観劇日記(映像編)2006年


自宅で映像で見た芝居の感想です。(≠批評)
★は、自分のお気に入り度

スプーキーハウス/狼人 犬神紋次郎/目的地/URASUJI/ニライ
フェイス イン フェイス/29/ニライカナイ練金王伝説/越前牛乳/キレイ
虚飾の町に別れのキスを/水平線ホテル/不満足な旅/カリフォルニア/天保12年のシェークスピア
Shuffle/アパートの窓割ります/12の優しい日本人//ここでキスして
ハゲレット/カラフルメリイでオハヨ/労働者M/透明人間の蒸気/悪魔の唄
テングメン/ダブリンの鐘つきカビ人間/東海道四谷怪談/走れメルス/ハルちゃん
まとまったお金の唄/イヌの日/こちら葛飾区亀有公園前派出所/道子の調査/贋作・罪と罰


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観劇日記(映像編)2005年
観劇日記(映像編)2004年
観劇日記(映像編)2003年
観劇日記(映像編)2002年
観劇日記(映像編)2001年


No:035  贋作・罪と罰 / NODA・MAP
★★★★
Theater:シアターコクーン
Date:2006/1
 去年の暮れと、今年の初めに劇場で観た作品。本当に美術が美しい舞台。そして、松さんの圧倒的な迫力、何かがにじみ出てる。原作にある絶対的なものが何をしてもいいのかという問題、恋愛、家族愛、倒幕、お金と多面的な話が、洪水のような台詞で攻めてくる。中村さん、村岡さんは、サブキャストとして、いい味が出せてる。

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No:034  道子の調査 / ペンギンプルペイルパイルズ
★★★☆
Theater:ザ・ズズナリ
Date:2006/8
 今年の夏に劇場で観た作品。一つ一つは面白くずっと見ていられんだけど、ほんとに話しについていけない。役者さんの魅力は満点。
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No:033  こちら葛飾区亀有公園前派出所 / ラサール石井作演出
★★☆
Theater:スペースゼロ
Date:2006/8
 こち亀30周年作品。とりあえずストーリーのあったミュージカル仕立て。
 お祭りです。なんか子供も対象なのに、結構衣装が過激だったり、はじけすぎなキャラクタ。清水さんと石井さんのグズグズのコントの場面が長すぎ。
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No:032  イヌの日 / 阿佐ヶ谷スパイダース
★★★☆
Theater:駅前劇場
Date:2000/8
 子供の頃から防空壕の跡に監禁されている人たち。監禁している男が海外に行っている間、代わりに番をしている男。この男が次々と地上で生活している人々を穴の中にいれ、監禁された人間達は、地上の人々と触れ合っていく。監禁している男が、帰ってくると彼らは少し代わっていた。暴力で自己顕示欲の強い男は、崩壊していく。地上に出る直前に彼らは入り口を爆破され、死んでしまう。
 数年前の自分がこの芝居と日本の女を映像で見て、良くポルノを観に行こうと思ったな。村岡さんと岩橋さんが出るからといっても。ここ数年の長塚さんの作品に比べて、若さを感じるし、役者さんの技量が足りない気が。今だったら、結構面白く見られるかな。加藤直美さんが個人的には苦手。
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No:031  まとまったお金の唄 / 大人計画
★★★★
Theater:本多劇場
Date:2006/5/14
 70年万博の年の大阪。父が逃走して、母が借金の返済に奔走している家族。そこの離れには、学生運動崩れのカップルが住んでいる。小さい頃性器を切られ女として育てられた姉、生理の来ない姉を気遣い生理が来たことを言い出せない妹。万博も最後を向かえるころ、借金取りは殺され、息子に代替わり。息子は妹を思っている。母は、ボケだす。影のあるカップルは、東京を終われて出てきたが、女はレイプが原因のトラウマを抱える。そんな日、男は妹を犯し、妊娠させてしまう。真実を知った姉、身籠ったまま東京へ旅立つ妹、家族は離れ離れに。20年後借金取りの息子は離れに、小さな劇場を作りブルース歌手となった姉がコケラ落としを行う予定が、神戸の大震災が起こる。
