キャメロット

1998年・日本
QUEST FOR CAMELOT
エリック・アイドル:声優(双頭の竜の痩せたほう、デボン)

 アニメです。
 なぜ日本制作なのかが良く判らないんですが、ワーナー・ブラザースってこの頃、日本の会社の下にいたんでしょうか? 絵柄は外国風、ヒロインがやけにリアルで可愛くないし、英語で話していますから、製作スタッフは全面的に外国人なのでしょうか。

 エリックが声優をやっていなければ見ることはなかったでしょうが、これ、声優陣が豪華なのです。
 ゲイリー・オールドマン、ケアリ・エルウィスと、80年代後半にイギリス映画を愛していた人ならば心惹かれるであろう俳優も声優をやっています。007のピアーズ・ブロズナンも。

 肝心のエリックの役はというと、双頭のドラゴンの片割れデボンで、物語の展開に重要な役割を持っています。ちなみにDVD版では、制作秘話のようなおまけコーナーにもエリックが出てきます。というわけで、買うならDVDのほうが良いと思います。 

 物語はといえば、『キャメロット』というぐらいなのでアーサー王ものなのですが、それにしてもこれのアーサー王、なぜ国を治められたのだろうかというぐらい、ぼやぼやした男です。なにげに人格者ではあるけれど、王という漢字でもないような。
 まあ、あたしの知っているアーサー王はといえば、『ホーリー・グレイル』でグレアムがやっていたアーサーと、それを見たあとに読んだ、簡単な本だけなのですけれども。
 それにそうじゃないと、女主人公と恋人の物語が展開しないから、仕方ないともいえます。

 主人公はアーサー王ではなく、ケイリーという活発な女の子です。
 彼女の父親はアーサー王の円卓の騎士でしたが、十年前にルーバーという悪人に殺されています。ルーバーはアーサー王の聖剣を奪ったのでしたが、成長したケイリーは、それを取り戻す旅に出るのです。

 たいして期待などせずに見たわりに、なかなか面白かったです。
 戦い、恋、笑い、そうして、たぶんアニメのミュージカルなのであろう物語を彩る歌、最後まで、このアーサー王ってばどうなのよ、とは思ったものの、わくわくする映画です。