基本ストーリー
オーストリアの王女・フローレル姫は19歳の誕生日のその日、アマゾンのほほえみというダイヤの指輪を、料理の魚の中に入れて捨ててしまった。このダイヤを狙う怪盗フェニックスの口車にまんまとのせられてしまったのだ。その魚を偶然ハニーハニーのペットであるリリーが食べてしまった。フローレル姫はアマゾンのほほえみを最初に持って現れた男と結婚すると宣言したため、誕生パーティーに出席していた求婚者たちは、ここぞとばかりにハニーハニーとリリーを追いかけまわすのだった。一方、フェニックスもアマゾンのほほえみを手中にすべく、ハニーを追跡する。また、フローレル姫も自分をバカにしたフェニックスの後をお忍びで追うのであった。こうして、ハニーとリリーの世界をまたに掛けた冒険旅行がはじまった。
シリーズスタッフ
原作／水野英子 製作／壺井重三 企画／壺井重夫
音楽／小森昭宏 主題歌：『ハートは大騒ぎ』（ＯＰ）『虹の少女』（ＥＤ）歌／芹 洋子
チーフディレクター／しらとたけし（全話） 新田義方（＃21〜＃29）
キャラクターデザイン／正延宏三 チーフデザイナー／山本善之
プロデューサー／つぼたしげお 青木籐吉 製作担当／今野俊和
制作／国際映画社
キャスト
ハニーハニー：松島みのり フェニックス：井上真樹夫 フローレル姫：白石冬美
求婚者たち：野田圭一（ハイル・ゲシュタポ） 田中康郎（ピカ・ピカール） 矢田耕二（オイル・ダラー） 田中 崇［現・銀河万丈］（ジェロイモ）
30分一話完結（原則）・毎週土曜日18：00〜・フジテレビ系
ストーリーガイド (Last Update 1998/04/07:Complete)
＃１「ねこがダイヤを食べちゃった」(81/10/17)
脚本／辻 真先 演出／しらとたけし
作監／白土 武
原画／北原久美子 大戸幸子
訪問地：ウイーン
1907年のウイーン。今日はオーストリアの王女フローレル姫の19歳の誕生日。王宮には各国からの姫の求婚者で溢れていた。その中に、姫が持つ世界的なダイヤ・アマゾンのほほえみを狙う怪盗フェニックスもいた。傲慢なフローレル姫はフェニックスの言葉に騙されて、アマゾンのほほえみを魚の中に入れて捨ててしまう。しかもその魚を、城下のレストランでウエイトレスをしている孤児のハニーハニーのペットの子猫、リリーが食べてしまった！
＃２「水の都は大騒ぎ」(81/10/24)
脚本／辻 真先 演出／山本寛巳 川端蓮司
作監／大工原 章
原画／三木佳人 小幡公春
訪問地：ベニス
フローレル姫は、最初にアマゾンのほほえみを持ってきたものと結婚するという宣言をしたため、ハニーは求婚者たちに追われるハメになる。ダイヤを狙うフェニックスもまたしかり。ハニーは隠れたつもりの気球に乗って、ウイーンからベニスへ。そして気球は花嫁を乗せたゴンドラの上に落下する。ハニーは成り行きとはいえ、ベニスの有力者の結婚式を妨害したことをとがめられ、犯罪者扱いされてしまうのだった。
＃３「ナポリを見て逃げろ」(81/19/31)
脚本／辻 真先 演出／高垣幸蔵
作監／篠田アキラ
原画／小山冬彦 後藤伸一
訪問地：ローマ
ベニスで知り合った発明家のおじさんが作り上げたスピードカーで、ローマまでやったきたハニー。そこでその性能が認められ、おじさんは自動車会社から莫大な契約金を受け取った。ハニーと一緒に高級ホテルに宿をとったのもつかの間、彼は詐欺師に契約金をだまし取られてしまう。ハニーは偶然出会ったフェニックスとともに、詐欺師を捜し出そうとする。ところが、ここでも求婚者たちと鉢合わせしてしまう。
＃1〜＃3解説
＃４「アルプス急行ＳＯＳ」(81/11/07)
脚本／雪室俊一 演出／浜田 稔 高垣幸蔵
作監／菊池城二