 松尾さん独特のいつもの暗いトーンはなく、ポップにナンセンスにアクセル全快で駆け抜けるコメディー。大人計画の男性陣のキャラクタ祭り的な要素も持って、阿部さん、宮藤さんのバンドもありとサービス満点。実は、結構重いものや、深い台詞もあるきはするが、そんなことはお構いなしに突っ走る。伊勢さんのおっこちゃってる女の人は、ほんとにいつもはまり役なんだけど、みていてなんか胸につかえる。今回の秀逸は、ストーリーテラー役で、流産で本当は生まれなかった子を演じてる平岩紙ちゃん。すげえいい味。
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No:030  ハルちゃん / COLORE PRODUCE
★★★★br> Theater:シアターVアカサカ
Date:2006/5/11
 今年劇場で観た作品
 八十田さんの緩急の使い具合と、松永さんの目の演技が見所。田村さんっぽい演出って言うのが、映像で観たときになんとなく感じられた。。
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No:029  走れメルス / NODA・MAP
★★★
Theater:シアターコクーン
Date:2005/1
 2004年劇場で観た作品
全く持って何のことやら。自分の集中力なの無さと頭の悪さでは、ついていけない。まくし立てるような台詞の渦に、すっかり置いていかれる。描かれる対比構造も、なんかピンと来ない。
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No:028  東海道四谷怪談 北番 / コクーン歌舞伎
★★★★
Theater:シアターコクーン
Date:2006/4
演出:串田和美
初めての歌舞伎。伝統の形式美に心奪われる人たちがいるもの肯ける。それにしても、物語の予備知識がないと全く持ってついていけないのね。そして、話思いっきりドロドロじゃないっすか。でも、面白かった。
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No:027  ダブリンの鐘つきカビ人間 / PARCO+リコモーション
★★★☆
Theater:ル・テアトル銀座
Date:2005/11
 昨年劇場で観た作品
初演版と比べてやたらと豪華になっているのを映像を見て感じる。キャストは、大倉:水野⇔片桐:中越、長塚、エンクミ⇔、土屋と比較して、圧倒的に初演。土屋さんのがなり声がなんか肌になわない。全体的に、怖さと悲しさが違う気が。
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No:026  テングメン / TEAM発砲・B・Zin
★★★★
Theater:本多劇場
Date:2006/4/1
 今年劇場で観た作品
 新しいテーマにも、発砲らしいスピーディーさ、展開と舞台ならではを逆手に取った演出。武藤ちゃんと勲人さんの飛び道具も健在。いつもより長めの時間を、もうちょっとそいでくれるといいかな。新人の夢君は、自分が舞台で観たときより、控えめな感じがしたのは気のせい。舞台観たときにはなかった「マジヨ」の予告あり。
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No:025  悪魔の唄 / 阿佐ヶ谷スパイダース
★★★★
Theater:本多劇場
Date:2005/2/24
 2005年に劇場で観た作品
 3つのエピソードを散りばめた愛の話。結構ストレートなんだなって。戦争については、思う部分を思うって形で表現したような感じがする。ある意味何も感じていない自分達への警鐘とも取れるようなアプローチ。個人的に、伊勢志摩さんは、いまいち肌に合わないのが残念。
これで5,000円だったんだ、他のところも客演とかもうちょっと考えて公演やって欲しいな。ってスパイダースもここからあとは・・・
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No:024  透明人間の蒸気 / 新国立劇場
★★★
Theater:新国立劇場
Date:2004/3
 2004年に劇場で観た作品
 ほとんど内容を覚えてなかったけど、劇場で観た時よりもより、抽象的な感じ。台詞の量とスピードに圧倒されて全然ついていけない。野田さんの台詞が全然聞き取れず、すっごく疑問。それにしても舞台が綺麗。
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No:023  労働者M / シアターコクーンオンレパートリー2006
★★★☆
Theater:シアターコクーン
Date:2006/2
