骨肉腫とは?

治療方法
 先ず、他に腫瘍がないか?転移していないか?を検査します。他の種類の癌もほとんどがそうですが、肺に転移するケースが多いのです。
 この時点で、腫瘍、転移が認められなければ、治癒の可能性は、高くなります。この種の病気は、見つかった時点で、既に転移していて、治療が困難な事が多いのです。
 
(りょうの場合)
 不幸中の幸い、他に転移は認められませんでした。
 治療方針は、この病気の一般的手順と思いますが、
(1)先ず、抗癌剤で腫瘍を小さくする。
(2)外科手術で腫瘍を除去する。
(3)抗癌剤で、血液に乗って体内に散らばっている癌細胞を退治する。
という手順です。
入院期間、約1年!と言われました。
(結果的に入院期間は、1997/8/28〜1998/8/20となり、ほぼ丸1年でした)
 
手術前の抗癌剤は、
 ・メトソレキセート
 ・ソリブシン(保険適用外)
 ・ブレオマイシン(保険適用外)
これで、1ヶ月様子を見ましたが、抗癌剤の効果は全く見えず、日増しに上腕部の腫れは大きくなり、手術前には、元の倍くらいまで、上腕が腫れてしまいました。
 
 このままでは!、という時点で、右上腕離断手術が行われました。腫瘍の部位によっては、切断、離断しなくてもすむ場合があり、最近の傾向としては、極力、正常な部位は残す方向性です。
 
完全に右腕を離断しなければ、ならない状況でした。
 
 さて、これをどうやって本人に話すのか?!
年齢が5才になったばかり。でも、だましは、通じない。かと言って病名を言っても何だか、分からない年齢。
 看護婦さん、先生と相談の上、看護婦さんから、説明をする事になりました。
看護婦さんは、忙しい最中、紙芝居を作り、分かり易く説明をしてくれました。その後の抗癌剤で長期間にわたって治療、入院する事も含めて。(私たち両親立会いのもとで)
 
 手術そのものは、3時間程で終了しました。(心臓と比較すると手術そのものは、あまり危険性はありません)
が、右腕を失うという事は、本人はもちろん、我々両親も耐え難いものがありました。
 
 手術後2週間ほどで、抗癌剤による治療が開始されました。
結果的に使用した抗癌剤は、
 ・メトソレキセート 12回
 ・シスプラチン 4回
 ・アドリアマイシン 6回
 
 抗癌剤使用のサイクルは、
メソトレキセート+メソトレキセート+(シスプラチン+アドリアマイシン)
これを3週で行い、1週間、間をあけて、このサイクルを4回行なう。
 
 さらに最後の方のサイクルでは、
メソトレキセート+メソトレキセート+アドリアマイシン
これを、3週間で行い、1週間、間をあけて2回行なうというものでした。
 
 但し、このサイクルは、あくまでも順調な場合で、治療が進むにつれ、副作用は強く現れ、スケジュール通りには、進みませんでした。その辺を見込んでの入院期間、約1年という事が、後から分かりました。
 
 最後の抗癌剤が終了した時点で、看護婦さんから「良くがんばったネ!」と拍手をもらったと、聞いています。
 
 骨肉腫の抗癌剤の定番?であるメソトレキセートは、一時(1日で)に、数時間かけて、点滴で、大量投与します。(白血病などでもこの薬は、使用されるのだそうですが、その使用量については、比較にならない程の大量投与だそうです)
その後は、直ぐに、メソトレキセートを体外へ出すために、大量の生理食塩水を点滴します。この間、1週間です。
同時に、吐き気止め等の副作用を抑えるための薬を使用します。
 で、次にまた、メソトレキセートを同様に1週間。
(シスプラチン+アドリアマイシン)も同様に最初の1日目に点滴で投与し、1週間で洗い流す。という事が繰り返し、行われます。
 
 1サイクル終わった後は、休息期間が1週間。治療が進むにつれ、副作用が強くなり、休息期間が長くなって行きます。
 
 化学療法が無かった時代(外科手術のみ)に対して、治癒率は大幅に上がったそうです。
 そもそも、化学療法では、腫瘍からの癌細胞が血液に乗って、体中にばらまかれているものを退治する事を目的としています。
 しかし、現在の化学療法では、「毒をもって毒を征する」ので、正常な細胞も攻撃されます。これが副作用となって現れます。
 
 辛い化学療法については、「副作用ばかりで効果が無い?」など賛否両論ですが、体内の癌細胞を退治することは、極めて理論的なことです。
 
 一部の種類の癌治療では、副作用が少ない療法が開始されていますが、骨肉腫に関しては、現時点では、外科手術と化学療法を併用する療法が一般的な様です。

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