原画／小山冬彦 後藤伸一
訪問地：アルプス山脈（スイス）
求婚者たちから逃れ、ローマ駅から列車に飛び乗ったハニーは運賃が払えず、食堂車でウエイトレスのバイトを始める。ところが求婚者の一人・ハイルがハニーを指名手配したため、乗務員からも追われることに。それを救ってくれたのは、アルプスに住むおじいさん・エーゼルだった。彼は駅でない場所で列車を止めるとハニーを連れて降りてしまった。ハニーはおじいさんの家に泊めてもらうが、そこへ変装したフェニックスが現れる。逃げ出したハニーは、知らずに求婚者たちがチャーターした夜行列車に潜り込んでしまった！
＃５「ベルンの森の赤い矢」(81/11/14)
脚本／雪室俊一 演出／康村正一
作監／河村信道
原画／藤岡正宣 小曽根孝夫
訪問地：アルプス・ベルン（スイス）
夜行列車からハニーを救ってくれたのはエーゼルの孫・テルだった。ハイルのしいた警戒網を抜けるため、ハニーは民族衣装を借りてテルとベルンの街へ。その頃ベルンを訪れていたフローレル姫はハイルたちと合流し、ハニーからリリーをいれたバスケットを奪うため、弓矢の名手を呼び寄せる。果たして呼ばれた男は、なんとエーゼルだった。フローレル姫とハイルは、街の祭りを楽しむハニーをエーゼルに無理矢理に狙わせるが……。
＃６「ハメルンは猫がいっぱい」(81/11/21)
脚本／三宅直子 演出／浜田 稔 山本寛巳
作監／篠田アキラ
原画／田中二郎 中村 清
訪問地：ミュンヘン・ハメルン
ビール祭りでにぎわうミュンヘンへとやって来たハニー。ところが、またしても例の4人組と出くわし、ハイル指揮下の警官隊に追いつめられてしまう。そこへフェニックスが現れ、ハニーの危機を救ってくれた上に、逃走用の馬車も用意してくれた。しかし疾走する馬車からハニーは転落して、気を失ってしまった。そんなハニーを介抱してくれたのはハメルンに住む少年・ジャンだった。フェニックスもハメルンへとやって来るが、街中に溢れる野良猫に仰天。彼はリリーを捕らえるため、「ハメルンの笛ふき」の伝説にあやかって、笛を吹いて猫を集めようとする。
＃4〜＃6解説
＃７「古城の恋の鬼ごっこ」(81/11/28)
脚本／三宅直子 演出／又野弘道
作監／白土 武
原画／北原久美子 大戸幸子
訪問地：ハイデルベルグ
学術の街ハイデルベルグで、ハニーは貧乏画学生のロベルトと知り合った。彼と街はずれの古城見学へと出かけたハニーだったが、またしても求婚者4人組が現れ、二人は城中を逃げ回るハメに。一方、フローレル姫に捕まったフェニックスだったが、すぐに逃げ出しハニーに助太刀してやる。どうにか城を脱出したハニーだったが、幼い頃から身につけていたペンダントを落としてしまい、探すために古城へと戻ることにする。
＃８「フェニックス風車支部」(81/12/05)
脚本／辻 真先 演出／山本寛巳 川端蓮司
作監／大工原 章
原画／三木佳人 早原ゆみ子
訪問地：アムステルダム（オランダ）
ライン川を下ってアムステルダムまでたどり着いたハニーは、そこの港で面倒見のいいカレルという女性の船主と知り合う。だが、彼女はオイル・ダラーからハニーとリリーの情報を得ており、ハニーを捕らえれば遭難したタンカーの負債を肩代わりしてもらうという約束を取り付けていたのだった。そうとは知らないハニーは、タンカーの遭難の話を聞き、カレルのためにリリーの体内からアマゾンのほほえみを取り出す手術を受けようかと考える。
＃９「1日だけのお妃さま」(81/12/12)
脚本／辻 真先 演出／高垣幸蔵
作監／篠田アキラ
原画／小山冬彦 後藤伸一
訪問地：ブリュッセル（ベルギー）
