平成25年7月1日
妙心寺教会
老尼のお話の部屋
仏教とは(30) 収骨、還骨(げんこつ)法要
 火葬が済むと係員が知らせます。一同で収骨の部屋に参ります。
(1)お骨上げ(収骨
 骨上げは、2人1組で行います。骨上げの台を挟み、それぞれの箸で一片の骨
を一緒に拾い上げ、落とさないように骨壷へ収めます。
 お骨は、足の方から体の上部に向かって拾い上げていくことが多いようです。
そうすると最後に頭蓋骨が収められます。また、「のど仏」も上に載せることが多
いようです。
 地方によって違う場合もありますので、係員の指示に従うのが良いでしょう。

(2)のど仏
 
男性の喉の一部が飛び出して見えるので、これを普通の「喉仏」と言いますが、これは遺骨の
「のど仏」とは違うもので、咽喉の一部が突起した軟骨です。
 骨上げの時に骨壷の一番上に載せれるのは、頸椎の上から二番目の骨です。
 この骨が「のど仏」と言われるのは、僧侶が座禅を組んだような形をしているからです。火葬し
た時に咽喉の辺りで見つけられるので、混同されているのです。

 骨上げが済むと、係員が骨壷の蓋をして骨箱に収め、白布に包んで渡してくれます。この間、
僧侶が参席してくださった場合には、読経しています。
 係員が「埋葬許可証」に証印して返してくれます。これは埋葬・納骨の際に必要ですから無く
さないように注意しましょう。「埋葬許可証」を骨箱に入れてくれる場合もあります。
 骨箱は、喪主が抱えて帰宅します。重たいので、喪主が小さい時は他の親族が代わります。

また、火葬場の帰り道は、来た道と違う道を通る習わしがある地方もあります。

(3)還骨(げんこつ)法要
 
火葬後の遺骨を迎える法要のことを言います。
還骨法要は、自宅で行う場合と出棺した斎場に戻って行う場合があります。
どちらの場合でも出棺後に「中陰壇」が用意できているのですから、そこへ
骨壷を安置し御経を読誦します。
 近頃は、その時に「初七日」の繰り上げ法要も行うようになりました。故人が
亡くなった日から数えて七日目に行う法事ですが、親族に集まってもらうのも
大変だと考え、このようなことになったのです。
 しかし、喪主・家族は七日毎の忌日には、せめて同座して線香をお供えし、
冥福をお祈りすべきです。七七日の供養については後述いたします。
(4)精進落とし(お斎)
 「還骨法要」と「繰り上げ初七日法要」が終わったら、参列者の方々とともに会食をします。
 これを一般には「精進落とし」と言います。しかし、本来この会食は七七日忌が済んだ時に使う言葉です
ので「お斎(おとき)」と言うこともあります。
 この席順で気をつける事は、僧侶を上座にし、次に「世話役代表」、「友人」、「知人」、「親族」という順に
して、遺族は末席に座ります。大勢の場合は席に名札を用意しておくと混乱を避けられます。
僧侶がこの席を辞退した場合には「膳部料」をお渡しします。
 「精進落とし」の挨拶ともてなしは、喪主が「お世話になった御礼」と「無事に故人を見送れたことへの感
謝」、そして「くつろいで食事をしていただきたいとの願い」を話すことを心がけます。
 その後は、故人の冥福を祈る「献杯」から始まりますが、地方によっての風習もありますのでそれに従う
と良いでしょう。