 2006年に劇場で観た作品
 観返してなるほどと思うことあれど、感覚的にもピンとこないところばかり。未来と現代のつながりというか同時進行させた部分の供給点が何なのか全然感じきれなかった。犬山さんは本当にいいね、アホで切ない感じがとてもいい。
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No:022  カラフルメリイでオハヨ / NYLON100℃
★★★★
Theater:本多劇場
Date:2006/4/19
 2006年に劇場で観た作品
 劇場で観た時よりも格段に面白い印象。劇場でなに観てたんだろうって、自己嫌悪。シリアスと出鱈目の交錯する世界が気持良い。客演の市川しんぺーさんの使い方がもったいない気がするのと、後半ちょっととっ散らかった感じになるような気がする。それにしても、あの映像は本当にスタイリッシュで格好が良い。
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No:021  ハゲレット / フジテレビジョン・博報堂DYメディアパートナーズ
★★★★
Theater:紀伊國屋ホール
Date:2006/3/18
脚色:鈴木聡 演出:山田和也
出演:近藤芳正、ベンガル、久世星佳、陰山泰他
 ハゲという以外は、忠実にハムレットの内容のまま。
 こういう話だったんだなと再確認。とぼけた近藤さんのハムレットと、役割のはっきりした脇役陣で、古典でも喉越しよく楽しめる。
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No:020  ここでキスして / シベリア少女鉄道
★★★☆
Theater:紀伊國屋サザンシアター
Date:2006/3/2
 とある村の温泉旅館、代議士の親子が次の日の見合いに備え宿泊。しかし、息子(真の息子でない)は、見合いを嫌がっている。そこで、忘れられない女性が、そこの旅館の仲居をしていた。二人を逃がそうと女将と仲居に恋心を抱く板前、怪しむ女将の夫の番頭、番頭が都心で接待の時に声をかけたキャバクラ嬢(本当は代議士の実子)とで話しが二転三転していく前半、後半シベ少お得意らしい仕掛け(この回は、ほとんどの役者が立ち位置、話す方向滅茶苦茶で、残りの役者がそれを立て直しながら芝居する)で結末を迎える。
 展開スピーディー、後半のシベ少らしいというところよりも、今回重きをおかれているらしい前半の話の方が面白い。役者さんはいかがなものか。
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No:019  礎 / ダンダンブエノ
★★★☆
Theater:青山円形劇場
Date:2005/6
 2005年に劇場で観た作品。劇場で観た時に感じる空間の満足感が感じられず、松嶋さんの台詞のたどたどしさも気になってしまう。後半エチュード色の強くなってくるところから、転化の強引さを感じてしまう。これがここの魅力ではあるんだけれど。
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No:018  12の優しい日本人 / パルコ・プロデュース
★★★☆
Theater:シアタードラマシティ
Date:2006/1/28
 2005年に劇場で観た作品。映像で観てしまうと、個人がピックアップされすぎて、過剰な感じがする。自分が観た時と演出が変えてあると思われる所がいくつか。展開上のものであるが、意見が変わりすぎたり、そんなことが証拠を覆す理由になるのかという点が多い。
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No:017  アパートの窓割ります / シベリア少女鉄道
★★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:2005/2/17
 幼なじみで、高校時代はライバル校の主力選手同士和也と一也、甲子園の決勝で幼なじみの女の子をかけた勝負。勝ったほうの和也は、プロにも行かず、彼女も譲って、2流の社会人チームでさえない野球生活を送っていた。負けたほうの一也もなぜかプロにも行か無かったが、社会人として超一流の選手になっていた。そんな2人が想っていた女の子は、両親を早くなくし、父の恋敵であった2流チームでの選手生命も終りを迎えている男の喫茶店で暮らしていた。一也とは付き合っているが、和也への思いは消えていない。舞台は、その喫茶店の中、出入りする人々の物語が進行する。2流チームはトーナメントに負ければ、廃部の危機、和也はやっと本気になる。しかし、彼は白血病の身で、命の削って決勝戦へ進む。そして、土壇場一也と対決をする。2人の運命は、恋の行方は・・・
