平成24年11月1日
仏教とは(22) 法事②
【水子供養】
様々な状態や経緯によって「水子霊」が生まれます。
人としての生命を持ちながら、この世に生まれることができなかった霊です。
この「水子霊」に対して、心得なければならない大事なことがあります。それは
「霊を慰め、心から謝る事」なのです。
早産した場合などは、母体を気遣うことはありますが「霊に謝る」ことなど考え
ないでしょう。しかし、霊にすれば「折角人としても生命を持ったのに」と悲しく思う
のです。
親はその霊に対して「今度は丈夫な体を持って生れて来てね」と共に悲しみ、慰
めて供養することが大事なのです。
「まだ子供は欲しくない」などの親の都合によって人の生命をなくすのは、殺人罪
と同じなのです。
【水子供養の御宝前】
世間では「水子の祟り」などと言う人がいます。そのように考えるのは、自分の罪悪感を「祟り」に転じているのです。
どんな立派な地蔵尊を造っても、心から懺悔しなければ霊は救われません。
僧侶やしかるべき方にお願いし、一緒に手を合わせ供養しなければ水子さんには通じないのです。そのような経験は限りなくあります。
要は「どこまで水子さんの立場になれるか」ということです。
そして「心から謝って下さい」と声を大にして申し上げたいのです。
【一周忌を過ぎてからの供養】
亡くなられてから初めての祥月命日(満1年)を一周忌と言います。
そして3年目が三回忌となります。一周忌の次の年です。ですから一周忌と三回忌は続けて
行います。
次は七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、四十三、四十七、
五十回忌とあります。
地方によっては、三十三回忌で年回供養会を終わるところもあります。
また、五十回忌は「遠忌」と言って、その後は50年毎に法事を行う場合もあります。
年回供養会は、一応は以上のように定められてはいますが、故人の祥月命日には年回会に
かかわらず、家族等が集まって墓参りをしたり、仏壇に手を合わせて故人の思い出話をしたり、
できることなら菩提寺へ
お参りしてお経をあげてもらうか、家においで願って御回向していただくことをお勧めいたします。
現在の「法事・年回」という供養の在り方は、インドや中国の風習をもとにして、日本の風土に合
わせて先祖から伝えられたものです。
ご先祖様からのこの伝統を、後世にも伝えていきたいものです。
私たちは先祖・故人に対して御供養することにより、今生きている自分を振り返り、先祖に対する
感謝の念を確認しているとも言えるでしょう。