国内における四柱推命の歴史を簡単に述べますと、文政元年(1818年)に桜田虎門(さくらだこもん)という翻訳家が淵海子平(えんかいしへい)を翻訳し、阿部泰山(あべたいざん)が研究されました。現在、国内で手に入るほとんどの四柱推命の書籍は少なからずその影響を受けており、事実上、ここからスタートしたと言えます。
四柱推命を勉強されてきた方。また仕事で占われている方も当然のことながらこの本の影響を受けているのですが、実際問題、四柱推命はよく分からない、難しい、という結論になっているのではないでしょうか。
その最大の理由がこの淵海子平です。
まず、四柱推命の基本ベースとなっている淵海子平というものは、四柱推命のための本、というよりも、これまでに伝承されてきた占いの知識を記載しているものです。現代でいうと、西洋占星術から動物占い、タロットまでなんでもありの寄せ鍋(*1)状態といったところでしょうか。一つ一つには論理的なものを見いだせるかも知れませんが、本自体に一貫性を見いだすことは困難だと思います。
*1 紫微斗数(中国の占星術)、六壬神課、太乙神数、奇門遁甲など
次に翻訳の過程です。淵海子平を翻訳した桜田虎門は儒学者であって、運命学のプロフェッショナルではありませんでした。どんなに中国語を日本語に翻訳出来たとしても、肝心の翻訳する本の知識がないと困難を極めます。これはどんなに英語がペラペラな人であっても、専門的な英語の医学書を翻訳することは出来ません。同様に、たとえどんなに日本語が話せる人であっても、難しい専門的な日本語の講義を聴いてもチンプンカンプンになると同じです。
この翻訳本をもとに阿部泰山が研究を重ねたのが200年前のお話。そしてそれをベースにしたのがネットや本屋で見かける四柱推命だと言えます。99%と言って良いのかも知れません。
もちろん当時の技術レベルでは、理解が不完全であったことは致し方ないとは思いますが、それから200年以上に渡って特に疑問を感じることなく、現在に至ったことは非常に残念なことです。
まだまだ少数ですが、原点に立ち返り正しい理論を研究している方々も多々いらっしゃいますし、我々も原点に立ち返り、正しい理論を採用しております。
なお、余談ですが、諸葛孔明からの一子相伝。また密かに受け継がれた驚異の~という形のものも散逸されますが、そもそも四柱推命の基本ベースとなるものは現在ほぼ閲覧出来る状態ですので、騙されないようにしましょう。