平成20年6月1日
妙心寺教会
知っておきたい死後の忌日(T)
老尼のお話の部屋

(1)総説
 この慣例の起こりとなる教典があります。
 それは、中国の「仏説預修十王生七経」を翻訳・加筆して作られた、「十王裁断経」または「佛説地蔵発心
因縁十王経」と呼ばれる教典です。

 その経には、十王(本来は「如来」や「菩薩」)が、衆生が六道輪廻を繰り返すことを悲しみ、極悪忿怒の姿
に形を変えて、中有の世界(死者が冥土に行く途中の世界)で初七日から三回忌までの間に、生きていると
きの罪業の軽重によって、生まれ変わるときの生処を決める「裁判官」となったとあります。
 また、残された方が追善供養をすることにより、死者の罪が軽くなる事を示して、供養を勧めて
います。

 先日、葬儀の後に、ある方から
「初七日とか49日忌とかは何故あるのですか。」
と質問されました。
 振り返ってみると、この佛事について話した事は、あまりありませんでした。
 この質問を機に、皆さんにも知って頂きたいので、今月から簡単にお話させて頂きます。

忌日 王名 本地
初七日 秦廣王 不動明王
二七日 初江王 釈迦如来
三七日 宗帝王 文殊師利菩薩
四七日 五官王 普賢菩薩
五七日 閻魔王 地蔵菩薩
六七日 変成王 弥勒菩薩
七七日 泰山王 薬師如来
百ヶ日 平等王 観世音菩薩
一周忌 都弔王 大勢至菩薩
三周忌 五道輪転王 釈迦如来

以上の方々です。次回より各忌についてお話致します。