平成25年4月1日
妙心寺教会
仏教とは(27) 戒名
老尼のお話の部屋
【戒名 (法名・法号)】
 戒名とは「仏教の信者が師と仰ぐ僧侶から戒律を受け、それを実行することを誓約した時(受戒)」に
師から授けられた名を言います。
 しかし、現在では「受戒」の有無にかかわらず、菩提寺の住職から死者に与えられた名を言います。
【逆修】
 死後の冥福を祈るために、生前にあらかじめ死後に修すべき仏事
を修することです。
 「死後、残された者に行ってもらう仏事よりも功徳が優れている」と
言われており、日本では古来その事例が多くあります。
 生前に戒名をいただき、その戒名を墓石に朱書きするのも、この意
が転じたものなのです。
 現在では、夫婦のどちらかに先立たれた者が菩提寺の住職から故
人と一緒に戒名を授けられる場合が多いようです。墓石の戒名が赤
く塗られているのは、この「逆修」をあらわしているのです。
 宗派によって異なりますが、戒名の上に「新帰元・空・妙法」等と書く風習も生まれました。これは「置字」
と言います

【戒名のいただき方】
 臨終後、菩提寺の住職にお葬式お願いする際にお頼みします。その時、故人と菩提寺との交際が薄い
場合は、生前の趣味などの故人のプロフィールを書面で差し上げると、それを参考にして下さいます。

【お布施】
 葬儀に際して、住職にお布施を差し上げます。
 釈尊や僧侶に対する感謝の心をこめて金品を差し上げるのですから、「戒名料」や「読経料」などと言った
り書いたりするのは失礼なのです。表書きは「お布施」と書くべきです。
 また、お布施については種々取沙汰されていますが、わからない場合は素直に住職にお話しすることです。
金額の目安がわからない場合は、お寺と交際のある親類に聞いたり、葬儀社と相談して決めるのが良いで
しょう。

《信士・信女・清信士・清信女》
一般の信者。
《居士・大姉・清居士・清大姉》
菩提寺や教団、社会に貢献した信者。
《童子・童女・清童子・清童女・善童子・善童女》
3〜15歳位までの子供。
《孩子・孩女》
2〜3歳位までの子供。
《嬰子・嬰女》
当歳の子供。
《水子》
死産・流産した子供。
 
【戒名の構成】
 昔、戒名は2文字でした。今のような形になったのは、仏教に帰依して自分の家や建て物を寺院にす
る人が現れてからです。戒名の上にその寺院の名前を入れ、「○○院の☆☆さん」という呼び方をした
のが、今日の「
院号」の始まりとされています。
 その後「
道号」と言って故人の生前の徳を表す文字が入るようになりました。そして「位号」も授かるよ
うになったのです。通常は以下の順番で並びます。


○○院(院号)→◆◆(道号)→●●(戒名)→☆☆霊位(位号)

 【院号】 本来は、寺院を寄進するほどの信心の篤い信者に贈られるものです。また、菩提寺や教団
、社会に貢献した信者に贈られます。

 【院殿号】 院号以上に貢献度の高い信者に贈られます。
       昔は公家、将軍、大名に限られていました。


 【位号】年齢や性別、信仰の篤さなどを表します。