平成25年11月1日
妙心寺教会
老尼のお話の部屋
仏教とは(34) 葬儀の後で W

(1)納骨(埋葬)
納骨は、七七日忌(四十九日忌)に行われるのが一
般的です。
 四十九日忌までは「故人の魂は棟を離れない」と言
い伝えられ、この期間を「中有」と言い、生前は「生有」、
四十九日を過ぎると「死有」と言われています。その
ため、四十九日までに故人にお供えする金品には
「御霊前」と表書きし、その後は「御仏前」と表書きす
る風習があるのです。
 納骨については早めに菩提寺に連絡し、確認をとっ
て四十九日の法要を行います。葬儀の時に決めて
おく場合もあります。日時が決まったら、参席してい
ただく親族等に早めに連絡します。納骨時には埋葬
許可証が必要です。忘れないように気をつけましょう。
(3)位牌など
 四十九日忌を迎えるまでに「仮位牌」を「本位牌」に替えます。「本位牌」は仏具店等で購入しますが、文字入れ
などに時間がかかりますので早めに用意しましょう。
 その「本位牌」に、四十九日忌の法要の時に「魂入れ」をしていただきます。役目の済んだ「仮位牌」は、菩提寺
へ納めます。
 自宅に仏壇がある方は、他の位牌に倣って購入すればよいでしょう。位牌を安置する仏壇がある場合はそれで
良いのですが、新たに仏壇を購入した場合は住職に読経をお願いします。
 古くからの仏壇で位牌が多く安置できない場合や、新しく小型の仏壇を購入した場合には「繰り出し位牌」を用い
ることもあります。これらについても、住職に相談するとよいでしょう。
 仏壇には過去帳が供えられます。これも仏壇に過去帳が供えられている場合は、住職に願って書き入れていた
だきます。新たに過去帳を供える場合も、住職に相談して書いていただきます。この他にも仏壇に供えられる品が
ありますが、「何事も住職に相談なされることが大事」と考えます。

 
(2)墓
 菩提寺に墓がある場合は、石工に知らせて墓石に彫ってもらえばよいのです。
 新たに墓地を求める場合や、霊園を使う場合は、住職に相談することをお勧めします。
 墓石についても、新たに造る場合には四十九日に間に合わないこともありますので、何事も住職に相談したい
ものです。
 
(4)卒塔婆供養
  お釈迦様が御入滅の後、その御遺骨を八つの部族に分け、それぞれの部族が立派な塔を建てたことが卒塔
婆供養の原点です。
 その後「供養するための大切な仏事」として意義が深められて、現在のような板塔婆になり、故人の冥福を祈る
ために一般庶民も卒塔婆を建立できるようになりました。
 四十九日忌の法要で卒塔婆供養をしますが、この時に施主以外の方でも卒塔婆を建立する ことができます。
他にも卒塔婆を建立する方がいますから、前もって菩提寺に頼んでおく必要があります。依頼する方がある場合
は、施主が取りまとめてお願いするとよいでしょう。
 なお、浄土宗では卒塔婆の建立は行っていないようです。