平成24年3月1日
仏教とは(14) 仏具・荘厳具
【天蓋(てんがい)】
本堂に入り、次に目に入るのは、天井か
ら下がっているきらきらと光ったものでは
ありませんか。これは、天蓋(てんがい)と
言い、寺院荘厳具の一つです。インドでは
日差しが強いので、それを避けるために、
貴人には傘をさしかける風習がありました。
その風習が寺院にも取り入れられたの
です。
この天蓋には2種類あります。諸仏菩
薩の上に飾られる品を「仏天蓋」と言い、導
師の上に飾られる品を「人天蓋」と言います。
法華経には、諸天・人
民が七宝の塔に天蓋を供
養したことが説かれてあ
り、また、供養することの
功徳が説かれてありま
す。
これによれば、法華
経以前から供養される
品の一つであることが
解ります。現在寺院に
飾られる天蓋は、壇信
徒からの寄進であり、
経に説かれた功徳を積
むために供養されたものです。
【天蓋と憧旛】
もともとは布で作られたものですが、日本に伝来されたときに木製や金属製となり、きらびやかな装飾が施され、形も方形・六角・八角・円・小判形などがあります。
【憧旛(どうばん)】
天蓋と同じような荘厳具に憧旛(どうばん)があります。現在、寺院では中央に天蓋、両脇に憧旛を飾ることが一般的になっています。もともとは、長い竿に様々な布を垂らした「はた」なのです。仏法において魔を降伏させたしるしで、仏や菩薩の力を示すものとされています。
【幡旛】
【憧旛】
【人天蓋】
【仏天蓋】