妙心寺教会
守護神(鬼子母神)

平成21年5月1日

老尼のお話の部屋

【守護神とは、一般には国家や地域社会、個人を守る神・諸尊等を言います。】

当教会では、年に一度、団体参拝として、関係寺院や霊蹟の参拝をしています。
 今年は、「堀之内の妙法寺」「雑司ヶ谷の鬼子母神」「アサガオで名高い入谷の鬼子母神」に参拝することにいたしました。

 鬼子母神とは「訶利帝母(カリテイボ)」とも言われます。
 伝えによると、鬼子母は千人の子供を持っていたが、羅刹(鬼)で
あるため、常に人の子を奪って食べるのです。仏は、これを戒めるた
めに、その末子を隠してしまいました。鬼子母はその子を見つけるた
めに、走り回りましたが見つからず、仏の所へ行った時に、よく諭さ
れ、「母の子に対する愛情は、みな同じである」と目覚めます。そして、
今までの所行を悔いあらためて、仏の教えに帰依し、仏法と子供を守
る神になったと言われています。

 また、人に於いて差別をしてはならない。「無我」、小さな自分を捨てるだけでなく、仏と同等の心を持つべきである。今、法華経は、世に興る機運であると確信し、それを深く信じ、努力すれば、広く流布するようになる。このように、正しい教えを信じたときには、どのような害も加えられることはない。」
 このように、呪を説いて
「もし凡夫が、この鬼子母神の頭に乗るようなことがあっても、法華経を信じた者ならば、怒りはしない。法華経を信じた者を苦しめる者がいたら、その者は頭が割れて、気が狂ったようになり、重い罪を受けることになるでしょう。世尊、我もまた、自分自身で、この経を受持し、修行する者を御守りして、受持者が、安穏であり、種々の衰えや、憂いから離れるよう御守りします。」
と、おっしゃいました。

 仏法を守る姿が、「鬼形鬼子母神」として表現され、子を守り育てる姿が、「子育鬼子母神」として信仰され、現在に至っているのです。

 これを機会に、守護神について何回かお話しをします。

 「妙法蓮華経陀羅尼品(だらにほん)」と呼ばれる御経があります。
 その中で、鬼子母神が、呪(しゅ:呪文)を唱えて、法華経の行者
 を守ることを誓っています。
 その呪の意味は、
「この娑婆世界において、法華経を受持し、弘めることは、大変に骨
の折れることである。それは、私利私欲に目のくらんだ凡夫相手であ  
るからなのだ。だから、大変であることを覚悟しなければならない。

当道場の尊像

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