平成25年5月1日
妙心寺教会
老尼のお話の部屋
仏教とは(28) 告別式 出棺
【告別式】
 告別式とは、故人の親族・友人・知人などが故人と最後のお別れをする儀式を言います。参席者は改めて
個人と対面することにより、死を実感し、命を考えるという大切な儀式です。
 現在では、告別式と葬儀を続けて行うようになりました。そのため、告別式の前に決めておくことが沢山あ
ります。
 @祭壇・棺・供華・供物などA僧侶への布施・送迎B会葬の礼状C故人の写真D返礼品E飲食の接待
F受付の準備G喪主の挨拶H親戚の挨拶。
 その他細々とした用事を済ませなくてはなりません。現在では葬儀社との相談で大体が済みますが、僧侶
・親戚などと良く相談をして心残りのないようにしなくてはなりません。
 この日、喪主は多忙な一日となります。一日で告別式・火葬・葬儀・初七日の繰り上げ法要・精進落とし(お
とき)を行うのです。早目に準備を済ませて心を鎮め、告別式を迎える心を作りたいものです。
 法要の式次第については僧侶・葬儀社と良く相談し、教えに従う事によって無事に進行するよう注意しま
しょう。

【出棺】
 祭壇から棺を下し、棺の蓋を開きます。僧侶が立ち合う場合
は、お経を唱え 御遺体の周りに親族が立ちます。


《別れ花》
 御遺体を生花で飾り、お別れをします。配偶者や喪主・近親
者が行うのですが、現在では知人の方も参加する場合が多く
なってきました。
 この時、故人の愛用の品を棺に入れるのですが、金属製品
や合成樹脂製品を入れることができません。


《釘打ち》
 棺の蓋を閉じ、釘打ちをします。あらかじめ葬儀社の人が釘を
打っていてくれるので、釘の頭を故人との縁の深い人から順に
小石で軽く叩きます。最後は葬儀社の人が完全に打ち込んで
棺を封印します。

《霊柩車に運ぶ》
 棺を霊柩車に運びます。この棺を運ぶ人は身内の男性が6人位ですが、「身内は運ばない」という風習も
あります。
 喪主は位牌を持ち、遺族が遺影と骨箱を抱えて棺に付き添います。その他の品もありますので、あらかじ
め持つ人を決めておくとよいでしょう。
 遺族が並んで立ち、喪主や親族代表が会葬者に対して御礼の挨拶をします。
 @会葬へ参席した方への御礼
 A故人が生前お世話をいただいたことへの感謝
 B遺族に対して今後とも変わらぬ御厚情と御支援のお願い
などについて述べると良いでしょう。