平成20年4月1日
日蓮大聖人の御遺文 「妙法尼御前御返事」に曰く
「夫れ おもんみれば 日蓮 幼少の時より佛法を学びし候しが 念願すらく 人の寿命は無常なり 出ずる気(いき)は入る気(いき)を待つことなし 風の前の露 なお譬へにあらず 賢きも はかなきも 老いたるも若きも 定めなき習いなり されば 先ず臨終の事を習うて他事を習うべし」
この文は、妙法尼御前の夫が臨終を迎えた時
の様子を、大聖人に送った時の御返事の一節で
す。
「人は、誰でも死を迎える事は必定である。貧
富貴賤を問わず、平等に死を迎える。故に、死に
対する処し方を常に考えて生活することが大事
である」、とおっしゃってをります。
葬儀のあったお家に「忌中」と書かれた紙が
貼ってあります。「忌中」とは「己が心を見る時」
と解し、「故人の冥福を祈り、自分の死に対する
心構えが出来ているかどうか確かめる事」だと
教えられました。
ご先祖を敬い、感謝し、自身も成佛する事が臨終に際しての心がけです。
故に、お題目をお唱えし、魂を磨く事が大聖人のおっしゃる「臨終の事を習うて他事を習うべし」の本意だと考えてをります。