ブリュッセルへとハニーとリリーを追ってきたハイルたち4人組。ちょうど市街はベルギー王朝の戴冠式で、ピカピカール王は新しい妃を連れて出席する約束をしていた。だが、いまだフローレル姫には振り向いてももらえぬ体たらく。そこで、ピカピカ王はやむなく即席の妃を見つけようとする。そして、彼は偶然出くわしたハニーに、戴冠式の間だけ、体裁を保つために妃として振る舞って欲しいと頼むのだった。
＃7〜＃9解説
＃10「こよいシンデレラ」(81/12/19)
脚本／辻 真先 演出／高垣幸蔵
作監／菊池城二
原画／永田敏章 浅生淳則
訪問地：パリ
パリへとたどり着いたハニーだったが、スリと間違えられて警察に捕まってしまう。そんなハニーを牢屋から出してくれたのは、クレマンソー伯爵という、パリで名だたる人物だった。しかも彼はハニーのためロイヤルホテルに宿を取り、さらに自宅の舞踏会へと招待してくれる。だが、クレマンソーの正体はフェニックスであり、それはリリーを手中に収めるための作戦だったのだが……。
＃11「オルレアンの魔女屋敷」(81/12/26)
脚本／三宅直子 演出／新田義方
作監／河村信道
原画／藤岡正宣 小曽根孝夫
訪問地：オルレアン（フランス）
ハニーは、オルレアンでぶどう園で働く孤児の少女コリンスと友達になった。そこへ例の4人組が現れ、ハニーは近くにある「魔女屋敷」と呼ばれる古ぼけた屋敷ににげこむ。その屋敷に住むおばあさんは、どこかで生きているはずの孫娘を思い続けており、ハニーにその娘の代わりになって欲しいと頼むのだった。しかしそこにフローレル姫や4人組がハニーを狙って現れた……。その頃、フェニックスはコリンスがおばあさんの孫と気づき、二人を引き合わせようとするのだった。
＃12「サーカスはてんやわんや」(82/01/02)
脚本／三宅直子 演出／浜田 稔 宮崎一哉
作監／飯野 皓
原画／河井 彰 佐藤和久
訪問地：アルル
空腹のために倒れてしまったハニーを介抱してくれたのは、以前ヒッチハイクさせてもらったサーカス団の人たちだった。元気になったハニーは、そのサーカスのピエロがフェニックスではないかと疑う。そこへ求婚者4人組が、アルル警察を引き連れて乗り込んできた。サーカスの中を逃げ回るハニーをピエロが助けてくれるのだった。果たして、ピエロの正体は……？
NOTE:午前8：30より放送
＃10〜＃12解説
＃13「モンテカルロの青い疾風（かぜ）」(82/01/09)
脚本／雪室俊一 演出／山本寛巳
作監／篠田アキラ
原画／田中二郎 中村 清
訪問地：モナコ公国
モナコへとやって来たハニーは、スピードレーサーの少年・ジルと知り合う。彼は翌日の自動車レースに参加するため、自分の車で走行練習の最中だった。そこへ当地の警官とハイルが現れ、ハニーはジルに車に乗せてもらい彼の家にかくまってもらう。同じ頃ジルの母親はフェニックスと会い、息子の車を盗んで欲しいと頼むが、フェニックスは一言の元にことわるのだった。息子を危険なレースに出させたくない彼女は、ハニーハニーとリリーをフェニックスが狙っていると知り、フェニックスを自宅へと招待するのだった。
＃14「大聖堂の鐘が鳴る」(82/01/16)
脚本／雪室俊一 演出／高垣幸蔵
作監／篠田アキラ
原画／小山冬彦 後藤伸一
訪問地：地中海〜バルセロナ
ヨットでモナコから脱出したハニーとジルだったが、嵐に巻き込まれ、リリーは荒波のただ中に投げ出されてしまった。フェニックスは近くの港から漁船を拝借してハニーたちを無事救出した。付近の海域を捜索するがリリーは発見できず、いったん港へと戻ることにする。海岸に打ち上げられたリリーは、フェニックスが無断借用した漁船の持ち主の息子・マルセリーノによって介抱されていたのだった。
＃15「マドリッドのほほえみ」(82/01/23)
脚本／雪室俊一 演出／芹川有吾 川端蓮司
