工作室
当工房で製作したモデルや作業のご紹介です。

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1.胴体部分の製作A(キットA基本の組立、B胴体Aブロックの組立
 
胴体部分の組み立てで、検討課題は、キットではエンジンマウント部の構造が省略されている
事と、主翼基部のロンゲロン(ストリンガー)の構造が違うことです。エンジンマウント部の構造は、
Scale Aircraft Drawings volume 1
図面やWings(Volume13,No.6 1983)」
イラストAUSTINの工場で製造されたF8038
参考に製作します。
 SE5aの木組構造は製造年代や製造会社により微妙に違うようですが、主翼基部のロンゲロンの
構造は、実機では内側と外側に部分的に長溝がありH型の形状になっていて、上側は直線で、下側の
前後に勾配がついていて、直線的な形状が多いようです。
 それに対し、キットの胴体下部ロンゲロン(4mm厚のシナ合板打ち抜き素材)は断面が単純な矩形で、
下側が直線、上側が主翼上面のカーブにそった曲面の形状になっていてます。
 1/8というスケール的には細部の表現が可能なので、細部の表現にこだわって作り直すか、それとも
キットの素材を使ってすますか、悩ましい所です。ロンゲロンの部分は後の組立てに影響があるかも
しれませんが、
ロンゲロンを作り直すなど、実機になるべく忠実に再現する方向で作業を進めます。
 寸法はAircraft Drawings volume 1図面とハセガワのキットの図面では相異があります。
Aircraft Drawings volume 1の図面はWolseleyのものではありませんが、ハセガワのキットは
胴体部分が若干太く、後部ロンゲロン部分が少し短いようですし、縦の支柱の位置が異なっています。
作業としては主翼など他との取り合いの関係上ハセガワのキットの図面を基準にしました。

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R.A.F. S.E.5a 1/8 scale 機体編
 エンジン(Hispano Suiza8A 180Hp)が完成したので、エンジンを搭載する機体(胴体部)の製作を
「組立説明書」の手順に沿って始めます。機体の構造など、できるだけ実機に忠実に再現したいと
思います。胴体など機体の骨組みはキットの小割り材を使いますが、ミュージアムモデルとしてはキットの
プラパーツは使いたくないので金属などで作り換える予定です。
 本格的に木工作業を始める前に、仕掛かっていたヴィッカース機関銃をフルスクラッチで製作しました。
 ヴィッカース機関銃もScale Aircraft Drawingsvolume 1ISBN:0-911295-02-X
図面が掲載されています。ハセガワのキットのヴィッカース機関銃も寸法的には図面とほぼ同じでしたが、
シンクロナイザーやチャージングハンドル(クランクハンドル)の形状など相異もあります。キットのシンクロ
ナイザーは機銃本体の左側に付いていますが、メカ的にはソッピース・キャメルなど、ロータリーエンジン用
と判断しハンドルカバーの後側に付くタイプにするなど、ほぼ図面に従い製作しました。
 製作で一番悩やんだのが、フルーテッドシリンダー(有孔ジャケット)をどのように作るかということでした。
結局、0.2mmの銅版に溝を型押しし、丸めました。シリンダーには通気用の孔があいていますが、どのように
孔をあけるか検討中で、孔あけはまだしていません。孔あけに失敗したときのために、シリンダー部分を
分割する構成にしました。その影響でその他の可動部分についてもギミック的に動くようにしました。
 材料はシリンダーの銅版以外は主に真鍮材を使いました。おあそびですが、弾帯も付けました。
ヴィッカース機関銃
シリンダー部分の溝の型押ジグ
銅版
ガスカップ
    ↓
    
ブースター
ガンサイト
    ↓
弾帯
 ↓

銃身
シリンダー
 ↓

サイドカバー
シンクロナイザー
Tボルト
ハンドルカバー
補助チャージング
    ハンドル
フィード
 ブロック

補助チャージング
 ハンドル 
シンクロナイザー
チャージング
 ハンドル 

     ↓
フィード
 ブロック

ガスカップ 
ブースター
ヴィッカース機関銃の
部品構成
キットにはないエンジンを取付けますが、重量が
680gあるので、胴体下部とエンジン部分の
ロンゲロンと縦の支柱の一部はブナ材で作り
直しました。
バルクヘッド部分は合板で支柱の両面を挟んだ形状
ですが、不要になったキットのシナ合板から作成し、
支柱部分の表現は省略しました。
エンジンが装着できることを確認
キットA基本の組み立て、B胴体Aブロックの組み立てまでの状態
ワイヤーブレーシングの金具をキットの物でなく、0.3mm洋白板で作り直しました。
また、キットでは操縦桿の金属製支柱(桁)がプラ部品で表現されていますが、木製の桁
に作り替えました。
燃料タンク用の桁も追加しました。
2.尾翼、スタビライザーの製作B(キットCD胴体B,Cブロック、M水平尾翼、H垂直尾翼の組立)
 
