年頭のご挨拶を申し上げます。
 皆様には御清祥にて佳き新年をお迎えの事と拝察申し上げます。くだって私も仏祖三宝の御加護を賜り、また皆様方のお力添えをいただきまして、この春の百日を経ずして満九十歳を迎える事が出来ます。ホームページは11年、ブログは10年になりました。

 新たな年を迎えるにあたり、「新」とはどのような意味であるかと思いました。「あたらしい」や「あらたにする」などの意味だと思っていたのですが、語源を調べてみると
「古くは木を切って薪(たきぎ)にする意を表し、薪の初体字。切り口のあざやかな事から派生して『あたらしい』の意を表す。」
とありました。
 この語源を読んだ時、私の目の前に新しい白い木の切り口に描かれた年輪が浮かびました。

 法灯継承式から満2年半を過ぎました。継承式の時に、尊敬する中尾堯先生から「昼夜常精進」の色紙と共にいただいた言葉が忘れられません。
「中野さん。昼夜常精進なのだから、院首になっても余生なんてものは無いんだよ。」
との一言でした。

 このお言葉を胸に抱いて、本年も皆様と共に国の平和と安穏の日々を迎える事の出来ますよう祈り、精進いたす所存であります事をお伝えして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

新禧:新年のよろこび。禧は幸福。

平成30年1月1日
妙心寺教会
老尼のお話の部屋
新禧(しんき)