平成30年9月1日
妙心寺教会
老尼のお話の部屋
正座
 テレビで知った「正座」のルーツについての話です。

 徳川三代将軍家光は、家臣と対面する時にいつも
「この者達が、いつ自分に斬りかかってくるか分からない。」
という恐怖心を抱いていたそうです。そして、これを避けるために考えたのが「正座」という方法でした。
「家臣を正座させて長く座らせれば、足が痺れて直ぐには立てないであろう。」
と考えたのです。
 そして、今までの「胡座(あぐら)」を「危座(きざ)」と名付け、姿勢正しく座ることを「正座」と名付けて家臣に行わせたのが「正座」の始まりなのだそうです。
 しかし、この「正座」が一般的になったのは明治時代になってからとの話でした。(^o^)

 この話から「座り方」に興味を持っていると、京都大原三千院の放映がありました。
三千院の「往生極楽院」には、来迎形式の「阿弥陀三尊」が祀られています。その阿弥陀様の脇侍は「観世音菩薩」と「勢至菩薩」です。脇侍とは、常に仏に従い仏を助けて衆生を導く菩薩大士の事です。その脇侍の菩薩様は上体を一寸前に倒し、腰を浮かせて合掌し、娑婆から来る死者を迎える形になっていました。これを「大和座り」と言うそうです。

 座り方や名称に興味が続き、一寸調べてみました。

【結跏趺坐】
 静坐法の一種です。仏は必ずこの坐法によるので「如来座」・「仏座」とも言われます。右の足を左の腿の上に載せ、次に左の足を右の腿に載せます。「全跏座」とも言い、片方の足だけを腿の上に載せるのを「半跏座」と言います。
 禅宗では、この結跏趺坐を「座禅の正しい姿勢である」と定めています。
【胡座】
 「あ」とは足の事、「くら」は座の事で、腰掛けを意味します。馬の鞍のように腰掛ける事で、楽に座る形です。韓国では女性もあぐら座りです。
【女座り】
 日本舞踊や歌舞伎の女形が使います。座った両足を膝の両脇に出し、尻を畳につけて座った姿勢です。
【横座り】  
 両足を揃えて右か左に横に投げ出して座る姿勢。
【体育座り】
 体育の授業などで、学生が両膝を抱えて腰を下ろした姿勢。

 現在では、男女ともにかしこまった場で「正座」をする事が多いようです。女性は昔から正座をしていました。私は、くるぶしの傍に「座りダコ」という硬くなったタコがあります。

【これはパンダ座り?】