平成24年5月1日
仏教とは(16) 須弥壇
【須弥壇(しゅみだん)】
「須弥壇」は須弥山(しゅみせん)をかたどったものです。
寺院の本尊とすべき仏・菩薩像・曼陀羅等を安置する
ために設けられた内陣正面の高い壇を言います。宗派に
よって多少の違いはありますが、おおむね同じような形に
なっています。
「仏天蓋(ぶってんがい)」・「燈燭(とうしょく:燈は燈火・
灯明、燭は燭台)」・「香華(こうげ:香は香木、華は生花や
金属製の蓮華)」などで壇上を荘厳し、崇敬、供養の依り
どころであり、尊重の場所であります。
奈良時代まで仏堂は土間であったため、「須弥壇」は石
造りや漆喰づくりの素朴なものでしたが、平安時代になり
仏像が板敷きになったため、「須弥壇」は木造になり、次第
に豪華なものになって現在に至っています。石壇の代表的
なものには、薬師寺金堂内陣の白大理石の須弥壇があり
ます。
【須弥壇(久遠寺)】
【五具足②】
【五具足①】
【前机(まえづくえ)】
須弥壇の前には「前机」が置かれます。
「前机」には「五具足(ごぐそく)」を置きます。
「五具足」とは、中央に香炉、両脇に燭台と花
瓶を一対ずつ配した物を言い、仏前荘厳の代
表的なものです。家庭の仏壇では、燭台と花
瓶の数を減らして「三具足」とする場合もあり
ます。
【前机】
【須弥壇(知恩院)】