今朝(平成16年11月29日)も集団自殺の報道がありました。ついこの間もこの埼玉県で集団自殺があって、何てことが起こる世の中になったかと憂い生命はどのように在るのかを話したいと思ってゐるうちに今朝の報道を聞いてしまいました。
 誰に向かって言えばよいのか・・・・・・、本当は今自殺したいなどと考えてゐる人に言いたいけれど・・・・・・。
 
 もし生きることが大変で
「自殺でもしてしまったら楽になるのではないか」
というような考えが起こった人が、これを読んで思いとどまってくれますようにと願って書き始めました。私自身、若い時にこのお話しを聴いて救われたからです。もちろん色々と他の事もあります。でも私はこれで生命を大切にしなくてはならないと思い切ったのです。
 
 一人である自分には、二人の親があります。二人の親には四人の親が、四人の親には八人の親、そのように親のみをさかのぼって七代前の親といわれる人はなんと百二十八人にもなるのです。そして個の自分が又数限りない人の親となることを知ってもらいたいのです
 私の所へも
「死んでしまった方が楽だと思う」
などと言って相談に見える方があります。
 私はいつも言います。
「私達の生命は自分一人のものではない」
「自殺なんかすれば『あそこの家は何だかよく知らないけれど自殺した人がいるんだって』と囁かれ残った家族、親族、子孫にまで迷惑がかかるのよ」と・・・・・・。
 
今年も暮れようとしてゐます。我が国は、いまだかつてないと言われる「風水害、地震等」にみまわれ、人も国土も衰え荒れ果ててをります。また日々殺戮のニュースが流れ続けています。それらは泥沼と化したテロ事件の報復、応酬の姿の表れと私は思います。
 新しい年を迎えるに当たり釈尊の教えの一言が、世に平和をもたらす光であることを願い書き添えます。                                                    合掌
  

恨みは 恨みによって止まず

         恨みなきによってのみ止む
 
                     
 
                       (法句経)

うら

うら

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