作監／大工原 章
原画／小幡公春 名倉靖博
訪問地：マドリッド〜トレド
ハニーとジルは、ジルのおじさんでスペイン一の闘牛士・ホセを頼りにマドリッドへやって来た。だが、彼は本当は闘牛士ではなく、スペインで名うてのいかさま師だったのだ。ホセは、指圧と称してリリーからアマゾンのほほえみを取り出すフリをする。すっかり引っかかったハニーは偽のダイヤをオイル・ダラーに手渡した。まんまとホセはその礼金を手にすると、彼はすぐさま街を出るのだった。ダイヤが偽だと知ったフローレル姫や4人組は、ハニーを晩餐会に招待すると騙し、ダイヤを手中に収めようと計略をたてる。
＃16「ジブラルタルの要塞」(82/01/30)
脚本／辻 真先 演出／しらとたけし 又野弘道
作監／白土 武
原画／大戸幸子 北原久美子
訪問地：ジブラルタル海峡（スペイン）
ジブラルタルへとやって来たハニーだったが、乗っていた馬車が暴走してはからずとも国境を突破してまった。そのため国境警備隊長からスパイとして手配を受ける。その時セドランとはぐれたため、ハニーは翌日警備隊の目を逃れて、セドランを捜しに国境へと戻ってきた。だがハニーは警備隊長に逮捕され、ジブラルタルの要塞本部に連行されることになる。だが、本当のスパイはその警備隊長だったのだ！
＃17「世界最高のカステラ」(82/02/06)
脚本／辻 真先 演出／浜田 稔 川端蓮司
作監／菊池城二
原画／小山冬彦 後藤伸一
訪問地：リスボン
クルーザーでポルトガルへと向かっていたハニーとフェニックスは、大型の貨物船と衝突してしまう。衝突した船はポルトガルの大貿易商ジョアンのもので、二人はフローレル姫に引き渡されそうになる。しかしジョアンは、リスボンにいる息子のマニュエルからカステラ作りを止めさせるため、お菓子工房のかまどを盗むことが出来たら自由にすると約束した。フェニックスの計画はまんまと成功するが、マニュエルのカステラにかける夢を知ったハニーは、その計略を彼に教えるとフェニックスの前から姿をくらましてしまう。
＃18「リリーの大ピンチ」(82/02/13)
脚本／三宅直子 演出／康村正一
作監／河村信道
原画／小曽根孝夫 斉木みえ子
訪問地：ロンドン
ハニーがリスボンから密航した船は、こともあろうにフローレル姫のものだった。姫は英国王室の家宝カシオペアというサファイアを譲ってもらい、フェニックスをなんとしても跪かせようというのだ。フローレル姫の召使いにされたハニーもバッキンガム宮殿に赴くが、イギリス国王はアマゾンのほほえみとならばカシオペアと交換するという条件を出したため、フローレル姫は強引にリリーを手術しようとする。
＃16〜＃18解説
＃19「走れハニー！十二時までに」(82/02/20)
脚本／三宅直子 演出／宮崎一哉
作監／上村栄二
原画／小針 聡 小園元祥
訪問地：ロンドン
フローレル姫はハニーを騙して、トースターに住むサージン郷の元へ黄金の剣を取りに向かわせ、その間にリリーを手術してアマゾンのほほえみを取り出そうとする。そうとは知らないハニーは、明日の12時までに戻ればリリーをあきらめるというフローレル姫の言葉を信じ、トースターの街へ懸命にと急ぐ。ハニーは途中で出会ったロビンフッドの助けを借りて、サージン卿から黄金の剣をもらうことに成功し宮殿へと戻るが、時既に遅し。リリーの手術は終了していた。
＃20「ハニーの秘密」(82/02/27)
脚本／三宅直子 演出／浜田 稔 川端蓮司
作監／菊池城二
原画／小山冬彦 後藤伸一
訪問地：ノルウェー
