LBE St22 18(DRG BR 60)
これは 英国"K's Model"のHOゲージソフトメタル製キットですが、
数十年前に浜松のアールクラフトの広告に載っていたのをアサヒ
ホビー経由で入手したものです。アサヒホビーの親父さんには
「何なのコレ」と馬鹿にされましたが。キット的にはおもちゃです。

 リューベック-ビューヘン鉄道(LBE Lubeck-Buchener Eisenbahn)
の快速列車用の機関車です。2階建の連接車両の牽引に使われて
いました。2B2の車軸配列ですが従輪も先輪と同じ構造で、プッシュ
プル的に使われていたそうです。
キットにはLBE時代の銘板が付いています。

 ボディーはほぼ完成状態で手を加えるところは、ハンドレールと
ホイッスル程度で、キット的にはまったく面白みがありません。
 ハンドレールはスケール感に近づけるため、K's共通のプラ部品
のノブと洋白線は使用せず、0.4mmの真鍮線と1mmの真鍮パイプ
を輪切りにしたものを半田付けしてハンドレールを再現しました。
 ボディーの追加加工として、前後の窓孔けをして、光硬化樹脂で
窓ガラスを表現しました(前後のみ)。
 塗色はキットの箱絵とLIMA社HOモデルを参考にラッカー吹きつ
け塗装をしました。

工作室
当工房で製作したモデルや作業のご紹介です。

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キットの組み立てとしては面白みが無いということで、流線型のボディ
ーに隠れてはしまいますが、シリンダ周りの追加をする予定で、シャ
ーシーを1mmの真鍮板を切り出して、新規に作成することにしました。
キット
付属のシャーシーはインチ規格なので1.2mm程度の厚さがありますが、
今回使用した1mmの真鍮板では撓みが発生し、少し硬性的に心もとな
いのですが、材料の都合でしかたありません。
キットにはK's Modelのモーターライジングキットが付属しています。
キットの駆動方式は付属のモーターからウォーム/スパー1段で車軸
に伝え、それを連結棒で2軸を回す方式ですが、K'sの動輪はプラ輪
芯なので、クウォータリング動作がスムーズでないことが多く、走行を考
えて、モータ/ピニオン、スパーギアの2段にして動輪をギア駆動で伝達
する方式にしました。スパーギアのモジュールは0.5(モーター/ピニオン
は0.4)です。
集電方式はキット付属のものを使用しましたが、抵抗が多く、モータの
トルクロスになり、スムーズに回転しないので、集電位置を動輪裏面か
らタイヤ踏面上に変更にしました。

キット付属の
パーツ
作成した集電子
動輪の駆動が最初はスムーズだったのですが、調整を繰り返す
うちに、車軸のリン青銅のスリーブに傷がついたようで、回転が
硬くなり、K'sモーターのピニオンギアが磨耗して空転するように
なってしまいました。(K'sモーターはモーターの軸受けがプラで
負荷や熱でガタが大きくなる傾向があります)
結果として、スパーギアのサイズが少し大きくなりますが、ベーク
製の手持ちパーツに交換することにしました。結局、大改造に
なりました。
仮組み立てし、集電方法を変更した動輪の動作もスムーズなことを
確認できたので、前述したプラ輪芯のガタツキを解消することもあり、
動輪と車軸を固定したまま、シャーシーから取り外せるように、軸箱
可動風に変更しました。動輪のスリーブをリン青銅のバネで押さえて
います。
エンジン回りの部品
シリンダブロック、弁心棒ガイドは真鍮丸棒、板で作成。
その他は洋白板から切り出し。
@シリンダブロック A弁心棒 B心向棒ガイド
C弁心棒クロスヘッド Dスライドバー 
Eクロスヘッド、主連棒  F加減リンク、返りクランク
@
A
B
C
D
E
F
エンジン回りの部品を取り付けほぼ完成。
心向棒は加減リンク側に長穴により前後の摺動をキャンセル
させています。
下回りをボディーに取り付けるにあたって、スカート部分が
若干干渉するので弁装置の張り出した部分の調整が必要に
なりました。
肉厚なソフトメタル製のボディーなので干渉しているスカートの
内側を削ってやっと収まりました。

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