平成24年1月1日
仏教とは(12) 山門
新年を迎えました。皆さんは菩提寺様や御先祖様のお墓に御挨拶に行かれましたか。
また、本山には大勢の方々が、初詣をなされます。
今回は、寺院の前に建ててある「山門」・「三門」のお話です。
昔、寺院はその多くが山に建てられましたので、寺院の正面(本堂)に向かって建てられた門を「山門」と言い
ました。しかし、本来は「三門」と呼んだのです。
寺院の内苑(境内)を涅槃の境地と見立て、涅槃に入るための様々な迷いから解脱するための「境の場」として、
「三門」は造られたのです。
「三解脱門」と言われ、修行者はその門を通って、初めて寺院の中に入ることができるのです。また、門の両側
には寺を護る「金剛力士」を祀る寺も多く、「仁王門」とも呼ばれています。
「三解脱門」とは、次の三つの門です。
(1)空解脱門 :存在の空を観ずる事。
(2)無相解脱門 :空であるがゆえに、差別の姿のないことを観ずる事。
(3)無願解脱門 :無作無欲とも言い、無相である故に願求すべきこと無しと観ずる事。
現在では、寺によっては簡略化されている所も多いのですが、門の由来を知ると身も心も引き締まるような思い
がいたします。
永平寺では、新しく雲水(修行者)になろうとする入門者たちは、「三門」の前に立ち、上山(寺に入る事)の許可
を求めて声を枯らすのだそうです。入門を許されるまでに3時間以上かかることも多い、と言われています。
きっと、「頼もう」、「頼もう」と、許可が下りるまで何時間も叫び続けるのでしょうね。
立派な事だと思いませんか。
久遠寺三門と京都・知恩院の三門、京都・南禅寺の三門は「日本三大門」と呼ばれています。
新兵衛地蔵が祀られています
大仏で有名です
忍城の鬼門除けです
【清善寺三門】
【大長寺三門】
【遍照院三門】
【行田市の三門】
【南禅寺三門】
【知恩院三門】
【久遠寺三門】