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仏像法話 大黒天と共に生きよ

大黒天像   
大黒天像 通常形  大黒天像(癒しの仏像 たまご神) 


最近、医学の進歩と食生活の向上で人の平均寿命は80才を越えるまでになりました。戦国時代、織田信長は、幸若舞の「敦盛」を舞いながら「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり、一度生を受け、めっせぬ者のあるべきか」と謡ったといいます。 「下天」とは十界の天上界の一番下の世界のことで、ここの一日の長さは人間界の五十年にあたり、この世界の人々の寿命は人間界の900万年位にあたるらしい。
 まことに、人の世は短く、ただ、あわただしく世俗の事だけが過ぎ去っていきます。皆快楽のとりこになって、ただ己の満足のためにだけ煩悩を働かせ、迷いの人生を渡っているのが現実です。吉凶禍福が次々に起こる道理を知らず、ただお金のことと目前におこる事に嘆き悲しんでいます。

 この世のものは皆移り変わり滅び、頼りとなるものは何一つないのに、なぜ、道を求め永遠の生を求めようとしないのでしょう。道を求めるとは、心を清くして良い行いをすること永遠の生とは、その善行の報いとしての成仏であります。お釈迦様は、「悟りの木の実を求めて生きよ」とお説きになられました。臨終の前に、「ああ、いい人生だった。色々な経験をさせて貰った。他人を泣かせることなく、この世を汚さないで生かしてもらった。有り難う、さよなら」と最後にお礼の言葉を言えるような生き方をしなさいと教えられたのです。
 大黒天様は平服を着て頭巾を被り袋を背負う姿で、お顔はにこにこ顔の福相です。福徳円満自在菩薩の化身と説かれ、仏教を守護し、食と福徳をお授けになられます。大黒という名の通り、真っ黒になって汗水流して働けば左肩にしょった袋いっぱいに財宝、お宝に満たされると教えております。右手の小槌はコツコツと音がしますが、この「コツコツ」の音のように、こつこつと着実に励みなさい、つまり努力を惜しむなと言っておられるのです。
 大黒様の誓願に「もし我を祭り信仰するならば、貧窮の者には福を与えーーー」とあるように、多くの方々がご利益を頂いておられます。人々はもっと大黒天を崇敬し豊かになってもらいたいものです。
 人は一人生まれ、一人死んで行かなくてはならない。しかも、此の世で犯した罪は背負って行き、永遠にその償いをしなければならない。誰も変わってくれるものはいません。しかし、大黒天様だけが地蔵菩薩のように人々と共に生きてくださる
のです。

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