとセットがもうちょっとリアリティがあったほうがいい気がした。もう観られないかもしれない「東京ノート」、本当に自分にとって大切な作品。
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No:007  往転 / MonkeyBiz
Theater:本多劇場
Date:02/29 M
Sheet:A-16
Price:\5,800
Time:1幕 2:20
作・演出:桑原裕子
出演:峯村リエ、入江雅人、小島聖、米村亮太朗、異儀田夏葉、多田香織、置田浩紳、森崎健康、吉田紗也美、長村航希、成清正紀、岡まゆみ
 2011年に青木豪さんの演出でトラムで上演された作品をKAKUTAのプロデュースで上演。
 桑原さんの作品の中で一番ピンときてなかった作品。観てみたら、ほとんど前の舞台が思い出せなかったけれども、2時間20分の芝居があっという間だった、面白かった。役者さん一人一人がすごくいい。それでも、やっぱり自分にはなんかピンと来ない感じが残るのは、4つの物語が一つの事故を軸に描かれるけどほとんど交差しないで何となく散漫に感じちゃうのだろうか。唯一前回の舞台に出ている峯村さんは、前回高田聖子さんがやった役、ナイロンでも松尾さんの舞台でも見せないようなピュアな可愛さ。なんともよかったのが米村さん、これも三浦さんのお芝居とかとは違う感じの役、そして、双子を一人二役で見事に演じ分ける。KAKUTA勢は、バラちゃんから絶大な信頼の異儀田さんは鉄板のリリーフ、多田さんの小悪魔さったら。「ひとよ」でおかあちゃん役だった岡さんは前回の峯村さんの役、なんかお母ちゃんのまんまだった。米村さんの「こげんなもんでもわかんことあんだなぁ」、うまいせりふだなぁ。あと、これ以上間違った場所に行かなくてすむとかはテーマになっている台詞だったかな。
オレノグラフィティさんが音楽だったんだけど、意識してなかったからかあんまり印象に残らなかったかぁ。
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No:006  東京ノート・インターナショナルバージョン / 青年団
Theater:吉祥寺シアター
Date:02/16 M
Sheet:自由:右通路側3,4列目
Price:\4,000
Time:1幕 1:55
客演:井垣ゆう、陳忻、趙欣怡、パッチャラワン・クルアパン、カモンワス・ジュティサムット、アントネット・ゴー メイエン・エスタネロ、マンジン・ファルダス、ペク・ジョンスン、チョン・スジ
青年団出演:山内健司、松田弘子、能島瑞穂、長野海、鄭亜美、中村真生、ブライアリー・ロング、佐藤滋、前原瑞樹、藤谷みき、淺村カミーラ、木村トモアキ、多田直人
 1994年から幾度となく再演され、そして、他団体でも様々上演された岸田戯曲賞作品「東京ノート」の舞台を国際都市となった東京を舞台に7ヶ国語の多国語同時多発で描く。
 観劇前に物語の中心の家族、画家の父の遺産の絵を売る人、家庭教師と教え子以外がいろんな国のキャスト、台詞に変えられていくんだろなと想像して劇場へ。絵を売る人と教え子は外国人だったのは意外。色々な人が複数の言語をしゃべれるという設定は、なんか不自然な印象はあるけど、やはり普遍性のあるお話だなぁって、他の言語にすると浮かび上がってくる台詞があったりするのも面白い。この本のために作られた学生の役の子が中学生で、笑いを作っていてそれもまた良し。
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No:005  グッドバイ / KERA CROSS
Theater:シアタークリエ
Date:02/15 M
Sheet:6-29
Price:\10,000
Time:2幕 1:40 1:10
作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:生瀬勝久
出演:藤木直人、ソニン、真飛聖、朴ロ美(ロは王編に路)、長井短、能條愛未、田中真琴、MIO、YAE、入野自由、小松和重、生瀬勝久
演奏:杉田のぞみ(Vn.)