リリーの体からダイヤがなくなり、逃亡から解放されたものの、ハニーはフローレル姫に海の真ん中で放り出されてしまう。バイキング船がハニーを救ってくれたが、船には大勢の少女たちが監禁されていた。本拠へと戻ったバイキングたちはたき火をおこし、その上をハニーたちに渡らせる。するとハニーの足の裏に、プリシラ国の王家の証のバラの花のあざが浮き出てきた。バイキングは王家に使えた家臣たちであり、行方不明の王女を捜していたというのだ。突然のことにハニーは戸惑う。そしてフェニックスはその頭目の息子であり、彼はハニーのナイトに任命されるのだった。
＃21「さらわれたハニー」(82/03/06)
脚本／三宅直子 演出／山本寛巳
作監／篠田アキラ
原画／田中二郎 中村 清
訪問地：ノルウェー
フェニックスとともにバイキングの村で、アマリア姫としての生活を始めたハニー。最初はお姫様の暮らしを楽しんでいたが、王家の人間としての教養やたしなみの勉強に嫌気がさしてしまい、こっそり逃げ出そうと考える。ところがその時、プリシラ王国を滅亡させた張本人・スラーグのはなった手下が、村に夜襲をかけるのだった。応戦するフェニックスを残し、バイキングの長である爺はハニーを逃がそうとするが、敵の爆弾によって命を落としてしまう。そしてハニーもスラーグの手下に連れ去られるのであった。
＃22「ツンドラ城のとりこ」(82/03/13)
脚本／雪室俊一 演出／新田義方
作監／大工原 章
原画／早原ゆみ子 中島泰代
訪問地：ロシア某所
ロシア帝国内にあるスラーグの居城・ツンドラ城に連行されてきたハニーとリリーは、別々にされ牢屋と檻に閉じこめられてしまう。リリーに会いたい一心でハンストを決行するハニーだが、スラーグはびくともしない。そんなハニーに力を貸してくれたのが、まかない係のアニタという女性だった。彼女はリリーを食事に隠してハニーの牢屋まで連れてきてくれる。一方スラーグは、既にフェニックスが城内に侵入しているとにらみ、ハニーを公開処刑しようとする。果たして部下に化けて様子をうかがっていたフェニックスが姿を現し、逆にスラーグを人質にして、ハニーとともに城を脱出しようと試みるのだが……。
＃23「ＳＦ大追跡」(82/03/20)
脚本／辻 真先 演出／浜田 稔 高垣幸蔵
作監／菊池城二
原画／小山冬彦 後藤伸一
訪問地：ロシア某所（ツングース付近？）
一旦はツンドラ城からの脱出に成功したハニーとフェニックスだったが、アニタの裏切りでハニーは再び城へ連れ戻され、フェニックスは雪原に置き去りにされてしまう。アニタの正体はスラーグのスパイだったのだ。寒さと疲れからさすがに途方に暮れるフェニックスだったが、偶然転がり込んだ洞窟は故障した異星人の宇宙船で、彼は修理の代わりにハニーの救出を依頼する。その頃ツンドラ城にはハイルが訪れており、スラーグと共同でフェニックスの拿捕をもくろんでいた。だが、宇宙船で空から急襲をかけるフェニックスには手も足も出ず、見事ハニー救出に成功した。ところがその時、もう一機宇宙船が現れ、宇宙船同士で戦闘を始めてしまう！
＃24「わんぱく王子」(82/03/27)
脚本／辻 真先 演出／しらとたけし 又野弘道
作監／白土 武
原画／大戸幸子 善名迪子
訪問地：モスクワ
宇宙船の戦闘に巻き込まれ、またも離ればなれになってしまったハニーとフェニックス。しかもハニーが落下したのは、モスクワにあるロシア帝国のタチアナ皇女の屋敷であり、城を失ったスラーグが先にそこへ滞在していたのである。タチアナの前に連行されたハニーは、どうしたわけか彼女の孫であるイワンの乳母に任命される。イワンのいたずらに苦戦するハニーはついにダストシュートに落とされてしまった。ようやく抜け出すと、そこは花が咲き乱れる温室だった。ハニーはそこで花の世話をするおじさんと出会うが、実はこの男こそハニーの父親・ハルツ国王だったのだ。その時、ハニーを追ってフェニックスが屋敷へとのりこんできた。
