エリック・アイドル(Eric Idle)

珊塔の見ているソロ映画・TV

(国内:「バロン」はテリー・ギリアムの項)
ラトルズ 4人もアイドル!(78年)
キャスパー(95年)
ダドリーの大冒険(99年)
サウスパーク 無修正映画版(99年)
キャメロット(98年)
102(00年)
アラン・スミシー・フィルム(98年)

(以下輸入版:「Mr.Toad's Wild Ride」はテリー・ジョーンズの項)
輸入もののまとめはこちら
Nuns on the Run
Splitting Heirs
Too Much Sun
Mikado
 

 2歳のクリスマス・イブに、軍人だった父親を交通事故で亡くしているそうです。
 その後しばらく親戚に預けられた時期もあり、さらに7歳から12年間を、王立の全寮制学校で学んでいます。エリックによれば、全寮制といってもパブリックスクールではないそうで、生徒たちからは強制収容所と言われていた模様です。ケンブリッジ大学に入学しています。
 英語専攻。彼は言葉遊びネタに強く、早口だったり、アナグラムで話したりする男といったネタを、演者としてもこなしています。
 
 ケンブリッジ大学では1883年創立のコメディ・サークル、フットライツで代表を務め、創立以来女人禁制だったサークルに女性メンバー加入を許可をはじめてした人でもあります。卒業後はケンブリッジの先輩の紹介で業界に職を得ました。

 エリックはグループを、「1つの家族のようだった」と評しています。
  エリックにとって互いに批評し合い、テンションを高め合えるパイソンの経験は、のちにコラボレーションの仕事をする時の基準になっていて、「ほかのメンバーに思ったことが言えたし、仕事の質を下げる馴れ合いもしなかった」という関係性を語っています。

 他のメンバーと自分について、「ジョーンズは頑固で、ジョンは支配的、マイクは愛すべきやつで、エリックは権威に懐疑的な性質で、ギリアムは理解出来ない奴、そして人間関係のクッション役としての医者のグレアム。集まった野郎どものコンビネーションは最高だった」とも。

 台本会議では、台本を持ってくる唯一のピンだったので(同じく一人で仕事をしていたテリー・Gは、出来上がったアニメの好きか嫌いかを聴くという形で自分のネタを披露)、最初から決定されている票がないことを愚痴っていたそうですが、会議での立ち回りは非常に優れていたと、メンバーたちは評価しているようです。

 ビートルズをパロディにした「ラトルズ」も有名です。
 元々はBBC2の低予算コメディ番組(元々はエリックのやっていたラジオ番組が大きくなってテレビ番組になったもの)、『ラトランド・ウィークエンド・テレビジョン』の1コーナーのネタから大きくなったもので、『サタデー・ナイト・ライブ』で披露したものが受け、さらに特別番組として放映されたのが『ラトルズ〜4人もアイドル』です。これには『ドント・アジャスト・ユア・セット』でも共演、『空飛ぶ〜』の第4シリーズや映画にも登場していた、ボンゾ・ドッグ・バンドのニール・イネスが曲作りを手掛けていて、イネスも出演しています。

 コメディ界のビートルズと呼ばれるグループの一員と、ビートルズのフェバリット・バンドだったというボンゾ・ドッグ・バンドの一員が作ったラトルズは、パロディバンドでありながら、トリビュートアルバムが出ています。
 
 ラトルズ自身のアルバムが2枚あって、1枚目は映画のサントラ、2枚目は本家ビートルズのアンソロジー発売に合わせ、エリック以外のメンバーが製作しています。しかし2枚とも、エリックは歌声の参加はしていません。
 公式サイトには、2005年5月に「ラトルズ・2」のDVD発売。日本のアマゾンでは購入出来ないない模様。もっとも、外国のDVDを買っても、私は見る機械を持っていないですが。

 小説も書いていて、『The Quite Remarkable Adventures of the Owl and the Pussycat』という童話作品では、その朗読もしてグラミー賞を貰っています。『ROAD TO MARS』という小説は、コメディアンとロボットの珍道中を描いた、未来世界が舞台の作品。

 さて、彼はかなりの率で日本人が目にしているはずだったりします。
 東京ディズニーランドにある「ミクロアドベンチャー」に出ているからです。前室で服部マコにインタビューされる、表彰式の代表者です。TDLで見た人は、おじさんすぎてそうは思わないかもしれないですが、若い頃の彼はとても女装が似合いました。ドイツ版の王子の格好もお気に入りの私。ちなみに、私的には一番好みの顔をしております。

 2002年秋頃にやっていたNIKEのCMで使われ、2005年には缶コーヒーのCMに使われた曲、『オールウェイズ・ルック・オン・ザ・ブライト・サイド・オブ・ライフ』は彼の作詞作曲。映画『ライフ・オブ・ブライアン』のエンディングで、十字架にかけられて死を待つだけのブライアンを励ますために、エリック扮するやはり十字架に掛けられた男が歌いだす曲。

 90年代にはエリック自身が再度歌って再ヒットさせたこともあります。ものすごく負けるサッカーチームのサポーターが、チームの応援歌として歌ったのが、再ヒットのきっかけとのことです。
 グレアムのお葬式でも、「死の明るい面を見てみよう」という歌詞のあるこの曲が歌われます。

 パイソンズの音楽面、かなり彼が担っています。  
 

参考資料
「モンティ・パイソン大全」
「モンティ・パイソン・スピークス!」
「パイソン・ナイト」
「テリーギリアム映像大全」  など