 2015年にKERA・MAPで上演された作品を生瀬さんが演出。
 オリジナルが物凄く面白くて、出ていた役者さんもとっても自分好みの上に豪華、小池栄子さんは読売演劇大賞で最優秀女優賞を取った作品。しかも、チケット代は本作のほうが高いとあって、正直期待はあまりしていなかった舞台。商業演劇っぽくなってるけど、元の良さを消していない感じで思っていたより相当楽しめた。ケラさんの舞台に出ている生瀬さんの演出だからかなぁ。のっけの生瀬さんの引き込み方とかさすだし、真飛さんの声と歌が素敵。そして、小松さんは小ズルいまでの絶妙な間。オリジナルはたぶんこの役が野間口徹さんだった気がするので、自分の中で被っている二人が同じ役やっているのもまた妙。藤木さんとソニンさんは、オリジナルの仲村トオルさんと小池栄子さんのコンビとは全然違う感じで、前の感じの方が圧倒的に自分の好みだけど、これはこれでいい感じなのではと。
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No:004  燦々 / てがみ座
Theater:東京劇術劇場 シアターウェスト
Date:02/09 M
Sheet:B-9
Price:\4,700
Time:1幕 2:10
脚本:長田育恵
演出:扇田拓也
てがみ座出演:石村みか、箱田暁史、岸野健太
客演:前田亜季、酒向芳、川口覚、速水映人、中村シユン、宇井晴雄、福本伸一、野々村のん、藤間爽子
 江戸後期、黒船が泰平の眠りを覚ます少し前----。お栄は鬼才の絵師・葛飾北斎を父に持ち、物心つく前から絵筆を握ってきた。幼い頃から北斎工房の一員として、男の弟子たちにも引けを取らずに、代作もこなし枕絵も描いてきた。けれど本物の絵師になりたいと肝を据えたとき痛感する。北斎の影から逃れ、自らの絵を掴むには、女である自分を受け入れ、見つめなくてはならないと。折しも出島からシーボルト一行がやってきて北斎工房に大量の絵を発注する。百枚の肉筆画を西洋の画法で描くようにと。絵師たちに新たな風が吹きつける。お栄は、自らの光と闇を見出そうと挑んでいく……。北斎の異才を受け継ぎ、のちに『夜桜美人図』『吉原格子先之図』を描き出すお栄(応為)、その青春期の物語。(てがみ座HPより)
 普段観ないタイプのお芝居だけど、長田育惠さんの書くてがみ座の舞台はキャストやテーマに興味があるとつい観ちゃう。台詞がすいすい入ってきて、いつの間にか物語に入っていく。北斎演じる酒向芳さんはやっぱりいい味、映画なんかで描かれる北斎の放蕩さはおさえ気味かな。初見かと思っていた前田亜季さんは、PARCOの本谷さんの舞台で観ていた。舞台が好きそうな感じで、キリっとした立ち姿。同じく初見だと思ってた藤間爽子さんがめちゃ綺麗、でも阿佐スパで二度も観てた。セットも抽象セットで普段は好みじゃないんだけど、扇田さんの演出の妙か、竹棒をつかって江戸の街を表現するのとかいつもなら興ざめしちゃうのだけど、こちらもすんなり。最前列で、舞台が高くって見難かったのは残念かな。
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No:003  セイムタイム・ネクストイヤー / カオルノグチ現代演技
Theater:駅前劇場
Date:02/08 M
Sheet:E-6
Price:\4,500
Time:1幕 2:05
脚本:バーバード・スレイド
演出:明星真由美
出演:野口かおる、山岸門人
 1951年2月のある日。北カリフォルニアの海辺のコテージ。ふとした出逢いで意気投合したドリスとジョージは一年に一度、同じ時、同じ場所で逢う約束をした。そして25年。25回目のデートの日が訪れて、、、ドラマ・デスク賞受賞、トニー賞演劇作品賞ノミネート、人生の妙、人生の摩訶不思...(Corich HPより)
 明星さんと野口さん、双数離れた後にお互いの発信しているものの中でお互いの名前が出たことがなかったので滅茶苦茶険悪な関係なのかと勝手に思ってた。自分的にある意味奇跡な組み合わせだったので、観たいなぁって思っていた舞台。門人さんも観てみたかったけど、役者さんが原点に返る的な舞台や翻訳劇は、ちょっと苦手だったから気持ち的には野口さん観られたらいいかなって感じだった。二人の掛け合いが良くて、話もすんなり入ってきて、なおかつ、セットや音楽の使い方も良く、かなり楽しめた舞台。門人さん、かっこいいし、野口さん可愛い。普段は飛び道具的な二人のストレート芝居がギャップ萌えなのかすごく素敵。25年の逢瀬の6幕で構成するけれど、幕間のオールディーズがすごく素敵。