 物語の最後はそれまでの前振りを無視したように、全然違った形で、エピローグを迎えるが、全体を通じて語られる紛らわしさというキーワードをうまく使っていて面白い。時間も短めで、丁度いいが、役者さんの技量が自分が観ても、お粗末な感じがする。べたべたなあだち充のパクリ設定をあえて選択して、最後に違ったものに仕上げて行ったのが好感。
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No:016  Shuffle / パルコプレゼンツ
★★★☆
Theater:PARCO劇場
Date:2005/4/30
 2005年に劇場で観た作品。観た日はおなかの調子が悪くて、全然印象が無くなってたお芝居。暗転が多すぎて、入り込めない感じ。山内さんと平田さんの力技での笑いだけではちょっと寂しい。奥菜さんは、映像で観たら役者さんとしては個人的にいいと感じた舞台。生で観た時と全然感想が違う。
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No:015  天保12年のシェークスピア / シアターコクーン
★★★☆
Theater:シアターコクーン
Date:2005/9/28
演出:蜷川幸雄
出演:唐沢寿明、篠原涼子、勝村政信、藤原竜也、高橋恵子、夏木マリ、西岡徳馬他
 馬鹿みたいに豪華なキャストで、もうお祭り。自分には、どの辺が蜷川さんなのか分からないけれど、色んな仕掛けがあって面白いし、もし劇場にいても、3時間半強飽きなく見られそう。ただ、原作のシェークスピアの全ての戯曲をというコンセプトを生かしたために、どこかぶつ切り感がある。西岡さん、夏木さん、高橋さん、藤原君などのキャストも後半は登場せず、もったいない。ストーリーテラー役の木場さんがもの凄くカッコいい。
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No:014  カリフォルニア / グリング
★★★★☆
Theater:THEATE/TOPS
Date:2005/7/14
 接骨院を営む男とその妻、夫婦には幼い子供がベランダから落ちて死んでしまった過去がある。妻は、それ以後幻覚を見てしまったり、自律神経を失調してしまっていたりする。妻の元へは、同人誌を一緒に作っている中学時代の後輩が頻繁に訪れている。後輩は、ひきこもりがちで、自殺経験があったが、妻との再会で明るくなったという。そんな中、妻が他の男と会っているという噂、そして、それは後輩の兄。妻に不審を抱く夫であったが、妻の秘密は慕ってくる後輩との仲であり、兄はそんな二人を危惧して妻と会っていた。ある日、後輩は自分を抑えきれず、夫に告白する。結局、後輩を受け入れられない妻は、自ら命を絶ってしまう。
 このストーリーを軸に、接骨院のあるマンションの人々や、助手、上の階のリラクゼーションの怪しげな店を営む女のサイドストーリーが、心地よく加わったお話。
 自分にとっては、ほとんど初見の役者さんたちの舞台なのに、あっという間の時間。久々に、新しい当たりを引いた感じ。微妙は空気や、気持を見せてくれるお話に、日常にありがちな人々の確執や思いが、心地よく織り交ぜられている。役者さん自体それほど、華やオーラがある訳ではないので、本の面白さだと思う。
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No:013  不満足な旅 / ペンギンプルペイルパイルズ
★★★★
Theater:ザ・スズナリ
Date:2005/11/18
 2005年に劇場で観た作品。これといったストーリーも無い分かりにくい話なのに、なんでかペンギンの舞台は好き。ぼくもとさんの淡々とした演技と、高鹿さんのへんな切れっぷりがいいのかな。妙な所をくすぐる笑いもいいしね。今回、所々笑わそうとするところで、間を外している感じがした。
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No:012  水平線ホテル / 劇団M.O.P
★★★★
Theater:紀伊國屋ホール
Date:2005/7/23
 2005年に劇場で観た作品。M.O.Pってエンターテイメントとだなぁ。ドリさん、三上さん、小市さん揃い踏みの舞台は見ごたえ充分。奥田さんは、観るたびにいい役者さんだなって思うようになった。
