(2)通夜法要
通夜とは、「葬儀に先立って遺族や親族・知人が故人と過ごす最後の夜の法要」のことを言います。
以前は夜を徹してお経をあげ、燈明や線香を絶やさずに遺体をお守りし、故人を慰めていました。
しかし現在では、日中の葬儀に出席できない方が通夜に参列するようになりました。そこで、午後6時から7
時に法要を行う「半通夜」が一般的になりました。そのため、この「半通夜」に参列する方が多くなっているので、
それも心得ておくとよいと思います。
通夜の法要には、菩提寺の住職をお迎えします。日程や時間等を確認し、法要の30分前位においでいただき
ます。住職の着替えの部屋を忘れずに用意します。
また、この時に法要の進行について相談することもできます。葬儀会場を使用する場合は、葬儀社の人も入れ
て相談しましょう。
(3)供花・花環・供物について
@供物帳には、贈り主の住所・氏名・品物名の記入をします。人に頼んでもよいです。
A供花などの並べ方は、「故人と関係の深い順に並べる」が基本ですが、贈って下さった方によって並べ方を
変える場合もあります。
B供物帳には必ず目を通しておき、失礼な事のないように気をつけましょう。
C通夜の席次は、遺族の喪主を中心にして祭壇に向かって左右に並ぶ場合が多いようです。しかし、地方の
風習がありますのでそれに従いましょう。
(4)通夜振る舞い
昔と違って、「通夜振る舞い」でゆっくりと飲み食いをする弔問客は減ってきています。また、焼香が終わると早
々に帰られる方も多くなってきています。そのため「通夜振る舞い」を行わないことも多くなりました。
その場合は、料理を振る舞う代わりに「祖供養の品」を持ち帰っていただきます。「お茶・お酒・折詰弁当」など
が一般的です。通夜と葬儀の両方に来て下さる方もあるので、重ならないように注意しましょう。
僧侶には「お膳部料」をお渡しします。
(5)通夜の後
通夜の後には、以下のような準備をしておきます。
@葬儀社と世話役の代表の方と、告別式についての確認をする。
A香典の引き取りと、供物帳に目を通しながら供物品の確認をする。
B弔電の読み上げの順番を決めておく。
C出棺時や精進落しの席での挨拶文を作成しておく。
平成25年3月1日
仏教とは(26) 葬儀V
【ご遺体が帰宅後にするべき事】
(1)死亡届を役所に提出する
病院で受け取った死亡診断書の左半分が「死亡届」になってい
ます。必要事項を書き込んで死亡診断書と一緒に提出します。死
亡診断書は他にも使用する場合があるので、数枚コピーをとって
おくと良いでしょう。
「死亡届」は、深夜でも役所で受け付けます。「七日以内」に提出
すればよいのですが、「死体火葬許可書」が必要です。
「死体火葬許可書」は、「死亡届」を役所に提出するときに別紙に
なっている「許可申請書」を提出すれば、その場で交付されます。
届け出は代理人でもかまいませんが、その場合は届け出人の印
鑑が必要です。
この「死体火葬許可書」は「埋葬許可書」となりますから、大切に
保管して下さい。
(1)納棺の儀
納棺については、いつ行うかという決まりは特にありません。
通常は「通夜法要」の前、遺族全員が揃った時に行います。必要な品は
葬儀社が用意してくれます。
普通は「編み笠・杖・経帷子・三角巾・手甲・脚絆・足袋・草鞋・頭陀袋・
数珠」です。これらは左右を逆につけますが、付け方については葬儀社に
聞けばよいでしょう。
ご遺体は、本来ならば経帷子に着替えるのですが、近頃は故人が生前に愛用していたものを着せ、その上
に経帷子を掛けるという方法が増えています。
また、故人が愛用していた品を棺に入れますが、金属・ガラス・プラスチックなど棺に入れられない物もありま
すので、葬儀社に確認した方がよいと思います。
【葬儀の準備】
現在では、葬儀社なしの葬儀は考えられません。
後で不満の残らないように「どのように葬儀を行いたいか」をよく考えて
葬儀社と打ち合わせをすることが大切です。
(2)金融機関への対応
金融機関へは、名義人の死亡を知った時点で預貯金口座の取引きを停止し、口座を凍結します。基本的に
は、遺産相続の手続きが完了するまで現金は引き出せなくなります。また、この口座から公共料金などの引き
落としもできなくなります。
しかし、多くの金融機関では、故人の入院費用やお葬式の費用などの急な支払いについては、現金の引き
出しに応じてくれます。
凍結後に現金を引き出すには各種の書類が必要になりますので、ある程度の金額を、あらかじめ口座から
引き出しておくことをお勧めします。