平成25年2月1日
仏教とは(25) 葬儀U
(1)御遺体を自宅に運ぶ
自宅への車を待つ間に、荷物の整理とともに大切な用事があります。それは「死亡診断書」を受け取ることです。
診断書をいただいてから退院の手続きをとり、支払いを済ませます。
医師や看護師にも挨拶をします。多忙な時は後に改めて訪問しましょう。
御遺体を病院から運ぶとき決めなくてはならないことは、次の二つです。
@どこに運ぶか
Aどの葬儀社に頼むか
病院の事情を考えれば、なるべく早く御遺体を運ぶようにしたいものです。
(3)枕飾り
故人の枕もとに「枕飾り」をします。これは故人の頭の上に置きたいのですが、部屋によっては出来ない場合もあ
りますが、弔問の方が礼拝しやすい位置に飾りましょう。
@飾りの台
適当な机や箱を準備し、白布をかけておきます。
A供え物
ア 花瓶。樒(しきみ)の一枝、または一輪の花。
イ 香炉(線香立て)。線香を一本立てます。夜通し絶やさないように注意します。
ウ 燭台。これも夜通し絶やさないように注意します。近頃はランプを使う方が増えています。
エ 枕団子。上新粉などで作った団子を白い皿に載せます。数は地方によって異なりますから風習にならいま
しょう。
オ 枕飯。故人の死後に炊いたご飯を、故人の使用していた茶碗に山盛りに盛り、中央に故人の使用していた
箸を一本に見えるように立てます。
カ 水・茶。故人の使用していた品を使います。
キ お鈴(りん)。弔問客が見え、お線香を供えて下さった時に鈴(りん)を鳴らします。
自宅で行う場合は仏壇の品を使う場合もありますが、葬儀社に頼むと小机や燭台・香炉・花瓶などは用意してく
れます。
(2)御遺体を安置する
@安置する場所
本来は自宅に安置するべきだと思いますが、住宅事情など
により直接葬儀社が斎場に運ぶ場合も多くなりました。
しかし、故人の心を思えば一度は自宅に安置することをお
勧めします。斎場に安置すると決めると、その葬儀社に葬儀
を委ねることになりますので、よく考えて下さい。
葬儀社が決まらない時は、家族や親族と相談することにし
て、まずは自宅までの搬送を頼むことにすると良いでしょう。
A安置する方法
病院から御遺体が自宅に着く間に、御遺体を安置する場
所を定めます。人手がない場合は 親族や勝手を知った方
などにお願いすると良いでしょう。
御遺体を安置する時は、次のようなことを考えておきます。
・仏間があればそこへ、ない場合はできるだけ落ちついた
部屋に置く。
・弔問客が見えた場合の動き方も考える。
・神棚や仏壇を閉じる。
【注意】
葬儀社が用意してくれた香炉には、灰が固くて線香が燃え切れずに残り、次の線香が立てられないことがありま
す。気をつけてチェックしましょう。私は、取り換えるための灰を持って行くようにしています。
仏壇の香炉も灰が固くなって線香が供えられないことがよくあります。時々灰をふるって柔らかくし、お供えでき
るように心掛けて下さい。
(4)枕経
御遺体が安置されたら菩提寺に連絡し、僧侶に来ていただいて読経をしていただきます。
故人の枕もとで読経するのは、故人の死後が安らからであるように祈るためです。遺族は僧侶の後に座る場合
が多いのですが、読経を聞くことによって遺族も心が落ち着くので、ぜひ行いたいものです。現在では通夜に合わ
せて行うことが多くなりましたが、故人の枕もとで読経できる日はこの日だけなのです。
御遺体が帰宅した時点で菩提寺に連絡することになりますが、日時や時間についての打ち合わせもありますの
で、なるべく早めに連絡をすることが大事です。
枕経の後で、僧侶と葬儀の打ち合わせを行い「戒名・法名」を依頼します。その間に葬儀社が手配をしてくれます。
隣組の方々とも連絡も忘れないようにしましょう。
「神棚封じ」と言って、神棚に半紙を貼ります。これは、神道では死を「穢れ」と考えているので、その「穢れ」が
神棚に入り込まないようにという考え方から行うものです。
また、仏壇の扉を閉めてしまうのは「故人が四十九日忌を迎えるまでは、故人の仏事に専念させてもらいたい」
という意味だとされています。
しかし、忌中であっても仏壇にお参りすることは大事ですので、扉を閉めなくても良いのだということも知っておく
べきです。
B北枕
昔から「御遺体は北枕」と言われています。これは「お釈迦様が御入滅の時に枕を北にした」と言われ、それに
ならっているのです。ですから「どうしても北枕でなくては」ということはありません。
C布団
なるべく、故人が常に使用していた敷き布団を使います。シーツは新しい白いものを使いましょう。掛け布団
は、「ドライアイス」を使う場合がありますので、厚めの物が良いでしょう。
布団の上に刃物を載せるのは「魔除け」のためとされています。