私の得度式

平成19年1月1日

  「得度式」とは佛(釈迦牟尼佛)に帰依して髪を剃り、佛門に入って僧となるための儀式のことです。
 私は昭和50年1月12日に群馬県のH寺で得度式を行いました。以下が式の内容です。

(1)出席者

  @戒師・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・戒を授ける導師
  A左阿闍梨・右阿闍梨(あじゃり)・・・・・戒師の補佐となり、共に得度者を見守る仲人のような僧
  B知堂(ちどう)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式の全般にわたって司会進行、その他の補佐を行う僧
  C得度者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本人
  D得度者の親族・・・・・・・・・・・・・・・・・・私の場合は修行の朋友、および信者も参席しました。

(2)差定(さじょう)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式次第の書かれたもので、これによって式が行われます

  【差定】
(一)第一鐘(だいいっしょう)・・・・・・大衆・知堂参堂 
(一)第二鐘(だいにしょう)・・・・・・・・式衆昇堂 (戒師・左阿闍梨・右阿闍梨)
(一)道場偈(どうじょうげ)・・・・・・・・ 道場の荘厳(しょうごん)・讃歎の声明(しょうみょう)
                   *声明(しょうみょう)とは譜によって節付けした曲を唱えることです。
(一)勧  請(かんじょう)・・・・・・・・・・佛および諸天善神、日蓮大菩薩などの来臨を請う文
(一)開経偈(かいきょうげ)・・・・・・・・読経の前に誦する要文
(一)読  経・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・妙法蓮華経方便品第二 。読経中に得度者は知堂に導かれて昇堂。
(一)奉告文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・戒師が勧請した諸尊等に得度者を奉告する。
(一)祖  訓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・戒師が得度者に向かって日蓮大聖人のお言葉を拝読する。
(一)浄  髪(じょうほつ)・・・・・・・・・・髪を剃ること。落飾とも言う。左・右阿闍梨が経文を誦す。
(一)読  経・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・妙法蓮華経如来寿量品第十六を一同にて読誦。この間に得度者は
                      退堂し、剃髪する。剃髪後に昇堂して定めた場所に座る。
(一)授  戒(じゅかい)・・・・・・・・・・・戒師の問いに法華経を受持することが戒を持つものであることを誓う。
(一)授  服(じゅふく)・・・・・・・・・・・・両阿闍梨によって法衣・袈裟を着す。両阿闍梨は経文を誦す。
(一)授念珠(じゅねんじゅ)・・・・・・・・戒師より念珠を授かる。
(一)授  名(じゅみょう)・・・・・・・・・・戒師は得度者の俗名を改め、法名を授与する。
(一)唱  偈(しょうげ)・・・・・・・・・・・・得度者は親族の前に行き、礼拝して辞の経文を唱う。
(一)読  経・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・妙法蓮華経如来神力品を一同にて読誦。
(一)祖  訓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日蓮大聖人御遺文「諸法実相抄」を一同にて拝読する。
(一)唱  題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「南無妙法蓮華経」と一同にて唱和。
(一)宝塔偈(ほうとうげ)・・・・・・・・・・妙法蓮華経宝塔品第十一より。
(一)回  向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・釈迦牟尼佛、諸天善神、日蓮大聖人等に得度者の信行成就と加護を
                      祈る。
(一)四  誓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・発願の四句を唱える。
(一)奉  送(ぶそう)・・・・・・・・・・・・・勧請した諸佛を送る偈文。
                                                      以上

 

妙心寺教会
老尼のお話の部屋

  平成19年は私にとって、得度式と共に当教会創立33年を迎える年です。33年を振り返り、佛祖三宝の御恩、諸上人方の御恩、そして縁合った方々の御恩に、改めて感謝致してをります。
  僧籍の方は2名遷化、参席してくださった方の3分の1は他界されました。
  生まれれば、死に向かって歩むことは存知です。後悔のないように日々を精一杯生きることを目標とし、御報恩感謝の日々が送れますよう改めて自分に申し聞かせてをります。                       合掌

【剃髪前】

【剃髪後】