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No:011  虚飾の町に別れのキスを / 劇団M.O.P
★★★★
Theater:紀伊國屋ホール
Date:2004/8/7
 2004年に劇場で観た作品。詐欺師の騙しのテクニックがそれは無理があるだろって感じもするが、見ごたえある作品。客演の岡森さんは貫禄充分、三上、小市コンビはほんとにいつ見てもいいです。もうちょっと短くてもいいのかなって思うけど。
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No:010  キレイ 〜神様と待ち合わせした女 / シアターコクーン オンレパートリー2005
★★★☆
Theater:シアターコクーン
Date:2005/7/18
 近未来の戦いの中の街、戦いは培養された死んだら食料になる人間と同じつくりの生き物と人間の混成軍同士で行われていた。戦場後で、擬人兵の遺体を拾って金儲けをする家族。そこに、汚い身なりの女の子ケガレが現われる。女の子は、マジシャン、マタドール、カウボーイによって監禁されていた地下室から逃げ出して来たのであった。顔は可愛いがお金(硬貨)に執着するケガレは、母と2人の兄弟の家族と一緒に擬人兵の死体を集めながら暮らす。幼い頃のショックで知恵遅れになった弟と仲良くなり将来を約束する。やがて戦争の手は家族も巻き込み、弟はちょうへいされ、その先で銃弾に倒れる。頭に当たった銃弾のせいで弟は賢くなり、戦争も終わり、その後実業家になる。賢くなったのと引き換えにゲイになるのであるが、ケガレとの約束どおり二人は夫婦となる。その時ケガレは、研究者の悪戯によって作り出された生殖器を持った擬人兵の生き残りと関係を持ち、半分人間の子供を生んでしまう。関係のもつれた二人は離婚、ケガレは多額の慰謝料を払って、無一文になって子供と奇病になった擬人兵と暮らす。彼女は、監禁をしていたマジシャンの率いる興行の一座の小間使いしながら、生きていく。記憶が交差し、監禁された自分が訪れ、いつも合間に出てくる神と出会う。それは、もう一人の自分だったのか。
 ケガレの役は、子供(鈴木蘭々)→成人(高岡早紀)。夫の役は、同阿部サダヲ→岡本健一となっている。富豪の令嬢が親友になたっり、兄がその娘に惚れていたり、家族の父が重要な場面で現われたりというサイドストーリーも盛り沢山。
 朽ちた街をイメージしたようなセットはすごくきれい。ミュージカルということだけれども、普通にお芝居として楽しめる作品だと思う。コクーンでやるだけあって、大人計画よりもじめじめしたものが抜けた感じ。酒井若菜さん降板で、主役になった欄々さん、すごくあっていると思うし、歌に説得力があった気がする。酒井さんだったらっていうのが想像できない。豪華役者人は、当然の如くエンターテイメントを楽しませてくれる。ちょっと、敬遠している松尾作品だけど、これはいいかもしれないと思った。雰囲気がいい。子供役の中尾ちひろさんって役者さんが印象的だった。
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No:009  越前牛乳 / カムカムミニキーナ
★★★☆
Theater:シアターアプル
Date:2005/11/5
 戦国時代の世、祖父に育てられたハイジは、祖父に死なれ子牛と一緒に暮らしていた。祖父の遺言で市場に向かうとそこで子牛のドナドナを奪われる。子牛を奪った越前屋は、うちの牛乳で私服を肥やしていた。そこに、現われる越後屋は、将来の夫をハイジを向け、越前屋からもドナドナを奪う。その後ハイジは、借金返済のためにドナドナと佐渡に渡るがそこに待ち構えていたのは女帝腰中。結局三人とも、三越グループの傘下にあるものだった。そして、そのグループを牛耳るのは上杉謙信。ドナドナは、食肉にされてしまうが、謙信を倒しに来るのは、半人半牛。ハイジの幼い頃に、ドナドナが野武士に襲われてできた子供だった。
 10年以上前の再演だけど、すっごい勢いのお芝居だな。最近のカムカムからはちょっと想像できない感じ。八嶋、松村両氏の絡みに、藤田さんの壊れっぷり。お祭り、お祭り。ストーリーも、荒いし滅茶苦茶余分な部分があるけど、こういう勢いも必要かと。テレビでは見られない八嶋さん、山崎君が見所。
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No:008  ニライカナイ練金王伝説 / 劇団SET
★★★
Theater:東京劇術劇場 中ホール
Date:2005/11