＃22〜＃24解説
＃25「売られたリリー」(82/04/03)
脚本／三宅直子 演出／康村正一
作監／河村信道
原画／藤岡正宣 小曽根孝夫
訪問地：イスタンブール
モスクワから河ぞりで脱出することに成功したハニーとフェニックス、ハルツ王は氷結したドン河を南下するが、途中で氷がなくなりそりは沈没してしまった。河に投げ出された3人は、通りかかった船に拾われる。ところがその船は海賊船で、ハニー達は囚われのみになってしまった。海賊船はコンスタンチノープル（イスタンブール）に到着し、その市場の競り市でハニーやフェニックスも商品として売りに出されてしまう。そこへ現れたのは、この街のサルタンで、リリーを高値で買い取ると、海賊船の船長はハニーをおまけにつけるのだった。そしてフェニックスを買い取ったのは、なんとフローレル姫だった！
＃26「魔法はまかせて」(82/04/10)
脚本／三宅直子 演出／小鹿英吉
作監／上村栄二
原画／小針 聡 小園元祥
訪問地：イスタンブール
リリーを買ったサルタンは大の魔法マニアで、ハニーを助手に任命する。ところがその魔法はタネはあっても仕掛けがないという、いい加減なシロモノで失敗の連続。客を呼んで魔法を披露すれば上手くいくかもしれないというハニーの提案を受け入れたサルタンは、フローレル姫にも招待状を送るのだった。サルタンはフローレル姫に魔法をかけようとするが、ことごとく失敗し、姫は大激怒。一方フローレル姫との同行を断ったフェニックスも、どうにか軟禁状態から抜け出すとサルタンの宮殿に向かうが、怒り狂ったフローレル姫に追われるハニーは、飛び乗った空飛ぶ絨毯と一緒にどこかへ飛び去ってしまった。
＃27「飛んで飛んでインド」(82/04/17)
脚本／安藤豊弘 演出／浜田 稔 川端蓮司
作監／菊池城二
原画／小山冬彦 後藤伸一
訪問地：インド
ハニーを乗せた空飛ぶ絨毯は、もとの持ち主であるインドの骨董商アカーンの屋敷へと向かっていた。それを知ったフェニックスは早速インドへむかう。フェニックスを追ってフローレル姫や求婚者たちも一路インドへ。その頃インドに到着したハニーは、事故で絨毯を燃やしてしまい、知り合った少年・カリムとともに、絨毯の製作者であるサタニという老婆の元を訪れていた。だが、求婚者たちからアマゾンのほほえみのことを聞いたアカーンは、ハニーを捕らえて、ダイヤを持っているフェニックスをおびき出そうとする。
＃25〜＃27解説
＃28「大スター花てんぐ」(82/04/24)
脚本／安藤豊弘 演出／高垣幸蔵
作監／菊池城二
原画／小山冬彦 後藤伸一
訪問地：日本
アカーンの罠をうち破ったフェニックスとハニーだったが、絨毯はハニーとリリーを乗せて再び空の彼方に飛び去ってしまう。そしてやって来たのは極東の国・日本。花見でにぎわう町並みの上空を飛行した後、絨毯はようやく着陸するのだった。そこでハニーはさくらという少女と知り合う。さくらの兄は「雲の下団兵衛一座」という見せ物小屋の呼び込みで、彼は昼間見た空飛ぶ布団に乗った天狗（ハニー）を探し回っていた。それを知ったハニーは、さくらの頼みで一座にゲスト出演することにしたのだが……。
＃29「ハローさよならニューヨーク」(82/05/01)
脚本／辻 真先 演出／新田義方 小沢範久
作監／上村栄二
訪問地：ロサンゼルス・ニューヨーク
日本を後にしたハニーは、魔法の絨毯で北米へとたどり着く。ちょうど同じ頃、ニューヨークにはフローレル姫やスラーグ、そして求婚者たちまでやって来ていた。またハニーの行方を追っていたフェニックスも、後を追ってアメリカへ。一方、ニューヨークへ向かう大陸横断鉄道には、サーカスで下働きするハルツ王の姿もあった。そしてそのサーカスからキングゴリラが逃げ出し、フローレル姫をつかむと摩天楼を登り始めた！
