瀋陽 ~日本と関わりの深い東北の都市~

2004/03/05作成

ホンタイジの墓
 瀋陽は北京の東北に位置し、冬はかなり寒さが厳しい。満州帝国時代は「奉天」と呼ばれ、 日露戦争や満州事変など旧日本軍に関係した事件が多く発生した。 また2002年の5月の脱北者による日本総領事館駆け込み事件が起きた 都市としても知られる。

 写真は北陵公園にある清の太宗ホンタイジの陵墓。 墓は円形で丘のようになっており、かなりの大きさだった。

 筆者は司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読んで日露戦争に興味を持ち、 一度戦場である冬の瀋陽に来てみたかった。昔の情景を想像しながら街を 歩くのもまた旅の面白さである。


渾河
 凍結した渾河。この河は瀋陽中心から南に位置し、日露戦争の時、 日本軍はこの凍った河を渡って市中心部に入っていった。 「坂の上の雲」によると、この河が凍っているうちに兵隊や物資を河の向こう側に運ぶ ということが戦争のキーポイントだったらしく、100年前に日本人がここへ来て 死闘をくりひろげていたことを想像すると何か感慨深いものを感じた。

 筆者も実際にこの河を渡ってみた。2月末でいくぶん暖かくなっていたものの、 河の氷はかなり厚く、ちょっとのことではびくともしない感じだった。 事実、筆者は自転車に乗って氷の河を渡っている人を見た。


九・一八事変博物館
 九・一八事変博物館。1931年に起きた満州事変に関する資料が展示されている。


寒中水泳
 北陵公園内の池で寒中水泳をしていた人。何もこんな汚い水の中で泳がなくても・・・。


ベッド
 筆者が泊まった家のベッド。筆者は北京から汽車で瀋陽に入ったのだが、 乗っていた寝台車で隣にいたおじさんと親しくなり、瀋陽では彼の家に泊めてもらった。 彼は工程師(エンジニア)をしていて、この街へは単身赴任で来ているようだった。 家は会社から支給されているそうで、一人で住むには広すぎるから と言って筆者を誘ってくれたのである。

 ちなみにおじさんは夜に筆者を街につれてって、瀋陽の名物など様々なものを紹介してくれた。 東北の人は素朴でやさしいと感じたそんな思い出である。





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