平成18年3月1日

 年が明けると新聞のチラシ、広告などで「厄除け」「方位除け」等の祈願について大きく宣伝されます。また暦等にも掲載されます。当教会にも毎年何人かの方が祈願に参ります。

                 以下日蓮宗の祈祷法より抄出
 「厄年」という事は中国の陰陽道から始まって日本に伝えられたものであると言われています。
 日本で厄年について書かれてある文献は古く「源氏物語 薄雲」に紫の上が37才であるが元気である、とあり「同 若葉」にも37才の厄年があげられてをります。「源平盛衰記」には治承3年宗盛が33才になったので重厄のため健康に留意するとか、「水鏡の序」に73才になる尼が病身であったが厄年ごとに2月の初午に寺に詣でて厄除けをしたのでこのように長命である等々、伝えられています。又「霊柩陰陽経」によれば厄年は7才に始まり61才に至るまで9を加えた年を年忌と言うと書かれ、また「大厄」の根拠として男は陽であるから陰の重なりの42才を女は陰のため陽の重なりの33才を大厄として厄を祓うために厄除けをしたと伝えられています。

 
日蓮聖人は、37才の厄を迎えた日眼女から厄除け祈願を御願いされた時、厄の説明として、
 「厄と申すは譬へば骰子(サイ)にはかど(角)、ます(升)にはすみ(角)、人にはつぎふし(関節)、方には四維(すみ)の如し、病は肉より起これば治しやすし、節より起これば治しがたし、家には垣なければ盗人入る。人には科(とが)あれば敵便りをうく、厄と申すは、節ぶしの如し、家に垣なく人に科あるが如し。よきひょうし(兵士)を以てまほら(守)すれば盗人をからめとる。ふしの病をかねて(予め)治すれば命長し」
と説かれてをります。そして厄除けのために「お守り」をおくられ信心堅固にして厄を防ぐことが大事であると訓戒されてをります。

 身体の病気、心の病を癒す効力のある御題目を唱えることが種々の災難を祓う第一の良薬です。薬は飲まなければ効き目はありません。この場合飲むとは御題目をお唱えすることです。
釈尊の慈悲広大なお力を一言に集約した御題目をお唱えすることを私はお勧め致します。

 
 「妙法蓮華経薬王本事品」に曰く
 此の経は則ちこれ、閻浮提(えんぶだい)の人の病の良薬なり もし人病有らんに是の経を聞くことを得ば、病即ち消滅して不老不死ならん。


           
               
   3月のひと言
                      
 3月6日は、二十四季節の中の啓蟄(けいちつ)の日です。この日より地中の虫が冬眠から目覚めて動き出すと言われてゐます。昔この日は、地久節といい皇后陛下のお誕生日として祝われました。昭和天皇のお誕生日は4月29日で天長節といわれ祝日でした。現在ではみどりの日(祝日)となってをります。

厄年 厄除け
老尼のお話の部屋
妙心寺教会