平成24年7月1日
妙心寺教会
仏教とは(18) 僧侶の法具
老尼のお話の部屋
【中啓(ちゅうけい)】
  扇の一種。僧侶が仏前での威儀をただす法 
具です。たたんでも中ほどから先が啓いて(開 い
て)いる所から、中啓と名づけられました。
 他に桧扇(ひおうぎ)や雪洞(ぼんぼり)があります。
【払子(ほっす)】 
 導師が法会の時に使用します。白牛尾・白馬尾を束ねてあり、柄には装飾を
施さずに漆塗りと定められています。
 もともとは、インドにおいて蚊や蠅などの虫を払うためのものでした。鎌倉時
代に禅宗が使用するようになり、その後、各宗派においても、導師の威儀具と
して使用され、現在に至っています。
 また住職が後継者に払子を渡すことによって、その証としています。
【華籠(けこ)、衣裓(えこく)】
 「花皿」とも言い、僧侶が散華の華葩(け
は)を盛るための法具です。
衣裓(えこく)と呼ぶのは、諸天が天衣に花
を蔵して、それを空中から仏に散華したとい
う経文に 因んでいます。
【払子(ほっす)】
【柄香炉(えごうろ)】
  手炉(てろ)とも言い、手に持ちやすい形なの
でいつでも焼香が出来るという利点があります。
ガンダーラの彫刻の中に柄香炉を持つ仏 像が
あるので、古い時代から使用されていたようです。
【華籠(けこ)、衣裓(えこく)】
【散華(さんげ)・華葩(けは)】
 仏前に供養する紙の花びら。通常は蓮の花葩
(はなびら)を模った五色の紙を使います。これを
撒いて道場を荘厳し、諸仏諸尊来臨の座を設け
ます。
【香盒(こうごう)】
 香合(こうごう)、香函(こうばこ)とも言い、香を入
れておく容器のことです。木製、金属製、布製、
陶磁器製などがあります。
法具についてのお話は、今回で終わりです。なお、念珠については平成19年3月の「老尼のお話の部屋」を
御覧下さい。