心室中隔欠損症とは?

手術について
1.手術前、カテーテル検査
 手術前の検査として、カテーテル検査を受けます。この検査自体も決して100%安全というものではないため(ほとんど問題はありませんが)手術を受ける前提で行います。(カテーテル検査では、手術と同様に承諾書へのサインが必要です)
 
 足の付け根の太い血管(動脈、静脈ともに)から心臓まで、カテーテルを通し、心臓内での位置、孔の大きさなどを調べます。
検査は、全身麻酔で行なわれ、前後の処置も含めて、3時間ほどで終わったと記憶しています。
 検査結果として、孔は楕円で、大きさは長い方で12mmほどとの事でした。
 検査の副作用として2〜3日間、微熱が出ました。
検査としての入院は、5日間程でした。
 その後、手術の具体的日程が決まって行きました。
 
 生後から手術前のカテーテル検査までの、担当医は、小児科循環器専門の先生でした。
以降、手術については、心臓血管外科の先生がメインで見る事になります。当然小児科の先生も関わってきますが。
 
2.手術
 手術は、”りょう”の場合、今日明日の緊急性はないため、本人の体調の良い時を狙って行いました。一番最初に設定してあった時は、前日熱を出して延期となってしまいました。
 
 手術前には、必ず執刀医からの説明を受け、承諾書にサインするのですが、この手術前の説明では、”りょう”の治療に関わるほとんどの方(執刀医の先生の指導を受けていると思われる若手の先生が3名ほど、麻酔科の先生、小児病棟の看護婦さん、ICUの看護婦さんなど)が同席されていました。
後にも先にも、手術前の説明で、これだけの方が一同に揃って説明を受けたのは、この時だけでしたが、心臓手術は、大変な事だ。という事と、これだけのスタッフの方が関わってくれるという事で安心感がありました。
 
ちなみに、手術の翌日ICUへ朝面会に行った時、”りょう”のベットの傍らで、うとうとしていた若手の先生、夜通し、容態に変化がないかずっと、見守ってくれたのだと思います。大学病院の若手の先生は、修行の身という感じで、給料が少なく、かつ仕事がキツイというのをどこかで、読んだ覚えがあります。全国の大学病院の若手の先生がんばってください。
 
(1)手術当日
@朝、8時過ぎに病室から出るのを見送る。それから小児病棟の待合室で、無事を願ってひたすら待つ。
Aそれから30分後くらいに先生から呼び出しがかかった。え!!何かあったの?と思ったら、麻酔が順調にかかって、これから手術を開始しますとの報告であった。
B手術に要する時間は、5時間くらい。と聞いていたが、3.5〜4時間後くらいに終了しました。という連絡が入り、ICUの待合室に移動し、マスクとエプロン?をして待つ。
 
 ちなみに、手術の手順ですが、
(1)麻酔
(2)心臓を露出させるために、胸の中央の肋骨の中央(肋骨が集まっている部分)を縦に切断(肋骨がバラバラにならないように)、肋骨を押し広げて心臓を露出させます。(従って、手術の傷口は結構大きいです)それから人工心肺を使用して、心臓を一時停止。
 
 心臓手術には、人工心肺は不可欠なものだと思いますが、人工心肺を使用して心臓を一時的に停止出来るのは、3時間が限度で、それ以上になると、心臓が再起動しても、いろいろと障害が出てくるリスクがあるのだそうです。人工心肺使用時には、循環する血液の温度を下げて(体温を下げて)手術を行うとのことでした。
 
 欠損部を塞ぐ処置に入ります。欠損部にはパッチを当てて塞ぎます。パッチの材質は、今となっては定かに覚えていないのですが、「動物(馬)の心膜?を特別な処理をしたもの」だったと思います。
 このパッチの部分は、成長につれ、自分の細胞で包まれ、問題は無くなるそうです。(1994年の時点でこのパッチは10年間の実績があり、問題は出ていないとの事でした)
欠損部を縫合後、心臓を再起動する処置をして、心臓が安定するまで、人工心肺を併用し、その後、人工心肺を外し、安定した所で、開胸部の縫合に入るという手順です。
 
 早めに手術が終わったので、大丈夫とは、思いましたが、ICUの待合室で待っている時間(15〜20分)の方が長く感じました。
 先生の話では、手術は無事成功、心房中隔に、全く問題の無いレベルであるが、孔が開いていたので、ついでに塞いでおき
ました。との事でした。
 
 手術直後の面会では、まだ眠っていました。
 夕方の面会時では、うつろうつろしていましたが、声をかけると気がつきました。
一安心。
 翌日朝の面会時には、何と朝食をほとんど食べたとの事で、先生の話だと、術後翌朝に食事が取れるのは、極めて稀という事だそうで、回復は早いでしょう。とのコメントでした。
その日の夕方の面会では、丁度食事時間にあたり、妻が食べさせると、よく食べました。”りょう”はあっちこっちに、点滴やら、心電図やら、ドレインやらで、自分で動けない状態でしたが、目線で、あの”おかず”が食べたいと妻に合図を送っていました。
 
ICUの病室では、殿様扱いで、大画面のテレビをひとりじめで、見ているやら、ベッドの傍らには、看護婦さんが置いてくれたのか、イルカの縫いぐるみがありました。
 
ICUでは、3日間お世話になりました。
ICUは、重病の患者さんとか大きな手術を行った直後の患者さんがいるので、(りょうがお世話になった病院では)朝と夕方、各々15分間くらいの面会しか出来ません。
 
その後、一般小児病棟へ戻り、抜糸が終了し、容態が安定した所で、退院となりました。

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