工作室
当工房で製作したモデルや作業のご紹介です。

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側面
底面
側面
後面
前面
シリンダブロックの木型(製作途中)
テーパ部分とR部分は未加工
3.シリンダブロック冷却水ジャケット
バルブカバーパン
ギア部のカバーの
 の金型
バルブカバー
 の端面の木型
レースの心間をジグに
してネジ頭のハンダ付け
シリンダブロック
バルブカバーパン
ネジ
↑ギア部
のカバー
組み上がった
シリンダブロック
木型
 インテークマニホールド
曲面用に厚く
なっている
   
 
 エキゾーストスタック
   ↓  
インテークマニホールド
   組み立てジグ

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外側
内側
イグニッション  
  プラグ
 シリンダブロックの形状、寸法は型式により微妙に異なります。
HispanoSuiza 8AはHispanoSuiza製だけでも8つのモデルがあるようですが、ボアやシリンダブロック
の幅などが異なります。
 180馬力のエンジンの場合、シリンダブロックの幅は1/8スケール換算で23mmになりますが、今回
ハセガワのキットWolseley "viper")に合わせ20mmとしました。またシリンダブロックの端面は
長谷川のキットに合わせ平面に近い形状にする予定で作業を進めましたが、実機などでは半円形に
なっているので、それに倣い半円形に変更しました。
 シリンダブロックは水冷ジャケット部分と上端のフランジ部分、バルブカバーパン部分の3つに分割
し、先に製作しているシリンダブロック下部を挟む形でシリンダベースにネジ止めで取り付けます。
 当初、シリンダブロックを0.3mmの真鍮板をU形に曲げ加工したものに両端を2.5mmの整形した真鍮
厚板で挟む方式で作成を開始しましたが、途中で両端の形状を半円形に変更したことで厚みが倍になり、
思いのほか重量が増えました。エンジンの軽量化のために厚板で表現した前後の部分を0.3mmの板金
加工で表現する方式に変更することにしました。
 
 まず、胴体部分の曲げ加工と組み立てのために木型を作成します。板金の構成は前後面、両側面、
底板の5分割としました。
 前後面はテーパ状に絞られた複雑な曲げ加工になるので、型紙を作り切り出す形状を確認します。
いったん半径10mmのほぼ半円形に曲げ加工し、テーパ状の先端部分を半径8mmに絞り、木型に合わせ
ハンダ付けします。
  ※接合面は付き合わせになるので、ハンダ付け時に0.2mm帯板で裏打ちします。
 底面は中央部を0.3mmの真鍮板の曲げ加工で、両端面のR部分は焼鈍した0.6mmの銅版を打ち出します。
  ※銅版の打ち出し成型は薄板だと柔らかすぎて難しいので0.6mm厚を使い、中央部と段ができる
    ので成型後、削るなど厚さを調整しました。
 0.2mmの帯板を使って底面の中央部と両端面をハンダ付けします。ハンダ付けした底面を木型にセット
し前後面と側面の接合ラインを修正しておきます。底板の側面との接合ラインに0.2mmの帯板をハンダ
付けします。
 水平ラインを出した底面と前後面を木型にセットし、接合ラインの摺り合わせをします。
 前後面と側面の接合面に0.2mmの帯板をハンダ付けします。木型をガイドに側面パーツの切り出し
寸法を決めます。
5分割構成のパーツ
 側面には、マニホールドやイグニッションプラグが付くので、穴位置を罫書き、下穴をあけてお
きます。
 底面を木型にセットし、底面を基準に前後面と側面のハンダ付けをします(底面は後でハンダ付け
します)
 前後面と側面をハンダ付けしたら、イグニッションプラグの取り付けのための0.5mmの真鍮板をシリ
ンダブロック裏面にハンダ付けします。
 シリンダブロック上端のフランジ部を取り付けます。フランジ部は0.5mmの真鍮板で中抜きを省略し
て切り出した帯板を組み合わせ作成します。バルブカバーパンのベースもフランジ部に合わせて作成し
ます。
 バルブカバーパンはかまぼこ型に曲げ加工した0.3mmの真鍮板を0.5mmの真鍮板のベースにハンダ付け
します。両端の丸み部分とギア部分の膨らんだ所は木型を製作し、焼鈍した銅版の打ち出しで作成します。
 ギア部分の膨らんだ部分は6mmの銅パイプを縦半分に切断したものをかまぼこ型の金型で成型しました。
 バルブカバーパンの取り付けは実機ではマイナスネジ(半丸頭)で固定されている写真があったので
それにならいます。外側は5箇所、内側は6箇所の異なった配列になっているようです。シリンダブロック
への固定は四隅4箇所のネジで、それ以外はダミーです。四隅のネジはステンレスのM1.4mmネジに頭と
して2mmの洋白丸棒をハンダ付け、ダミーのネジ頭として0.2mmの真鍮パイプに1mmの真鍮丸棒の組み合わせ
で、どちらも糸鋸で頭の部分のマイナス溝を切り込み、半丸に成型しました。なお、バルブカバーパン
にはネジの座が付いているようでしたが、省略しました。
 右側のバルブカバーパンに燃料タンク加圧用のエアーポンプと同調機関銃用の接続口を、左側の
バルブカバーパン端面に回転計用の接続口をそれぞれハンダ付けします。
 燃料加圧用のポンプは左側のバルブカバーパンに付いているものもあるようです(長谷川のキット
は左側です)。またポンプの口金はホースニップルだったり、金属配管用の継ぎ手の場合もあるよう
です。
 ※エアーポンプはハセガワのキットとの整合性から後で左側に移動しました。


