平成25年6月1日
仏教とは(29) 火葬
(1)火葬場
火葬場に着いたら「死体火葬許可書」を提出します。葬儀社の人がいる場合は、その手続きをしてくれます。
霊柩車から棺が降ろされ、火葬炉の前に安置されます。火葬場によっては、そこに
簡単な祭壇が用意されています。そして、火葬場の係員が灯明、位牌、遺影、花などを供えてくれます。
最後のお別れです。僧侶が同行している場合は読経してくださいますので、焼香や線香をお供えします。僧侶
がいない場合は係員の指示に従います。棺が火葬炉に入れられ点火されます。全員で合掌して見送りましょう。
火葬場によって違いますが、喪主のみが火葬炉の点火を見届けできる所もあります。
(2)控え室
係員が火葬が済むのを待つ控え室に案内しますので、指示に従って移動します。火葬に必要な時間は1時間
から1時間半ぐらいが普通です。この間を控え室で待機することになります。
僧侶が同行している場合は上座に案内し、喪主がお相手をします。この時に埋葬や忌日について相談すると
良いでしょう。
遺族は、同行された方々に軽食、茶菓、お酒などで接待します。接待の品は前日に隣組の方々や親族の方と
相談し、当日もお手伝い願うのが一般的なようです。また、火葬場の係の方の指示に従う事も大事です。
※「火葬場の控え室で食べ残したお菓子などは持ち帰らない」という風習があります。地方によっ て異なると思
いますが、その源は 「この不幸はこれで終わりにし、持ち帰らない」という心から 出来た風習だと思われます。
火葬が済むと、係員から連絡があります。「お骨上げ」をを行うのです。
火葬場に行く人は、遺族、親族、特に故人と親しかった人たちなどになります。
前日に行く人の打ち合わせをしてある場合が多いのですが、当日「火葬場まで
行きたい」と言う方が出る場合もありますので、席にゆとりを持つように考えま
しょう。
霊柩車を先頭にし、喪主や遺族が乗るお供の車が続き、その後にマイクロバス
が続くのが一般的なようです。火葬場へ行かれない方々は霊柩車を合掌して送り
ます。これを「門送り」と言います。
(3)中陰壇(後飾り)
自宅に位牌や遺骨を安置するために祭壇が必要になります。火葬が済むと、普通は七七日忌(四十九日忌)
まで壇を置き、供養するのです。
その準備のために遺族か親族の中で1人は自宅に残る必要があります。現在は葬儀社が手配をしてくれるの
でその指示に従い、遺骨の帰宅を待ちます。
近頃は「直葬」といって、火葬場から菩提寺へ行き、すぐに埋葬まで済ませる方法をとる方もいます。その場合
でも、家の中に中陰壇を設けることをお勧めします。七七日忌までの七日忌に当たる日には、せめてご家族が集
まり、できれば僧侶にお願いして回向供養をなさり、故人のご冥福を祈るべきだと考えております。