僕の推測

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精神病はシナプス後細胞のレセプターの個数の問題ではないか―僕の「レセプター過剰発現説」

<1998年10月25日現在>

ここからは神経発生の本を読んで、なんとなく考え付いて、友達に話した僕の考えです。

 

1、シナプス後細胞の新しいレセプターの数が増える。

2、ポストガイドセルがそのレセプターの付近に発現する

3、軸索がポストガイドセルに沿ってレセプターめがけて伸びてくる。

4、シナプスが出来上がる

5、シナプス後細胞の発火が増え、精神症状が現れる。

 

専門用語の聞きかじり解説

軸索の伸び方の学説で、レセプターが先にありき、と言う学説を読んで考えました。離れた二つの神経細胞の細胞体がどのように軸索でもって連絡するのかと言うと、

まずシナプス後細胞の表面にレセプターが浮かび上がります。

レセプターによって、近くにある、神経に栄養を与えることになる細胞〔グリア、アストロサイトの前駆体〕が軸索を呼び込む細胞〔ポストガイドセル〕になって軸索の成長する方向を導く役目をします。

軸索はポストガイドセルに沿ってレセプターめがけて伸びて行き、レセプターのところでシナプスを形成します。

 


僕が思いついたのは、レセプターの数が増えることで軸索が伸びていってシナプスの数が増える、と言うことです。シナプス後細胞の責任であると思ったのです。

つまり、

刺激→脳というフィルター→意識に上る事柄

が後ろの方だけできるために、矢印を神経の伝達とすれば、刺激が無いのに

   脳というフィルター→意識に上る事柄

となってしまうのは、脳というフィルターが意識に近いほうから〔シナプス後細胞のほうから〕変化していくせいだ、という思い付きです。

 


ストレスによって強化され、印象に残った意識内の事柄を呼び出すのに、そこをつかさどる神経のレセプターの数を増やすことで、そのことは意識の中に居続けようとするのではないでしょうか。

ですから、精神病患者は病識が現れるまでに時間がかかるのです。意識のほうは変化するわけではないので、精神病患者は本当に幻聴、幻視、妄想を現実のモノとして、体験し、気分変化は自分の中で徐々に自分が変化したのだと感じるのです。病的な行動とは、実は幻聴、幻視、妄想に対しての反応なわけで、本人としては正当な行為である、ということになります。

意識のほうまで侵されると、人格の崩壊というところまで行くのではないでしょうか。しかし今では薬によってそれを防ぐことができます。薬は人格までは変えることができません。

シナプス後細胞の発火が増えるのは、入力するシナプスが増えるからで、シナプス前細胞の終末から出る神経伝達物質の量は増えなくても良いわけです。だからドーパミンの濃度は病気で無い人のシナプスと同じです。

 


僕が立てた仮説は、2つです。

仮説1、発火の回数が多いシナプスは、レセプターの数を増やす傾向がある。

仮説2、シナプス後細胞の要求によって、軸索が伸びてゆく。そしてシナプス前細胞になった神経細胞も発火の回数が多くなり、ネットワーク作りを要求していく。

 

ドーパミンならドーパミンのレセプターにふたをするだけで、ほかの種類の神経伝達物質のレセプターにふたをしなくても、薬が効くのは、僕の仮説に従うと、ドーパミンレセプターだけが増えた結果、と言えるでしょう。


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