 バルブカバーパンはシリンダブロックにネジ止めされますが、ネジ頭のための逃げを3mmのエンド
ミルで削りました。バルブカバーパンは0.3mmと薄いので、逃げ部分に裏側に0.5mmの真鍮板を補強して
あります。

 バルブバーパンが取り外し可能になったので、構想を変更してバルブカムシャフトを表現する予定です。
そのため、バルブカバーパンの内側を広げました。
 インテークマニホールドとエキゾーストマニホールドの作成をします。
 インテークマニホールドとエキゾーストスタックは図面では2インチDIAとなっていますが、
6.5mmの銅パイプを使います。フランジ部は0.5mmの真鍮板を使用します。形状は吸気側、排気側
とも鋭角が80度の菱型にしました。
 インテークマニホールドとエキゾーストスタックの座を配管フランジ部と同じ形状で作成しま
した。フランジと座はダミーのスタッドで位置あわせされています。
 両端のエキゾーストスタックは曲面に取り付くので2.5mmの厚板で作成し、ミーリング加工で
接続面の曲面を削りだします。
 インテークマニホールドは3分割構成にし、L字部分を焼鈍し曲げ加工しました。インテーク
マニホールドのT字部分は位置決めの都合でシリンダブロックをクランクケースに固定してから
キャブレターの位置を決めた後に取り付けます。
 エキゾーストスタックの座をシリンダブロックにハンダ付けします。エキゾーストスタック
はパイプにスリーブを圧入し、シリンダブロックにM2ネジで固定します。
 インテークマニホールドの座とフランジ部をシリンダブロックにハンダ付けします(マニホールド
のパイプは固定されていません)。
 シリンダブロックに冷却水関連の接続口を取付けます。
 冷却水の口金もフランジ継手や、ホースニップルのタイプがあり、その数もその経路により様々なパターンがあるようです。どのパターンにするか悩むところですが、今回は[Scale AircraftDrawing Volume1]の図面とほぼ同じRodenの1/32キット(Hispano-Suizaエンジン)に合わせました。

 シリンダブロックの後部下側(外側)に冷却水入口を取り付けます。この接続口はフランジ継手のタイプですが、ポンプからの配管です。[Scale Aircraft Drawing Volume1]の図面ではこの接続口の反対側(内側)にも冷却水の接続口がありますが、これはインテークマニホールドハウジングにつながるラインです。 シリンダブロック内側からインテークマニホールドハウジング経由でラジエターへ流れる冷却水の配管経路はエンジンにより色々なパターンがあるようです。とりあえず上下両方の座を取り付けました。
 Rodenのキットの作例や実機を見ると、冷却水の配管は銅パイプなどのような金属配管で、それらをゴムホースのようなもので繋いでいるように見受けられます。ラジエター部分の継ぎ手は金属継手のようです。

