第2話

目を開くと、巨大な門の前に立っていた。
「ここが・・・・黄金の工房か・・・・」
奏一はシャルラッハロートを駆り、ゆっくり歩き出した。
「へー、考えただけで思ったとおりに動くのか、スゴイなコレ!」
絶対装甲を初めて動かし、奏一は上機嫌だった。
しかし、まだ気づいていなかった。
その門が、巨大な爪でこじ開けられていた事を・・・・。

工房の中へ進むと数多くの絶対装甲が並んでいた。
今乗っているシャルラッハロートはもちろん、見たこともない装甲もあった
「ギィィィ・・・」後ろで金属がこすれる音がした。
奏一が振り返ると、一体の絶対装甲が倒れ、奥から巨大な蜘蛛のようなものが姿を現した。
「げっ、なんだアレ!?」
考える暇も与えずに、その巨大な蜘蛛は奏一に襲いかかった。
「うわっ!!」奏一は間一髪でかわした。
しかし、
「ゴオォォォン!!」ものすごい衝撃が、シャルラッハロートの体を揺さぶった。
後ろを振り返ると、そこにはもう一体の虫がいた。
「に、2対1かよ・・・」
巨大な昆虫の攻撃は、絶対装甲を簡単に吹き飛ばした。
「ヤバイ・・・・このままだと・・・・殺される・・・・」
最悪の状況が頭をよぎる。
奏一は装甲から降りると、全力疾走で近くの鉄の扉へ駆け込んだ。
「なんとか、助かった・・・・・」
緊張の糸が切れ、その場にどっと崩れ落ちた。
「あなた、誰ですか!?」
少女の声が響く。
奏一は、驚いた。
その部屋には多くの女性たちがいたのだ。
一人の少女が奏一に駆け寄ってきた。
「男の人・・・・・もしかして機奏英雄ですか?」
14歳ぐらいの少女が話しかけてきた。
「ま、まあ・・」また聞いたことのない言葉を言われ、奏一は思わず返事をした。
「俺の名前は瀬神 奏一」
とりあえず、自己紹介をする。
すると、少女の様子が変わった。
「セガミ・・・・ソウイチ・・・・・!?」
少女は涙を浮かべ、奏一に抱きついた。
「え、ちょ、ちょっと!?」
奏一は突然の出来事に驚いた。
「やっと・・・・やっと会えました、私の運命の人に!!」
「じゃあ、君が俺の歌姫!?」
少女は涙をぬぐうと、ニッコリと微笑んだ。
「私の名前はソフィア・アリュールです」
「よ、よろしく」
少年もテレながら、軽く笑った。
「ハイ、こちらこそ」
ソフィアは、その幼さが残る顔でまた微笑んだ
そしてソフィアは集合場所がノイズに襲われたことや、そこから自分達は逃げてきたこと、
彼女らを追ってノイズがここを襲ったことを奏一に教えた。

「それで奏一さん、絶対装甲はどこに?」
「それが・・・・」奏一はノイズのいる格納庫のほうを指差した。
「え・・・」
ソフィアは愕然とした。
そんな少女を見て、少年はある決意をする。
「ちょっとまってろ」そう言うと、奏一は格納庫へ一目散に走り出した。
「そ、ソウイチさん、危険です、やめてください!!」
ソフィアの制止も聞かずに奏一は蟲の目の前に飛び出していった。
ノイズは巨大な足で奏一に襲いかかるが、紙一重でかわしていく。
「もう少し!!」目の前に装甲がある。
しかし、
「!?」足に何かが絡みつく。
それは虫が出した細長い触手だった。
「ギシェェェェ!!!」ノイズが勝利のおたけびをあげる。
(ここまでか・・・・)奏一があきらめたその時、

「私はここです!!」 少女の声がこだまする。

虫の注意はソフィアに向いた。
「今だ!」奏一は即座に、絶対装甲に飛び乗った。
ノイズたちはソフィアにその牙をむけた。
「なんて無茶をするんだよ!!」
奏一は叫ぶ。
すると、ソフィアはこう言った。
「大丈夫、あなたがいるから・・・」
少女は歌いだした。
少年のための歌を・・・・
すると奏一の駆るシャルラッハロートに変化がおきた。
まるでさっきとは違う、まるで自分の肉体のような動きを見せた。
さっきまで、あれほど苦戦していたノイズをまるで赤子の手をひねるように、
いや、小さな虫を指で潰すように簡単に切り刻んでしまった。

奏一は絶対装甲から顔を出した。
下では自分の歌姫、ソフィアが微笑んでいた。
「やりましたね、ソウイチさん」
奏一はソフィアに尋ねた。
「ソフィア、この世界は一体どうなっているんだ?」

                                                   つづく

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