妙心寺教会
平成20年10月1日

である。」
と教えます。
そうして、「業の秤」に乗せられます。秤石は大盤石です。
しかし秤に乗ると、亡者の体の中に埋め込まれた業に
よって石は軽く上がり、体は重く、動こうともしません。
獄卒の「牛頭・馬頭」は、指さし笑いながら、「大王を疑っ
た罪は重い。」と言って鉄の棒で亡者を叩きます。
体は砕け散り死ぬのです。
しかし、業報なので、また生き返ります。これを何度も繰
り返されるのです。

知っておきたい死後の忌日(X)
老尼のお話の部屋

【 「四七日」 五官王(本地:普賢菩薩) 】
 このお話は「十王裁断経」または「佛説地蔵発心因縁十王経」と呼ばれる教典を原典として日
蓮大聖人が著述されたといわれる「十王讃歎鈔」を拝読し、要約したものです。

 この王の御前に詣る道には「業江」と言われる大きな江があります。
広さは500里、その水は熱く熱湯の様です。
またとても臭く、「伊蘭」という臭い草にも増して臭いのです。
この江に入るまいとても、傍らに居る獄卒に押し込まれます。
中に入ると、鉄の嘴のある毒虫が吸い付き、大変痛い目に遭うのです。
この中で、7日7夜が過ぎ、ようやく五官王の御前に参ります。

亡者は
「ここまでの道すがら大苦を受け、身も心も消えるようでした。娑婆において、これほどの苦しみを受けるような事をいたしたとは思いません。」
と申し上げます。
大王は、
「お前は『小因大果』ということを知らぬな。自分は大したことをしたと思わぬであろう。しかし、例えば1粒の種が、万倍の実を結ぶようになることは知っておろう。『小因大果』とはそのようなもの

大王は                                        普賢菩薩
「お前の家族は、お前のことなど忘れて弔うことをしない。そのためにお前は、迷ってここまで来てしまったのだ。それを、お前は自分の身を省みず、冥官を恨むなど愚痴の至極である。しかし、いささかの佛法に結縁があるから、地獄に堕ちなかったのであろう。」
と考えられ「この亡者を次の王に渡せ。」と言われます。

 このようにして、亡者は次の王(閻魔王)の所に送られるのでした。