(1)総説
この慣例の起こりとなる教典があります。
それは、中国の「仏説預修十王生七経」を翻訳・加筆して作られた、「十王裁断経」または「佛説地蔵発心
因縁十王経」と呼ばれる教典です。
その経には、十王(本来は「如来」や「菩薩」)が、衆生が六道輪廻を繰り返すことを悲しみ、極悪忿怒の姿
に形を変えて、中有の世界(死者が冥土に行く途中の世界)で初七日から三回忌までの間に、生きていると
きの罪業の軽重によって、生まれ変わるときの生処を決める「裁判官」となったとあります。
また、残された方が追善供養をすることにより、死者の罪が軽くなる事を示して、供養を勧めて
います。
先日、葬儀の後に、ある方から
「初七日とか49日忌とかは何故あるのですか。」
と質問されました。
振り返ってみると、この佛事について話した事は、あまりありませんでした。
この質問を機に、皆さんにも知って頂きたいので、今月から簡単にお話させて頂きます。
忌日 | 王名 | 本地 |
初七日 | 秦廣王 | 不動明王 |
二七日 | 初江王 | 釈迦如来 |
三七日 | 宗帝王 | 文殊師利菩薩 |
四七日 | 五官王 | 普賢菩薩 |
五七日 | 閻魔王 | 地蔵菩薩 |
六七日 | 変成王 | 弥勒菩薩 |
七七日 | 泰山王 | 薬師如来 |
百ヶ日 | 平等王 | 観世音菩薩 |
一周忌 | 都弔王 | 大勢至菩薩 |
三周忌 | 五道輪転王 | 釈迦如来 |
以上の方々です。次回より各忌についてお話致します。