 過疎、産業の衰退、基地問題を抱える沖縄の離島。そこに、温泉を掘って島を活性化させようと投資家が現われる。島の人々はお金を出し合って温泉を掘り、島が観光スポットに。温泉の水も売り出し、ますます島の経済は潤うが、温泉が枯れてしまう。今度は投資家は、それよりも深い源泉を掘って幻の温泉を作り、希少価値を持たせた富豪たちのリゾートを作ろうと島の人間を煽る。そして、富豪たちの集まった島で、独立国家を作ってしまう。その目的は、富豪たちの脱税が目的、世界規模の警備が入り、島の人々も琉球空手で戦い、投資家は自害。何もない島には、美しい島歌だけが響いていた。
 エンターテイメント・アクション・ミュージカル。でも、自分は劇場には観に行かないタイプのお芝居だなぁ。見せようとする部分が多くて、万人向けになっていて、分かりやすいんだけど、物足りない。テーマができた時点で、作り手が終わりになってしまった感じがしちゃった。
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No:007  29 / ONEOR8
★★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:2005/6/23
 人と話せないという心の病を持つ男は、兄夫婦と一緒に、庭の離れに暮らす。密かに心を寄せる姉に世話をされながら毎日を送っている。そこに訪れる義姉の弟、姉とは逆に甘やかす兄のすねをかじりに、彼女を連れて妊娠を装って居つく。義姉の弟は、何故か男に気を許している。男の回りには、死んでハエに乗移った友人と彼が連れてきた神様(なぜかカレーの神様)や、エロ雑誌を庭においていく浮浪者風の女。弟がやって来たことによって、小さな亀裂が入っていく兄夫婦。そして、義弟をおいて家を離れる姉、兄と二人の生活が始まった。
 離れの部屋が舞台となって、その庭から出入りする人たちを描いている。テンポがよく、客演の八十田さんがカレーの神様だったり、アクセントが効いた舞台。これといって目立つ役者さんはいない劇団だけれど好感がもてる。雰囲気がいい。人のだらしなさや理屈ではなくどうしようもないことみたいなお話は大好き。
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No:006  フェイス イン フェイス / PLAY MATE
★★★
Theater:THEATER/TOPS
Date:2005/10/26
出演:近江谷太郎、新谷真弓、西興一郎、平賀雅臣他
 腕利きの美容外科医の元に訪れるイケメン俳優。容姿だけで騒がれるのでなく、本物の俳優になりたいと、不細工に整形してくれと依頼する。訳ありそうなアシスタントの看護婦は、医師の高校時代の同級生、DVの夫に追われ逃げ込み、医師の片思いだった相手の顔に変えられていた。そして、医師の幼少時代は、顔のあざのコンプレックスに悩まされ過ごす毎日だった。それぞれの負い目や葛藤を顔を変えることによって、どうにかしようとした人たちを描いた作品。
 近江谷さんは、シリアスより、軽薄な感じの役柄のほうがいいな。新谷さんもパッとせずな感じだし、平賀さんもちょっと軽めな役のほうがいい。若い人の熱演はちょっと胸焼け感。
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No:005  ニライ〜遥〜 / innerchild
★★☆
Theater:吉祥寺シアター
Date:2005/9
 アイヌの言葉と琉球を調べるために沖縄を訪れた言語学を学ぶ学生。老夫婦から60年前の不思議な話を聞く。彼女を亡くしその霊を探すために、日本中を旅してきた男は理想郷ニライカナイを探し求める。沖縄に戻った彼のもとには、彼に思いを寄せる無くなった彼女の妹、しかし、それを受け入れられない彼の元には召集令状が届く。戦地から彼がたどり着いたのはアイヌの国であり、そこで彼は指導者となった。一方、沖縄の若者達にも戦いに借り出され、妹を密かに思っていた男もアイヌにたどり着く。そこで、男は死んだ姉に会い、アイヌがニライであると知る。そして、男は沖縄に送り返された。
 録画の状態が悪く音声がきちんと聞こえないため何がなんだか分からなかった。他の舞台に出ている小手さんの印象からはピンと来ない感じだった。劇場で見ればもうちょっと感じが変わったかも。
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No:004  URASUJI / 敦・杏子プロデュース
★★★★
Theaterザ・スズナリ
Date:2005/9/27
作・演出:松村武
出演:深沢敦、杏子、池田有希子、草野徹、藤田記子、森貞文則他