胴体後部の3本の支柱はキットでは3mmの竹ひごが使用されていますが、細く感じたので
ぶな材から4mmの丸棒を削りだして作成しました(両端は3mm、中央部は4mmのテーパ状)。
ワイヤーブレーシングの金具はキットの物を使用しました(重ね部分はハンダ付け)。
 水平部分のワイヤーブレーシングの金具は支柱(桁)にすり割りを入れて取り付ける
よう指示がありますが、金具の位置が上下の桁の内側なので、桁の内側の面に接着しました。
  後部胴体上部のストリンガーを支えているアーチ状の支柱は、内側を削り厚みを薄くし
より実感的にしました。

 垂直尾翼が取り付く部分のキットの構造は実機とかなりちがうので、実機のに合わせ
ました。上下の垂直尾翼の取り付けは、実機(レプリカ?)では鋼管が使用されている例も
あるようですが、イラストなどからは上下貫通型の木製支柱のようですので、それに合わせ
ました。
 垂直尾翼のポストには水平尾翼の角度調整用の金属シャフトが通っていてコックピットから
エンドレスチェーンでシャフトを上下させ調節(下側に3度、上側に41/2度)します。
そのためのギアボックスが垂直尾翼のポストに、また水平尾翼の前側の桁にピボットがあります

後部胴体と垂直尾翼、水平尾翼の結合方法を実機に合わせた都合、取り合いの確認をする
意味で水平尾翼と垂直尾翼を作成します。

 垂直尾翼は外側のフレームがイラストなどと比べると厚み、幅が大きいので、
横幅を4mmに厚みもそれにあわせての薄くしました。フレームを鋼管で形成している機体も
あるようですが、ここでは木製のフレームという設定にしました。
 胴体に接するビームも2本に変更しました。またポストに真鍮板を貼ってあります。

 水平尾翼のリブはキットの指示通りに中ぐりしましたが、先端部分のナカグリは指示が
ありませんが、組み立て後にナカグリすることになりました。
実際のリブの構造はナカグリした板状でなく上下が薄板が貼ってあるようです。ちなみに、
Sopwith Camelはリブが板に長孔で、SpadXVは円孔の資料がありました。

キットCD胴体B,Cブロックの組み立て
までの状態
H垂直尾翼の組立
M水平尾翼の組立(途中)
 ヒンジとプーリーを金属製に変える予定。
胴体と尾翼部分の結合具合(仮組み)
ヒンジ
エレベーターの取り付け(仮組み)
  プーリー
 
↓     
 ヒンジとプーリーの検討をしている間にエレベーター(N)の作成をしました。
ここは、ほぼキットの指示通りに作りました。
   ヒンジは1.4mmのパイプと0.3mmの真鍮板で作成しました。プーリーは6mmの
真鍮丸棒から削り出し、ブラケットは
.6mとm0.4mm洋白板で構成しました。

 
 ラダーの部分も鋼管が使われているようなのではポストとヒンジで結合する部分を4mmの
真鍮パイプ、曲げ加工がある外周部分は3mmの銅パイプと真鍮パイプを使用しました

ラダー部分の桁は薄板を張り合わせた物を使いました。
 下側の垂直尾翼は外周を3mmの真鍮パイプ、で支柱とポストはキットの小割材を使い
ました。
 テイルスキッドは実際は2連のスプリングが付いていてショックを吸収するような
構造なので、それにあわせてL字型の部分を3mmの真鍮パイプで関節状に曲がるように
しました。ダンパー(スライド部分)を2mmの真鍮パイプと1.2mmの真鍮線で作成し、
その外側を0.4mmのリン青銅線を巻いて作成したスプリングを被せました。

 ホーンはキットのパーツを使いましたが、其々パイプにハンダ付けしました。
ラダーとテイルスキッドの部分で使用したキットの部品はホーン飲みです。
テイルスキッドの石突部分はソフトメタルのキット部品を真鍮材で作り直ししました。
 実機のテイルスキッド部分は金属カバーが付きますが、プラ版でスケルトンのカバーを
作成する予定です。

ラダー
テイルスキッド
垂直尾翼(下側)
3.胴体の主翼固定箇所、スパールートフィティング(翼中央)の製作(キットLの組立)
 