本来ならば、＃30以降がどのようなストーリーになるのかを紹介しておきます。また、サンコミックス版も現在は入手困難と思われますので、ここではオチまで明らかにします。
雲の下一座は、ハニーから絨毯を取り上げようとするが失敗。そのどさくさで、絨毯はいずこかへ飛び去ってしまうのだった。ハニーは絨毯を探してまわるが、時既に遅し。浮浪者によって絨毯は着物仕立て直されてしまっていた。絨毯の着物は、もはや長距離を飛行することは出来なくなったが、着ている者の跳躍力を飛躍的にアップさせることはできた。
そのジャンプ力を使って悪漢をやっつけるハニーの姿をみた青年柔道家の姿三四郎（！）が、ハニーに弟子入りを申し込んできた。ハニーは三四郎の家に招かれ、彼に柔道もどきの稽古をつける。かくして三四郎は必殺の空中技を編み出し、日本選手権で優勝を果たしたのだ。だが、絨毯の着物はハニーが目を離した隙に野犬に食いちぎられ、完全にお釈迦となってしまうのだった。
三四郎はアメリカに招かれることになり、その見送りに東京港へ向かったハニーだが、港でアメリカ行きの貨物船で水夫として働くハルツ王を見かける。フェニックス日本支部の石川五右衛門（！）の連絡を受けたフェニックスの日本到着を待つ予定でいたハニーだったが、三四郎に自分も同行したいと申し出る。だが、アメリカ行きのチケットは一枚しかなく、事情を聞いた三四郎はハニーを男装させて、自分の身代わりに船に乗せてやるのだった。
「男」として乗船したため、ハニーは船内では苦労の連続。船上仮装パーティーが催されると知ったハニーは「女装」することにする。ところがパーティーの最中に、その船「タイタニック号」（！）は事故にあって沈没してしまった。
太平洋のど真ん中で漂流するハメになるハニーや乗客達だったが、その中に有名なウエスタン・スターがいたため特別に救助用飛行機がやってきた。ハニーもその飛行機に乗せられて、一路ハリウッドへ。そしてエキストラと間違えられて、ハニーはウエスタン映画のロケに出かけることになる。
その頃フェニックスは、ハニーを追って日本からアメリカへと向かっていた。ハニーの情報をいち早く察知したフローレル姫も一足先にアメリカへ渡り、スラーグと合流するのであった。利害が一致した二人はインディアンを買収して、ハニー達のロケ隊を襲撃させる。そのピンチに現れたのはフェニックスで、ハニーを救い出すと大陸横断鉄道で敵を振り切りシカゴへ。
シカゴへ到着したハニーとフェニックスは、ハルツ王の情報や自分たちの安全を得るために、フェニックスの友人でもあるアル・カポネ（！）に協力を依頼するが、彼はその見返りに「アマゾンのほほえみ」を要求する。やむなく承諾するフェニックスだったが、実はカポネはフローレル・スラーグコンビとも取引をしており、フェニックスを引き渡せば「カシオペア」を譲り受ける約束を取り付けていたのだ。
ハニーとフェニックスは、カポネとの取引に出かけるが、それは罠でありその上求婚者たちも乱入しての大騒動となってしまう。そのあげくにハニーとリリーはナイヤガラ瀑布に投げ出されてしまう。間一髪ハニーだけはフェニックスの操縦するヘリによって救出されるが、リリーは滝に飲まれてしまった。
だが子猫であるリリーは体重が軽かったため、無事に滝から生還できた。しかも、ちょうどその時ナイアガラでは「ナイアガラ瀑布とびおり1千万ドル大懸賞」が開かれており、ライフガード無しで滝に身を投じたリリーはコンテストの優勝者として、ニューヨークへ凱旋することになった。