 裏の稼業で悪をあやめるURASUJI達、抜けることの許されない掟を破り組織を抜けようとする女。その目的は、ある男に恋をしたためだったが、その男は誘拐されてしまう。江戸の町に来ている地方の若殿と瓜二つの男は、身代わりのために誘拐される。やりたい放題の若殿の様子を見に来た田舎侍は、逆にはめられ偽者の若殿を切ってしまい、自分も昔の同僚のお付の者に切られてしまう。それを知ったURASUJI達が、若殿たちを戒める。
 遊び心満開のミュージカル。観に行けばよかったなと思ってしまった。話自体はオーソドックスで単純であるが、途中にはいる歌の加減や、おふざけが楽しく、それだけで満足できそう。杏子さんの「目を閉じておいでよ」の時は、昔を思い出してうるっときた。
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No:003  目的地 / チェルフェッチュ

Theater:駒場アゴラ劇場
Date:2005/8
 生理が来ず、もしかしたら妊娠したかもしれないと思ったある若い女性は、しばらく一人で悶々とするも、彼氏に話す。彼氏はそれを聞き、内心かなり焦燥する。彼は、すでに結婚していて港北ニュータウンにマンションも購入している先輩に相談する。ところで、宮崎という名のこの先輩は、このときちょうど、妻の妊娠が判明したばかりだった。宮崎夫婦は、それぞれ喜びと不安を抱いている。ニュータウン内の百貨店に付設された観覧車に子供と乗る情景を想像する。子供が今この国が関わっている戦争に巻き込まれ殺される/あるいは殺すことを想像する。あるいは赤ちゃんをちゃんと出産できるのだろうかと心配がよぎる。横浜の巨大住宅地、港北ニュータウンの持つ、のっぺりした不穏さとでも言うべき雰囲気を背景に、語られる物語。(HPの紹介文より)
 間接話法とノイジーな身体の動きを交えた台詞表現が特徴という舞台。昨年の岸田戯曲賞受賞者ということで興味を持ってみたけど、ちょっと観て気持が他に飛んでしまって全然追っていけない。その中でダラダラし喋り方、特徴のノイジーな動きがとても気持が悪い。ここで表現されている人間の内面というのは何なのだろうか?平田さんのお芝居は好きなのに、若松さんなんかの芝居がちょっと苦手に感じるのは、描いているものが、個の内側が中心なのか、どちらかというと群集なのかで違っているのかなんて、これを観て思った。個の内側のピンと来ないことが多い。
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No:002  狼人 犬神紋次郎 / BQMAP
★★★★
Theater:シアターサンモール
Date:2004/10/3
 女の体に触れることで、狼に変体してしまう男。そんな男でも愛してくれる女を捜して旅を続けいる。見初めた女郎にも狼になったのを嫌がられ、騒ぎが起きて逃げていると男の子に匿われる。女郎は、東海道の女郎屋を牛耳る男の使いに、大陸に売りに出されそうになるが、狼男が助ける、が、やっぱり、嫌われる。男の子について来られたまま旅を続けると、街から逃げようとする女に声をかけられいい仲になりかける。女は、名家の長男のおかまで弟達から追われていた。二人の諍いも納め、旅を続けると、怒りを買った女郎屋を牛耳る男に嵌められ、捕まってしまう。男の子は、実は女郎屋の男の懐刀だった使いの女の「妹」で、女郎屋は、この姉妹の家を焼き払った男だった。諍いのを仲裁した兄弟を助っ人に、狼男の血を啜り、自らも狼をなろうとする女郎屋とその用心棒と戦う。最後は、途中に殺されてしまう姉妹の姉の、銀製の髪飾りが、女郎屋に刺さって終わる。
 いいテンポで進んだので、すんなり見終わってしまった作品だった。笑いの部分がいつもすべってる感じで、なんか真面目になった発砲みたい。BQは役者さんたちにいまいち華が無い感じがしてしまう。女優さんも結構きれいな人が多いのに。でも、やっぱり高瀬さんはいい。
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No:001  スプーキーハウス / Piper
★★★★
Theater:スペース・ゼロ
Date:2004/12
 客演:石丸謙二郎、篠原ともえ、廣川三憲、楠見薫
 2004年に劇場で観た作品。お遊び感覚のPiper、ご都合主義な物語りも伏線が伏線を呼ぶ後藤さんお得意のコメディで、100分飽きさせない展開。篠原さんと廣川さんは、ちょっと浮いた感があるけど、他はもうファミリー。石丸謙二郎さんの身のこなしにびっくり。
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