下部ロンゲロンをキットの指示と違う形にしたので、主翼の固定部分が未着手でしたが、
ここで翼中央部分の製作と合わせて行います。
 実機ではキットの構造と異なり
、主翼(下側)は胴体を貫通した2本の鋼管で結合、保持されて
います。主翼を固定している鋼管は4mmの真鍮パイプ、主翼を取り付ける金具(ダミー)は
0.5mmの洋白板を使いました。主翼の固定はキットの3mm六角ボルトを使います。
 胴体への真鍮パイプ(鋼管部分)の取付けはロンゲロンを貫通している後側のパイプを基準に
翼中央部分のリブをピッチのガイドにして前側のパイプの位置決めをします。※主翼は上向きに
6度の角度が付いています

 翼中央部分の構造は不明ですが、Aircraft Drawings volume 1の図面などからは桁、リブなど
構造的なパーツはないようです。キットでは翼中央部はアルミ板を貼るようになっていますが、
実機では合板でしょうか?。翼中央部分のパネル貼り付けのためキットの部品を使用しますが、
桁などは使用しません。尚、主翼の翼型(エアフォイル)はキットでは下面が直線ですが、実際は
中央部分が凹面になっているので、翼中央部のリブもそれに合わせ下面を曲線にします。

胴体とスパールートフィティング
の位置関係(仮組)
スパールートフィティング
(翼中央)部分(仮組)
 胴体を貫通する鋼管部分
主翼固定金具
 (ダミー)
石突
スプリング
 (ダンパー)
ヒンジ 
ヒンジ
ヒンジ
ヒンジ 
4.胴体部分の製作B、(燃料タンクと胴体前部の製作
 燃料タンクとコックピット前部の製作をします。燃料タンクは当初はコックピット前部の床面に
設置されてたようですが、時期は不明ですが、胴体前側の上部に変更されています。キットでは
この部分は外観だけの表現で燃料タンクはパーツとしてはありません。
 カマボコ形の燃料タンクはビッカースマシンガンのための半円形の斜めの逃げがある複雑な
形状をしています。カマボコ部分は木型を作成し銅版の打ち出しで作成します。端面は0.4mmの
リン青銅板(有り合わせの材料です)を使いました。少し薄いので歪み防止に0.3mmの真鍮板を
L字に曲げ裏打ちしてあります。※ハンダ付け等で熱を加えすぎると変形してしまいます。
前後の端面間にはステーが8箇所あるのでそれも表現しました。
 燃料タンクの側面には胴体への帯状の固定用金具とスカート部にサイドパネル取り付け用(?)の
ブラケットがあり、これを0.3mmの真鍮板で作成します。これらはリベットで固定されているので、
リベット頭を表現します。リベットの打ち出しは1.5mmの雌型に1mmのドリルの軸部分を雄型にして
打ち出します。固定金具の先端にターンバックル(ダミー)が付いていますが、それも表現
しました(タンクは裏側から2mmのネジでボディーに固定します。)固定金具とブラケットは
ハンダ付けが難しいので、瞬間接着剤で燃料タンクに貼り付けました。
 燃料キャップの位置、形状は機体により幾つかのタイプがあるようです。キットではソフト
メタルで用意されていますが、今回は真鍮で作成し直します。

 ※実機の燃料タンクのかまぼこ部分にはリベット止めされていますが、複雑な曲げ加工が
ありでラインが一直線にならないので省略しました。

<塗色について>
 塗色はガソリンタンクがそのまま外装になっているので、ボディーと同じ色になります。RAF
SE5aの塗色はカーキグリーンが一般的で、機体によりバリエーションがあります。キットの
アルミ板の塗色は深緑(MrColor No.16)に近いのでその色に合わせました。若干つや消し気味
にしてあります。ガソリンタンクの端面と底面は鉄板の色にしました。
 木型
 燃料タンク(仮置き)

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 ターンバックル(ダミー)
5.胴体部分の製作C、(キットのE操縦桿、フットペダル、Fコックピットの製作
ピボット 
ピボット
ピボット
 ラダーペダルの基部はプラ部品だったので、展開図を作り、真鍮板で作成しました。キットでは
ラダーペダルの止めネジがプラス頭だったので、六角穴つきネジに変更しました。
 キットではラダー、エレベータ、エルロンのワイヤは0.4mmのステンレスワイヤ用意されて
いますが、柔軟性に欠け、プーリー部分での引きまわりが不自然になるので残念ですが、
ナイロン製のより糸に変更予定です。
 
 
プーリー
 ラダーペダル
操縦桿

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