 シリンダブロック前側上部(内側)にラジエターへの冷却水出口の座を取り付けます。ここの口金はホースニップルの場合が多いようですが、金属パイプの単管のようなものが付いている場合もあります。
今回は、金属の単管タイプにしました。口金はM1.4のネジ止めでホースニップルや金属配管用にも変更できるようにしました。、配管はエンジン組み立て時に行います。

 イグニッションプラグを製作し、シリンダブロックに取り付けまます。
 イグニッションプラグはM1.4mmのネジと平々2.7の六角棒(鉄材)、2mmの真鍮パイプ、0.8mmの真鍮線を組み合わせて作成しました。取り付けはM1.4mmのネジで取り付けます。
 長谷川のキットを組み上げた時の機体との整合性から右側のバルブカバーパンに取り付けた
エアーポンプを左側に付け変えました。Wolseley
エアーポンプがHispanoSuizaより一回り
大きいようなのでサイズも大きくしました。


 シリンダブロック前面にカムシャフトからのオイルフィードを取付けました。

 
インテーク
マニホールド接続口
排気スタック取り付け座
  
冷却水出口

エアーポンプ
     
オイルフィード
オイルフィード配管
 カムシャフトアッセンブリを組み立てます。
 バルブケーシングはシリンダブロックの上部から嵌め込む形式で、材料は0.5mm、2.5mmの真鍮板を
使います。
 0.5mmの真鍮板のベースにバルブのピッチで2mmのプランジャー用の穴をあけます。ベース板にスプリ
ングが収まる6.4mmの穴径の座を両サイドと真ん中は2.5mmの板厚で、各シリンダの仕切りは1mmの板厚
の真鍮板で作成しハンダ付けします。ケーシングの両側は0.5mmの真鍮板を曲げ加工したものをベース
板にハンダ付けします。

 バルブの押し子(ディスク)は7mmの鋼材キャノンのプリンタの軸から切り出し、プランジャーは
2mmの
鋼棒をハンダ付けします。アジャスター(?)の溝と回し金の穴を表現しました。
 スプリングはダミーですが0.6mmの針金を内径5.1mmのドリルを芯に左巻(7巻き)し、作成します。
外形は約6,3mmになります。


バルブケーシング
 バルブケーシングをシリンダブロックに落とし込む際のストッパー用のブラケットを両端に
取り付けます。
両端と中央にカムシャフトの軸受けを取り付けます。軸受けのベースは2.5mmの
真鍮から削り出し、軸受け部分は6.3mmの真鍮丸棒に5.2mmの穴あけしたものをハンダ付けします。
 カムシャフトは5mmの鋼材(キャノンのプリンタの軸)を使いますが、重量の軽減のために
4mmのキリで中刳りします。カム部分はバルブと同じ7mmの鋼棒に5mmの穴あけをしたものにカムの
突起をハンダ付けし、成型します。

 カムシャフトアッセンブリを作成した流れで、シリンダブロックの後部にカムドライブ用の
べベルギア
とカムドライブシャフトハウジングを取り付けます。
カムドライブ用のべベルギアはスパーギアをべベル形状に削り歯溝を切断砥石で切り込みます。
カムシャフト側のべベルギアはカバーと干渉するので少し小さくしてあります。
バルブカバーパン
カムドライブシャフト
 ハウジング
カムシャフト
 アッセンブリ
べベルギア
 シリンダブロックの底板を取り付けます。

 エクゾーストパイプなど配管のフランジにダミーのスタッドボルトをハンダ付けします。
スタッドボルトは2mmの真鍮パイプと1mmの真鍮棒を組み合わせ、パイプ部分を六角ナットの形状に
に成型します。

シリンダブロックをシリンダベースに取り付けます(ネジ止め)。
一応、ハセガワのキットの組立原寸図と照合して取り付けに問題がないか確認します。

    背面 
(マグネトーは未取り付け)
   前面
(カムシャフトアッセンブリ
は左側のみ取り付け)
Hispano Suiza8A 180Hp (RAF SE5a エンジン編) 1/8 scale