リリーがニューヨークへ行くと知ったフェニックスはそのままヘリで後を追うが、摩天楼の建設現場でスラーグや求婚者たちに邪魔をされ、そのどさくさでアマゾンのほほえみもカシオペアも紛失してしまう。果たして、宝石は凱旋パレード中のリリーの元に落下していたのだ。その様子を目撃したハニーとフェニックスは、リリーの後を追うが、一足違いでリリーは優勝賞金欲しさに名乗りをあげた密輸業者の男に引き取られてしまっていた。その密輸業者はアフリカ・コンゴにガラス玉を宝石と偽って野生動物と交換させており、いまも貨物船でアフリカに出航するところだった。しかも、その貨物船こそハルツ王が水夫として働く船だったのである。
そのことを知ったハニーとフェニックスも潜水艦でコンゴへ向かうが、艦内には例の4人組も密航していた。そして潜水艦が浮上したのはコンゴの人喰い人種の村の真ん中だった。
村の戦士に囲まれ窮地に陥るフェニックスたちだが、ここは求婚者の一人のアフリカ人の酋長（アニメではジェロイモに位置するキャラ）が治める村とわかり一安心。しかし、その実権は酋長の奥さんで、彼よりも偉い変酋長（笑）が握っており、フローレル姫に浮気していたと知るや、ハニー達と一緒に丸焼きにしようとする。変酋長は例の密輸業者の言いなりの上、彼らはスラーグと旧知の間柄で、ハニーやハルツ王を拘束せよと命令を受けるのだった。なんとか逃げだそうとするハニー達だが、成功したのはフェニックスだけだった。
そんな哀れなハニーの姿を、専用ヘリからあざ笑うフローレル姫だが、操縦ミスで墜落し、彼女が酋長の浮気相手だとわかると、姫も丸焼きの仲間にされてしまうのである。
燃えさかる炎にあぶられる4人組やハニー、ハルツ王そしてフローレル姫。例のあぶり出しでハニーやハルツ王の足の裏には薔薇のあざが浮き出すが、それと同じものがフローレル姫の足にも現れた！ フローレル姫は、実はハルツの娘であり、幼い頃に子供に恵まれなかったオーストリア国王へ養女に出したのだった。つまりハニーとフローレルは姉妹だったのだ。お互いにイジワルやバカにしあったことを後悔するハニーとフローレル姫。その絶体絶命の危機を救ったのは、またもやフェニックスとコンゴ支部の中年太りのターザン（！）。変酋長も密輸業者に騙されていたと知り、ハニー達を解放すると今度は彼らを火炙りに、そしてスラーグはそのひげが変酋長に気に入られ、彼女のなぐさみものとなってしまうのだった。
コンゴ支部が用意した気球に乗ってアフリカを脱出し、ようやくオーストリアへと戻ってくるハニー達一行。フローレル姫がハニーの実の姉であったことを知ったフェニックスは思わず土下座し、その姿にフローレル姫のプライドは回復した。この騒動の原因となったアマゾンのほほえみも、リリーから姫へと返却された。そしてフローレル姫は、ハニーにフェニックスを譲ると宣言するのだった。
ハニーとフェニックス、ハルツ王の3人はフローレル姫や求婚者たちをウイーンで降ろすと、隣国であるプリシラ王国に戻っていった。プリシラはその名の通りの小さい国で、家族同然な気さくな風土にハニーは大喜び。フェニックスと末永く仲良く暮らしましたとさ。
オーストリアに戻ってきたときには、ちょうどフローレル姫の20歳の誕生日で、宮殿はあいかわらず求婚者で溢れていた。うんざりの姫が、またしても「持ってきたものと結婚します」と、アマゾンのほほえみを投げ捨てると、あろうことか今度は少年が連れていた子犬がダイヤを食べてしまった！ 求婚者たちは、今度は少年と子犬を追って奔走するのであった……。［THE
Happy END］
Note：アニメ＃29では、フローレルをつかんだキングゴリラの登った摩天楼が火事になり、彼女の足のあざが明らかになるようにアレンジされている。また原作のアフリカ脱出以降のくだりは、そのまま＃29のラストとして描かれた。