平成24年6月1日
仏教とは(17) 鏧(きん・けい)
【鏧(きん)】
鏧子(けいす)とも言います。また「打ち鳴らし」や「金鋺(かなまり)」と呼ぶこともあります。
法要の終始、導師の礼盤の昇降、読経中など
に打ち、堂内の荘厳を保つとともに、式の進行の
合図に使われます。
鏧子の小型のものを「鈴(りん)」と称し、一般家
庭の仏壇に供えられます。
この「鈴」に柄のついたものを「引鏧(いんきん)」
と言い、僧侶の動作の合図に使います。
【引鏧】
【鏧】
【木魚(もくぎょ)、木鉦(もくしょう)】
どちらも読経・唱題の時、僧侶や大衆の拍子を合わ
せ、声を整えるために使用する法具です。
木魚を日本に伝えたのは、黄檗宗の隠元禅師と言
われています(1605年)。
現在の木魚の形は、「魚が化して龍になる」という古
説に因んで「精進して凡より聖に至る」ことを表すもの
だそうです。
また、魚は昼夜目を閉じないので「怠惰になることを
戒める」ためとも言われています。
木鉦は明治時代に日蓮宗で考案され、宗内で使わ
れていますが、「木鉦でなければいけない」という定め
はありません。木鉦を叩くものは「バイ」と言います。
【三方(さんぼう)】
もとは「神饌(しんせん:神の食事)」を供えるために用いら
れた器です。
高貴な人の膳部、あるいは儀式などにも用いられました。
その後仏教にも取り入れられ、仏前にお供えする「御供
物」をのせる「供台」として用いられています。
本来は白木が用いられていましたが、塗り物なども使われ
るようになりました。
このほかに、お供えに使う器としては「高坏(たかつき)」など
があります。
【鈸】
【鐃】
【木鉦】
【木魚】
【鐃(にょう)、鈸(はち)】
法要で用いる金属製の打楽器です。仏や菩薩
に音楽を供養するために使います。
鐃は銅鑼(どら)とも呼ばれます。鈸は洋楽器の
シンバルのようなものです。
鐃と鈸は別のものですが、関連して奏でるので、
鐃鈸(にょうはち)と併称されています。
【高坏】
【三方】