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No:002  誕生の日 / ONEOR8
Theater:d−倉庫
Date:01/26 M
Sheet:C-7
Price:\3,900
Time:1幕 2:00
客演:平塚真介、もたい陽子、松本亮、根本大介、工藤さや、西山竜一、篠原彩
   木村加寿美、39歳、独身、恋愛経験なし 女らしく・・・女に生まれたからには・・・ なんて言葉をかけら 一度もない 化粧もドレスもヒールもいらない人生だった もうすぐ40歳の誕生日・・・ 特にないも宣言しないが これを機に生まれ変わってみようと思う 別に何も期待しないが誕生日会に脇毛くらいは剃っていこうと思う(チラシより)
 女を捨てたわけじゃないけど、女として生きていなかったバーテンダー。友人たちが、店で開いてくれた誕生会。元ヤン夫婦、つるんでたバツイチ同級生、あこがれだった同性愛者になった同級生の男、取り巻きの同級生、店の客。彼らとのエピソードを交えながら、40歳までの加寿美との関係とその半生を描いた作品。
 ともすれば、抑揚のない芝居になっちゃうようなお話を男性が女性の役を演じ、コメディアス、そして、カタルシスをもって描く筆力は流石。とっても新し試みをしたんだと思うし、個人的な感想ではコメディ軸に作ったんじゃないかと思う。当然下地には、いつものONEOR8のテイストを残したままに。客演陣のサポートがすごくいい、伊藤さんと根本さんの小物っぷりなコンビ、平塚さんともたいさんのヤンキー夫婦、最高。工藤さやさんって女優さんはほとんど観たことがなかったけど切なさもあって一目ぼれ。個人的には主役は女優で観てみたかったけど、構成的には意図的なのかな。和田さん、野本さん、舞台に復帰してくれないかなぁ。
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No:001  阿呆浪士 / パルコプロデュース
Theater:新国立劇場 中劇場
Date:01/19 M
Sheet:1F 12-57
Price:\8,000(okepi)
Time:2幕 1:10 1:25
作:鈴木聡
演出:ラサール石井
出演:戸塚祥太、福田悠太、南沢奈央、伊藤純奈、宮崎秋人、堺小春、八幡みゆき、新良エツ子、佐藤誓、おかやまはじめ、松村武、竹内都子、小倉久寛
唸り三味線:玉川奈々福
 時は元禄。とある長屋に住む魚屋の八(はち)は、ある日ひょんな取り違いから赤穂浪士の血判状を手にしてしまう。お調子者の八は、長屋小町のお直の気を引きたい一心で、自分が本物の赤穂浪士だ、と嘘をついてしまう。一方、大石内蔵助は、風車売りに身をやつし、飄々と暮らしている。大石内蔵助の娘・すずは、いつまでも討ち入りを決行しない父に業を煮やして赤穂から江戸に乗りこんで来る。すずは、お調子者の八を利用し、集まってきたニセモノの赤穂浪士たちと討ち入りを決行しようとするが・・・。赤穂浪士は赤穂の殿様に忠臣したが、阿呆浪士は阿呆の神様に忠臣する。武士道でもない、意地でもない。ノリよく、楽しく、正直に、あっぱれ散った、花の元禄。
 初演は、円形で、再演のトップスの公演で今回と同じ浪曲師が語るスタイルに。再演を映像で観てて、同じくらいに平田満さんが客演してた「中年ロミオ」をやはり映像で観て、ラッパ屋に興味を持ったんだよなぁ、そして、今では毎公演劇場に通う。宣伝マンだった鈴木さんのお芝居は、タイトルがいつもキャッチーで素敵。
 アイドルの方々の出演と演出で、新国立なのにまるで明治座みたいな舞台。それ自体は特に違和感は無かったけど、携帯切らない、時計の時報鳴らす、幕間でもの食べると残念な客席。隣のおっさん、3つともコンプリート。しかしながら、ものすごく良くできた話で、いい台詞がいっぱい。前から好きだった主役の八を見送る時の「楽しい思い出ばかりなのに、こんな日に雪なんてでき過ぎだねぇ」って台詞最高だし、木村靖司さんが好きだって言っていた「高輪はあちらかと」って、このシーンの台詞なのかぁ、素敵って思ったり。主演の方とか役者さん自体は色々と好みじゃない部分はあったし、松村さんの声がでなくなってけど、誓さんと小倉さんのシーンとかすごくいい。松村さん、八嶋さんいたら突っ込まれちゃうよ(^-^;。戸塚さんが見栄きる部分とか、なぜか岡山さんの映像と台詞が被さって来ちゃう。オリジナルがほんと素敵なんだと思う。
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