新年、明けましておめでとうございます。
 皆様と共にこの日を迎えられました事に感謝しております。
新しい年を迎えるに当たり、
「今、自分は何をお話しできるのか。」
と思案しました。そして、私がお話しできるのは
「今年も皆様と御一緒に唱題修行に精進する事しかない。」
と思ったのです。
 日蓮大聖人の御誕生800年記念の日も、2年後となりました。大聖人の御心に添うお題目を皆様と一緒に唱えられますよう願っております。
日蓮大聖人が遺されたお手紙の中に「秋元殿御返事」と称される御書があります。秋元氏は下総印旛郡の
方です。富木日常上人に縁のある方で、大聖人に教えをいただいて信徒となりました。その秋元氏が大聖人
にお尋ねしました。
「五節供とは、どのような由来があるのでしょうか。また、五節供の意味と何を中心にして祭るべきなのか御
教え下さい。」
 大聖人は次のように説かれました。
「まず、五節供の次第を案ずるに妙法蓮華経の五字の次第の祭りなり。正月は『妙』の一字の祭り、天照大
神を歳の神とす。三月三日は『法』の一字の祭りなり。辰を以て神とす。五月五日は『蓮』の一字の祭りなり。
午を以て神とす。七月七日は『華』の一字の祭りなり。申を以て神とす。九月九日は『経』の一字の祭りなり。
戌を以て神とす。かくの如く心得、南無妙法蓮華経と唱えさせ給え。現世安穏、後生善処疑いなかるべし。た
だ南無妙法蓮華経と唱えて、悉地成就せしめ給え。委細はまたまた申すべきに候。」


 また、大聖人は「妙の一字」について、開目鈔や日妙聖人御書など、御遺文の各所で説かれています。法
華題目鈔では
「妙と申す事は開くという事なり。妙とは具の義なり。具とは円満の義なり。妙とは蘇生の義な
り。蘇生と申すはよみがえる義なり。」
と説かれています。

 私の拙い体験の中では、「妙とは蘇生の義なり」の一部分を感じております。それは、修行日に体調が悪く
「今日は修行を休もうかな。」
と思っていても、皆と唱題をしていると、いつの間にか体調が良くなっているのです。
気分も爽快になり、
「ああ、『妙とは蘇生の義なり』は本当の事なのだ。」
と思うのです。
 
 正月は「妙の祭り」です。妙とは不可思議なり。皆様と御一緒に本年も精進の日々を重ねたいと願っており
ます。

平成31年1月1日
妙心寺教会
老尼のお話の部屋
新年の辞