KL.2 (Kgl. Wurrt. Sts. Eisenbahn)
 これはもともと ドイツ"M+F(Merker&Fisher)"のカタログ
No002のヴュルテンベルグ王国鉄道のBタンクロコキット(HOゲ
ージホワイトメタル製)ですが、イギリスDJHに金型が移ってい
て、数十年前にアサヒホビーで入手したものです。
 ちなみに、組み立て説明書はドイツ語です。

 キットは上回りボディーがソフトメタル製で、一部真鍮ロスト
ワックス部品、金属引き物で構成されています。
 下回りはフレームが真鍮エッチング板の構成で、一部プラ
部品があります。ロッド類は洋白エッチングのようです。
 ヴュルテンベルグ王国鉄道時代など2種類のデカールが
付属しています。
 このM+FKL2モデルは1911 年の「王立ヴュルテンベルク州
鉄道機械工学局の図面」によるとのことです。
工作室
当工房で製作したモデルや作業のご紹介です。

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M+Fのカタログより
DJHのパッケージ
パッケージの中身
 キット添付のドイツ語説明書にそって組み立てることにします。
時間が有り余っているので、一応説明書をGoogle翻訳で直訳した
ものを記載します。

3.ハウジングアッセンブリ
3.1 部品AB@(前後妻板と右側面)をハンダ付けまたは接着しま
す。 ハウジングが平らな面に置かれ直角に取り付けられていること
を確認します。 図面に従って、部品B(後妻板)にナットを接着しま
す。 部品B(左側面)をハンダ付けまたは接着します。
3.2 ボイラーFと煙室扉Eを屋根Dに接着し、ハウジングに配置
します。
 
キットの組み立て要領ではコの字に側板と前後端面の接着を
し、その後で残った側面を接着し箱型にするように指示されてい
ますが、それでは、前後端面と側面のエッジが綺麗に接着できそ
うにないので、前端面と側面、後端面と側面をそれぞれL型に
接着し、その後で2組のL型を定盤の上で矩形に組み合わせ、
接着しました。 矩形が完成したところで、屋根を載せました。

 上回りの工作はとりあえず、ここまでで、上回りの小部品の
取り付け(説明図2の部分)は駆動部分(下回り)との組み合わせを
確認した後ですることにしました。
4. シャーシー
4.1 エッチング部品シャーシーフレームJを直角に曲げます(フレー
ムが平らであることに注意します)。
4.2  (コの字に曲げた)シャーシーフレームにリアフレームプレート
Kモーターマウント 44をハンダ付けまたは接着します(ハンダ付けしま
した)。 シリンダースペーサプレート 22 を接着します(瞬間接着剤で
固定しました)。
4.3 フレームに軸受けをハンダ付けまたは接着します(瞬間接着剤
で固定しました)。
車輪を付けたらガラス板の上でフレームに狂いがないか確認しまし
た(前後4つの車輪がガラス板に接地していればOK) 4.1lの段階で
確認しておくべきでした。

4.4 フレームをベンジン等で脱脂し、塗装します(塗装は後回しにし
ました)。
4,5 絶縁されていない駆動輪を車軸に取り付けます。車軸の面取り
に注意します。車輪をホイールナットで固定します。
4.6 車軸は左側(進行方向)らかフレームに挿入します。ウオーム
ホイールQを前軸に挿入し、固定します。
4.7 絶縁された駆動輪を車軸に取り付けます。
 前輪が左右に摺動するとクロスヘッドと干渉するので、ウオーム
ギアの左右にスペーサを入れるとよいと思います。

