SBB Ce6/8V (Krokodill) 
 これは ドイツのBillerというメーカーのOゲージのキットで、
チムニーがNHKの前にあった頃購入したものです。
 キットは、1926-1927年製造のCe6/8V(14301-14318)
再現したもので、”14303”のデカールが付いています。
基本的にプラモデルですが、車輪、ロッド類、一部のパーツが
ダイキャスト製やホワイトメタル製です。
 車輪の絶縁はされていません。メルクリンのような3線式の
集電で、シャーシー下部に集電子が付くような構造になって
いますが、それ以外に電動化のヒントになるような構造はあり
ません。 ドイツのサイトにはこのキット用のモーターライジング
パーツやマニュアルが紹介されています。
工作室
当工房で製作したモデルや作業のご紹介です。

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Billerの説明書より
ボディー、シャーシー片側(仮組立)

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ロッド、車輪、車軸、シャーシー
 キットの組み立てですが、モーターライジングをどのように
進めるかのヒントを得るため、とりあえずプラスティックの
シャーシーを仮り組みしました。

 ネットのモータライジング記事も参考に、プラスティックのシャー
シーの内側に真鍮板で電動の為のシャーシーを組み込むことに
しました。伝達方法として、動輪をギア伝達するか、ロッド駆動
にするか悩みましたが、とりあえず実機のようにシャンク軸から
のロッド駆動で試作試することにしました。

 モーターはキャノン FN30の両軸モーターを使って、1モーター
スタイルと、KTMの縦型モーターでの2モータースタイルの二通
りを検討しましたが、とりあえず、伝動が単純なKTMでの2モーター
で進めることにしました。、

 モーターからの伝動はウオーム/ウオームホイールで直に
シャンク軸に伝達します。
 
   
エキセントリック・
シーブ
 シャーシーは1mmの真鍮板から切り出しました。キットのプラ製
のシャーシーの上側から挿入し、はめ込む構造です。
 シャンク軸は4mmのステンレス丸棒の四面を矩形に面取りして
ある物(ジャンク品)を流用しました。シャンク軸の断面が四角に
なっているので、クウォータリングの調整がしやすくなります。

 シャンク軸には真鍮のスリーブを軸受けとしてかませ、
軸受けはシャーシーにハンダ付けしてあります。

 モーターマウント用のサドルとプラのシャーシーが干渉する
ところを削りました。
 キットのエキセントリックシーブはプラ製なので真鍮で新規作成
します(エキセントリックシーブはキーを挿入して固定する予定
です)。

 @エキセントリックシーブのディスクは20mmの真鍮丸棒を輪切
りにしたもので、6mmの真鍮丸棒から削りだした軸受け部分をディ
スクにハンダ付けします。
 A端面の成型を旋盤作業でします。カウンターウイエトは1.5mmの
真鍮板、偏心軸受けは5mmの真鍮丸棒です。
 Bディスク端面に偏心軸受けとカウンターウエイト取り付け用の
面取りをミーリング作業でします。
 C偏心軸受けとカウンターウエイトをハンダ付けし、旋盤作業で
カウンターウエイト部分を整形します。
 
 @
裏面
A
B
C
 動輪の軸受け部分は平々5mmの六角棒を四角に整形したもの、
内側のつばは1mmの真鍮板、外側のつばは0.6mmの洋白板を使用
しました。
 @軸受けの穴は4mmで長尺のまま穴あけします。、内側のつば
をハンダ付けした後で、軸受けの穴をガイドにつば部分の穴を開け
ます。
 A外側のつばをハンダ付けし、内側と外側のつば部分の寸法を
ミーリング作業で揃えた後で、同様に外側のつばを穴明けします。
 B各軸受けを切り離します。
B
A
@
 一旦内側のシャーシーを外して、シャンク軸からの軸間距離を
確認し、ミーリング作業で軸受の切欠きの仕上げ加工を行います。
 軸受けをシャーシーに挿入し、各軸の平行、切欠き部分の深さ
などが確認できたら、プラのシャーシーに挿入し、金属のシャー
シーに合わせ、プラ部分の切欠き部分をナイフで削り、整形します。
 軸受けを挿入し、再度軸の平行など確認します。
 シャンク軸にエキセントリックシーブを固定するキーは加工の
容易さからφ1.6mmのピン(ステンレス)にしました。
ピンを挿入した上から抜け止として2mmのキャップ状のネジで
固定します.。 キャップネジはカニ目のレンチで回します。
 ステンレスのシャンク軸にM2のタップ立ては何回やっても、
おっかなびっくりで、今回もタップを一つ破損折し、シャンク軸
の作り直しになりました(軸はステンレスでなくてもよかったの
ですが...)。
 エキセントリックシーブへのロッドの接続はピンの圧入でなく、
2mmのネジで固定する方式に変更しました。
ピン
キャップ
 車軸に軸受け、スペーサをセットし、クウォータリングに注意して
左右の動輪を圧入します。
 クウォータリングはエキセントリックシーブとの摺り合わせが
あるので大まかでセットして、後ほどロックタイトなどで固定します。
 動輪にロッドをセット(ピンで圧入)します。 ピンは目一杯圧入せ
ずに、車輪とのクリアランスを考慮して適度に圧入します。
 車輪とロッドの接続ができたら、シャーシーに組み込み、駆動軸
をフリーにして、回転がスムーズに行えるか確認します。
 その結果、エキセントリックシーブとロッドの干渉がわかり
シャンク軸の長さを短く変更しました。これが、大変な作業でした。
さらに、シャンクロッドと第一動輪との距離が合わず、軸受けの位置
を前側にずらすことで調整しました。
 集電子は洋白板でブラシを、取り付けベースは1mm真鍮板、
バネはリン青銅線で作成しました。
 実際にレールに乗せて、走行を確認し、2つの走行ユニットを
連接状態でも走行を確認します。

