仏教とは(1)
平成23年2月1日
仏教とは、インドにお生まれになったお釈迦様の教えに基づいて成立した宗教のことを言います。
キリスト教、イスラム教と並んで、「世界の三大宗教」の一つに数えられています。
お釈迦様は、正しくは「釈迦牟尼世尊」または「釈尊」、インドの言葉で「佛陀」とお呼びします。しかし、ここで
は親しみやすい言い方として、「お釈迦様」とお呼びします。
お釈迦様は、現代のネパールの南部、釈迦族の王、浄飯王(じょうぼんおう:スットウダナ)を父に、摩耶(マ
ーヤ)を母として、紀元前463年に、お生まれになりました。
お生まれになったとき、七歩歩いて、右手で天、左手で地を指し、
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)」と仰ったと伝えられています。
これは「天上から地の底まで、すべてのもの、生きとし生きるものにとどまらず、山川草木に至るまで、仏の命
を持っているので尊い」という意味だそうです。
お生まれになって7日目に、母摩耶夫人が亡くなり、その妹の摩訶波闍波堤(マハブラジャパティ)に育てられ
ました。17歳の時に耶輪陀羅姫(ヤショダラ姫)と結婚し、羅喉羅(ラーフラ)の父となりました。
《四門出遊》
ある時、東門から出ようとして、老人に会い「何人も老いから
は逃れられない」ことに、気づきました。そして南門では病人に、
西門では死者に会い、最後に北門で沙門(シャモン:出家修行者)
に会いました。そこで、「老病死をこえるには、この道しかない」
と、決意され出家なされました。
時に19歳と言われております。
【釈尊苦行像】
《釈尊成道の日》
12年もの苦行の歳月を経たある日、「肉体を苦しめることによってではなく、精神によって生老病死の苦から脱
することができる」と悟られ、尼連禅河(ネーランジャー河)で体を清められ、村娘の勧める乳粥をすすり、疲れを癒
しました。そして、近くの菩提樹の下で瞑想に入られ、1週間後の12月8日、明けの明星に照らされて、ついに悟
りを得られました。
時に30歳、お釈迦様はこの地に1カ月近くもおられ、悟りの内容を人々に説く決意をなさりました。まず、近くの
鹿野苑(ロクヤオン)で、かつて自分を守るために、一緒に苦行をした5人の比丘(ビク:男僧)に法を説かれました。
「比丘たちよ。もろもろの欲望に任せて、快楽の生活にふけってはならない。また、自らの肉体を苦しめることに、
夢中になってはならない。私は、この二つの極端を捨てて、中道・中庸を悟ったのである。」
この、お釈迦様の初めての説法を初転法輪(しょてんほうりん)といいます。
この日から、80歳でお亡くなりになるまで、説法の旅を続けられたのです。