4.8 クランクピンSをホイールにねじ込み、カバーワッシャーを
ホイールナットに接着します。(※カバーワッシャーは後で塗装前に
取り付けることにしました)
4.9 駆動輪を塗装します(後で作業することにします)。 
4.10 スライドバー 21 をシリンダーに接着、シリンダーブロックを
フレームに挿入し、接着します。シリンダーブロックにブッシュ49(スペ
ーサー)を接着します。シリンダーブロックの前にレールスペーサー
(前梁)23を接着します。
スライドバーはクロスヘッド取り付け時に調整が必要なので、
接着はしていません。
説明書には記述がありませんが、説明図3にはフレームの前端に
カプラーのためのφ2.2の穴あけ(ブッシュ49(スペーサー)と同じ穴)
が必要になります。工程4.1の前にあけてもよいかもしれません。
 また、ホワイトメタル製のレールスペーサー(前梁)23 はビームの
穴がレリーフ表現なので、くりぬきました。
4.11 エアーシリンダー57をリアフレームプレートに接着します。
  (塗装した後接着しました)

 キットには説明書には記述がありませんが、ブレーキシューの
パーツ(ホワイトメタル)付属しています。絶縁上微妙なので、この
段階では取り付けていません。
シャーシーフレーム回りのパーツ
説明図1
説明図2
ハウジング(上回り)
説明図3
4.7まで (部品22 は未取り付け)
4.10まで (部品22 は未取り付け)
※モーターはこの後のセクション5で
取り付ける手順になっています。
5. 駆動部の組み立
5.1Schwingenstangen(エキセントリックロッド)25Schwingen(加減
リンク)26Gegenkurbel(返りクランク)27をリベット28で留めます。
注 リベット接続は簡単に動かせる必要があるため、リベットは慎重に行って
ください。 
5.2Voreilhebel(コンビネーションレバー)30Schieberschubstange
(ラジアスロッド) 32,Schieberstange(弁心棒クロスヘッド) 29,Lenker
-hebel
(ユニオンリンク),31 をリベットで留めます。
  Googleの直訳は判りづらいので、ドイツ語と機関車用語を表記しました。

※この後は説明書に誤記載と思われる部分があるのと、記述内容が
不十分なので、一部違う手順で作業することにしました


5.3 説明書に記述がありませんが、スイング アームホルダー(モーション
プレート)35を曲げ加工します。モーションプレートにキット付属の M1x6
ネジ34を内側から挿入ハンダ付けします。
(キットの手順は外側から内側に向かってネジを挿入し、ナットでSchieber
-schubstange
(ラジアスロッド)32Schwingen(加減リンク)26をスイング
アームホルダー35 に固定すると,、指示されています)。
 一旦、モーターを取り外し、スイング アームホルダーをフレームに挿入
(固定はしない)した状態で、モータをモータホルダに挿入し、モータをネジで
仮止めします。 このとき、前輪は一旦外します。スイングアームホルダーを
フレームに固定(接着)します。ウオーム/スパーギアの噛合いをモータの角度
(モーターマウントとモータの間にスペーサをいれました)で調整します。 
スムーズな回転を確認したらモーターを固定します。

5.4の作業の前に5.5、5.6の作業をします。
5.5
  コネクティングロッド用のブッシ 39を 0.6 mm 短縮します。
 ブッシュは1.6mmなので、ブッシュを1.0mmにするということ(コネクティング
ロッドの厚みは1.02mmです)。 ブッシュの厚みはクロスヘッドと干渉を
考慮し、ぎりぎり薄くする必要があります(前輪のみ)。
5.6 カップリングロッド(説明書ではコネクティングロッド)をクランクピンに
挿入し、(短縮した)クランクブッシング39で固定します。 スムーズに回転する
か確認し、前輪のクランクピンの出っ張った部分を切断します。ブッシュの接着
は瞬間接着剤を使用。
 
5,4 クロスヘッド40 にコネクティングロッド37をリベット留めし、クロスバーと
ともに、シリンダーに挿入し、摺動がスムーズに行えるか確認します。
クロスヘッドの穴を糸ノコでひろげました。
コネクティングロッドを後輪のクランクに装着し、スムーズに回転するか確認し
ます。
ブッシュとクランクピンは接着しませんでした。
前輪の左右の摺動でクロスヘッドとカップリングロッドが干渉するので
デルリンのワッシャーをウオームギアの両側に挿入しました。)。