 下回りの作業としては、この後、板バネとブレーキの取り付けなど
で完成になります。
 下回りが一段落したので、ボディーの塗装をします。
塗り色はレッドブラウンとブラウンをほぼ1:1でそれに黄色を足し
ました。塗りわけは基本的にメルクリンやトリックスの塗りわけを
参考にしました。
 屋根は銀色ですが、屋根上のランボードはメルクリンは銀色ですが、
キットは木目調だったので、Billerの作例のように木肌色にしました。
(下回りは既に、車輪組み立て時に塗装してありましたが、ボディー
が茶色のバージョンの塗り色は下回りは黒ですが、真っ黒(N1.2)で
なく、若干グレー味にしてあります。)

 キャビンの工作ですが、碍子などの屋根上の配置はメルクリンの
1番ゲージ車両を参考に配線などディティールアップしました。
 配線は0.8mmの真鍮線を主に使用、パンタグラフの油圧配管も
追加しました。配線の塗装はオレンジ色でします(まだ未塗装)。
屋根上の配置
 前後の機関部の工作ですが、プラモデル臭さをなくすために、
できるだけ小部品を金属化することにしました。

 バッファーは先端部分は洋白、その他は真鍮削り出しスプリング
可動です。真鍮の黒染めは真っ黒にはならないので、塗装にしました。
進行方向右側が凸面で左側が平面になります。
  
キットの
プラ部品
  
完成したバッファ
バッファの構成
   
 ネジ式連結器のフックは2mmの真鍮線を加熱し叩き出しで成型ました。
リンケージは洋白板で作成。バックル部のネジは1.2mm(ステンレス)を
使用しましたが(可動)、さすが左ネジは切れないので、右ネジのみの
ダミーです。ビームに取り付けられている、カプラー用のフックも作成し
ます。

 ランタン(ロコランプ)はキットでは、ライトアップ可能なように、透明の
プラスティックを装着する構造で,その為ランタンのフォルムが実機とは
随分違っています。今回は、より実機に忠実に近づけるため、ライトアップ
のための余計な部分を削りとり、真鍮製のライトをとりつけることにしまし
た。  また、ランプの配線(配管))がキットではレリーフ表現でしたが、
それも削り取り真鍮線で作成することにしました(その部分は 実機
"14305"を参考にしました)。
 本体は6mmの真鍮から蓋も一体で削り出し、足部、ハンドル、ヒンジ
などをハンダ付けしました。ハンドルは0.4mmの真鍮線を曲げ加工し、
センターを合わせハンダ付け、、足部は0.3mmの真鍮板を箱曲げして
本体にハンダ付け後、細かい整形をしました。
 前面のガラスはキット付属の透明部品を輪切りにして装着しました。

 実機の写真などでは、ランタンの取り付け方法がいまいち不明です
が、FULGUREX(HO)のモデルを参考にスタッドを再現しました。
 ボディーへの装着はエポキシ系接着剤です。

 ランタンの前面の蓋は茶色バージョンでは塗装のようですが、緑色の
バージョンでは真鍮色のようなので、真鍮磨き出しにしました。本体は
シャーシーと同じ黒で塗装しました。
 ランタンの形状はメルクリンやTrixの”14303”モデルのパターンに従い
ボンネット上のランプは1段にしました。

バックル部
   
フック
 
  
組み立てた連結器
 乗降口のステップ
とハンドレール
乗降口のステップ
ミーリング作業
 ボンネット廻りの工作では、ハンドレールを金属製に変更しました。
ハンドレールポストは2mmの真鍮丸棒から削り出し、ハンドレールは
0.8mmの真鍮線を使いました。ポストは全部で32個作る予定でしたが、
半分ほど作ったところで、ハンドレール用の穴明けジグがへたって
しまい正しくポストの中心にハンドレールの穴があかなくなったので、
片側はジャンク品(Metropolitan用?)のハンドレールポストを使うことに
しました。
 


 運転席のワイパーを洋白で作成しました。は"14305"など、
緑バージョンの実機では一つのウインドウに複数のワイパーが
付いているようですが、キットの窓のレリーフ表現にしたがって、
1個のみの取り付けにしました。

 キャビン側面の出入り口にステップが無いので、追加しました。
取り付け部の構造が複雑なので、型紙を起こして、0.6mmの洋白板から
切り出し、梯子状にハンダ付けしました。
ステップはHOのエッチング板を流用しました。
取り付けはキャビンの床板側にエポキシで接着します。
 乗降口のハンドレールも追加しました。ハンドレールを固定すると、
キャビンと床板の分離ができなくなるので、固定していません。
これで、キャビンの工作は終了です。
 ブレーキホースのパターンは機種により色々ですが、今回の
"14303"のj実機の資料は無かったので、 実機"14305"を参考に
しました。本体への取り付けやすさを考慮して、2本セットで作成
することにしました。
 コック本体は1.5mmの真鍮丸棒、コックのレバーは0.4mmの真鍮
線、エアー配管と継ぎ手は一体では0.8mmの真鍮線、ホース先端の
カプラー、継ぎ手は1.2mmの真鍮パイプで作成しました。
 小さく細かい部品のハンダ付けで苦労しましたが、少しオーバー
スケールになりました。
 
パーツ
  
床側のランタン
とスタッド
  
ボンネット側
 のランタンと
スタッド
 
ランタン
 
スタッド

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コック
  
カプラ
下側はFulgurx Ce6/8 14272(HO)
スプリング