 一旦クロスヘッドを外し、Lenkerhebel(ユニオンリンク),31 をリベット留め
します。コネクティングロッドはクロスヘッドの内側、ユニオンリンクは外側に
配置します。
5.7 クロスヘッドをスライドバーに挿入し、Schieberstange(弁心棒
クロスヘッド)をシリンダーのスライドボアに挿入します。Schieberschub
-stange
(ラジアスロッド)を スイングアームホルダー35 のロッド(M1ネジ)
に装着します。(スイングアームホルダは5.3で シャーシフレーム11
取り付け済み)
5.8Traibestangen(コネクティング ロッド)を後部のクランク ピンに装着し、
スムーズに回転するか確認します。
 弁心棒クロスヘッドの長さを延長しました(0.5mm洋白線ハンダ付け)。
スイング アーム ホルダー
クロスヘッドとスライドバー
5.3までの状態
5.7 クロスヘッド、弁装置を装着し
   た状態(後ろのブッシュは仮留)
5.9 Gegenkurbel(返りクランク)27に1mm厚のブッシュ新規作成し、
ハンダ付けしました。
Schwingen(加減リンク)26をスイングアームホルダに装着し、返りクランク
27 をクランクピンに圧入ぎみに装着します。角度に注意、クランクピンは
返りクランクの面位置まで削りとります(5.10の作業)。
スムーズに回転するか確認します。
5.10 突き出たクランクピンをヤスリで削るか研磨します。) 

5.11 コントローラ(リンケージされた機構)が問題なく動作するか確認しま
す。 リンケージの動作が確認できたところで、カバーワッシャー 17を輪芯に
接着し、車輪の塗装を行います。

5.12 スイングアームブラケットの右側にパンタグラフ絶縁プレートを接着し
ます。 ワイヤ 43を集電体 42 にはんだ付けし、集電体を絶縁板に接着する。
突き出た端を切り落とします。
 非絶縁側(左)の導通が悪いので、両側に集電子を取り付けました。
絶縁板は付属していなかったので、プラ板で作成。

5.13 エンジンをエンジンマウントにねじ込みます。 ウォーム 47 をモーター
シャフトに押し込み、グラブ スクリュー 46 で固定します。モーターの+極に
ワイヤーをはんだ付けします。(モータは 4.10 で取り付け済み)

5.14 アクスルベアリングとウォームに軽く注油します。
     ワッシャーを装着
(ウォームの両側の白いパーツ)
5.11 までの状態
5.12 までの状態
ここで、3の作業の続き、上回りの小部品の取り付けををします。

3.3 煙突G 鐘(圧縮空気ベル)H ルーフベントI 汽笛53 を屋根の上に
取り付けます。 必要に応じ穴をあけます。
3.4 部品 54 55 56 58 と ハンドレ-ル(0,4mm真鍮線)用の穴を
ドリルで穴あけします。
 ※ドアのハンドレールはレリーフ表現ですが、これを削り、0.4mmの真鍮線と
1mmのパイプで表現しました。

3,5 ハウジング(上回り)を塗装します。
 塗装は説明書ではボディーは黒/シャーシは赤の指示になっていますが、
ネット上の作例を参考にバイエルン王国鉄道に近い緑系ラッカーで、エアー
ブラシで吹付塗装しました。 帯板のライニングは黒のエナメルでカラス口で
塗装しました。屋根は参考にしたネットの作例では、茶系の色でしたが、黒の
エナメル塗装にしました。

3.6 部品 ランタン54 ブレーキホース55 バッファー56ステップ58
ハンドレイルを塗装し、ハウジングに取り付ける 
 ディティールアップとして次の作業をしました。
  ※ランタンの取っ手を0.3mm真鍮線で追加
  ※鐘(圧縮空気ベル)のハンマーを追加
  ※前面に自作のネジ式カプラー(ダミー)を追加
  ※ブレーキシューを絶縁に配慮しスリムな形状変更

ハンドレイル
ブレーキシュー

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